筋トレと有酸素運動を毎日交互にすると硬くなる?休んだ筋肉と予定表の読み方

別日に分けた運動で筋力や心肺体力が改善しても、その結果から安静時の筋肉の硬さは判定できない。併用トレーニングの試験とメタ分析を手がかりに、同日内の順番と一日おきの配分を区別する。研究の対象や運動量も確かめながら、仕事帰りに続ける予定と体の感触をどう見直すかを整理する。

昨日はスクワット、今日は散歩。玄関で靴ひもを結ぶ前に太ももに手を当て、「交互にしているのに硬い気がする」と考える。予定表の種目は入れ替わっていても、その感触が何を意味するのかは別の問いである。

筋トレと有酸素運動を組み合わせる方法には、筋力や心肺体力の改善を示した研究がある。ただし、その結果を使って「毎日交互なら、力を抜いた筋肉が硬くなる」「交互なら必ず柔らかくなる」とは判定できない。別日に分けた試験でも、確認された成果は筋力や体力、体組成の変化として読む必要がある。[5][20]

ここで確かめたいのは、交互という予定が筋肉の状態をどこまで説明するかである。既存記事「筋トレで力を入れると筋肉は硬くなる?触った印象と測る弾性を分けて研究で読む」には収縮中の硬さの問いを譲る。こちらでは、同日に混ぜる場合と別日に分ける場合を比べ、長く続けた成果から翌日の硬さへ話を飛ばさない。

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「交互にする」は研究では同じ予定を指さない

筋トレと持久的な運動を組み合わせる訓練を、併用トレーニングと呼ぶ。研究では、同じ時間枠に両方を入れる方法も、別の運動時間に分ける方法も扱われる。「併用」という言葉だけで、毎日交互に実施したと受け取らないことが出発点になる。[1][20]

日程を具体的に比較した無作為化比較試験がある。これは参加者を無作為に群へ分けて比較する研究であり、日頃から運動している成人を対象に、同じ日に有酸素運動と筋トレを組み込む群と、それぞれを別の日に実施する群を比べた。期間は7週間で、各群の運動量と種目をそろえている。日頃から運動している成人の結果であり、18〜39歳の女性全体にそのまま当てはめるには、運動経験や実施条件の違いを考える必要がある。[20]

前者は週4回、各45分の運動の中に両方を入れた。後者は週2回の筋トレと週2回の有酸素運動を、それぞれ45分ずつ行った。ここでの比較は「混ぜるか、分けるか」である。休みなく毎日続ける予定を、そのまま再現した比較ではない。[20]

たとえば、自分のカレンダーで筋トレと散歩が交互に並んでいても、研究と同じ条件かは、並び方だけでは決まらない。散歩の速さ、筋トレの内容、運動に使う時間まで照らし合わせて初めて、似ている部分が見える。この試験の運動強度は、きつさを0から10で評価する尺度で7以上だった。気分転換の歩行と同じ枠に入れるのは慎重でありたい。[20]

検索する側は「一日おき」と入力する。研究する側は、回数、時間、強度、比較する相手を決める。その間を埋めずに結論だけ持ち帰ると、予定表の見た目が似ているだけの方法まで同じものになってしまう。

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別日に分けても、成果は筋力と体力として読む

日程を分けた群は37人、同じ日に組み込んだ群は38人だった。両群とも上半身と下半身の筋力、運動中に取り込む酸素量のピーク、最大仕事率に小さな改善が認められた。別日に分けたから運動の成果がなくなる、という結果ではない。[20]

一方、体脂肪率の変化には別日群を支持する差があったものの、効果量は−0.082とごく小さい。研究者も、体組成の変化を大きなものとして扱ってはいない。「分けたほうが圧倒的によい」という見出しを付けるには、数字のほうが控えめである。[20]

この試験の読みどころは、同じ程度の運動量で日程を変えた点にある。仮に自分が筋トレの日を増やすと同時に走る時間も延ばしたなら、起きた変化を「交互にした効果」だけに帰すことはできない。比較する条件をそろえる研究の考え方は、日常の振り返りにも役立つ。[20]

ただ、筋力が伸びたという結果を、休んでいる筋肉の手触りに翻訳するのは飛躍である。「持ち上げられるようになった」と「触ると張っている」は、読者自身がまず別々の言葉で残したい情報だ。運動の成果を認めながら、硬さについてはそれ自体の問いとして扱う。その区別があれば、成功した運動を感触だけで失敗扱いせずに済む。

また、運動を続けたあとの平均的な変化と、その日の脚の状態を混ぜないことも大切になる。この研究の7週間という期間は、帰宅して触った瞬間の印象とは時間の幅が違う。継続後の比較を読みたいのか、今日の予定を相談したいのかで、必要な情報も変わる。[20]

