ピラティスのハイウエストレギンスを選ぶとき、吸った腹が布に止まるかを深呼吸で見る。臓器の動きを小さくし得る圧迫板と、健康な成人の起立試行で呼吸が妨げられなかった帯を分け、圧迫の目的と測った指標を整理する。試着で確認できる快適さと、研究が測った結果を分けて考える。
試着室で、ハイウエストのレギンスを肋骨の下まで上げてみる。鏡の正面では収まりがよい。レッスンの前と同じ深さで1度吸うと、布が腹の前へ張り、横へ広がる動きが途中で止まることがある。その止まり方が、今回の問いである。
選ぶときは、見た目の収まりと吸いやすさを別々に確かめたい。18歳から50歳の健康な人20人の起立試行では、約8mmHgと約11mmHgの腹部の帯は呼吸を妨げなかった。腹への圧があるだけで息が浅くなる、と決める根拠にはならない。ただし、これは立ち上がる試験であり、ピラティス中のレギンスを評価した結果ではない。深呼吸で着心地を確かめるのは、この記事からの実用上の提案である。呼吸機能の検査や、製品の安全性の判定としては使えない。[7]
乾いた布と肌の摩擦は、既存記事「ピラティスの水陸両用ウェアは乾いた時も試す、水着の兼用と肌の摩擦を考える」に譲る。端が丸まって局所を締める話は「ピラティスのレギンスは丸まる端も確認、布の重なりと局所の締め付けを読む」側である。サイズをウエストとヒップのどちらに合わせるかは「ピラティスのレギンスのサイズ選び、ウエストとヒップで迷うときの試着の読み方」、膝の布と向きの感覚は「ピラティスのレギンスは膝の向きを感じやすいか、布の位置と角度のずれを読む」に譲る。ここで読むのは、上げたウエストが吸った腹の広がりにどう当たるかである。

吸った腹が布に当たるとき、外からの圧は動きを抑える側でも使われる
ハイウエストを気にする感覚は、気分の話だけにはしにくい。腹の外側から圧をかける道具は、呼吸で動く臓器を動かしたくない治療で使われている。肝臓や膵臓の付近へ放射線を当てるとき、腹の圧迫と息止めは、動きと位置の誤差を扱う手段として調べられてきた。40研究を見た系統的レビューでは、14研究が腹の圧迫、26研究が息止めを扱っていた。対象は肝胆膵や膵臓の悪性腫瘍がある成人患者であり、18〜39歳の健康な女性の衣服選びへそのまま当てはめることはできない。内訳は肝胆膵が20、膵臓が13、混在が7である。治療前だけを見たものが6、分割のあいだや分割の内部の誤差を見たものが22、両方を見たものが12だった。[16]
結論は、腹の圧迫は動きを効果的に減らすが、効き方は患者によって異なり得る、というものだ。息止めは動きを固定し得る一方、回ごとに揃わないことがある。圧迫の研究でよく見られた形はアーチとベルトで、息止めでは深い吸気で止める方法が主だった。腹の圧迫と息止めを直接比べた研究は、このレビューには入っていない。手法は揃っておらず、誤差の書き方が標準から外れる研究も複数あった。患者がそれをどのくらい耐えられるかは、報告が少なかったと著者らは書いている。[16]
治療前の腹の圧迫を扱った6研究は、5mmを超える動きを示していた。分割間の誤差が5mmを超えたのは、息止めの4研究と腹の圧迫の2研究である。5mmは、動きの抑制を評価するためにレビューが置いた線であり、線を超えたことだけで圧迫が無効だったことにはならない。[16]
同じ患者で、圧迫の前後を画像で比べた研究だけを集めたレビューもある。対象は肝胆膵領域の放射線治療患者で、18〜39歳の健康な女性の呼吸や着心地への適用は別に検討する必要がある。条件を満たしたのは6研究、合計152人で、後ろ向きと前向きが混ざり、募集は時間順で無作為ではなかった。腹の圧迫は、頭から尾への呼吸性の移動を、患者の多数で減らした。同時に、4研究では少なくとも1方向で動きの増加が見られた。減る人が多数であることと、どこか1方向で増える研究があることは、潰さずに並べる。[17]
初期の動きが5mm未満の人では、利益と、動きが増える可能性や不快とを秤にかけるべきだ、とも書いている。男性であることと高いBMIは効き方に影響するとされたが、根拠は限られる。BMIを、体重を目標にする話にはしない。併存する病気が効き方や快適さにどう関わるかは、6研究のどれも評価していなかった。[17]
ポーズで腹を床に預ける換気は、既存記事「ヨガのチャイルドポーズ、腹部圧迫で換気は減るのか?胸郭制限の実験との違い」に譲る。こちらは、腹の外側へ当てる圧と、呼吸に伴う臓器の移動である。人による違いが結論に残っている以上、店頭の表記だけで深呼吸を省略する理由にはならない。[16][17]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
腎臓は深い呼吸で大きく動き、圧迫板は5mm未満を狙う
腹を押さえると何mm変わるのかを、腎臓の頭尾方向でまとめたレビューがある。1970年から2013年の文献で、頭尾の動きを書いたものは25、参加者は合わせて415人だった。放射線治療への応用を考えた腎臓の移動のレビューであり、18〜39歳の女性のレギンス着用時の呼吸を直接示すものではない。呼吸の条件は3つに整理されている。強制的に浅い呼吸、深い呼吸や息止め、自由な呼吸である。強制的に浅い呼吸を、うつ伏せか腹の圧迫板で書いた文献は3つだった。[2]
