運動前の麺類は短く切れば噛みやすい?長さと一口の量から支度を考える

運動前のうどんや麺類は、短く切るほどよく噛めるのだろうか。パスタの形状とグルテン、咀嚼後の粒、食後の血糖を調べた研究から、麺の長さと一口量を分けて読む。噛む回数を目標にせず、急ぐ日の食べ方と支度を考え、運動中のお腹の快適さにそのまま結びつけない判断の仕方を示す。

うどんを箸で持ち上げたら、器から口まで長い束がつながった。レッスンに出る支度の途中、短く切ればよく噛めるのかと考える。扱いやすくする工夫と、噛む回数を増やす工夫は、同じだろうか。

短くするだけで、噛む回数が増えると考えるのは早計だ。パスタの形状とグルテンを比較した実験では、小さな形のパスタが、ほとんど噛まれないまま飲み込まれる場合が示されている。食べやすさと、噛む動作が増えることは同じではない。[19]

運動前の支度として見るべきなのは、麺の端から端までの長さだけではない。口へ運ぶまとまりと、噛むときの抵抗も分けて考えたい。ここでは形状と咀嚼の研究を軸にする。汁の塩分は既存記事「運動後のラーメンは汁を残せば塩分が減る?麺とれんげから考える食べ方の工夫」に譲り、食べる前に麺を扱う場面へ焦点を絞る。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

麺の長さと一口の量は同じものか

麺が長いというのは、食品の形の話である。一口の量は、その食品をどれだけまとめて口へ運ぶかという行動の話だ。長い麺でも少しだけ持ち上げることはでき、短くした麺でも大きなまとまりをすくえる。切ったという事実だけでは、食卓で何が変わったかまで説明できない。

パスタの形状を扱った研究は、食品の大きさや形に加え、変形しやすさや機械的な性質を含む構造が、口の中での処理に関わると位置づけている。咀嚼とは噛む動作のことであり、ここでいう口の中での処理には、食品を噛み、飲み込むまでに扱う過程が含まれる。[19]

同研究はグルテンを含むパスタと含まないパスタを対象に、形状が調理後の性質、食感、噛む行動、構造の崩れ方にどう関係するかを調べた食品実験である。グルテンは小麦に含まれるたんぱく質で、でんぷんとの相互作用が麺の品質に関わるとレビューでも整理されている。[1][19]

結果は、形とグルテンの有無が、食感だけでなく噛む行動にも影響するというものだった。特にグルテンは咀嚼に必要な働きを増し、小さな形状では、ほとんど噛まれていない片が飲み込まれる可能性が示された。したがって「小さい食品なら、自然にたくさん噛む」という筋書きは、この実験の結果とは合わない。[19]

家でうどんを短く切ることと、製品として形の異なるパスタを比較することには違いがある。原料や作り方まで変わる比較を、包丁を入れるだけの工夫へ置き換えないことが大切だ。ここから借りられるのは万能な切り方ではなく、形だけで噛み方を決めつけない視点である。[19]

箸でつまみ直すのに困っているなら、まずその扱いを見直す。口に入れたあとで量が多いと感じるなら、持ち上げるまとまりを見直す。問題を「長いうどんだから」の一言に畳まないほうが、自分が変えたい動作を具体的に選べる。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

パスタの噛む回数は何と比べた数字か

健康な標準体重の成人を対象とした研究では、パスタとほかの穀物食品を比べている。食後の代謝を調べた無作為化比較試験は各30人で行われ、別に標準体重の成人26人を対象とした咀嚼試験が実施された。18〜39歳の女性の運動前の食事に、そのまま当てはめられるかは別に検討する必要がある。[2]

咀嚼試験で報告された回数は、スパゲッティが34±18回、ペンネが38±20回、パンが27±13回、クスクスが24±17回だった。口の中で処理する時間は、同じ順に21±13秒、23±14秒、18±9秒、14±10秒である。パスタはパンやクスクスより、噛む回数が多く、口の中で扱う時間も長かった。[2]

ここでの「±」を伴う数字は、実験で得られた代表値とばらつきを一緒に示したものだ。スパゲッティなら34回を目標にする、という食事指導ではない。ペンネの数字がスパゲッティより大きいことだけを取り出し、短い麺ほどよく噛むと順位をつける読み方も避けたい。報告された比較の中心は、パスタとパンやクスクスの違いである。[2]

