辛いものの汗は食べ慣れると減るのか、舌の灼熱感と体の熱を分けて読む

辛いものを食べ慣れると、汗まで一緒に減るのか。健康な成人51人が17日の手順で低用量カプサイシンを繰り返し、下がったのは口の灼熱の評価だった。二つ目の試験ではいくつかの灼熱が約20パーセント下がり、甘さと冷感は動かなかった。皮膚の熱や体温は、別の条件の話である。

担々麺のスープが舌に触れると、口に灼熱感が広がり、鼻の下に汗がにじむ。口では「これくらいならいける」と思っている。ハンカチだけが、その自己評価に賛成しない。食べ慣れた人は汗まで出なくなる、という話を、席で一度は聞いたことがある。

先に、試験が下げたと報告したものを置く。健康な成人51人が17日の手順を終えた試験では、6ppmのカプサイシン液を自宅で1日2回ゆすいだ31人だけが、口の灼熱の評価を統計的に有意に下げた。対照の溶液をゆすいだ20人には、その低下がなかった。健康な成人を対象にした結果であり、18〜39歳の女性の発汗の変化へそのまま当てはめることはできない。[4] カプサイシンはトウガラシ(Capsicum annuum)の辛みの主成分で、感覚神経の受容体TRPV1に結び付く。[11][18]

汗の量を、この手順の結果として読み替えない。舌が前より楽だと答えることと、額や鼻の下が乾くことは、別の測り方である。既存記事「辛いものを食べると汗が止まらないのはなぜ?鼻の下の汗と、誤配線で耳の前に出る汗」には、汗が出始める仕組みを譲る。食べる量が変わる話は「ダイエットのカレーは辛さに慣れると量も変わる?好みと食欲の研究を読み分ける」に譲る。ここでは、慣れと呼ばれる変化が口の灼熱の点数なのか、体の熱の反応なのかを分ける。

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低い濃度を繰り返すと、口の灼熱は下がる

トウガラシをよく食べる人は、あまり食べない人より口の灼熱が弱い、と一貫して報告されている。著者らは、慢性の脱感作によるものと想定している。脱感作とは、刺激を重ねたあと、その刺激への反応が弱まる状態を指す。口の中でなぜ弱まるのかは、まだよく分かっていない、とこの試験の著者らは書いている。[4]

仮説は、カプサイシン受容体TRPV1の遺伝子発現が変わる、というものだった。発現とは、遺伝子の情報がどれだけ読み出されているか、という段の話である。試験1では、三度の来所で3ppm、6ppm、9ppmのカプサイシンなどを試し、一般的なラベル付き強度尺度で強さを答えてもらった。尺度の名はgLMSで、感覚の強さを決まった言葉の位置へ合わせて評定する道具である。3日目と17日目のあいだ、自宅で1日2回ゆすぐ期間を置いた。[4]

臨床家は、手順の前後で舌の茸状乳頭を採取した。結果は、仮説の形とは違った。TRPV1の発現は、報告された灼熱の強さと関連せず、カプサイシン曝露のあとで発現が減ったという証拠もなかった。それでも、ゆすいだ群の灼熱の評価は下がった。低い濃度の繰り返しは、口の脱感作を起こしうる。受容体の設計図の読み出しが減ったから、と説明する材料にはなっていない。[4]

三回来所して尺度に答えただけでは、話は閉じない。対照の20人では、灼熱の低下が見られなかった。時間が経ったことや、実験室に通ったことだけでは、この差は説明できない。繰り返しの中身が6ppmのカプサイシンだった31人の側で、評価が下がった。[4]

ppmは、試験が液の濃さを書いた単位である。店頭の「激辛」とは表記の仕方が違う。試験が揃えたのは、決まった濃度を、決まった回数、口に含むことだった。好きな店の辛さは日によって揺れ、一口の量も自分で変わる。点数が下がった条件を、生活の全部へ広げる前に、何を揃えたのかを残しておきたい。[4]

口が強くなることと、顔が乾くことを、友人は一つの成長物語で話す。試験の物語は、灼熱の評定が対照より下がった、というところまでである。ハンカチの出番が減る続きは、この手順の結果に入っていない。[4]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

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同じ口でも、甘さと冷感までは下がらない

同じく健康な人を対象にした試験2は45人が参加し、やはり6ppmのカプサイシンをゆすぐ似た手順だった。1日目、3日目、17日目に、カプサイシン、バニリルブチルエーテル、シンナムアルデヒド、エタノール、メントール、スクロースを評価した。バニリルブチルエーテルは温感をもたらす別の成分、シンナムアルデヒドはシナモン系の刺激成分、スクロースはショ糖である。18〜39歳の女性でも同じ幅で変化するかは、この人数全体の結果からは判断できない。[4]

統計的に有意な変化が出たのは、カプサイシン、バニリルブチルエーテル、シンナムアルデヒド、エタノールの灼熱だった。前の三つは約20パーセント下がり、エタノールはそれより大きく下がった。メントールの冷感とスクロースの甘さは、変わらなかった。[4]

