
続けた後の変化は、その場の筋活動とは分けて読む
水中でお腹が働いたとして、続けた先にどうなるのか。ここでは閉経後女性を対象にした無作為化比較試験が参考になる。健康で座りがちな生活をしていた女性46人を、水中運動15人、ゴムバンド運動21人、対照10人に分け、24週間の抵抗運動を調べた研究だ。閉経後の女性の結果を、18〜39歳の女性の改善率としてそのまま当てはめることはできない。[2]
水中運動群では、腹筋クランチの成績が28.11%増加した。クランチはお腹を丸める動作を使う評価である。これは腹筋の厚みが同じ割合で増えたという意味ではなく、見た目の線が濃くなった割合でもない。評価した課題の成績が伸びた、と読むことで、結果が何を支えているのかがはっきりする。[2]
水中運動とゴムバンド運動の両群では、除脂肪量、膝つき腕立て、スクワットなどにも有意な改善が見られた。除脂肪量は脂肪を除いた体の量を指す。水中運動だけが全身の運動能力を高める方法だったわけではなく、比較相手にも改善があった。この研究は、閉経後女性における運動の選択肢を増やす結果として受け止められる。[2]
水中群のクランチが改善したことから、ゴムバンドより腹筋に優れていると直ちに決めるのは避ける。ある群で前後の変化が有意だったという情報と、群同士の差が確かだったという情報は分けて読む必要がある。研究の結論も、この集団で水中抵抗運動がゴムバンドと比較可能な健康・体力上の利益をもたらす、というものである。[2]
ほかに、健康な60歳超の女性22人を無作為に水中運動群と対照群へ分けた試験がある。24週間、週3日、各60分の監督下のプログラムだった。内容には有酸素運動と、水の抵抗を使う専用器具による上肢・下肢の抵抗運動が含まれていた。60歳超を対象にした結果であり、18〜39歳の女性に同じ変化を見込む根拠にはならない。[3]
この研究では、膝を伸ばす力、膝を曲げる力、握力、動的な筋力や移動能力などが改善した。たとえば膝を伸ばす最大等尺性トルクは10.5%、膝を曲げるものは13.4%増えた。等尺性とは関節を動かさずに力を出す条件であり、トルクは関節を回す力の大きさである。腹筋の評価とは違うが、水中でも筋力を鍛えられる例になっている。[3]
大切なのは、この試験も水に入っているだけの時間を調べたわけではないことだ。運動内容と監督のあるプログラムを続けた結果である。プールへ行った回数をそろえるだけで同じ変化になるとは考えず、何を練習したかまで含めて見る。通った場所だけでは、運動の中身を説明し切れない。[2][3]
ロッカーで着替えながら、次もプールに来るか床で運動するか迷うなら、どちらが優勝かを決める必要はない。何の成績を変えたいのかを先に決め、その課題を練習できる場を選ぶ考え方がある。クランチ成績の変化を望む話と、膝や上肢の筋力の話を分ければ、他人の成功例をそのまま自分の約束にせずに済む。[2][3]
研究の対象を確かめることも、選択の一部である。閉経後女性、高齢女性、若い男性、慢性腰痛のある人では出発点が違う。女性という言葉が共通していても、若い女性の腹筋に同じ改善率が出ると決める根拠にはならない。自分と対象者の違いを残して読むほうが、期待する変化を具体的に相談できる。[2][3][7][17]
評価に使われた動作の名前を読む習慣も役立つ。高齢女性の試験では、筋力だけでなく、椅子から立って移動する課題や、座って前へ手を伸ばす課題も調べられた。前者は移動能力、後者は柔軟性をみる評価であり、同じ「体力がついた」の中にも違う変化がある。腹筋だけを探していると見落としやすいが、運動を選ぶ目的は腹部に限定しなくてもよい。[3]
たとえば、相談の際に「お腹に強い刺激がほしい」と伝えるのか、「動作を続けられる成績を確かめたい」と伝えるのかでは、確かめる指標が違う。前者に近い情報を与えるのは筋活動の比較、後者に近い情報を与えるのは継続後の課題の成績である。両者を区別しておけば、その日の大変さだけを理由に訓練の成否を判定せずに済む。[2][4][17]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「水中は心拍数が低いから、腹筋への刺激も小さい」は、別々の指標を重ねている。水中と陸上を比べた研究では、心拍数は一貫して陸上で高かった。一方、主観的なきつさは水中で高い種目も、陸上で高い種目もあった。心拍数だけで、お腹の筋活動の大小を代弁させることはできない。[4]
この違いは、自分の感覚を無視するための話ではない。息が上がった感じ、局所の筋肉が働く感じ、姿勢を保つ難しさを、ひとまとめの「効いた」にしてしまわないための話である。研究が心拍、きつさ、筋活動をそれぞれ測っていたように、体験を話すときも何が大変だったのかを分けると、次の運動の相談がしやすい。[4]
「腰痛の人でも痛みが少なかったから、誰でも同じ運動でよい」も広げすぎである。陸上と水中を比べた研究では、痛みの報告頻度は陸上7.7%、水中3.7%だったが、障害の程度が高い人は含まれていなかった。水中での低い痛みの頻度は、すべての腰痛のある人への実施許可を意味しない。[4]
浮具を使う研究でも痛みの発生や強さは低く、26種目のうち17種目は痛みがなかった。しかし、これは参加者と実施された種目についての結果である。あおむけで浮く動作を勧める治療の指示として読まず、医師や担当者に種目を相談する際の材料にするのが適切だ。[17]