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筋力を損なうという心配は、条件を添えて考える

「有酸素運動を加えると筋トレの成果が打ち消される」という心配に対しては、短時間の全力運動を組み合わせた研究を統合したメタ分析が参考になる。健康な18歳以上の成人を対象とする9研究、177人をまとめ、筋トレ単独と、筋トレにスプリント形式の運動を加える方法を比較したものだ。対象は18〜39歳の女性だけに絞られておらず、その年代の女性全体で同じ結果になるかは、この統合結果と分けて考える。[5]

下半身の筋力の標準化平均差は0.01、上半身では−0.06で、どちらも有意差はなかった。標準化平均差とは、測定尺度が違う研究同士を共通の尺度で比べるための効果量である。この結果は、対象となった条件で、併用群の筋力の伸びが単独群より明確に劣るとはいえなかった、という意味で読む。[5]

跳躍とスプリントの成績にも有意差はなく、最大酸素摂取量には併用群を支持する差があった。最大酸素摂取量は、運動中に取り込める酸素量の上限を表す指標で、この比較の効果量は0.78だった。筋力と心肺体力で、同じ比較から異なる答えが出ている。[5]

ここから日常へ持ち帰れるのは、組み合わせるだけで必ず筋力が犠牲になる、とは考えなくてよいという点である。一方、この結果を普通の歩行や、休みのない交互運動の保証へ広げない。対象の運動はスプリント形式であり、研究の参加条件には監督下での訓練が含まれている。[5]

強い運動を増やせば同じ成果が出る、と勧める話でもない。仕事帰りの予定を考える際は、どの研究に近づけるかよりも、自分が何を目標に選んだかを明確にしたい。重さを扱う力を伸ばしたいのか、息が上がる運動に取り組みたいのか。目的を分けると、「硬い気がする」だけで全体を評価する必要がなくなる。

同じ分析には、結果が条件によって変わるかを確かめる検討もある。短いスプリント、具体的には10秒以下の方法に絞ると、跳躍の改善は併用群を支持し、効果量は0.41だった。全体の跳躍成績では有意差がなかったのに、条件を絞った比較では違いがみえたことになる。[5]

この細部を、自分も全力運動を短くすればよいという処方にしないことが肝心だ。分析の一部分でみえた結果は、運動の条件を吟味する手がかりになる。全体の結果と条件を絞った結果を一緒に読むと、併用を単純な成功か失敗かに分けずに済む。[5]

心肺体力を比べるときは、有酸素運動の量を見る

併用トレーニングと有酸素運動単独を比べたメタ分析では、最大酸素摂取量の変化に全体として有意差はなかった。標準化平均差は−0.12、95%信頼区間は−0.28から0.05だった。信頼区間は推定値の不確かさを表し、この範囲は差がない値をまたいでいる。運動経験のない人や競技者などを扱った分析であり、18〜39歳の女性の生活にそのまま当てはめる際には、経験と運動負荷を照らし合わせたい。[1]

ところが、有酸素運動の負荷を減らした併用方法では、運動経験のない参加者や16週間の介入で、最大酸素摂取量の伸びが小さい結果がみられた。運動経験のない人の比較では効果量−0.32、95%信頼区間−0.62から−0.02だった。組み合わせの名前だけでなく、その中身が重要になる。[1]

忙しい週に筋トレの予定を入れ、その分だけ走る時間を削ったとする。そのとき心肺体力の変化を比べるなら、「交互になったこと」と「有酸素運動が減ったこと」を区別して考えたい。このメタ分析も、有酸素運動の負荷を減らす条件を分けて読んでいる。[1]

交互という並び方を守ることが目的になると、中に入る運動の量が見えなくなる。予定表の色が均等でも、実際に使った時間には偏りがありうる。筋トレを足したら何を減らしたのかまで残しておくほうが、あとから自分の計画を説明しやすい。

数字で読む併用トレーニング

7週間:同日に組み込む方法と別日に分ける方法を比較した、成人の無作為化比較試験の期間である。[20]

38人と37人:その試験の同日群と別日群の参加者数。両群で筋力と心肺体力に小さな改善があった。[20]

0.01:スプリント形式を加えた併用と筋トレ単独を比べた、下半身筋力の標準化平均差。有意差はなかった。[5]

0.78:同じメタ分析で、最大酸素摂取量は併用群を支持した効果量である。[5]

−0.12:有酸素運動単独と併用を比べた最大酸素摂取量の効果量。全体では有意差がなかった。[1]

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宮川涼 Founder

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