うつ伏せは、仰向けに比べて腎臓の動きをほとんど小さくしなかった。圧迫板を使うと、腎臓の動きが5mm未満になり得る、とレビューはまとめている。深い呼吸や息止めを扱った8文献では、平均の動きは10mmから40mmの範囲だった。自由な呼吸を調べた15文献では、平均が10mm未満という報告が多数を占めた。前後方向では最大8.1mm、左右では最大6.2mmという動きも報告されている。この前後と左右の幅については、呼吸のやり方が大きさを変える徴候は無かった。頭尾の話と、前後左右の話を、一つの「呼吸を変えれば全部小さくなる」にまとめない。圧迫板の効果を見た文献は限られ、さらなる検討が要るとも結んでいる。[2]
この数字は、ピラティスのレギンスのウエスト圧ではない。放射線治療で、臓器が呼吸とともに何mm動くかを扱う。レギンスのゴムが圧迫板と同じ結果を出す、とは一段階飛躍する。それでも、腹の外側の圧を見た目の厚みだけのものにはしない。中央線の夕方、人の肘がすでに腹を押している通勤と、スタジオの床で仰向けになる時間では、腹の外側の条件が違う。深呼吸の感じを、家の鏡だけで確定しない。[2]
肺の定位放射線を受けた患者18人の研究は、別の慎重さを足す。治療中の患者を調べた結果であり、18〜39歳の健康な女性へそのまま適用できない。3回の照射で、腹の圧迫を使ったのは4人だった。呼吸と連動したコーンビームCTを201画像解析し、腫瘍を合わせてから各回の終わりまでの時間は、全体で平均35分、ばらつきは7分だった。この35分は、圧迫をした4人だけの時間ではない。4次元CTと比べた動きの差の平均は、左右0.4mm、頭尾1.0mm、前後0.4mmで、治療中の差は平均して1mm未満だった。最初に撮った画像と比べ、動きの差そのものに統計的な差は無かった。[4]
ただし腹の圧迫を使った患者では、頭尾方向について、最初の画像と比べた動きの差のばらつきが統計的に大きかった。pは0.05未満である。著者らの結論は、分割間・分割内の動きの差は小さい、しかし腹の圧迫は、寝台にいる時間のばらつきと、動きの差のばらつきを大きくする、というものだ。4人の結果をハイウエスト全般の害にはしない。見ているのは腫瘍の位置のずれであり、着た人の息の楽さではない。[4]
健康な20人では、約8mmHgと約11mmHgの帯は呼吸を妨げなかった
衣服に近い形を、健康な人の起立で見た試験がある。18歳から50歳のボランティア20人が、仰向けから立ちまでの試行を3条件で無作為に行った。18〜39歳の女性に絞った結果ではなく、その年代の女性全体への適用には留保が要る。帯なし、市販の受動の帯、立ち上がったことを検知してモーターで締まる能動の帯である。圧、心拍数、呼吸を連続して記録し、終わったあと快適さをリカート尺度で尋ねた。リカート尺度とは、程度を段階で答える質問票である。[7]
能動の帯の平均圧は約11mmHgで、人によるばらつきの標準偏差は約1mmHgだった。受動の帯は平均約8mmHg、標準偏差は約3mmHgだった。能動の帯は、帯なしの対照と比べて起立時の心拍数を4.4拍減らした。pは0.05未満である。受動の帯の減少は1拍で、pは0.05を上回った。能動の帯も受動の帯も、呼吸は妨げなかった、と著者らは書いている。快適さは能動が受動と少なくとも同程度で、着るのは能動の方が楽だと評価された。[7]
目指しているのは、立ったときに循環の補償が足りなくなる一群、起立耐性の低下への、持ち運べる帯の試作である。参加者は健康な人で、病気の治療成績ではない。約8mmHgと約11mmHgで呼吸が妨げられなかったことは、「腹に圧が当たれば必ず息が浅くなる」を、この条件では支持しない。前屈を繰り返すハイウエストへ、そのまま延長もしない。受動の帯は約8mmHgでばらつきが大きく、心拍の1拍は統計的に区別できなかった。平均が近いから効果も同じ、とは読まない。[7]
立ち上がると締まるモーターは、立川の試着室には無い。いつも腹に乗っている受動の帯の方が、衣類のイメージには近い。深呼吸で布が腹を止める感じが強いなら、その帯の結果で気のせいにはしない。測っていない一着を、測った帯の合格で代理しない。[7]
数字で読む腹の外からの圧
25文献・415人。腎臓の頭尾の動きをまとめたレビューの規模で、レギンスの試着人数ではない。[2]
10〜40mm。深い呼吸や息止めを扱った8文献での、腎臓の平均の動きの範囲である。[2]
5mm未満。腹の圧迫板により、腎臓の動きがこの水準未満になり得るとされた。必ずそうなる、とは書かれていない。[2]
0.4mm、1.0mm、0.4mm。肺の定位放射線18人で、4次元CTと比べた腫瘍の動きの差の平均である。順に左右、頭尾、前後。腹の圧迫はそのうち4人である。[4]
約11mmHgと約8mmHg。健康な成人20人での能動の帯と受動の帯の平均圧である。どちらも呼吸は妨げなかった。[7]
+1.2mm、+1.3mm、+1.4mm。腹壁形成と腹直筋離開の修復後、クラスIIの腹帯を1か月、3か月、5か月着た群の、6か月時点の腹直筋間距離の平均変化である。[12]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
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