「クランチが伸びたから、お腹の見た目も同じだけ変わる」という受け取り方も違う。閉経後女性の試験が示した28.11%はクランチの成績の増加である。運動のメリットを、鏡に見える変化だけへ翻訳する必要はない。前より課題をこなせるようになることも、研究が測った変化の中心にある。[2]
若い男性の訓練では腹部の皮下脂肪厚の減少も報告されたが、全身の抵抗運動を行った小規模な研究である。その結果を女性の水中腹筋運動による局所的な変化の保証に使わない。腹部に関係する測定値であっても、誰が何を行った結果かという文脈は外せない。[7]

今日からできること
- 水中の運動を選ぶ前に、立位なのか浮く姿勢なのか、脚と体幹のどちらを動かすのかを確認する。26種目を比較した研究でも、腹部の筋活動は種目によって異なった。浮具の有無だけで決めず、動作まで尋ねる。[17]
- 速く動くことだけを目標にせず、道具とテンポを指導者とそろえる。若い男性の8週間の訓練では、動作のテンポが個人と種目に合わせて調節されていた。この期間を、自分に効果が出る期限にはしない。[7]
- 運動の記録には、回数に加えて種目、使った道具、動くテンポ、感じたきつさを残す。水中と陸上の15種目ずつを比べた研究では、心拍数、きつさ、筋活動の結果は同じ方向にそろっていなかった。[4]
- 腹筋運動の目標を、外見だけでなく課題の成績でも言葉にする。閉経後女性の24週間の試験で測られたのは、クランチなどの成績である。同じ課題を比べるなら、毎回の条件を相談してそろえる。[2]
- 腰痛があり水中の運動を考える場合は、医師や担当する専門家に相談する。20人の慢性腰痛者で見られた種目ごとの筋活動や痛みの結果を、自分への運動処方と同一視しない。[17]
オンザショアで、続ける時間を具体化する
水中か陸上かという場所の印象より、どんな動作を続けたいかを先に考えたい。オンザショア立川店には常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。記事で比べた水中運動の成績とは区別し、自分が練習したい動作と無理なく通える時間を具体化するための選択肢として考える場所である。
妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。営業時間は8:00〜23:30で全曜日同じ、年中無休だ。店のトップと料金で内容を確認できる。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験の予約は、生活の予定と参加条件を確かめてから選びたい。

参考文献
[2] Effects of aquatic resistance training on health and fitness in postmenopausal women — Colado JC, Triplett NT, Tella V, Saucedo P, Abellán J., 2009, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-009-0996-7
[3] The effects of a twenty-four-week aquatic training program on muscular strength performance in healthy elderly women — Tsourlou T, Benik A, Dipla K, Zafeiridis A, Kellis S., 2006, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/r-18455.1
[4] Muscle Activity During Aquatic and Land Exercises in People With and Without Low Back Pain — Psycharakis SG, Coleman SGS, Linton L, Kaliarntas K, Valentin S., 2019, Physical therapy. DOI: 10.1093/ptj/pzy150
[7] Effects of a short-term aquatic resistance program on strength and body composition in fit young men — Colado JC, Tella V, Triplett NT, González LM., 2009, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0b013e31818eff5d
[17] The WATER study: Which AquaTic ExeRcises increase muscle activity and limit pain for people with low back pain? — Psycharakis SG, Coleman SGS, Linton L, Valentin S., 2022, Physiotherapy. DOI: 10.1016/j.physio.2022.03.003
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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