朝の運動か夜の運動か、ダイエットに効く時間帯はあるのかを比較試験で読む

朝に動くべきか、仕事帰りに動くべきか。減量を直接比べた試験と血糖の研究を読み分け、体重と代謝の成績が一致しない理由を確かめる。朝夕の平均減量、糖尿病の有無、運動の強度や服薬条件による違いから、立川で暮らす日々に合う運動時間の選び方を考える。時計だけで効果を決めないための読み物である。

玄関に運動靴を出したまま、朝の支度が始まる。今日は帰宅してから歩こうと決めたところで、「痩せたいなら朝」という記事が目に入る。夕方の予定表を閉じて、目覚まし時計を早めるべきなのだろうか。

過体重または肥満の、普段あまり運動しない成人100人を朝の運動、夕方の運動、待機対照に無作為に分けた試験では、運動期間中の平均減量は朝が2.7kg、夕方が3.1kgだった。研究者は、減量に最適な運動時間があるとは示されなかったと結論している。この試験は、朝だけが減量に適した時間だという答えを出していない。[17]

一方、血糖の成績を読むと、午後や夕方に利点を認める研究も、朝に利点を認める研究もある。[2][4][14] ここで確かめたいのは、どちらの陣営が勝ったかではない。何を測った成績なのか、自分に近い条件なのか、予定表を変えるほど確かな差なのかである。

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減量を直接比べると、朝夕どちらも体重は減った

まず、体重を測った試験から始める。Brookerらの無作為化比較試験、つまり参加者を偶然に群分けして介入を比較する研究では、朝は6:00〜9:00、夕方は16:00〜19:00に運動する設定だった。運動群には、自分のペースで行う有酸素運動を週250分、12週間処方した。対象は過体重または肥満で、普段は活動的でない成人である。[17]

朝の平均体重変化は−2.7kgで標準偏差は2.5kg、夕方は−3.1kgで標準偏差は3.4kgだった。標準偏差は参加者の成績の散らばりを示す値である。平均値は予約した時間帯でもらえる減量の保証書ではない。要旨にこの体重変化の信頼区間は示されていないが、どちらの運動群でも介入期間中に体重が有意に減っている。[17]

ここで夕方の数字が大きいことだけを見て、夕方の勝利とするのは読み急ぎである。ある群の体重が開始時より減ったという検定と、朝夕の差が確かかという検定は問いが違う。この研究の結論は、運動プログラムにより控えめな減量が得られる一方、最適な時間帯は見当たらない、というものだった。[17]

体重以外にも測定がある。全身持久力の指標である最大に近い酸素摂取能力は、朝夕どちらも改善し、待機対照との違いを認めた。一方、安静時代謝量と身体活動には群間差がなかった。朝に動けば、休んでいる間の消費まで特別に高くなる、という説明をこの試験で支えることはできない。[17]

食事も同時に見ておきたい。介入終了時には、朝夕どちらの運動群も対照群に比べて総エネルギー摂取が有意に減っていた。[17] これは、体重変化を運動中の消費だけで語らないための情報である。ただし、朝が食欲を必ず抑える、夕方なら夕食が必ず減るとまで要旨は述べていない。帰宅後の食卓で起こることを、平均減量から逆算して決めつけない。

また、この試験で処方された運動量と、実際に自分ができる運動量は区別する必要がある。研究の週250分という数字を、時間帯を選ぶための必須条件や初心者向けの開始量として持ち帰るものではない。[17] 比較から受け取れるのは、一定の運動プログラムを朝夕に割り振ったとき、この対象では片方だけが減量に優れるとは示されなかった、という範囲の答えである。

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研究を束ねても、体脂肪に一貫した時間帯の差はない

個別の試験で見えた差が、別の対象や別の運動でも再現されるか。そこで使うのが系統的レビューとメタ分析である。決めた方法で研究を集め、比較できる結果を統合する研究の型を指す。Wangらの分析では、長期の研究14件と単回などの急性研究5件、計765人の結果を扱い、体重、体格指数、脂肪量、血糖や脂質を調べた。[2]

長期研究では、体組成や脂質の成績に一貫した時間帯の違いを認めなかった。体組成とは、体重の中身である脂肪量などを見ることである。[2] 「夜のほうが脂肪が落ちる」「朝のほうが体重が落ちる」という一律の処方は、この統合結果からは作れない。もっとも、差が見えないことと、あらゆる人で全く同じだと証明したことは別である。

この分析では、成績ごとの根拠の確かさは中等度から非常に低い範囲にあり、研究の偏りや推定の不精確さが問題だった。[2] 参加者が少なければ、小さな差を見分けられない場合もある。だから「差がない」を、時計は絶対に関係しないという宣言に膨らませない。現時点で、減量のために誰もが同じ時間へ移る根拠は十分ではない、と読むほうが適切だ。

