
体力に対する負担を求めると、目安は変わる
成人20人を対象にした研究では、安静時と最大運動時の酸素摂取量を測った後、速さを変えながらトレッドミルを歩いた。男性は10人、平均年齢は32歳で、歩行中も酸素摂取量を連続して測定している。これは運動を続けた後の変化を調べる試験ではなく、歩調と体の負担の対応を調べる実験である。男女混合の小規模な結果なので、18〜39歳の女性に同じ推定値が当てはまるかは、この結果だけでは確定できない。[7]
解析の結果、酸素摂取予備能の40%に達する歩調は毎分138〜140歩と推定された。しかも必要な歩調は体力に左右され、体力が低い人なら、もっと遅い歩調でその水準に達しうるとされた。研究の平均的な推定値を、運動を始めたばかりの全員の必達目標として使う読み方は合わない。[7]
別の研究は、健康な男性23人に、好みの速さと、毎分100、120、140歩の条件で、人工芝の周回路をそれぞれ6分間歩いてもらった。順番の影響を抑える配置で同じ人を繰り返し測定し、酸素摂取量、速さ、距離、歩数を調べている。対象は健康な男性であり、18〜39歳の女性に同じ歩調を処方する根拠として直接は使えない。[4]
好みの歩調は平均毎分117歩で、絶対強度は4.7 METsだった。一方、酸素摂取予備能に対する割合は30.5%だった。共通の物差しでは中強度の範囲にあっても、その人の能力に対する割合では、研究が設定した40%に達していなかったのである。同じ歩行に異なる説明が付くことが、実測値から分かる。[4]
同研究では、毎分100歩で予備能の24.1%、毎分140歩で45.2%となり、相対的な中強度に対応する歩調を毎分128.9歩と報告した。先の研究の毎分138〜140歩とは一致しないが、相対強度には個人の体力を考える必要があるという方向は共通する。小規模な研究同士の数字を平均して、新しい万人向けの基準を作るべきではない。[4][7]
同じ人を条件を変えて繰り返し測る実験には、参加者ごとの違いを抑えながら、歩調を変えたときの応答を比較できる利点がある。男性の周回路実験では、足の頻度だけでなく、速度と距離も測っていた。歩く速さを考えるには、歩調に加えて、実際にどれだけ前へ進んだかが必要だからだ。日常の記録でも、同じ道を歩いたか、途中で止まったかを添えると、リズムだけを残すより比較の条件が明確になる。[2][4]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
年齢や体の条件も、数字を読む前提になる
41〜60歳を扱うトレッドミル研究では、絶対強度の3 METsと6 METsに対応する実用的な歩調として、それぞれ毎分100歩と130歩が選ばれた。この結果は、若い成人で得られた目安と整合する。ただし対象は41〜60歳で、18〜39歳の女性だけに同じ判別精度が得られると示した研究ではない。[12]
ただし、解析方法によって最適な境界は異なった。3 METsに対し、回帰モデルでは毎分101.7歩、別の判別モデルでは98.5歩だった。最終的な毎分100歩は、いくつかの解析結果と判別の性質、伝えやすさを考慮して選ばれた値である。この中年成人の解析値は、18〜39歳の女性の体内に共通する境界を定めた値ではない。[12]
高齢者19人、うち女性7人を調べた別のモデル研究では、平均年齢は69歳だった。体格指数を考慮すると、絶対的な中強度に対応する歩調は毎分108歩、相対的な中強度では117歩と推定された。身長や脚の長さを加えてもモデルの予測は改善しなかった。対象は高齢者であり、この推定値を18〜39歳の女性へ直接当てはめることはできない。[13]
これは、高齢者の屋内歩行でも毎分100歩の目安が役立った研究と、単純にどちらかを選ぶ関係ではない。好みの速さで歩いた人を共通の境界で判別する研究と、歩行条件を変えて必要な歩調を推定する研究では、問いも手順も異なる。判定の目安と個別の推定値を同じ精密さで扱わないことが重要だ。[6][13]
身長が高ければ、必ず歩調を遅く補正すればよいのか。ここは、歩く距離の説明と、酸素消費の予測を分けたい。一歩で進む距離に目を向けることは、同じ歩調でも移動速度が異なる場面を理解する助けになる。しかし、そこから身長だけで中強度の歩調を決めるには、別の検証が必要である。高齢者のモデルで身長と脚の長さを加えても予測が改善しなかった結果は、体格の情報を増やせば自動的に強度が正確になる、という期待に歯止めをかける。18〜39歳の女性にも同じ関係が成り立つかは、この高齢者研究だけで判断できない。[2][13]
体格指数は身長と体重から算出する体格の指標で、この高齢者研究ではそれを考慮したモデルが使われた。脚の長さという寸法と、体格指数という指標は、歩調と強度の関係を読むうえで同じ役割を担ってはいない。身長の近い友人の歩調を借りれば自分にも合う、と決めるより、研究がどの要因を測定し、何の予測に使ったかを見るほうが具体的だ。対象が高齢者であるため、18〜39歳の女性向けの身長別補正表をこの結果から作ることはできない。[13]

よくある誤解
「毎分100歩で歩く練習をすれば、体力がどれだけ伸びるかまで分かる」は誤解である。歩調と酸素摂取量を対応づける実験が答えるのは、測定した場面での強度である。運動を続けた後の体力の変化は、時間をかけて調べる別の問いだ。38件を整理した成人のレビューでも、歩調を用いた介入研究の根拠は予備的と評価されている。18〜39歳の女性の長期的な改善量を予測するには、この強度の目安だけでは足りない。[1]
