食後のヨーグルトで血糖の上がり方は変わる?食べる順序と比較相手から読む

食後のヨーグルトを足せば血糖の上昇を抑えられるのか。発酵乳と牛乳、朝食前の補食、糖を置き換えた飲料の比較試験を読み、食べる順序と配合の違いを整理する。血糖反応が低くなった結果と差がなかった結果を並べ、食後の数値、満腹感、長期の体重変化を混同せずに献立を考える。

夕食後のヨーグルトは、追加する一品か、デザートの置き換えか。「これでご飯の後の血糖も穏やかになるだろうか」。答えの芯は、ヨーグルトという名前だけでは決まらない、である。発酵乳を牛乳と比べて血糖反応に有意差がなかった試験も、ヨーグルトを組み込んだ朝食で基準食より反応が低かった試験もある。[4][13]

食べる順序も読み落とせない。朝食前の大豆とヨーグルトによる高たんぱく補食が、その後の血糖上昇を抑えた研究はある。ただし対象は食事療法やメトホルミンで管理している2型糖尿病の人であり、夕食を終えてから普通のヨーグルトを追加する場面とは違う。18〜39歳の健康な女性への効果は、この患者対象の結果だけでは判断できない。[3]

長期の体重変化は既存記事「ヨーグルトと乳製品のダイエット効果は本当か 長期の体重変化が語る意外な差」に譲る。ここで読むのは、食後の血糖がどう動いたか、そのとき何と何を比べたかである。実際、減量中の比較試験では、食後血糖の変化に群間差があっても、体重減少には有意な群間差がなかった。[1]

果物を足す器の話は既存記事「糖質制限のヨーグルトに果物は足せる?食べ方と食後の反応を研究で読み分ける」に譲る。こちらは発酵乳と牛乳の比較、食べる順序、継続摂取を軸にする。食後の数値を知りたいときも、ヨーグルトを食べたという共通点だけで研究をまとめず、比較した操作を追う。朝食前の補食と乳製品の継続摂取では、対象も食べ方も異なるからだ。[3][4][15]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

発酵していれば、牛乳より血糖が低くなるか

発酵乳のほうが胃に長くとどまるなら、血糖の上昇も小さくなる。そんな筋書きに合わない結果から始めたい。健康な若い男性8人に全乳と発酵乳を飲んでもらった比較研究では、発酵乳のほうが胃から出る速さは遅かったが、血糖とインスリンの反応には有意差がなかった。インスリンは血糖の調節に関わるホルモンで、この研究は血糖と併せて測定している。男性だけの比較なので、18〜39歳の女性に同じ結果が当てはまるかは別途検証が必要だ。[4]

比較の条件にも特徴がある。脂肪と乳糖の量をそろえるため、発酵乳側に乳糖を加えている。体重75 kgの参加者なら飲む量は1.4 Lという設定だった。食後に小さな容器を開ける日常の場面を、そのまま再現した実験ではない。食品の違いを比べるために条件を整えた研究である。[4]

胃から出る速さと血糖の反応は、別々に測って確かめる必要がある。実験では食欲の感覚にも有意差がなかった。発酵乳の粘りが胃から出る速さの違いに関わると著者らは考察しているが、「粘るから血糖も必ず低くなる」という説明を、この結果に重ねることはできない。[4]

冷蔵庫の前では、つい「発酵」という文字に仕事を任せたくなる。しかし、この比較で確認されたのは、胃から出る速さ、消化管ホルモン、血中脂質の動きには差がある一方で、血糖とインスリンの反応には有意差がなかったという組み合わせだ。体の中の変化は、ひとつの見出しへきれいには整列しない。[4]

別の無作為化クロスオーバー試験では、健康な若年成人30人と、健康または過体重の高齢成人30人が、牛乳、プレーンのギリシャヨーグルト、チーズなどをそれぞれ摂取した。同じ参加者が条件を替えて試す方法である。各食品はメーカー表示に沿った1食分で、エネルギーをそろえた比較ではなかった。若年者と高齢者を含む結果であり、18〜39歳の女性だけの反応としては扱えない。[11]

ヨーグルトは牛乳より食欲の評価を低くしたが、血糖反応で最も低かったのはチーズだった。摂取後2時間の血糖の曲線下面積は、チーズで牛乳やヨーグルトより52〜78%低かった。これは通常の1食分どうしを比べた結果であり、ヨーグルトを同じ重さのチーズへ替えればその割合で下がる、という換算表にはならない。[11]

食欲と血糖で順位が違う点が面白い。ギリシャヨーグルトの食欲の曲線下面積は、脱脂乳より9%、全乳より7%低かった。食欲の評価と血糖の評価では、食品の順位が異なった。食後に「満足した」と感じたことを、そのまま血糖の測定結果として扱わない読み方が必要だ。[11]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

空き枠を見て予約電話で予約 042-595-8039LINE

食後に足す話と、次の食事を変える話は別である

朝食前の補食を調べた研究は、2型糖尿病の男女10人を対象にした。朝食だけの日と、その前に大豆とヨーグルトによる高たんぱくの補食を取る日を比較している。血糖の増分曲線下面積は、補食ありで450±55、対照で699±99 mmol・min/Lだった。著者らは食後血糖の増加がほぼ40%低くなったと結論している。糖尿病患者の結果なので、18〜39歳の健康な女性に同じ低下率を当てはめる根拠にはならない。[3]

