運動後の睡眠効率が上がればよく眠れた?寝床の時間と眠った時間を分けて読む

運動した翌朝、睡眠効率の数字が上がると十分眠れた気になる。だが、寝床にいた時間、実際に眠った時間、寝つきや途中の目覚めは別々に読む必要がある。不眠の成人を対象にした統合研究と運動後の比較試験から、数字がそろわない理由と、睡眠を削らず運動を続けるための記録の見方を考える。

運動した翌朝、睡眠の画面には昨日よりよさそうな数字が並ぶ。それでも朝食の席であくびが出て、もう少し眠りたかったと感じる。数字と実感が食い違うと、どちらを信じればよいのか迷う。

運動と睡眠の研究では、睡眠効率、総睡眠時間、寝床にいる時間は別の項目として扱われる。実際、女性と男性の持久系競技者を対象に、運動とエネルギー利用条件を変えた試験では、睡眠時間と寝床の時間が延びても、睡眠効率には条件間の差がなかった。18〜39歳の女性の日常的な運動へ当てはめる際は、競技者の実験条件との違いを考える必要がある。効率だけから眠り全体の変化を判定するのは早い。[18]

「運動後の睡眠は何時間が正解か」という問いにも、効率の数字だけでは答えられない。不眠の成人を対象にした統合研究では運動による改善が報告されているが、変わった項目や測定方法は運動の種類によって異なる。18〜39歳の女性のうち、不眠のない人にも同じ改善が生じるかは別の問いである。まず見るべきなのは、何の数字が、誰に、どの条件で変わったかである。[3][17]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

睡眠効率と眠った長さを同じ欄に入れない

睡眠効率は眠りのまとまりを読むための指標として、総睡眠時間とは区別して見たい。総睡眠時間は実際に眠った長さ、寝床にいる時間は眠るために寝床で過ごした長さを指す。運動とエネルギーの利用条件を変えた試験は、これらを別々に測り、同じ方向に変わるとは限らないことを示した。[18]

日常の記録でも、布団に入った時刻と、眠り始めたと感じる時刻は違う。目を閉じてから明日の予定を考えていた時間まで、眠った時間に混ぜないようにする。寝床に入ってから起きるまでの流れを、生活の言葉で整理すればよい。睡眠日誌と客観的な測定を使い分けた統合研究でも、寝つき、途中で起きていた時間、総睡眠時間は別々に評価されている。[3]

寝つくまでの長さを睡眠潜時、眠り始めた後に起きていた時間を中途覚醒時間と呼ぶ。不眠の成人を対象にしたネットワークメタ分析では、ヨガの比較について、この両方と総睡眠時間、睡眠効率がそれぞれ報告された。ネットワークメタ分析は、複数の介入の比較をつないで検討する方法である。18〜39歳の女性へ読む際にも、不眠のある成人の結果として区別する。「睡眠が改善した」という見出しの中にも、違う変化が入っている。[3]

寝つきが楽になったことと、朝まで長く眠れたことは、本人にとっても違う体験だろう。前者を喜んでも、後者を確認しなくてよい理由にはならない。逆に、睡眠効率が動かなかったからといって、総睡眠時間の延長までなかったことにはできない。試験で見つかった変化を消さないためにも、指標の名前を残して読む必要がある。[3][18]

数字の横に短い言葉を添えると、後から振り返りやすい。「すぐ眠れた感じ」「途中で目が覚めた」「寝床では長く過ごした」などである。研究の評価項目に沿って分けるのであり、よい眠りを自己採点で競うためではない。総合点だけを残すと、どの部分に変化があったのかが見えにくくなる。[3][17]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

長く眠ったのに効率は変わらなかった試験

このずれが分かりやすいのが、持久系競技者を対象にした無作為化試験である。女性と男性を各10人、計20人集め、食事から入るエネルギーと運動で使うエネルギーを操作した。条件を経験する順番を無作為に割り当て、それぞれ24時間の条件を比べている。18〜39歳の女性の普段の運動と比べるには、持久系競技者という対象と短い実験期間の違いがある。[18]

研究の中心は、体が利用できるエネルギーが少ない状態を、食事の調整と運動のどちらで生じさせるかであった。運動を伴って利用可能なエネルギーが少なくなる条件では、運動をしない比較条件より総睡眠時間が53〜61分長くなった。同時に、一部の比較では寝床にいる時間も延びた。[18]

一方、睡眠効率は条件間で変わらなかった。差を検討した値はp=0.613で、睡眠時間が延びた結果と、効率に差がなかった結果が同じ研究の中にある。効率が上がらなければ運動後の眠りは変わっていない、という読み方は、この結果を取りこぼす。[18]

