
翌朝の硬さは、脂質が増えたことを意味しない
焼いた直後は軽くほどけたのに、翌朝は少し硬い。同じ袋の中にあったパンでも、口当たりが変わると「今日は重い」と感じることがある。だが、保存中の食感の変化を読むには、油脂の結晶や生地との関わりを見る必要がある。硬くなったという感覚だけを、脂質の量が変わった証拠にはできない。[6][8]
クロワッサンを対象にした比較実験では、水素添加した折り込み用ショートニング、非水素添加のもの、バターを使って製品を作り、生地の中で油脂の結晶がどう振る舞うかを測った。油脂だけを加熱して冷ました場合と、生地に入れて焼いた場合では、結晶の型が違った。油脂の性質は、単独で測る場合と食品の中で測る場合を分ける必要がある。[6]
水素添加したショートニングとバターの変化は小さく、主に元の結晶の型を保った。一方、非水素添加のショートニングでは、別の型への大きな変化が観察された。その変化は冷めた直後ではなく、保存して約24時間後に起きた。時間を置くこと自体が、製品の中の状態を読むうえで意味を持っていた。[6]
さらに、クロワッサンの中の油脂は、同じ油脂を単独で測った場合より固体脂含量が有意に低かった。一方で、完全に溶かすには、単独の油脂より高い温度が必要だった。「固い部分が少ない」と「簡単に全部溶ける」が、そのまま同じ意味にはならない。測っている項目が違えば、結果の読み方も変わる。[6]
製品を切るのに必要な最大の力を硬さの指標として追うと、1週間の保存で有意な硬さの変化があったのは、非水素添加ショートニングを使った製品だった。ここで測ったのは食品の物理的性質であり、人の体重や食後の体調ではない。硬さの測定結果を「体に重い」「太りやすい」という評価に飛躍させないことが必要だ。[6]
翌朝のパンを選ぶときは、まず食感の好みとして考えたい。歯切れのよいものを選びたい日もあれば、しっかり噛めるものを好む日もある。そこに栄養の判断を重ねるなら、前日の柔らかさを思い出すより、同じ製品の表示を確認するほうが問いに合う。口の中の印象と成分の数字を、別の欄に置くのである。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
生地は油脂を包むだけの容器ではない
保存中の変化をさらに絞って調べた実験もある。クロワッサンを構成する成分を分け、結晶性のでんぷん、糊化したでんぷん、グルテン、形成したグルテンの網目を、それぞれショートニングとともに焼いて比較した。糊化は、でんぷんを水と加熱したときに起こる変化を指す。[8]
クロワッサンを丸ごと作った場合に似た結果を示したのは、糊化した小麦でんぷんを含む試料だった。保存中の油脂の結晶の型の変化や、完全に溶けるまでの熱の振る舞いが似ていた。他の成分との組み合わせは、油脂だけの場合に近かった。生地の成分はどれも同じ働きをするわけではなかったのである。[8]
糊化したでんぷんがある試料では、結晶化の速度も大きかった。研究者は、糊化したでんぷんが結晶化の始まりとなる場所として働く可能性を示している。これは成分を分けて調べた製造上の実験であり、そのまま朝食後の消化速度の説明には使えない。食品が固まる仕組みと、食べた後の体の働きは別の問いである。[8]
この研究を日常の選び方に下ろすなら、「油脂名だけで食感を全部説明しない」となる。同じ油脂の名前があっても、食品の中での状態を考える必要がある。袋の原材料名は材料を知る入口であり、そこから断面、保存後の硬さ、栄養成分のすべてを推定するための完成した設計図ではない。[6][8]
層状生地のレビューでも、良好な膨らみのためには製造中の層の維持が重要とされる一方、蒸気を閉じ込める詳しい仕組みや、焼成時に油脂側から出る水の寄与には、まだ解明すべき点があるとされている。説明できる範囲を越えて「この穴ならこの配合だ」と言い切らないのも、科学的な読み方である。[19]
朝の売り場で使う判断は、研究室ほど複雑でなくてよい。断面は食感を選ぶ手がかり、原材料は配合を知る手がかり、栄養表示は含有量を確認する手がかりと、それぞれ役割を持たせる。すべてを穴の大きさに代弁させない。穴は便利な表情だが、栄養表示までは引き受けていない。

よくある誤解
「空洞が大きければ、脂質は少ない」は、構造と成分を混ぜた判断である。油脂は層の形成と維持に関わり、代替油脂の製造実験では、体積が同程度でも穴の構造と硬さが違った。大きな空洞を見つけたら、まず層や食感の違いとして楽しめばよい。低脂質の証明として使うのは早い。[3][19]
「植物油を使う代替材料なら、脂質全体が少ない」も、置き換えの中身を確かめたい。ビゲルの研究で示された栄養上の変化は、飽和脂肪酸が有意に少ないことである。油の種類を変えること、水を含ませること、総脂質を減らすことは、同じ操作を表す言葉ではない。「何が減った」という説明では、その何かを省かず読む必要がある。[3]
「翌朝に硬くなったから、脂っこさも増えたはず」と感じる場合も、まず測定項目を分けたい。クロワッサンの研究では、生地の中での油脂の結晶の変化と、保存後の硬さの変化が検討されている。保存に伴う食感の話を、そのまま含まれる脂質の量の話にはできない。食感の違いを悪いことと決めつけず、好きな状態かどうかと栄養の確認を別々に行う。[6][8]
これらに共通するのは、感覚が間違っているという話ではない。サクサクしている、重く感じる、噛み応えがあるという感想には、その朝の経験として意味がある。研究でも硬さや噛み応えは評価されている。ただ、その感覚に脂質量の判定まで任せると、別の項目を混ぜることになるのである。[3]
今日からできること
- 袋入りの製品を比べるときは、栄養表示が一個当たりなのか、一定の重さ当たりなのかを先に読む。断面や体積と栄養の評価を分けるための、実務上の確認である。[3]
- 大きさと穴は食感の好みを選ぶ材料にする。同じ程度の体積でも、穴が密で、形が平たく横に広い製品が作られた実験を思い出すと、見た目から成分を即断せずに済む。[3]