曲線下面積とは、時間に沿って並べた数値を面積としてまとめた指標だ。この研究の増分曲線下面積は、食後に増えた血糖の反応を捉えている。ある時刻の血糖が40%低くなった、という意味ではない。上がり方の全体を表す数値と、採血した瞬間の値を分けると、効果の大きさを読み違えにくい。[3]

ここでの主役は、前の摂食が次の食事の反応に影響する「セカンドミール効果」である。研究は朝食前の高たんぱく補食を利用している。ヨーグルトだけを切り出した試験でも、夕食後のデザートを比べた試験でもない。結果は有望だが、食後のヨーグルトという検索語へ、時間の向きを逆にして運ぶことはできない。[3]

また、補食ありの日には朝食直前の血中遊離脂肪酸と、その後の血糖増加の間に相関が見られた。遊離脂肪酸は血液中にある脂肪酸である。こうした測定は、食品名だけを追うより反応の背景を考える手がかりになる。ただし相関を見つけたことと、それだけが血糖差の原因だと証明したことは別だ。[3]

朝食の組み合わせを比べた別の無作為化試験には、健康な過体重の成人18人が参加した。ヨーグルトや発酵オートブラン飲料を含む朝食を基準食と比較し、利用可能な糖質、つまり消化・吸収される糖質の量は各食50 gにそろえた。一方で、エネルギーと主要な栄養素の構成は異なっていた。過体重の成人を対象とするため、18〜39歳の女性全体への適用には体格や食事条件の違いを考える必要がある。[13]

実験食はいずれも基準食より食後血糖反応が低く、ヨーグルトとオートブラン飲料では食べ始めから15分までの初期インスリン反応が高かった。全体のインスリン反応は基準食と同程度だった。血糖が低いという結果だけから、インスリンも最初から最後まで少なかったとは読めない。[13]

この試験は白い小麦パンを含む朝食という組み合わせの研究である。ヨーグルトが組み込まれた食事の結果を、すでに食べ終えた食事へヨーグルトを上乗せする効果と同じにしない。店頭で選ぶときも、「何に追加するか」だけでなく「何と組み合わせ、何の代わりにするか」という問いを置きたい。[13]

同じヨーグルトでも、配合を変えた試験がある

ヨーグルト同士を比べていても、試している中身は違う。健康な成人19人の無作為化クロスオーバー試験では、350 gのヨーグルトにライスベリー米由来の抽出物を0.25%加えたものを、対照ヨーグルトと比較した。成人全体の試験であり、18〜39歳の女性だけで同じ反応が得られるかは確定していない。抽出物を加えた条件では、摂取30分後の血糖と、血糖の増分曲線下面積が低かった。[5]

この研究は、米の色素に含まれるアントシアニンという成分に着目したものだ。普通のヨーグルトを食べれば、同じ結果になると読み替えることはできない。また空腹、食べたい気持ち、満腹感などの主観評価には、両条件で同じような点数が出た。血糖の差があったのに、食欲の感覚は似ていたのである。[5]

糖の置き換えを調べた二重盲検・無作為化クロスオーバー試験もある。ヨーグルト飲料と果物ゼリーをそれぞれ扱った試験で、健康な成人40〜42人が参加した。ヨーグルト飲料では、ショ糖の一部をチコリ由来のオリゴフルクトースという食物繊維へ置き換え、糖類を20%減らした条件を比べている。健康な成人の試験で、18〜39歳の女性だけへの効果を切り分けた結果ではない。[14]

飲み始めから120分までの血糖の増分曲線下面積は、置き換えた飲料で31.9、糖を減らしていない対照で37.3 mmol/L/minとなり、有意に低かった。インスリン反応も並行して低下した。ここで変えたのは「ヨーグルトを食べるかどうか」ではなく、飲料の中にある糖の構成である。[14]

この違いを見落とすと、糖の一部を置き換えた研究が「食後にヨーグルトを追加すると血糖が下がる」という話に化ける。加える操作と置き換える操作は、買い物では似た動作に見えるが、比較試験では別の問いになる。商品棚で容器を選ぶ前に、研究がどちらを試したかを確かめたい。[14]

数字で読むヨーグルトと食後血糖

健康な若い男性8人:発酵乳と牛乳で、血糖・インスリン反応に有意差なし。[4]

2型糖尿病の男女10人:朝食前の高たんぱく補食で、血糖の増分曲線下面積が450±55対699±99 mmol・min/L。[3]

健康な過体重の成人18人:朝食の利用可能な糖質を50 gにそろえて比較。エネルギーと栄養素構成は異なる。[13]

健康な成人19人:抽出物入りヨーグルト350 gと対照を比べ、血糖反応に差があっても食欲の評価は同程度。[5]

糖類を20%減らしたヨーグルト飲料:糖を食物繊維に置き換えた条件で、血糖の増分曲線下面積が31.9対37.3 mmol/L/min。[14]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

空き枠を見て予約電話で予約 042-595-8039LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約