運動すると乳酸は血球と血漿で違う?数値を比べる前に確かめたい測定対象

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暑さに慣れた感覚と乳酸の数字は別に読む

汗をかく運動のあとには「今日は前より楽だった」という感想が出る。その感覚を大事にすることと、血液の値で裏づけられたと言い切ることは別である。暑さへの適応を調べた無作為化比較試験の系統的レビューとメタ分析では、選手を対象とする研究をまとめ、運動成績、心拍、体温、血漿量、乳酸などを検討している。参加者の91%が男性の選手であり、18〜39歳の女性の日常的な運動にそのまま当てはめるには対象と運動条件の違いがある。[7]

この分析では、一定の課題を終える時間でみた運動成績に改善が認められ、標準化平均差は0.50、95%信頼区間は0.03〜0.97だった。標準化平均差は、異なる研究の結果をそろえて比較するための効果の指標である。幅のある推定であり、ある個人が何分速くなるかを直接表す数字ではない。[7]

一方、血漿量と血中乳酸濃度について、暑さに適応させた群と比較群の間に有意な差は認められなかった。主観的な快適さや運動のきつさの変化も、意味のある大きさには届かなかったと評価されている。運動成績の変化があれば、関係しそうな指標がすべて同じ方向に動く、という図式にはなっていない。[7]

この結果から、暑いレッスンで汗をかけば血漿量が必ず増え、その分だけ乳酸値が薄まる、という説明へ進むことはできない。血漿量と乳酸を両方調べた分析で有意差がなかった以上、都合のよい筋書きを先に置くべきではない。血球と血漿の測定の話を、暑さの効果の宣伝へ直結させないことが大切である。[7]

また、このメタ分析の対象は主に男性の選手である。仕事帰りにヨガを始めた女性と、暑さへの適応を目的として運動する選手とでは、比較の前提が違う。論文の結果を読む際は、運動の種類だけでなく、その運動に慣れた人たちかも確かめたい。研究の人数は、読者本人への当てはまりを保証する印ではない。[7]

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乳酸が高くても自転車の記録は同じだった

別の無作為化クロスオーバー試験は、暑さに慣れていない男性持久系選手20人を対象にした。暑い環境で体重が4%減るまで運動したあと、クエン酸ナトリウムまたは比較用の成分を摂る条件を設け、回復後の自転車の成績を比較している。これは強い脱水を伴う実験であり、日常の運動でまねる手順ではない。男性持久系選手での結果なので、18〜39歳の女性が普段行う運動の反応として、そのまま当てはめることはできない。[19]

回復中にはクエン酸ナトリウム条件で飲水量や体内への水分保持、血漿量の増加が大きかった。しかし、その後の40 kmの自転車課題の所要時間は68.10±3.28分と68.11±2.87分で、有意な改善は認められなかった。回復中に測った体液の変化と、次の運動の成績は、同じ結論にならなかったのである。[19]

その一方で、運動終了時の血中乳酸濃度は7.58±2.44 mmol/Lと5.58±1.32 mmol/Lで、クエン酸ナトリウム条件のほうが高かった。乳酸値が高い条件でも、記録はほぼ同じだった。測定した時点と測定項目を添えずに、数字の大きいほうを「回復が悪い条件」とする読み方は、この結果に合わない。[19]

ここで血漿量の変化を使って、乳酸値の差をすべて説明するのも早計である。この試験が比較しているのは、回復中の介入を含めた条件の違いだ。血球と血漿それぞれの乳酸濃度を換算する実験として読むべきではない。測定項目が近い言葉で並んでいることと、項目間の因果関係が証明されたことを分ける必要がある。[19]

読者の日常に持ち帰れるのは、サプリメントの選び方より結果の並べ方だ。血液の値、回復中の体液の指標、実際の運動成績を、別々の欄に置く。中央線で帰る前の脚の重さについて、乳酸の欄だけで全部を説明しようとしない。研究でも、関連する指標の変化と運動成績は分かれていたからである。[7][19]

空腹時の血漿乳酸を扱うレビューでは、将来の代謝疾患リスクを考える指標としての可能性が論じられている。その背景として示されているのは、細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアの、燃料を使う働きがうまく進まないことを血中乳酸の蓄積が反映する、という仮説である。運動強度の指標として使う場合とは、測定の目的が異なる。[15]

この仮説を、運動後の乳酸が高かった人への診断に変えてはいけない。空腹時という条件と、体を動かしたあとという条件を取り去って、同じ健康の物差しにすることになるからだ。乳酸が出た理由を探す前に、なぜその検査をしたのかを確かめる。血漿という言葉まで同じでも、検査の目的は別に確かめる必要がある。[15]

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よくある誤解

「血液の乳酸なら、測定対象を省いても同じ意味だ」という読み方には注意したい。血漿乳酸を示す試験で確かめた反応は、その条件での血漿乳酸の結果である。赤血球も乳酸の出入りに関わるという知見を加えても、成分をまたぐ固定の換算率までは導けない。測定対象の名前を残すことと、数値の差の理由を説明することは、別の作業になる。[1][10]