辛さへの反復は、口の中の別の灼熱にも広がることがある。これを交差脱感作と呼ぶ。広がった先に、冷たい感じや甘い感じは入っていなかった。慣れが味の全部を削るサービスは、この試験には付いていない。[4] 激辛のあとでアイスの甘さまで鈍ったと感じるなら、それは別の出来事として扱う。

著者らは、口腔の灼熱の低下を、TRPV1のメッセンジャーRNAの変化では説明できない、とまとめている。RNAは、遺伝子の情報を写し取った分子である。乳頭で読めた写しの量が減ったわけではないのに、灼熱の点数は下がった。受容体の個数が減った、という絵は、この二本の試験が採った説明ではない。[4]

別のレビューは、さまざまな疾患モデルで受容体の状態を別の層から論じている。18〜39歳の女性の食事への慣れを直接測った研究とは区別して読む。TRPV1は、有害な刺激を受け取る感覚神経に主としてあり、免疫細胞、膵臓のベータ細胞、筋細胞、脂肪細胞にも見つかっている。侵害熱、低いpH、つまり酸性の条件、カプサイシンなどで開き、とりわけカルシウムが流れ込む。チャネルの脱リン酸化は機能を乱して脱感作へ向かい、リン酸化は感作を強め、脱感作のあとで機能が戻る過程にも関わる、と整理されている。[11]

感作は、反応が強まる側の変化である。リン酸化の話と、ゆすぎ試験のRNAの話を、同じ「減った」でくくらない。片方は遺伝子の読み出しを測り、もう片方はチャネルの調節を概説する。夕飯のあとで、受容体が消えたので汗も止まった、と一本化する材料にはならない。[4][11]

検索で並ぶ「汗が出る人」と「出ない人」も、この試験の分け方とは違う。群として分かれたのは、カプサイシンを繰り返した31人と対照の20人である。差として報告されたのは、口の灼熱の評価だった。よく食べる人が灼熱を弱く報告する観察も、汗の多い少ないの分類ではなく、口の自己報告の話である。[4]

見えている反応と、神経の記録は揃わない

行動が静かに見えても、神経が同じ向きに動くとは限らない。逆も起きる。ラットの研究は、その分裂をカプサイシンとジンゲロンで見せた。18〜39歳の女性が食事中に感じる辛さや汗の変化への直接の答えにはならない。ジンゲロンは、カプサイシンと構造が近い辛み成分である。[1]

角膜へカプサイシンを繰り返すと、最初にあった眼を拭う反応は弱まる。この短時間の減弱を、タキフィラキシーと呼ぶ。ジンゲロンでは、角膜でも舌でも、繰り返したときの減弱が行動の上では見られなかった。舌へのジンゲロンは、カプサイシンより潜時が短く、味覚反応の持続も短かった。潜時とは、刺激から反応が始まるまでの時間である。[1]

神経の記録は、行動の印象とずれていた。三叉神経節からの細胞外記録では、30ミリモルのジンゲロンを角膜へ繰り返すと、応答は脱感作を示した。培養した三叉神経節の細胞も、受容体VR1を発現させたXenopusの卵母細胞も、ジンゲロンの反復で脱感作した。二つの成分は同じ受容体を開き、同じ細胞の電流を起こし、互いに交差して脱感作させ得た。ジンゲロンの方が反応の立ち上がりが速く持続が短いことは、味覚反応の立ち上がりと持続が短いことと符合する、と著者らは述べている。[1]

説明は、感作へ向かう作用と、タキフィラキシーへ向かう作用が競り合っている、というものである。どちらが勝つかは、濃度、曝露時間、刺激と刺激の間隔で決まる。ジンゲロンにタキフィラキシーが出るかどうかも、実験条件に強く依存する、と書いている。[1]

人間の夕飯へそのまま移す研究ではない。対象はラットの角膜、培養細胞、卵母細胞の受容体である。読み方だけははっきりする。見えている行動が減らない条件でも、神経の応答は脱感作側へ寄ることがある。感じ方が短く終わることと、反復で反応が消えることは、別の特徴だった。[1]

担々麺を「前より楽に食えた」と言う夜は、行動の側の自己報告に近い。鼻の下の汗は、その自己報告の付録として自動では減らない。濃度と間隔が違えば、強まる側が勝つ条件もある、というのが競合のモデルである。[1] 一口を急いで空ける人と、スープを長く口に含む人を、同じ慣れの速度だと扱わない理由がここにある。

数字で読む、辛さへの慣れ

51人:17日のカプサイシン手順を終えた健康な成人。6ppmを1日2回ゆすいだのは31人、対照は20人である。[4]

約20パーセント:45人の試験で、カプサイシン、バニリルブチルエーテル、シンナムアルデヒドの灼熱が下がった幅。[4]

45人:1日目、3日目、17日目に複数の刺激を評価し、甘さと冷感は変わらなかった人数。[4]

24人:8パーセントのカプサイシンを3時間貼り、熱の感じ方を追った健康な参加者。[13]

24時間後:貼付の直後は熱痛が強まり、この時点では熱痛の感度が戻っていた。[13]

30ミリモル:角膜への反復で、行動と神経記録の向きが分かれたジンゲロンの濃度。[1]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

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宮川涼 Founder

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