運動習慣のアプリは競争すると続く?ランキング参加と数か月後の歩数を読む

運動習慣のアプリでランキングに入れば、歩く生活は続くのか。成人を対象とした無作為化試験や利用データの研究から、アプリを使った日数と歩数の違い、競争相手の組み方、数か月の効果を読む。順位だけで自分を採点せず、生活に合う競争機能を選び直すための見方を整理する。

夕食の片付けを終えると、歩数アプリから友人に追い越された通知が届いた。あと少し歩けば抜き返せそうで、散歩に出るか迷う。結局、順位を何度も確かめたまま夜が終わった。画面を見る熱心さと、歩く生活は同じなのだろうか。

競争機能が運動の後押しになる可能性はある。ただし、ゲーム要素のあるアプリで利用日数が増えても、歩数目標を達成した日数には差がなかった無作為化試験がある。一方、相手を組み替える競争と日々の課題を組み合わせ、半年の歩数増加を示した試験もある。答えは「競えば続く」よりも、「何を続いたと数え、どんな競争に参加するかで違う」に近い。[3][13]

ここで考えるのは、人気アプリの順位ではなく、アプリ内の順位との付き合い方だ。画面の相手とその場で頑張れる時間の話は、既存記事「ボクササイズは画面の相手で運動が続く?比較する相手と頑張れる時間を読む」に譲る。こちらでは、日々の歩数と数か月の継続を見ていく。

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アプリが続くことと、運動が続くことは違う

ゲーミフィケーションとは、運動などの活動に順位、得点、達成状況といったゲームの要素を取り入れる工夫である。成人を対象とした試験では、ランキングや自分の状態を示す機能が使われた。社会的比較とは、ここでは他の参加者の実績と自分の実績を見比べることだ。歩数を記録する機能に、この比較の仕組みが加わる。[3]

平均年齢42.1歳、女性が74%の地域在住成人を扱った研究では、無作為化比較試験のうち、ゲーム要素のあるアプリの134人と、ないアプリの155人を分析した。身体活動は開始時と9か月後に、質問票と加速度計で調べた。加速度計は、体の動きから活動を捉える機器である。アプリの使い方はサーバーの記録で確かめた。女性が多い集団でも平均年齢は読者層より高く、18〜39歳の女性に同じ利用日数の差が出るかは別に検討する必要がある。[3]

ゲーム要素ありの群で歩数を記録した日数は平均113日、なしの群では81日だった。ところが、研究で目標達成と定めた1日10,000歩以上の日数には、群間の差がなかった。アプリが長く使われたという結果は、そのまま毎日の目標を達成しやすくなったという結果にはならない。この10,000歩は研究の判定条件であり、読者全員の必須目標として読む数字ではない。[3]

記録日数のばらつきも大きく、標準偏差はゲーム要素ありで88日、なしで54日だった。標準偏差は、参加者ごとの値の散らばりを示す。同じ機能を渡しても、平均に近い使い方をする人ばかりではない。平均113日という数字を、自分にもその日数だけ続く約束のように受け取ることはできない。[3]

よく使われた機能はランキングと、自分の状態を示す表示だった。ゲーム機能の利用は身体活動の増加とも関連していた。ただし、ゲーム機能をよく使った人ほど活動が増えたという関連と、その機能だけで活動が増えたという因果関係は分けたい。アプリ全体を割り付けた試験の中でも、どの機能を何度使うかまで同じ条件にした比較ではない。[3]

たとえば帰宅後に記録を開く生活が定着していても、通勤経路や休日の過ごし方は変わっていないかもしれない。そこで確認したいのは、画面を開いた回数より、自分がどこを歩いたかである。「記録を続ける」という成果と、「活動を増やす」という成果を別々に置けば、アプリへの熱心さだけで運動を評価せずに済む。[3]

この区別は、途中で使わなくなったときにも役立つ。通知を見なくなったことと、歩く機会がなくなったことは別の問いだ。研究で利用日数と目標達成日数が異なる結果になった以上、生活を振り返るときも、記録、目標、実際の活動を混ぜない方がよい。ランキングを毎晩見たという記憶だけでは、運動の変化は判定できない。[3]

