ヨガの瞑想は雑念を追い払うべき?考えを止める努力と受け入れる態度を読む

ヨガの瞑想で仕事や明日の予定が浮かぶと、集中できない自分を責めてしまう。雑念を消す努力と、考えがあるまま受け入れる態度は何が違うのか。思考抑制の総説や不眠に関する研究から、思考の抑制と苦痛の変化を読み、初心者が練習の目標を置き直す手がかりと、結果を広げすぎない読み方を考える。

目を閉じると、さっきまでのポーズより明日の会議が鮮明になる。追い払うと、今度は「また考えてしまった」が始まる。ヨガの動きは終わったのに、頭の中だけ反省会の延長戦である。

雑念を追い払うことを、瞑想の合格条件に置く必要はない。研究で扱われるマインドフルネスは、現在の経験に、受容と開かれた態度で気づくあり方である。考えの存在を採点するより、どんな態度でそれに接するかが論点になる。[9]

ただし、「受け入れればすぐ静かになる」という約束でもない。思考抑制を扱う総説には、考えを押し込める代わりに、その存在を認める方法が整理されている。不眠の介入試験でも、頭の空白ではなく思考の抑制や睡眠の訴えが測られた。考えが消えたかと、その考えに苦しめられたかを、別々に読むところから始めたい。[1][11]

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雑念を消すことと、雑念に気づくことは違う

思考の抑制とは、特定の考えを避けようとすることだ。マインドフルネスの研究では、考えや感情、感覚といった内的な経験を変えたり、避けたりする試みと、経験に受容的に気づく態度が区別されている。頭に浮かんだ内容だけでなく、それにどう関わろうとしたかを見るための区別である。[9]

たとえば、明日の会議が浮かんだ場面を考える。「この考えは邪魔だから、絶対に出てこないようにする」と構えるのが、ここでいう抑制に近い。一方、「会議のことを考えている」と気づき、その存在だけで練習全体を失敗にしない、という置き方もある。後者は、受容と開かれた気づきという研究上の説明を、練習の場面に置き換えた例だ。[9]

会議の準備をやめる必要はない。ここで扱う受容は、外の仕事の良し悪しを判断しないことではなく、今ある内的な経験への態度である。「考えがある」と認めることと、「考えた通りに行動するべきだ」と決めることは分けておきたい。現実の問題への対応と、座っている最中の心の採点を、同じ議題に載せなくてよい。[9]

心理学入門を学ぶ学生378人の質問紙研究では、マインドフルネスの中でも、経験を判断しない側面が、心的外傷後ストレス障害に関わる回避症状の個人差の一部を説明した。非判断とは、この文脈では経験に良し悪しの判定を加えない態度を指す。ただし、これは学生の自己報告による関連であり、その態度を身につければ症状が治ると示した試験ではない。18〜39歳の女性に同じ関連があるかも、この学生集団の結果だけでは判断できない。[9]

この区別をヨガに持ち込むなら、練習後の問いも変わる。「何も考えなかったか」だけでなく、「考えに気づいたとき、自分を責めるところまで進んだか」を振り返る、という使い方である。学生の研究は瞑想の合格基準を作ったものではないが、注意の向け先と、それに添える態度を別に考える手がかりにはなる。[9]

近い題材の「ヨガの瞑想で気持ちに名前をつける?初心者が知りたい感情と言葉の働きを読む」には、感情を言葉にする問いを譲る。この記事が追うのは、うまい名前が見つかったかではなく、浮かんだ経験を追放しようとしているか、そこに居場所を認めているかという違いだ。

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考えを止める努力そのものを、総説は問い直す

思考の抑制を扱った総説には、白いクマを考えないようにしながら声に出して考えると、それでもクマに言及してしまうという例が登場する。ヨガの姿勢を保つ課題とは違い、避けたい内容を頭から除こうとする課題だ。「考えない」と指示すること自体に難しさがある、という入口になる。[11]

この総説は、若い女性のヨガ初心者に瞑想を教えた単独の試験ではなく、望まない考えに対処する複数の方法や治療を論じたものだ。18〜39歳の女性がヨガの終了時に座る場面へ、そのまま効果を当てはめることはできない。ここで借りるのは、特定の方法の成功率ではなく、考えへの向き合い方を比較する視点である。[11]

取り上げられる方法には、対象を決めて注意をそらすこと、考えるのを後に回すこと、受容と行動への取り組み、瞑想、呼吸への注意、書くことなどがある。総説はこれらを可能性のある方法として整理している。受容だけを唯一の解決策として並べた一覧ではなく、抑え込む以外の接し方を検討するための議論だ。[11]

