間食を抜くとその分だけ痩せる?次の食事で食べ戻す量と一日の収支を研究で読む

間食を抜けば、そのエネルギー分だけ体重が減るのか。昼食前のチーズやアーモンドを使った試験から、次の食事で起こるエネルギー補償と一日の摂取量を読む。間食を加える研究と抜く工夫の違い、短期の満腹感と長期の体重の違いを整理し、夕方から夕食までの過ごし方を考える。

午後のおやつの袋を開けずに、夕食を待った。ところが、ご飯をよそう手はいつもより大盛りに向かう。買わなかった分は、そのまま一日の食事から消えたのだろうか。

間食を抜いた分だけで一日の摂取量は決まらない。その後の食事も計算に入る。昼食前にチーズを食べた女性の試験では、その後の食事量が減り、一日の中で間食のエネルギーが調整されていた。[1]

ただし、間食を加えたときの調整を、そのまま「抜いたらどれだけ痩せるか」の計算には使えない。見るべきなのは、食べなかった袋の表示だけでなく、その後に食べたものを含む一日の摂取量である。間食を加えても体重が増えなかった試験は、抜くことによる一定の減量を保証する試験ではない。[1][6]

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間食を抜く前に、足し算の相手を確かめる

この問いでいうエネルギー補償とは、間食で摂ったエネルギーに対して、その後の食事の摂取量が減る調整を指す。チーズの試験は、間食そのもののエネルギーと、続く昼食、さらに一日の摂取量を分けて評価した。間食だけを見れば追加でも、その後を含めると追加分が残らない場合がある。[1]

昼食の直前に何か食べた場合と、夕食まで長い午後に食べた場合を、同じ「間食あり」で片づけないことが大切だ。チーズの試験で設定されたのは昼食の1時間前である。この時間条件を外して、夜の菓子にも朝の補食にも同じ補償率を当てはめることはできない。[1]

日常で間食をやめた結果を考えるときは、まず比較する食事の範囲をそろえたい。おやつを食べた日はおやつまで、食べなかった日は夕食までを見るのでは、答えがずれる。これは食事の良し悪しを採点する話ではなく、研究と同じく、追加したものと後から変わったものを一緒に扱うための整理だ。[1]

たとえば帰宅途中の菓子をやめて、夕食の量も普段どおりだった日と、夕食後にもつまんだ日は別々に振り返る。後者を意志の弱さと呼ぶ必要はない。調整がどこで起きたかを確かめる場面である。研究でも、食べる頻度が増えたことと、エネルギー摂取量が増えたことは一致しなかった。[6]

既存記事「間食は運動で使った分だけ増える?ご褒美の意識と実際の補食量を研究で読む」には、運動後のご褒美という問いを譲る。ここでは運動で消費した量を計算せず、間食をなくした後の食事まで見ることに絞る。

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昼食前のチーズは、そのまま上乗せにならなかった

無作為化比較試験に参加したのは、健康で喫煙しない、標準体重の女性27人、年齢は18〜60歳である。用いたチーズの間食は、たんぱく質22g、エネルギー836kJだった。乳たんぱく質の構成が異なる間食を、繰り返し昼食の1時間前に食べる条件で調べた。対象の年齢幅は広く、18〜39歳の女性だけの補償率として使うことはできない。[1]

カゼインだけの間食と、カゼインとホエイを混ぜた間食を比べている。昼食でのエネルギー補償率は、混合した条件で83.1%、カゼインだけの条件で67.0%だった。つまり、この昼食では間食のエネルギーのかなりの部分に相当する摂取量の減少が起きた一方、昼食だけでは全量に届いていなかった。[1]

一日の摂取量に範囲を広げると、補償率は混合した条件で121.6%、カゼインだけで142.1%となった。平均値では間食のエネルギーを上回る調整が観察されたことになる。昼食の皿だけで判定した場合と、一日を通して判定した場合とでは、見える結果が違う。[1]

ここで数字の細かさに引っ張られないようにしたい。一日の補償率の平均の標準誤差は、それぞれ36.5と29.7ポイントであった。標準誤差とは平均値の推定に伴う不確かさを表す指標で、全員が平均どおりに調整したことを意味しない。自分の夕食から同じ割合を引くための数字ではない。[1]

この試験が教えるのは、間食が必ず余剰になるという見方の狭さだ。研究者は、その後の食事でエネルギーが調整されることから、この条件で繰り返す間食が過体重を促すとは考えにくいとした。ただし、その日の摂取量を測る結果と、長期の体重変化の実測とは区別して読む必要がある。[1]

