
走りの効率が上がっても、けがの答えにはならない
筋トレの記事でよく出会うのが、ランニングエコノミーという指標だ。同じ走行速度を保つのに必要な酸素やエネルギーの少なさを表し、走りの効率を調べるために使われる。中年の市民ランナー20人を対象に、跳ぶ運動と抵抗を使う筋トレを比べた無作為化試験では、この酸素コストに変化があった。中年のランナーで得た結果であり、18〜39歳の女性に同じ改善幅を見込めるかは別の問いである。[4]
日々のランニングと組み合わせて、どちらも週2回、10週間実施した。抵抗を使う群では、レッグプレス、レッグカール、かかとを上げるカーフレイズの最大挙上重量が19.0〜21.1%増えた。両群とも走行中の酸素コストは2.0%改善したが、群間に有意差はなく、5kmの走行時間はどちらの群でも有意に変わらなかった。[4]
この結果には、区別したい成果が並ぶ。筋トレの種目で扱える重さ、同じ速さで走る効率、実際の距離を走り切る時間である。酸素の節約は確認されたが、走行時間には有意な改善がなかった。まして、ここからけがの減少を結論することはできない。[4]
筋力が増えれば効率も必ず上がる、という読み方にも反例がある。平均年齢40.0歳で、マラソン準備中の男女の市民ランナー22人を対象とする8週間の無作為化比較試験では、持久走に体幹と脚の筋トレを加えた群で、膝を伸ばす最大等尺性筋力が改善した。等尺性とは関節を動かさずに力を出す測り方で、値は体重当たり4.6から6.2N/kgへ増えた。中年のマラソン準備者の結果なので、18〜39歳の女性初心者に同じ筋力の変化をそのまま見込むことはできない。[10]
それでも、設定したマラソン走行速度での酸素消費には、群間差や介入による有意な差が認められず、歩幅や足の回転頻度も変わらなかった。脚の力が育ったという成果は残る。一方で、走りの効率と協調性への利点はこの期間には確認されなかった。[10]
効率が改善した試験と、改善しなかった試験を並べると、筋トレの結果をひとつの箱に入れにくくなる。対象者やプログラム、調べる速度、測定する力の種類が違うためだ。どちらかを消すより、「どの条件で何が変わったか」を残すほうが、初心者が期待を組み立てる材料になる。[4][10]
たとえば、階段で脚を使いやすく感じた日や、筋トレで以前より重い負荷を扱えた日は、自分の記録に残してよい。ただし、その感覚を「これからは走る量を増やしてもけがをしない」という許可証にしない。筋力の測定と走りの成果が一致しなかった研究は、成果ごとに確認欄を分ける理由を示している。[4][10]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
筋トレをしている人の調査だけでは、因果は決まらない
実際の市民ランナーの生活を調べた研究も見ておこう。成人616人のオンライン調査では、参加者の76.8%が女性、平均年齢は42.3歳だった。過去1年間にけがを経験した人は44.6%で、筋トレへの参加の有無によるけがの割合の差はなかった。これは、ある時点の情報から関連を調べる横断研究である。女性が多い調査でも平均年齢は読者層より高く、18〜39歳の女性に同じけがの割合をそのまま当てはめることはできない。[15]
筋トレを行っている人の中では、股関節の筋肉を鍛えている人に、比較的多くけがが見られるという関連もあった。ここだけを読むと、股関節を鍛えるのが悪いように見える。しかしこの調査では、予防の取り組みがけがの前に始まったのか、後に始まったのかを決められていない。[15]
けがを経験したから筋トレを始めた、という順序も考えられる。ただし、その順序は考えられる解釈にとどまる。原因と結果の向きが分からない以上、「鍛えたからけがをした」とは言えず、逆に「多くの人が行うから予防できる」とも言えない。[15]
また、この調査の44.6%と、初心者の試験の40%を並べて、どちらが危険な生活かと比べることも適切ではない。対象者、調べ方、期間の置き方が異なる数字だからだ。調査は過去の経験を尋ね、試験は割り当てた運動のもとで経過を追っている。同じ「けがの割合」でも、答えている問いが違う。[1][15]
予防に詳しい友人が筋トレをしていて、けがもしたことがない。その話は練習のきっかけにはなるが、介入の効果を比べる試験と同じものではない。反対に、けがの後に筋トレを続けている人を見て「効いていない」と判断することもできない。生活の中で見える順序と、研究で確かめた順序を混ぜないことが大切だ。[15]
この研究の著者らは、以前のけがを考慮しながら、先に筋トレの取り組みを確認し、その後の新しいけがを追う研究が必要だとしている。予防を知りたいなら、筋トレ歴の有無だけでなく、その開始時期とけがの時期を結びつける必要がある。日々の記録でも、運動を変えた日を残すと振り返りの問いが具体的になる。[15]

よくある誤解
「筋トレをすれば、初心者でもけがを防げる」。この言い切りは、初心者を対象とした試験に支えられていない。自宅で筋トレを行った群とストレッチ群の間に、発生率の差は確認されなかった。一方、予備試験の結果だけを使って、筋トレ全般に予防の可能性がないと断言するのも範囲を越える。[1]
「足の筋肉が大きくなれば、予防効果が証明された」。足と足首の実施可能性研究が示したのは、取り組みやすさや筋肉の変化、本格的な評価へ進む見込みだった。筋肉を測る検査は、その筋肉に起きた変化を教えてくれる。予防を評価するには、けがの発生を追う必要がある。[2]
「フォームが整い、走りが楽になれば、けがも減ったと考えてよい」。症状のあるランナーの膝や骨盤の角度が改善した試験と、中年ランナーの酸素コストが改善した試験は、それぞれの測定結果を示している。予防への説明として魅力があっても、角度や酸素の数字をけが件数の代わりに置くことはできない。[4][6]
期待が外れたときに「自分の鍛え方が足りない」と決めつける必要もない。比較試験では、脚の筋力が増えても走りの効率に差が出ない場合があった。努力の有無と、測定した成果が現れるかどうかは別の問題である。何を良くしたい練習なのかを言葉にすると、成果の見落としと期待の膨らみの両方を抑えられる。[10]
今日からできること
- 予定表の筋トレ欄に「目的」を添える。初心者129人の試験ではけがの発生率の差が出ていないため、「けがをしない保証」と書くより、どの動きや力を練習したいのかを書く。[1]
- 走った時間と、けがや不調があった時期を一緒に残す。研究の1,000走行時間当たりという考え方を参考に、運動した機会の量を抜きにして月同士を比べない。[1]