「毎分100歩未満なら、歩いても意味がない」という考えも、判別の目安を価値の境界に変えている。地面の上を歩いた研究の正確度は完全ではなく、歩調だけで実際の強度を全員について確定できない。数字を下回ったという理由だけで、その歩行全体を無価値とする結論は導けない。[6][11]
「アプリに歩調が表示されれば、自分の相対強度が測れた」という理解にも距離がある。歩調は足を運ぶ頻度であり、相対強度の実験では安静時や運動時の酸素摂取量、体力の測定も行われている。足のリズムを記録することと、自分の能力に対する負担を測定することは、異なる情報を必要とする。[4][7]
「女性の普通の歩調」は一つに決まる、という読み方も避けたい。日常歩行のレビューが挙げる実験条件での女性の歩調は、生涯の年代を通じて毎分96〜138歩と幅がある。これは中強度の目標範囲ではなく、歩行の観察値の範囲である。18〜39歳の女性だけの基準でもない。観察された歩調、強度を判別する境界、練習の目標を別々に読むと、似た数字の取り違えを減らせる。[2]
今日からできること
- 通勤や買い物で、立ち止まっていない歩行区間を選び、1分間に両足で何歩進むか確かめる。毎分100歩は、成人の持続的でリズムのある歩行についての目安として扱う。[1]
- 記録には、合計歩数と歩行中の歩調を分けて残す。毎分100歩という強度の目安を、外出全体の平均や、その日の歩数目標と混同しない。[1][2]
- 毎分100歩に届いても、全員について3 METs以上を保証するとは考えない。若い成人の屋内歩行では、境界以上の人が実際に達していた割合は80.3%だった。[11]
- 他人の歩調をそのまま自分の目標にしない。相対的な中強度を検討した研究では、酸素摂取予備能の40%に達する歩調は体力によって変わった。[7]
- 毎分128.9歩や138〜140歩は、特定の対象と手順で得られた研究値として読む。自分に適した運動の負担を相談するときは、現在の体力や健康状態も含め、医師に確認する。[4][7]

歩調を測る日から、オンザショアで動く日へ
毎分の歩数で読むウォーキングと、姿勢や動きに向き合うレッスンでは、運動の選び方が変わる。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分の溶岩ホットヨガスタジオである。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。駅からの道順や営業時間を確認し、自分の生活の中に通う予定を置くための情報として使える。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガのレッスンは25種類以上。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱う。種目や時間を選び、通う場を決めるという、続ける仕組みの選択肢である。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加条件と店舗情報を確認してから、自分が続ける場を選びたい。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。料金と体験の予約で、通う準備を進められる。
参考文献
[1] How fast is fast enough? Walking cadence (steps/min) as a practical estimate of intensity in adults: a narrative review — Tudor-Locke C, Han H, Aguiar EJ, Barreira TV, Schuna JM, Kang M, Rowe DA., 2018, British journal of sports medicine. DOI: 10.1136/bjsports-2017-097628
[2] Using cadence to study free-living ambulatory behaviour — Tudor-Locke C, Rowe DA., 2012, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.2165/11599170-000000000-00000
[4] Determination of moderate walking intensity using step rate and VO2 reserve in healthy men — Bae WR, Seo Y, Yun S, Lee DT., 2024, BMC public health. DOI: 10.1186/s12889-024-17843-0
[6] Cadence-based classification of moderate-intensity overground walking in 41- to 85-year-old adults — Aguiar EJ, Mora-Gonzalez J, Ducharme SW, Moore CC, Gould ZR, Chase CJ, Amalbert-, 2023, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.14274