形を調べた別の実験では、小さなパスタがあまり噛まれずに飲み込まれる可能性がある。一方、この試験ではペンネを含むパスタ製品の咀嚼回数が多い。両者は「短いものは噛まない」「短いものは噛む」という単純な対立ではない。比較する食品、グルテンの条件、構造をそろえて読む必要がある。[2][19]

仕事帰りの食卓で欲しいのは、研究の平均値に顎を合わせることではない。口に運んだあとで無理なく扱えるか、次のまとまりを急いで追加していないか、という動作の確認である。研究の数字は、食品によって噛み方が変わりうることを知る手がかりとして使う。[2][19]

回数だけを気にすると、食べ終わるころには料理より採点表をよく見ていた、ということにもなりかねない。麺を食べる目的に、咀嚼回数の記録更新を追加する必要はない。

噛んだあとにも麺の構造は残る

口へ入る前の麺の長さと、飲み込むころの粒の大きさは別の測定対象である。食塊とは、噛むなどの処理を経て飲み込むまとまりのことだ。成人の咀嚼試験では、この食塊の粒の分布や微細な構造を調べ、さらに胃での消化を模した実験を組み合わせている。[2]

パスタでは、咀嚼後と胃の消化を模した処理後に、粒の総面積の46〜67%を大きな粒が占めた。比較対象のパンは0〜30%、クスクスは1%だった。これは皿に盛った重量の割合ではなく、観察した粒の面積に関する指標である。「パスタの半分以上が未消化のまま残る」と読み替えてはいけない。[2]

消化を模した処理のあとにも、パスタでは、たんぱく質の網目に包まれた未分解のでんぷんが広い範囲に残った。対してパンやクスクスでは、たんぱく質の大部分が消化され、でんぷんの分解が進んでいた。研究者らは、噛む過程と胃での消化の過程で保たれる構造が、パスタのでんぷん分解の遅さを説明するとしている。[2]

つまり、噛む回数が多いことと、粒が細かくなることは一致しない。この比較では、噛む回数が多いパスタでも大きな粒が残っていた。噛む動作と食品の壊れやすさは、別々に見なければならない。[2]

麺の品質を扱うレビューも、でんぷんとグルテンが水や空間をめぐって影響し合い、さまざまな結びつきを作ることを整理している。別のレビューでは、でんぷんの構造、膨らむ性質、加熱時の粘りなどが麺やパスタの食感に関わるとされる。皿の上では細い線に見えても、その内側は単純ではない。[1][3]

この説明から、こしの強い麺を無理に選ぶ必要はない。構造が残るという研究上の現象と、自分がその食感を好むかは別の判断である。研究の優劣表に合わせて昼食を決めるより、どの比較が何を測ったのかを知っておくほうが役に立つ。

食塊を調べる実験と、食後の血液の反応を調べる試験は、互いを補う役割を持っている。前者は食品がどのように崩れるかを見ており、後者は食べたあとの体の反応を見ている。両方の結果を合わせることで、原料名や糖質量だけでは説明しきれない構造の役割を考えられる。ただし、実験室で胃の消化を模した結果を、そのまま人の胃に残っている量や時間として扱うことはできない。[2]

たとえば、パスタに残った大きな粒の面積は、噛んでからの構造を比較するための数字である。それを見て「自分もこの割合だけ胃に残る」と計算する使い方はしない。食品の粒を画像で調べることと、運動に出かける自分の状態を予測することの間には距離がある。粒の研究は構造の説明に使い、外出時刻の逆算表にはしない。[2]

また、同じ原料から作られた食品を比較する設計には意味がある。原料が大きく違う食品を並べるよりも、加工されてできた構造へ目を向けやすいからだ。この研究では、同じデュラム小麦セモリナから作った穀物食品について、噛んだあとの構造と食後の反応を合わせて検討している。家庭の麺選びでも、原料の名前だけで食べたあとの違いをすべて説明しない姿勢につながる。[2]

数字で読む麺の咀嚼と構造

食後の代謝を調べた試験は各30人、咀嚼試験は26人で、対象は健康な標準体重の成人だった。[2]

スパゲッティの咀嚼回数は34±18回で、個人へ課す推奨回数ではない。[2]

ペンネの口腔内処理時間は23±14秒で、運動まで待つ時間を表した数字ではない。[2]

パスタの大きな粒は総粒子面積の46〜67%を占め、食品重量の比率とは異なる。[2]

食後の代謝試験では、各食品の利用可能な糖質を50gにそろえて比較した。[2]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約