間食をやめるべきか、小分けに食べるべきか。食事回数を変えた試験、成人女性の調査、長期追跡を読み比べ、体重と体脂肪、食事の質を分けて考える。回数だけでは見えない食べる量と記録の誤差、予定した間食と追加のおやつの違いを整理し、日常で確認する手順を示す。
午後、机の引き出しからおやつを出す。「間食は太る」と聞いた翌日に、「小分けに食べると痩せる」という記事を読む。どちらも食べる回数の話なのに、向いている方向が反対である。おやつの袋より先に、情報の袋を開け直したくなる。
成人の食事回数を変えた試験の統合結果では、多く食べる方式にも少なく食べる方式にも、体重変化の明確な優位性は見いだされていない。ただし証拠の確かさは非常に低く、どちらでも完全に同じだと証明されたわけではない。[19] 回数を決める前に、何を同じ条件で比べたのかを見る必要がある。
夜遅い食事の時刻、器や盛り付けの量、ナッツという食品そのものは、この特集の別の記事に譲る。ここで追うのは、食べる機会の数と、その中に間食をどう組み込むかである。おやつを禁止する判決ではなく、食事の全体像を読むための材料をそろえていく。

「何回食べたか」は、何を数えた数字なのか
朝食、昼食、夕食、それに間食。この区別は日常では自然でも、研究では統一されていない。成人の観察研究をまとめた系統的レビューでは、食事回数も体重・体組成も、測り方が研究ごとに大きく異なっていた。[12] 食事回数の比較は、数える対象がそろっているかを確認するところから始まる。
米国の成人18,696人を対象とした横断研究では、50 kcal以上を摂った機会を数え、食事と間食を、本人の呼び方、時刻、あるいはその日のエネルギー摂取に占める割合で分けた。割合による分類では15%以上を食事、それ未満を間食とした。[7] 横断研究とは、ある時点の食べ方と体格を同時に調べる研究であり、その後の体重の変化を追った試験とは違う。
たとえば、仕事の合間に食べたものを本人は軽い昼食と呼び、研究の分類では間食と数えることがあり得る。逆に、おやつのつもりの食品でも、摂った量によって別の分類になる。これはこの研究の分類方法を日常に置き換えた例である。[7] 「間食する人」という言葉だけで、同じ食べ方の集団を思い浮かべるのは難しい。
さらに、回数には量が入っていない。同じ食事を分けて食べることと、いつもの食事におやつを足すことは、食べる機会が増える点だけが共通する。食事回数と間食を扱ったレビューは、予定していない間食で、ほかの食事の量が十分に調整されない場合を問題として挙げている。[2] ここでいう調整とは、間食を摂った分、別の食事で食べる量が変わることだ。
昼食の一部を午後へ回す人と、昼食を変えずに午後のおやつを加える人を、「食べる回数が多い」で一緒にする。そうすると生活上の違いが数字の中に隠れる。[2] 回数の記録には、何を食べ、予定したものだったか、ほかの食事にどう収まったかも添えたい。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
同じ減量食を分けると、体重の落ち方は変わるか
回数そのものの効果を調べるには、回数を変える介入試験が手がかりになる。ランダム化比較試験とは、参加者を無作為に異なる条件へ割り当て、結果を比べる試験である。成人を対象とした系統的レビューとメタ分析は、複数の試験を集めて評価し、まとめられる結果を統合した。[19]
このレビューには16試験を報告した17報が含まれ、食べる回数が1日3回以下の方式と4回以上の方式を比較した。介入期間は少なくとも2週間である。報告が十分でない5試験はメタ分析から外れ、16試験中15試験は結果に偏りが入り込む危険が高いと評価された。[19] 集めた本数だけでなく、試験の質にも目を向けたい。
体重変化の群間差は−0.62 kg、95%信頼区間は−2.76〜1.52 kgで、有意な差はなかった。信頼区間とは推定の不確かさを示す範囲であり、この範囲は差がない地点をまたいでいる。研究者は証拠の確かさを非常に低いと評価し、若年から中年の健康な成人に、どちらの回数方式も優先して勧められないとした。[19] わずかな平均値の差だけを切り出して、勝った方式を決めることはできない。