- 筋肉、動き、けがの記録を分ける。足の筋肉に変化が出た8週間の試験でも、その結果をけがの減少に読み替えない。自分の記録にも同じ区別を置く。[2]
- 週2回、10週間の研究を、そのまま初心者向けの予防処方にしない。この条件で確認されたのは中年の市民ランナーの筋力や酸素コストの変化であり、けがの減少ではない。[4]
- 筋トレを始めた日と、けがをした日を別々に記す。616人の調査では前後関係を決められなかった。痛みのある人や治療中の人は、予防という自己判断で種目を追加せず、運動の選択を医師に相談する。[6][15]
研究の回数をそのまま宿題にする必要はない。初心者の試験では最初の8週間に週3〜5回の運動が指示されたが、対照群とのけがの発生率の差は出なかった。回数の多さを予防効果の証拠にせず、何を比較して得た数字なのかまで確認したい。[1]
走る予定を立てるときも、「筋トレをした日」と「問題なく走れた日」は別に記録できる。けがが起きなかった経験は大切だが、それだけで原因を特定することはできない。追加した運動の価値を、すべて予防という言葉に背負わせないための分け方である。[1][15]

オンザショア立川店で、走る日以外の予定を考える
走る練習と、別の運動を続ける時間をどう予定表に置くか。その選択肢として、オンザショア立川店にはパーソナルトレーニング、ピラティス、常温のヨガがある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンを扱う。種目は、続ける場所を選ぶための情報として見てほしい。
営業時間は8:00〜23:30で、全曜日同じ、年中無休である。朝に動く予定か、仕事帰りに立ち寄る予定かを、自分の生活の中で考えられる。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。
利用する運動の条件も先に確認したい。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
体験のヨガレッスンは60分で税込1,980円。バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。
予定に合う利用方法は料金ページで確認できる。店舗トップで内容を確かめ、ヨガを試す場合は体験予約から予定を選ぶ。継続の場所選びも、自分が行う運動の目的から始めたい。
参考文献
[1] Running injuries in novice runners enrolled in different training interventions: a pilot randomized controlled trial — Baltich J, Emery CA, Whittaker JL, Nigg BM., 2017, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.12743
[2] Effects of a therapeutic foot exercise program on injury incidence, foot functionality and biomechanics in long-distance runners: Feasibility study for a randomized controlled trial — Taddei UT, Matias AB, Ribeiro FIA, Inoue RS, Bus SA, Sacco ICN., 2018, Physical therapy in sport : official journal of the Association of Chartered Physiotherapists in Sports Medicine. DOI: 10.1016/j.ptsp.2018.10.015
[4] The effects of plyometric versus resistance training on running economy and 5-km running time in middle-aged recreational runners — Eihara Y, Takao K, Sugiyama T, Maeo S, Kanehisa H, Isaka T., 2024, European journal of sport science. DOI: 10.1002/ejsc.12197
[6] Effect of hip abductors training on pelvic drop and knee valgus in runners with medial tibial stress syndrome: a randomized controlled trial — Lashien SA, Abdelnaeem AO, Gomaa EF., 2024, Journal of orthopaedic surgery and research. DOI: 10.1186/s13018-024-05139-3
[10] Effects of a concurrent strength and endurance training on running performance and running economy in recreational marathon runners — Ferrauti A, Bergermann M, Fernandez-Fernandez J., 2010, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0b013e3181d64e9c
[15] Running-Related Overuse Injuries and Their Relationship with Run and Resistance Training Characteristics in Adult Recreational Runners: A Cross-Sectional Study — Stenerson LR, Melton BF, Bland HW, Ryan GA., 2023, Journal of functional morphology and kinesiology. DOI: 10.3390/jfmk8030128
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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