その中には、望まない考えを抑えるより、むしろその考えについて考え、受け入れる要素を持つ方法が含まれる。「考えをなくしたい」という目的に向けて、考えの存在を認める道も検討されている。このずれは、瞑想中に雑念を見つけるたびに追放しようとしている人には、目標を見直す手がかりになる。[11]

たとえば、買い物の予定が浮かんだら、それを消す命令を何度も出す代わりに、「今は予定を考えている」と捉える。これは研究で検証されたヨガの手順をそのまま再現する説明ではなく、受容という論点を練習場面に移した例である。予定を思い出したことと、練習を失敗と決めることの間に、間を置くための考え方だ。[9][11]

また、総説が複数の方法を並べている以上、受容がうまくできたかだけを新しい採点項目にする必要もない。呼吸に注意を向けることと、考えを敵として追い払うことは、練習する本人の中で区別できる。「まだ考えがある」という観察を残しながら、今何に注意を向けたいかを選ぶ場面として捉えたい。[9][11]

ただし、この総説だけで、抑えようとした考えが必ず増えるとか、受容すれば必ず減るという法則は作れない。方法の候補を知る段階と、対象や条件をそろえて効果を確かめる段階には距離がある。次に読む不眠や抑うつ症状の試験は、その距離を具体的な対象と測定値から見るためのものだ。[1][3][11]

不眠の試験が測ったのは、頭の空白ではない

不眠に関する訴えを持つ成人86人を、自己学習型のオンライン介入群43人と待機群43人に分けた無作為化比較試験では、受容と行動への取り組みを含む心理療法が調べられた。この方法は、アクセプタンス&コミットメント・セラピーと呼ばれ、研究ではACTと略される。不眠を訴える成人の結果であり、18〜39歳の女性一般に同じ変化が起こるかは別に確かめる必要がある。[1]

この試験の分析では、介入によって思考の抑制と抑うつ症状が減り、それぞれの変化を介して主観的な睡眠の訴えが減るという、統計上の間接効果が認められた。日中の眠気、不適切な信念、マインドフルネスなども検討されたが、ほかのモデルでは有意な媒介効果は得られなかった。[1]

媒介とは、介入と結果の間にどんな変化が関わるかを調べる考え方である。この研究なら、オンライン介入を受けたことと睡眠の訴えの変化の間を、思考の抑制の変化などがつないでいるかを分析した。結果は手がかりになるが、「抑制だけを減らせば、誰でも眠れる」という処方にはならない。[1]

主観的な睡眠の訴えを測ったことも大切だ。これは、瞑想中に考えが完全に消えた証明ではない。寝床で浮かぶ予定や心配を一掃することと、睡眠をどう経験し訴えるかは、同じ測定対象ではない。研究の成果を読むときは、改善という言葉のあとに、何の改善なのかを補う必要がある。[1]

別の無作為化比較試験では、抑うつ症状のある39人に、課題とオンラインのフィードバック、メールのリマインダーを含む7週間のACT介入が調べられた。抑うつ症状のある人が対象で、18〜39歳の女性の通常のヨガ練習へ結果をそのまま移すことはできない。待機群との比較で、抑うつ症状、マインドフルネスの技能、自動的に浮かぶ考えの頻度、思考の抑制などに介入群を支持する結果があった。[3]

思考の抑制について報告された群間の効果量はg=0.53、抑うつ症状ではg=0.83だった。効果量は、尺度の単位が違っても群の差を比較しやすくする値で、雑念が半分になったという意味ではない。この試験で示されたのは、支援を伴う継続的なプログラムの結果である。[3]

その介入群では12か月後にも効果が維持されたと報告された。ただし、その時点の報告は介入群内での変化であり、最初の待機群との比較と同じ意味に読んではいけない。練習がその後にも関わりうるという見通しと、長期にわたる比較の確かさは分けて持つ必要がある。[3]

夜のスマホを置いて座る人に引きつけるなら、「今日も考えが浮かんだ」という事実だけで、こうした研究の結果を否定する必要はない。一方、考えを追わずにいられた晩があっても、不眠の治療が済んだという判断には使えない。睡眠の問題が続いて生活に支障がある場合は、ヨガの出来を採点するより医師に相談する場面である。

数字で読む思考の抑制と受容

7週間:抑うつ症状のある39人のオンラインACT試験で用いられた介入期間である。[3]

12か月後:同じ試験の介入群で効果の維持を調べた時点で、待機群との長期比較ではない。[3]

86人:オンラインACTと主観的な睡眠の訴えを調べた無作為化比較試験の対象成人である。[1]

g=0.53:抑うつ症状のある人へのオンラインACT試験で、思考の抑制について示された群間の効果量だ。[3]

40人:心配の強い成人が受容、注意集中型の瞑想、思考の抑制を試した概念実証研究の人数である。[4]

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