- 「油脂を100%置換」という説明は、何を置き換えたのかまで確認する。研究での100%は折り込み用油脂の置換であり、製品全体の脂質がなくなったという意味ではない。[3]
- 保存後の硬さは、栄養成分とは分けて記録する。研究で約24時間後に観察されたのは油脂の結晶の型の変化であり、家庭のパンの成分を硬さで測れるという話ではない。[6]
- 原材料や表示を確認できないパンは、見た目から脂質量を決めず、店に確認できる情報を尋ねる。層を保つ油脂の機能を考えれば、空洞を量の代用にしない選び方が自然である。[19]
比べる前に、自分が何を知りたいかを短く決めておくとよい。「歯切れのよいパンが好き」なら食感の説明が役立つ。「朝に食べる分の脂質を確認したい」なら、必要なのは食べる量に対応する表示である。目的が違えば、目を向ける場所も違う。研究の細かな油脂名を覚えるより、この使い分けを持ち帰りたい。
また、一個という呼び方だけで、別の商品を同じ量と扱わないようにしたい。大きさ、重さ、表示の基準がそろっているかを確認し、そろわない場合は単純な比較を保留する。これはクロワッサンを細かく管理するための作法ではなく、違う条件の数字を並べて迷わないための工夫である。数字が見つからなければ、推測で埋めなくてよい。
中央線に乗る前、パンと飲み物を急いで買う朝もある。その場で断面の科学まで思い出す必要はない。「軽い口当たり」は食感として受け取り、成分を知りたいときだけ表示を見る。その程度の短い手順なら、好きなパンを楽しむことと、情報を確かめることを同じ朝に置ける。

オンザショアで、朝の選び方とは別に続ける時間を持つ
朝食を選ぶことと、体を動かす予定を持つことは、生活の中でそれぞれ考えたい。オンザショア立川店は、営業時間が8:00〜23:30で年中無休である。決まった予定を暮らしのどこに置くかを考える際に、まず通える時間から確かめられる場所だ。
JR立川駅北口から徒歩1分、所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fである。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングなどがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、種目と時間を見ながら続ける形を考えられる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。通う条件は店舗案内と料金で確認できる。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験の予約も用意している。食事の印象を採点する場ではなく、日常に動く予定を置くための選択肢として考えたい。
参考文献
[3] Bigels containing different wax-based oleogels as laminating fat replacers in croissants — Steinkellner C, Kroll L, Franke K., 2025, Current research in food science. DOI: 10.1016/j.crfs.2025.101042
[6] Matrix effects on the crystallization behaviour of butter and roll-in shortening in laminated bakery products — Mattice KD, Marangoni AG., 2017, Food research international (Ottawa, Ont.). DOI: 10.1016/j.foodres.2017.03.011
[7] Relationships between structural fat properties with sensory, physical and textural attributes of yeast-leavened laminated salty baked product — de la Horra AE, Barrera GN, Steffolani EM, Ribotta PD, León AE., 2017, Journal of food science and technology. DOI: 10.1007/s13197-017-2572-1
[8] Gelatinized wheat starch influences crystallization behaviour and structure of roll-in shortenings in laminated bakery products — Mattice KD, Marangoni AG., 2018, Food chemistry. DOI: 10.1016/j.foodchem.2017.10.002
[19] Ingredient Functionality in Multilayered Dough-margarine Systems and the Resultant Pastry Products: A Review — Ooms N, Pareyt B, Brijs K, Delcour JA., 2016, Critical reviews in food science and nutrition. DOI: 10.1080/10408398.2014.928259
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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