「乳酸が高ければ脂肪は使えない」という断定も適切でない。健康で活動的な人を対象にした試験では、乳酸を点滴して増やすと運動中の脂肪分解は抑えられたが、通常の中強度条件との間で脂肪酸化の速度に有意差はなかった。分解と利用を同じ言葉に置き換えると、実験が示した違いを消してしまう。[1]

「低い乳酸ほど運動の成果がよい」という採点法も、この研究群からは採用できない。暑い環境での自転車試験は、乳酸が高い条件でも所要時間に差がなかった。暑さへの適応のメタ分析では、運動成績に変化があっても乳酸濃度の群間差は有意でなかった。数字の低下を、成果そのものとして扱わないほうがよい。[7][19]

なお、病気の場面で使われる乳酸の説明を、運動後の自分にそのまま当てはめることも避けたい。乳酸を扱うレビューは、運動時の代謝と重い病気での代謝を区別して議論している。健康状態について判断が必要な結果は医師に確認する。運動を続ける人の疑問と、病気の診断に使う問いは、目的から違うのである。[10][14]

今日からできること

  • 乳酸の結果を見たら、数値の横に測定対象の名称を残す。8人の点滴試験でも、結果は血漿乳酸として示されている。自分の結果の名称は測定した施設に確かめる。[1]
  • 研究を比較するときは、安静時、運動中、終了時のどれかを先に確認する。60分の運動中の結果と、運動終了時の値を、同じ場面として並べない。[1][19]
  • 暑さの効果を読んだら、誰を対象にしたかも書き添える。11試験の分析は参加者の91%が男性であり、そのまま女性のヨガの効果に読み替えない。[7]
  • 乳酸の高低とは別に、実際の運動課題の結果を探す。40 kmの自転車試験では乳酸に差があっても所要時間はほぼ同じだった。成果の項目を省かない。[19]
  • 脂肪の話では、分解とエネルギー利用のどちらを測ったか確認する。8人の試験で両者の結論が異なったことを思い出し、乳酸だけで運動方法を選ばない。[1]

記録を作るなら、何を知りたいのかを最初に短く書いておくとよい。「前の自分と比べたい」のか、「論文の数字と比べたい」のかで、必要な説明は違ってくる。前者でも測定対象の確認が先であり、後者では対象者や実験条件まで目を向ける。比べる準備のない数値を増やしても、問いに答えるには、比較する条件の説明が必要だ。

たとえば、論文で高い値を見つけて安心材料にするのでも、低い値を見つけて目標にするのでもない。その数字が出た場面を短く言い直せるかを確認したい。血漿乳酸を点滴でそろえた試験、暑さへの適応を比較した分析、回復後の自転車試験では、そもそもの質問が異なる。測定対象を読む作業は、質問の違いを保つための出発点なのである。[1][7][19]

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

オンザショアで、数値より先に通う時間を決める

運動を続ける場所を選ぶときには、検査の数字よりも生活の中に置ける時間を確かめたい。オンザショア立川店は8:00〜23:30の営業で、年中無休である。朝に動くか、仕事の帰りに寄るかを、自分の予定から考えられる。JR立川駅北口から徒歩1分、住所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。

溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけでも25種類以上のレッスンを用意している。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもある。ホットヨガを選ぶか、常温のヨガやほかの運動を選ぶかも、通う予定と一緒に考えたい。通う曜日や選ぶ種目を考える場所として、店のトップで内容を確認できる。

参加条件も予定に入れておきたい。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。料金と体験の予約を確認し、自分が続けられる時間と種目を考えたい。

参考文献

[1] Elevations in blood lactate by exogenous infusion blunts exercise-stimulated whole body lipolysis in healthy individuals: a randomized controlled trial — Mora-Rodriguez R, Mora-Gonzalez D, Moreno-Cabañas A, Morales-Palomo F, Gonzalez-, 2026, Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985). DOI: 10.1152/japplphysiol.00361.2026

[7] Physiological Responses to Heat Acclimation: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials — Rahimi GRM, Albanaqi AL, Van der Touw T, Smart NA., 2019, Journal of sports science & medicine. DOI: なし

[10] Quantitative Assessment of Blood Lactate in Shock: Measure of Hypoxia or Beneficial Energy Source — Levitt DG, Levitt JE, Levitt MD., 2020, BioMed research international. DOI: 10.1155/2020/2608318

[14] The role of lactate in sepsis and COVID-19: Perspective from contracting skeletal muscle metabolism — Iepsen UW, Plovsing RR, Tjelle K, Foss NB, Meyhoff CS, Ryrsø CK, Berg RMG, Seche, 2022, Experimental physiology. DOI: 10.1113/ep089474

[15] Plasma Lactate as a Marker for Metabolic Health — Broskey NT, Zou K, Dohm GL, Houmard JA., 2020, Exercise and sport sciences reviews. DOI: 10.1249/jes.0000000000000220

[19] Impact of sodium citrate ingestion during recovery after dehydrating exercise on rehydration and subsequent 40-km cycling time-trial performance in the heat — Suvi S, Mooses M, Timpmann S, Medijainen L, Narõškina D, Unt E, Ööpik V., 2018, Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme. DOI: 10.1139/apnm-2017-0584

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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宮川涼 Founder
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