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半年の歩数を増やしたのは、順位だけではなかった

より長い期間の歩数を調べた無作為化試験には、肥満または糖尿病前段階の人を対象とした研究がある。活動量計だけを使う群と、活動量計に歩行ゲームを加えた群を比べ、分析に含まれた人数はそれぞれ192人と196人だった。競争は6か月にわたり、毎週の仮想レースとして行われた。肥満や糖尿病リスクを条件とした対象なので、18〜39歳の女性全般に同じ歩数増加を当てはめることはできない。[13]

仕組みの特徴は、相手が固定されていないことだ。参加者は前の週に歩いた歩数が近い他の9人と組まれた。記録された歩数によって仮想の道を進み、日々の歩行課題がメッセージで届いた。メッセージからレースの地図や順位にも移れた。単に大きなランキングを置いて、あとは各自で頑張る構成ではなかった。[13]

開始初日には、ゲームを加えた群は対照群より約1,700歩多く歩いた。さらに研究者は、6か月の介入期間を通じて、追加の歩数が1日当たり少なくとも1,000歩である確率を97%と推定した。これはベイズ統計による推定で、得られたデータとモデルから効果の大きさを確率として表すものだ。参加者の97%が毎日その歩数を増やした、という意味ではない。[13]

初日の差だけを見れば、新しい遊びへの反応とも考えたくなる。しかし、この試験が追ったのは導入した日の盛り上がりだけではない。半年の介入期間を分析した点が、この問いに対して大切である。同時に、半年間の支援がある状態で歩数が増えたことと、支援を外してもその後ずっと続くことは、別の成果として扱う必要がある。[13]

この研究が評価したのは、ランキングを含む歩行支援全体の効果だ。似た歩数の相手との組み合わせ、毎週のレース、日々の課題、地図の表示が一緒に働く仕組みを比べた試験だからだ。評価された単位は、順位表だけではなく支援の組み合わせである。読者が選ぶときも、競争機能の有無だけでなく、その周りに何があるかを見たい。[13]

また、対象は肥満または糖尿病前段階の人である。健康な若い女性や、すでに通勤でよく歩く人が、同じ幅だけ歩数を増やせると見積もる根拠にはならない。試験の成果を生活のヒントにするなら、「半年でこれだけ増やす」というノルマより、「自分の実績に近い相手に更新されるか」という設計に目を向ける方が筋が通る。[13]

もともとの活動量で、競争参加後の変化は違う

活動量計の利用者データを用いた研究は、平均値の裏にある違いを示している。対象は活動量計の利用者であり、18〜39歳の女性だけの結果としては読めない。ランキング参加と関連する変化は全体で1日370歩、3.5%の増加と推定された。しかし、もともと活動量が高かった人では、参加後の歩数が1日630歩、5%少なくなった。一方、もともと座りがちだった人では1日1,300歩、15%の増加だった。[7]

これは無作為にランキング参加を割り付けた試験としてではなく、利用データの分析として読む必要がある。それでも、「すでによく歩く人だけが得をする」「歩かない人は順位で負けるから無意味」という単純な見方に、別の可能性を提示している。平均370歩という数字だけでは、どちらの参加者の変化も見えてこない。[7]

座りがちだった人では、小さいランキングでも、首位にならなくても歩数増加が見られた。一方、活動量が高かった人は、小さいランキングでは歩数が減り、大きいランキングで上位に位置するときに利益が見られた。競争人数と自分の位置によって、同じ順位表示でも関連する変化が異なっていた。[7]

ここから、下位だから失敗、上位だから成功、と機械的には判断できない。以前より歩ける日が増えても、周囲がさらに多く歩けば順位は下がる。逆に、上位にいても自分の歩数が減っている場合はありうる。順位は集団の中の位置を表す数字で、自分の生活の変化を直接表す数字ではない。研究でも、首位になることは歩数増加の必須条件ではなかった。[7]

数字で読む競争型アプリの継続

9か月後まで身体活動を評価した成人の試験:アプリ利用は平均113日対81日、目標達成日数には差がなかった。[3]

6か月の歩行ゲーム試験:分析対象は活動量計のみ192人、ゲームを加えた群196人だった。[13]

毎週の対戦相手は他の9人:前週の歩数が近い人同士で組み替えた。[13]

介入期間中に1日少なくとも1,000歩増える確率は97%:個人の達成人数の割合ではなく、モデルによる効果の推定だ。[13]

利用データでの全体の推定は1日370歩増:開始前の活動量によって、増減の方向も異なった。[7]

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