この試験を読む焦点は、睡眠時間と効率の変化がそろわなかった点にある。食事と運動で利用可能なエネルギーを変える実験条件と、生活の中で睡眠のための時間を確保する工夫は区別して考える。[18]

同じ試験では、食事によって利用可能なエネルギーを少なくした休息条件で、比較条件より寝つきが8分遅くなった。運動を伴う場合と食事で調整する場合で、睡眠の反応は異なった。エネルギーが少ないという共通の言葉だけで、生活への助言をまとめられない点にも注意したい。[18]

女性と男性を各10人比べた範囲では、反応の性差は認められなかった。また、長く眠った結果だけで回復が完了したとは判断できない。研究でも睡眠に加えて夜間の心拍や心拍変動を調べており、睡眠時間だけを回復の代役にはしていない。[18]

運動で改善した数字は、測り方まで読む

では、運動は睡眠に役立たないのか。不眠の成人1348人、22件の無作為化比較試験を集めた研究は、そうは示していない。ヨガ、太極拳、歩行やジョギングなどを含む介入を比較し、睡眠の複数の項目で改善を報告した。18〜39歳の女性全般へ読む際には、不眠の成人を対象とした推定として受け止める。項目ごとに根拠の確かさも違う。[3]

通常のケアや生活習慣の調整などの対照と比べると、ヨガでは睡眠日誌に基づく総睡眠時間が平均110.88分長くなった。95%信頼区間は58.66〜163.09分で、根拠の確実性は中等度と評価されている。統合した平均差に加えて、この信頼区間が推定の幅を示す。[3]

同じ比較で睡眠効率の平均差は15.59%と報告され、95%信頼区間は5.76〜25.42%であった。こちらの確実性は低い。総睡眠時間と睡眠効率がともに改善していても、推定への信頼の置き方まで同じにはできない。睡眠効率の差を、本人の睡眠時間が同じ割合で増えた意味に置き換えるのも避けたい。[3]

途中で起きていた時間は平均55.91分短く、寝つくまでの時間は平均29.27分短くなったが、これらも睡眠日誌に基づき、確実性は低いとされた。起きていたつらさを本人がどう記録するかと、機器が眠りをどう捉えるかは、測定の入り口が異なる。日誌の改善はそのまま受け止めつつ、脳波検査で同じ差が出たと言い換えないことが大切だ。[3]

また、この統合研究では、バイアスのリスクが低い試験は4件で、15件には懸念があり、3件は高いと判定された。バイアスとは、比較の仕方などによって結果が偏る可能性を指す。大きな改善量が目に入っても、数字の大きさと研究の確かさを別々に読む理由がここにある。[3]

同じ統合研究の太極拳の結果を見ると、測定方法を残す意味がさらに明確になる。睡眠日誌による総睡眠時間の平均差は52.07分、95%信頼区間は25.53〜78.61分であった。一方、睡眠ポリグラフ検査や活動量に基づく測定をまとめた客観的な総睡眠時間の平均差は24.09分、95%信頼区間は4.66〜43.52分である。どちらも根拠の確実性は低いと評価された。[3]

この差を、本人の記録が間違っている証拠と受け取る必要はない。同じ人の記録と検査を照合して誤差を決めた数字として読むのも適切ではない。異なる測定方法でまとめた比較には、それぞれの推定があるということである。日誌の延長分だけを見て、客観的な測定でも同じだけ長くなったと説明するのは避けたい。[3]

太極拳の睡眠日誌では、中途覚醒時間は平均36.11分、寝つくまでの時間は平均24.76分短くなった。いずれも確実性は低い。総睡眠時間が延びたという説明に、寝つきや途中の目覚めの変化を添えると、改善の中身が見えてくる。体を動かした後の眠りを読む際も、「よくなった」の一言を、研究で評価した具体的な項目へ戻す姿勢を持ちたい。[3]

数字で読む運動後の睡眠

不眠の成人1348人・22試験:複数の運動と睡眠指標を比較した統合研究である。[3]

総睡眠時間の平均差110.88分:ヨガと能動的な対照との比較で、睡眠日誌による値である。[3]

睡眠効率の平均差15.59%:同じヨガの比較でも、根拠の確実性は低いとされた。[3]

総睡眠時間が53〜61分延長:競技者のエネルギー条件を操作した試験で、効率には差がなかった。[18]

健康な男性12人:運動後の着圧衣類の比較では、睡眠時間と睡眠効率に有意な影響がなかった。[5]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約