一方、Mancillaらは糖尿病のリスクがある、または診断されている成人男性32人の運動プログラムを後から比較した。平均年齢は58歳で、12週間の監督つき運動を朝8:00〜10:00に行った人が12人、午後15:00〜18:00に行った人が20人だった。脂肪量の変化は、午後が−1.2±1.3kg、朝が−0.2±1.0kgで、午後に有意に大きな減少を認めた。[15]

これは興味深いが、朝夕へ無作為に割り付けた試験とは異なる。後ろ向きの比較では、時間帯を選んだ人の特徴なども差に入りうる。[15] また、代謝に問題を抱える男性の結果を、そのまま健康な女性の生活へ移すこともできない。脂肪量の差を報告した研究を残しながら、より広く統合した分析では一貫した体組成の差を認めなかったことも並べておく。[2][15]

体重管理に関するBlankenshipらのレビューも、朝に優位を認める研究と夕方に優位を認める研究が混在し、直接比較した研究自体が少ないと整理している。[16] 結果が食い違うときには、好きな時間帯を応援する論文だけを残さない。何を対象に、どんな運動を、どのくらい続けたかを読み直すほうが、自分の予定を決める材料になる。

血糖の成績と、体重の成績を混ぜない

朝夕の運動を検索すると、減量の話から血糖の話へ、見出しだけで橋が架かっていることがある。しかし、血糖が改善した試験は、そのまま体脂肪が大きく減った試験ではない。実際、Wangらのメタ分析では血糖関連の一部に時間帯の差を認めた一方、体組成には一貫した差がなかった。[2]

血糖にも測り方がある。食べていない状態の空腹時血糖、運動直後の血糖、夜間の血糖、糖化ヘモグロビンと呼ばれるHbA1cは、それぞれ異なる成績表である。今回のメタ分析で朝の運動に有利だったのはHbA1cで、平均差は−0.11%、95%信頼区間は−0.19〜−0.03だった。主に2型糖尿病の集団で見られた結果である。[2]

信頼区間は、差の推定にどれほど幅があるかを示す。朝の優位という言葉だけでなく、推定された差の大きさと対象を一緒に読む必要がある。同じ分析の空腹時血糖では、逆に午後に有利な差を認めた。平均差は0.13mmol/L、95%信頼区間は0.01〜0.24である。単位mmol/Lは血液中の濃度を表す。[2] 成績表の欄を替えたら、優位な時間帯も替わったのである。

Schipperらの別の系統的レビューとメタ分析は、20研究、680人を含む。運動を1〜12週間繰り返した研究では、朝の空腹時血糖が午後・夕方より平均0.25mmol/L高く、95%信頼区間は0.02〜0.47だった。単回運動の直後の血糖差は0.26mmol/Lだったが、信頼区間は−0.18〜0.70とゼロをまたいでいた。[4]

後者は、朝の血糖が確実に高いと言い切れる結果ではない。研究間の違いも大きく、レビューは運動直後やその他の血糖指標について限定的で結論が定まらないとした。食事や、朝型・夜型といった個人の生活リズムを十分に扱わない研究も問題に挙げている。[4] 「午後が良い」という短い文には、こうした留保が落ちやすい。

減量試験の体力の成績も、具体に見ると比較の意味がはっきりする。酸素摂取能力の増加は、朝が4.7mL/kg/分、夕方が4.2mL/kg/分で、どちらも対照との違いを認めた。[17] これは体重の変化とは別の測定である。体重計の数字だけで運動の成果を読むと、こうした欄が視界から落ちる。逆に、体力の改善を、そのまま脂肪の減少量として表示することもできない。論文の成績を生活に持ち帰るときは、測ったものの名前を残す。

同じ試験では、体重や体組成、活動、食事を開始時と6週、12週に調べ、体組成と酸素摂取能力は追跡時にも測定している。[17] ただし、今回の根拠ファイルの要旨には追跡時の減量維持の具体的な成績は示されていない。追跡測定があるという研究方法の記載を、朝夕どちらでも長く同じ体重を保てたという結果には替えない。研究の長さを読むことと、その期間の成果を確認することは別の作業なのだ。

数字で読む朝夕の運動比較

100人:過体重・肥満の非活動的な成人を、朝、夕方、待機対照へ無作為に分けた減量試験の対象者数。[17]

−2.7kgと−3.1kg:12週間の平均体重変化。朝と夕方の順であり、研究は最適な時間帯を示していない。[17]

765人:長期14研究と急性5研究を統合した分析の参加者数。体組成に一貫した時間帯差はなかった。[2]

0.25mmol/L:別のメタ分析で、繰り返し運動後の空腹時血糖が朝に高かった平均差。95%信頼区間は0.02〜0.47。[4]

11人:朝と午後の高強度運動を比べた、2型糖尿病の男性のクロスオーバー試験の規模。小さな試験の範囲を忘れない。[8]

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