女性を対象とした試験も見てみよう。2024年の試験は、BMIが27以上の19〜64歳の女性40人を、1日3食と、3食に3回の間食を組み合わせる群へ割り当てた。BMIは身長と体重から計算する体格の指標である。両群に同じ−500 kcalのエネルギー制限を設定し、3か月追ったところ、体重、BMI、腹囲の変化率は群間で同程度だった。[9]
ここで比べたのは、決められたエネルギー制限の中で間食を組み込む方式である。比較の中心は、制限した食事をどの回数に分けるかだった。[9]回数の比較が、量の管理を前提としている点を持ち帰りたい。
2021年の別のランダム化試験では、肥満の女性40人が、エネルギーを抑えた食事を1日3回または6回に分け、90日間続けた。両群とも摂取エネルギーを減らしたが、群間の摂取量に差はなく、減量、体組成、インスリンへの反応にも回数による差は認められなかった。[13] インスリンへの反応は、血糖調整に関わる働きへの反応を指す。
この試験では中性脂肪の改善は3回の群で大きかった一方、エネルギー消費や血糖、食欲に関わるグレリンなどの群間差はなかった。[13] 健康に関する測定項目を、すべて「痩せる効果」へ置き換えないことも大切である。回数の多い側、少ない側の都合のよい項目だけを抜き出すと、同じ試験から逆向きの宣伝が作れてしまう。
体重と体脂肪、同じ試験でも答えは分かれる
体重に差がないから、身体の内訳まで同じとは限らない。2024年の女性の試験では、3食に3回の間食を組み合わせた群で、総体脂肪量の減少率が−18.82±4.97%、3食群では−14.87±7.44%だった。体脂肪率の減少率も、それぞれ−10.79±4.63%と−7.68±7.04%で、間食を組み込んだ群の変化が大きかった。[9]
これらは変化の「率」である。−18.82%を脂肪が18.82 kg減ったと読んだり、体脂肪率が18.82ポイント下がったと読んだりしてはいけない。この研究は総体脂肪量と体脂肪率の変化を、それぞれ減少率として報告している。[9] 数字の隣にある単位と、何の変化かを一緒に読む。
また、除脂肪量の「割合」は両群で増えたが、除脂肪量そのものは両群で減っていた。[9] 除脂肪量とは、体脂肪を除いた身体の部分の量である。割合が増えることを筋肉の増加と受け取ると、試験の読み方が変わってしまう。除脂肪量の実測量と割合は、分けて確認する必要がある。
体組成で差があった結果は、なかった結果と並べておきたい。先ほどの90日間の女性の試験では、3回と6回の食事で体組成の変化に群間差がなかった。[13] 同じ女性の減量試験でも、体組成についての結果は一致していない。[9][13]
体重計の数字、体脂肪量、体脂肪率、腹囲はそれぞれ別の指標として報告される。試験を読むときは、体重で差がなかった結果と体組成で差があった結果を並べ、測定した指標と比較条件を確かめたい。[9][13]
数字で読む食事回数と間食
16試験:食事回数の系統的レビューに含まれた試験数。うち15試験は偏りの危険が高い評価だった。[19]
−0.62 kg:統合した体重変化の群間差。95%信頼区間は−2.76〜1.52 kgで、有意差はなかった。[19]
40人・3か月:3食と3食+3回の間食を比べた女性の試験。両群のエネルギー制限は−500 kcalだった。[9]
−18.82%と−14.87%:同試験の総体脂肪量の減少率。脂肪のkg差を表す数字ではない。[9]
40人・90日:肥満の女性を対象とした別の試験。3回と6回で減量や体組成の群間差はなかった。[13]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
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