
食事量が減った試験でも原因は分けて読む
一方で、運動後の食事量が実際に減った試験もある。過体重・肥満の成人58人が、朝または夕方の高強度インターバル運動と安静を組み合わせた条件で調べられた無作為化クロスオーバー試験である。対象には2型糖尿病がある人とない人が含まれた。18〜39歳の女性に適用する際は、糖尿病や肥満の有無が異なる集団の結果であることを踏まえる必要がある。[1]
高強度インターバル運動は、強い運動を間欠的に行う形式である。この試験では、安静に比べて好きなだけ食べられる食事の摂取エネルギーが361kJ少なかった。95%信頼区間は520〜202kJの減少であり、後の24時間にその差を埋め合わせる摂取増加も見られなかった。空腹などの食欲評価も低く、GDF15とFGF21が増え、グレリンは減っていた。[1]
これだけ複数の反応が動いていると、GDF15だけを抜き出して減少分の原因にすることはできない。比較から分かるのは、この対象と条件において運動後の食事量が少なかったことだ。GDF15の上昇はその結果と並んで観測された反応であり、その物質が減少分をどれだけ担ったかとは別の問いになる。[1][7]
この違いを押さえると、食欲との関連がなかった試験と、食事量が減った試験を、無理にどちらかへ統一せず読める。運動の種類、対象者、測る時間、食事条件が異なり、そもそも「運動の効果」と「物質の濃度との関連」は同一の比較ではない。GDF15が上がるという共通点だけで、食事量の結果までそろうと期待しないことだ。[1][4][5]
時刻についても一律の答えではなかった。全体として時刻による影響は限られ、2型糖尿病がない参加者では、夕方より朝の運動後に摂取量が少なかった。一方、GDF15の運動反応は糖尿病がある参加者で大きかった。GDF15が大きく上がる条件と、朝夕の食事量の差が出る条件を同じものとして扱えない。[1]
帰宅後に食べたくないからといって、この実験と同じ減少幅が自分にも起きたとは考えない。反対に、運動後にお腹がすいた人が、運動に失敗したことにもならない。研究の平均差は、個人に配られる夕食の指定量ではない。[1][8]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
採血の時刻と運動を続けた期間で話が変わる
健康な男性12人を対象とした無作為化クロスオーバー試験の二次解析では、安静か運動かに加えて、糖質を摂るかどうかも組み合わせた。運動は最大酸素摂取量の約75%で30分間、糖質条件ではマルトデキストリン75gを用いている。全体の観察時間は120分だった。男性12人の結果を18〜39歳の女性に一般化するには、性別と対象人数の制約が残る。[19]
時間全体を平均する解析では、運動によるGDF15の差は34pg/mL、95%信頼区間は−2〜69pg/mLで、有意ではなかった。ところが開始後120分の時点では55pg/mL増え、信頼区間は18〜94pg/mLだった。同じ試験でも、全体を平均するか、遅い時点を切り出すかで見える結果が異なる。[19]
「運動で増えた」という短い説明には、この時間の情報が隠れやすい。直後の空腹を説明したいのか、時間がたってからの食事を説明したいのかで、対応させる測定時刻も変わる。この試験ではGDF15と主観的食欲、摂取エネルギーに有意な関連はなかった。遅い上昇が見られたこと自体を、遅れて食欲が消える証拠にはできない。[19]
糖質を摂る条件でも、GDF15への有意な影響は示されず、運動との組み合わせによる有意な相互作用もなかった。これは糖質摂取のすべての効果を調べた答えではない。少なくとも、この男性の小規模試験を使って「空腹時に運動すればGDF15が特別に働く」と勧める根拠にはならない。[19]
単発の運動と、継続した運動も分けたい。成人90人の試験では、高強度群の空腹時GDF15は3か月時点で21%増えたが、6か月時点の13%増は有意ではなかった。中強度群にも有意な変化はなく、運動後のGDF15反応もトレーニングで変わらなかった。一時的な上昇が継続によって積み上がる結果にはならなかった。[5]
別の多施設無作為化比較試験は、18〜60歳の糖尿病予備群の人を対象に、12週間の有酸素運動を調べている。18〜39歳の女性全般に当てはめるには、年齢の幅と糖代謝の状態の違いを考える必要がある。運動群は最大心拍数の50〜70%で60分、週3日運動した。運動群ではGDF15が低下し、終了時には対照群より低かった。単発の運動後の上昇と、期間を置いて比べた値の低下は、測定する場面が異なる。[9]
この研究では64人を運動群と対照群に無作為化し、薬剤開始予定者32人を別に加えている。全員が同じ方法で無作為化された比較と混同しないことも必要だ。薬剤と運動の優劣をここから決めるのではなく、運動を続けた後に濃度が下がった点に注目したい。[9]

よくある誤解
「GDF15が高いほど、運動の効果が高い」は成り立たない。過体重・肥満の成人の試験では、高いGDF15は、心肺体力の低さや中心性肥満、好ましくない脂質・血糖の状態と関連していた。これは高い濃度がそれらを引き起こすという意味でもない。健康状態との関連と、運動による一時的変化を混ぜて、万能の成績表にしない。[5]
「食欲が下がるのはこの物質のおかげ」と一本化するのも早い。運動後の食欲抑制のレビューでは、食欲を促す活性型グレリンの関与を挙げ、GLP-1の関与も考えられるとする。仕組みの候補として乳酸に比較的多くの支持が集まる一方、GDF15なども検討されている。どの候補がどの場面を説明するかは、分けて確かめる必要がある。[8]
「動物で食事量が減れば、女性の運動後も同じ」でもない。高脂肪食の雄と雌のマウスにGDF15を毎日投与し、自発的な回し車運動と組み合わせた11日間の実験では、雄では摂食量と体重増加が抑えられたが、雌では一時的な摂食低下の後に反動の摂食が起き、総摂食量は減らなかった。投与は両方の性で回し車の走行距離も減らした。マウスへの投与の結果であり、18〜39歳の女性の運動後の反応へ直接適用することはできない。[17]
これは人の女性にも反動が必ず起こるという証拠ではない。動物の投与実験の中でさえ、性別と観察期間によって結果が異なることを示す。短い時間の摂食低下だけを抜き出すと、全期間の結果を見失う。人の運動後の空腹を説明するにも、体重の変化を予想するにも、別の確認が要る。[17]
今日からできること
- 運動直後の空腹と、実際に食べた内容を別の欄に残す。成人90人の試験で、GDF15の増加と食欲・摂取量の関連が見られなかったことを、記録を混ぜない理由にする。[5]
- 運動が終わった時刻と、空腹を振り返った時刻を添える。男性12人の試験では、観察全体の平均と開始後120分の結果が違っていた。記録法の効果を示す数字ではなく、時間を区別する手掛かりだ。[19]