[7] Walking cadence required to elicit criterion moderate-intensity physical activity is moderated by fitness status — Abt G, Bray J, Myers T, Benson AC., 2019, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.2019.1612505
[11] Cadence-based Classification of Minimally Moderate Intensity During Overground Walking in 21- to 40-Year-Old Adults — Aguiar EJ, Gould ZR, Ducharme SW, Moore CC, McCullough AK, Tudor-Locke C., 2019, Journal of physical activity & health. DOI: 10.1123/jpah.2019-0261
[12] Walking cadence (steps/min) and intensity in 41 to 60-year-old adults: the CADENCE-adults study — Tudor-Locke C, Ducharme SW, Aguiar EJ, Schuna JM, Barreira TV, Moore CC, Chase C, 2020, The international journal of behavioral nutrition and physical activity. DOI: 10.1186/s12966-020-01045-z
[13] Influence of Anthropometrics on Step-Rate Thresholds for Moderate and Vigorous Physical Activity in Older Adults: Scientific Modeling Study — O’Brien MW, Kivell MJ, Wojcik WR, D’Entremont GR, Kimmerly DS, Fowles JR., 2018, JMIR aging. DOI: 10.2196/12363
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- 有酸素運動のマシン歩きは散歩と同じ?同じ速度でも違う足運びを研究で読む
- 有酸素運動の後に爽快になるのはなぜ?内因性カンナビノイドと気分のずれを読む
- 有酸素運動のウォーキングは足幅を広げると楽?左右の安定と消費を研究で読む
- 有酸素運動は短時間でも止まると消費が増える?信号待ちと歩き出しの負担を読む
- 運動中の水分補給は口をすすぐだけでもよい?口の変化と飲んだ量を研究で読む
- 有酸素運動は速歩きから走ると楽になる?切り替わる速度と消費のずれを読む
- HIITの往復走は短い距離ほどきつい?切り返しと減速で変わる負担を研究で読む
- HIITは後ろ向きに走っても同じ強度?前進との速さと脚の負担を研究で読む
- HIITは合図で動く方法でもよい?テニスの反応と決まった動きの負担を読む
- HIITのダッシュは腕を大きく振るべき?脚の速さと肩甲骨の働きを研究で読む
- HIITの休憩は細かく分けても同じ?合計時間と次の出力を分けて研究で読む
- 呼吸法は体をひねりながらでも同じ?胸の動きと吸える量の違いを研究で読む
- 呼吸法は短く鼻ですすると力が出る?長く吸う場合との違いを検査から読み解く
- 呼吸法の回数は胸のベルトで測れる?体の動きと実際の息の数を分けて読む
- 呼吸法で顔に風を当てると息は楽になる?吸う量と息苦しさを研究で読み分ける
- インナーマッスルの骨盤底筋は立って練習する?寝た姿勢と違う収縮の読み方
- インナーマッスルは四つばいでお腹をへこます?仰向けとの筋肉の分担を読む
- インナーマッスルの足裏は指を丸めて鍛える?土踏まずを縮める運動との違いを読む
- 運動習慣の記録は10分続けた分だけ数える?短い活動を含めた評価を研究で読む
- インナーマッスルの首トレは舌の位置で変わる?うなずく前に知りたい筋肉の分担
- 疲労回復の入浴剤は炭酸入りがよい?同じ湯温での血流と戻る力を研究で読む
- 疲労回復のうなぎやレバーはビタミンで効く?不足の有無と補う目的を研究で読む
- 疲労回復の昼寝は起きたら光を浴びる?眠りの長さと目覚めの刺激を研究で読む
- 疲労回復の甘いものは果糖でもよい?肝臓と筋肉に戻る燃料の違いを研究で読む
- 疲労回復のローラーは運動前にも使う?終わった後と違う動く範囲と力の読み方
- 運動習慣の歩数は腕が動かないと減る?手首と腰で違う数字の読み方を研究で読む
- 運動習慣の歩数はゆっくり歩くと少なく出る?速さと検出できる一歩を研究で読む
- 運動習慣の階段は時計で正確に数えられる?上った階数と気圧の変化を研究で読む
- 運動習慣の通知は場所に合わせると続く?時刻だけの合図と行動を研究で読む
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2