また、たんぱく質を含むチーズという食品条件も外せない。ここからすべての菓子に同じ結果を広げたり、間食さえ加えれば自然に食事が減ると期待したりするのは飛躍である。この研究の強みは、誰に、何を、いつ食べてもらったかが具体的な点にある。[1]

補償率の分母は、間食として加えたエネルギーである。昼食で食べる量が少し減ったという話を、昼食そのもののエネルギーが同じ割合で減った話と取り違えないようにしたい。たとえば昼食での83.1%という値は、普段の昼食の大部分を残したという意味ではない。追加された間食に対して、昼食でどれだけ調整されたかを表している。[1]

同じ理由で、一日の補償率が100%を超えたことを、食べたものが消えたという説明にはできない。比較した条件の間で、一日の食事から摂ったエネルギーに差があったという結果である。これは消費量を直接表す数字でも、体脂肪が減った割合でもない。おやつの帳尻を読む数字と、体重の変化を読む数字では、単位からして役割が違う。[1]

昼食だけの補償率と一日の補償率を分けたことには、実生活でも意味がある。昼食が少なかった日でも、それだけでその日の食事が少なく済んだと判定せず、以後の食事まで見る。反対に、昼食では調整が小さく見えても、そこで観察を終えれば、その後に起きた調整を取りこぼす。試験が測定の範囲を広げた理由を、記録の終わり方にも生かせる。[1]

回数が増えても、体重が増えない試験がある

より長い期間の例として、健康な男性45人を対象とした対照付き臨床試験がある。対象は25〜50歳、体格指数を表すBMIが25〜35の男性で、対照群、シリアルバー群、アーモンド群に分け、間食を取り入れる条件を12週間調べた。食事内容は、重量を量らない食事日誌で評価している。男性を対象とするため、18〜39歳の女性に同じ調整が起きるかは、この結果から判断できない。[6]

アーモンド群の食べる頻度は、対照群とシリアルバー群より高かった。しかし、エネルギー摂取量、体重、体脂肪率の増加にはつながらなかった。また、アーモンドまたはシリアルバーを間食にする助言によって、体重増加は起きなかった。著者らは、この結果からエネルギー補償が生じた可能性を示した。[6]

ここは「食べる機会が多いほど必ず太る」という単純な予想と食い違う。回数を数えることと、その機会を合わせた量を見ることは別の作業だ。間食をなくした印だけを日記に並べても、一日全体で変わったものまでは分からない。食事日誌で摂取量も追ったこの試験は、その区別を考える手がかりになる。[6]

一方、この結果を女性のすべての生活に当てはめることもできない。昼食前のチーズの試験とは性別も体格も期間も違う。共通するのは、間食の追加分を後の食事で調整した例がある点だ。調整率は各試験の条件と一緒に読む。[1][6]

買い物の回数を減らす、職場のおやつを持ち帰る、といった工夫を試すとしても、成功の条件を「食べる機会が消えた」だけに置かない方がよい。食事がどう変わったかまで確認して初めて、今回の問いである摂取量の変化に近づく。回数だけで結論を出せないことは、間食を加える試験でも、行動を変える試験でも重要な区別である。[6][8]

男性の試験では、食事日誌に加えて、空腹感の評価や身体計測も行われた。食事の日誌だけなら食べた内容、身体計測だけなら体の変化を見ることになるが、それらを合わせることで、間食の追加がどの指標に結びついたかを検討できる。食べた回数が増えたという結果だけを見出しにすると、この試験の大事な部分が抜け落ちる。[6]

ただし、体重増加が見られなかったことは、体重を減らす効果が証明されたこととは違う。変わらない結果にも価値はある。間食を全面的に悪者にする根拠にはならないと分かるからだ。抜いた方がよいか、残した方がよいかを自分の生活で考える際にも、増量しなかった試験を減量の約束へ言い換えずに持っておきたい。[6]

数字で読む間食とエネルギー補償

27人:昼食前のチーズを検討した、標準体重の女性の人数である。[1]

836kJ:チーズの間食のエネルギーで、たんぱく質は22gだった。[1]

67.0〜83.1%:チーズの種類によって異なった、昼食での平均の補償率である。[1]

121.6〜142.1%:同じ試験で、一日の摂取量から評価した平均の補償率である。[1]

12週間:男性のアーモンドやシリアルバーの試験で、体重増加が起きなかった観察期間である。[6]

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