- 夕食だけで運動日の食事を判定せず、その後の食事も振り返る。58人の試験では24時間後まで補償的な増加を調べていた。食べる量を減らす課題にはせず、観察する範囲の参考にする。[1]
- 空腹時の運動に切り替える理由を、GDF15に求めない。75gの糖質を用いた男性の比較試験では、糖質による有意なGDF15変化はなかった。この実験量を普段の補食量の指定にも使わない。[19]
- 単発の運動後と、運動を続けた後の話を分ける。12週間の運動で濃度が下がった試験もあり、「上げるために運動を増やす」という目標には置き換えない。[9]

オンザショアで、食欲の成績表を持たずに続ける
運動後の空腹の強弱を、その日のレッスンの合否にしない。予定に合う時間と通いやすい場所から、続ける形を考えたい。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。朝の予定の前か仕事帰りか、生活の中に置く時間を考えるための情報になる。
場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10エトロワビル3Fにある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、種目と時間を選ぶ接点として利用できる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加条件を確認したうえで、予定に合うレッスンを選ぶ。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。
店舗案内と料金を確認し、予定に合えば体験の予約へ進める。食欲を消すことを予約の目的にせず、通う時間を具体的に決める場所として考える。
参考文献
[1] Effects of exercise and exercise timing on energy intake and appetite control: a randomised crossover trial in people with overweight or obesity with and without type 2 diabetes — Launbo NP, Jalking L, Jensen MM, Beaulieu K, Finlayson G, Blond MB, Wiggers A, R, 2026, EBioMedicine. DOI: 10.1016/j.ebiom.2026.106353
[4] Effects of exercise conducted prior to phenylketonuria-type meal on appetite, satiety hormones and energy expenditure: a randomised cross-over trial — Alghamdi NA, Dorling JL, Alreshidi A, Gerasimidis K, Malkova D., 2025, European journal of clinical nutrition. DOI: 10.1038/s41430-025-01629-7
[5] Effects of acute exercise and exercise training on plasma GDF15 concentrations and associations with appetite and cardiometabolic health in individuals with overweight or obesity – A secondary analysis of a randomized controlled trial — Quist JS, Klein AB, Færch K, Beaulieu K, Rosenkilde M, Gram AS, Sjödin A, Toreko, 2023, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2022.106423
[7] GDF15 in Appetite and Exercise: Essential Player or Coincidental Bystander? — Klein AB, Kleinert M, Richter EA, Clemmensen C., 2022, Endocrinology. DOI: 10.1210/endocr/bqab242
[8] Exercise-induced appetite suppression: An update on potential mechanisms — McCarthy SF, Tucker JAL, Hazell TJ., 2024, Physiological reports. DOI: 10.14814/phy2.70022
[9] The effect of exercise on GDF-15 levels in individuals with prediabetes: A randomized controlled trial — Yıldırım Ayaz E, Mesci B, Üner ÖE, Kaya FN, Dincer B, İşman FK, Oğuz A., 2025, Journal of diabetes investigation. DOI: 10.1111/jdi.14404
[17] Daily GDF15 treatment has sex-specific effects on body weight and food intake and does not enhance the effects of voluntary physical activity in mice — Jeromson S, Akcan M, Baranowski B, Arbeau M, Bellucci A, Wright DC., 2024, The Journal of physiology. DOI: 10.1113/jp287256
[19] Effects of Acute Exercise and Carbohydrate Intake on Plasma GDF-15 Levels and Its Association With Appetite Regulation — James E, Frampton J, Murphy KG, Chambers ES., 2025, Journal of the Endocrine Society. DOI: 10.1210/jendso/bvaf013
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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