ピラティスの頻度とダイエット、体重より通勤や家事の動きから続け方を考える

ピラティスの頻度をダイエットのために増やす前に、通勤や家事など運動以外の活動も確かめたい。運動後に活動が減る場合と減らない場合を系統的レビューや試験から読み、体重だけで予定を決めない記録の方法を考える。レッスンの日と休みの日を比べ、暮らし全体で続けられる回数を探すための読み物である。

レッスンから帰り、洗濯物を畳む前にソファへ座る。翌日の買い物も後回しにしたなら、増やした予約の外で暮らしはどう変わっただろう。これは生活を振り返るための仮の場面だ。通った回数と、家で動けた時間を並べるところから考えたい。

ピラティスの頻度をダイエットのために考えるときも、体重を減らすことを全員の目標にせず、レッスンを何回足すかと、その前後の暮らしがどう変わるかを一緒に見たい。成人の運動介入を集めた系統的レビューでは、運動以外の活動が減った介入もあったが、必ず減るという仮説は支持されなかった。回数だけで体重の変化を約束することも、運動した分が必ず帳消しになると決めることもできない。[7]

既存の「【連載】ピラティスの処方箋 第2回|頻度——週1回と週3回で差は出るのか」には頻度そのものの比較を譲る。また「NEATと座りすぎの科学 運動以外の日常の動きはダイエットをどこまで支えるか」が扱う日常活動の全体像から、本記事では予約を増やした前後の変化に問いを絞る。

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回数の外にある活動も、予定表に載せる

運動以外の活動によるエネルギー消費は、非運動性活動熱産生と呼ばれる。英語の略称はNEATである。通勤で歩く、家の仕事をする、立って作業するといった、スポーツとして計画した運動の外にある活動が含まれる。活動の種類や量に加え、その動きに必要なエネルギーによっても大きさが変わる。[15]

似た言葉に、非運動性身体活動がある。こちらは運動以外に体を動かす行動を指し、その行動で使うエネルギーを表すNEATとは区別する。成人を対象にした系統的レビューも、行動の変化とエネルギー消費の変化を分けて調べている。動いた時間のメモは役に立つが、それだけをそのまま消費エネルギーの正確な数字と考えるのは早い。[7][15]

例えば、レッスンを受けた日に帰宅後の片づけを翌日に回したとする。翌日に普段どおり片づけた場合と、そのまま動く機会がなくなった場合では、生活の中で起きたことが違う。これは研究結果を個人に断定して当てはめる例ではなく、何を記録すれば違いが見えるかという整理である。予約の有無だけでは、この違いは残らない。

反対に、スタジオへ向かうため駅まで歩く機会が増えることも考えられる。公共交通と日常活動を扱うミニレビューは、公共交通の利用がNEATに寄与する可能性を示す一方、影響の程度は人や状況によって異なるとしている。電車通いなら必ず活動が増える、という法則ではない。自宅から駅までの道のりも、職場から直接向かう日も、それぞれの生活の条件である。[1]

中央線に乗っただけで運動したことにはならないが、改札までの道は予約画面に表示されない。レッスンの内容と別に、そこへ行くまで、帰ってからという時間を並べると、頻度の意味が具体的になる。歩く機会を含む移動の環境に目を向ける考え方は、公共交通とNEATを扱うレビューとも一致する。[1]

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運動すると日常活動が減る、は全員の話ではない

この問題を広く調べたのが、成人の食事や運動による介入を集めた系統的レビューである。対象は36論文、参加者は合計1,561人だった。食事のみ、運動のみ、両方を組み合わせた介入を含み、日常活動や関連するエネルギー消費を客観的な方法で測った研究が選ばれている。対象は18歳を超える健康な男女であり、18〜39歳の女性だけの結果としてそのまま当てはめるには対象が広い。[7]

運動や食事の介入に伴って、別の活動が減ることを、ここでは活動の「補償」と呼ぶ。消費を増やすつもりの運動を始めても、他の場面で消費が減れば、期待した変化とずれが生じうる。ただし、この説明は起こりうる経路を示したものであり、すべての人の減量停滞の理由を言い当てるものではない。[7]

レビューに含まれた70の介入群のうち、補償が観察されたのは26群だった。内訳を介入の種類別に見ると、食事のみでは63%、食事と運動の組み合わせでは27%、運動のみでは23%の介入群で補償が見られた。ここでの割合は参加者個人の割合ではなく、研究の介入群の割合である。「運動する人の23%が動かなくなる」とは読み替えられない。[7]

著者らの全体としての判断は、食事や運動の処方が健康な成人の日常活動を減らすという仮説を支持しない、というものだった。同時に、研究規模や測定法の限界が結論を制約しうるとも述べている。低下した例だけを抜き出して運動の価値を否定する読み方も、全体の判断だけを見て個別の低下を無視する読み方も、この結果に合わない。[7]

さらに、NEATが低下した参加者の減量は、補償しなかった参加者の減量の2倍だった。活動が減った人ほど減量が少ない、と単純には並ばなかったのである。著者らは、エネルギーの不均衡の程度が省エネルギーにつながる可能性を挙げている。この比較を、日常活動を減らすほうが痩せるという助言に変えてはいけない。[7]

体重と活動の関係には、どちらが先か、介入の条件はどう違うかという問いが残る。体重計だけでは、運動の追加、食事の変化、日常活動の変化を切り分けられない。予約を増やした後に体重が動かなかったとしても、ただちに「活動の補償が原因だ」と診断することはできない。[7][8]

筋肉の増加と、消費の合計の増加を分けて読む

回数を考える際の参考になるのが、健康な高齢男性33人を対象とした無作為化比較試験である。平均年齢は67歳で、筋力トレーニングを行う条件と行わない条件、高たんぱく食の条件と対照条件を組み合わせ、12週間後の変化を調べた。筋力トレーニングの頻度は週2回だった。18〜39歳の女性が行うピラティスに、同じ頻度や変化をそのまま当てはめることはできない。[3]

筋力トレーニングでは、運動しない条件と比べて除脂肪量が1.0±0.3kg増え、安静時代謝の増加は36±14kcal/日だった。一方、自由な生活の中での活動による消費は90±25kcal/日減少した。これらの「±」は論文が示したばらつきを伴う数字であり、個人への予測値ではない。[3]

この試験では、安静時や睡眠時などのエネルギー消費が増えても、総エネルギー消費の増加にはつながらなかった。筋肉が増えたという結果と、暮らし全体で使うエネルギーが増えたという結果は同義ではない。体の一部分の変化から合計を推定すると、別の部分で起きた変化を見落とす。[3]

ただし、高齢男性の筋力トレーニングの結果を理由に、ピラティスを始めると日常活動が必ず減ると結論づけることもできない。この試験が教えるのは、異なる消費の項目が同じ方向に動くとは限らない、という見方である。ピラティスの予約回数を決める場面でも、運動枠の中だけで判断しないための参考として読むのが適切だ。[3][7]

数字を単純に引き算して、自分のレッスンがどれだけ相殺されるかを計算する必要はない。対象も運動も測定された条件も違う。大切なのは、筋肉や代謝という魅力的な言葉を見たとき、何を測った結果なのかを確かめることである。レッスンに通った事実と、消費全体の変化は分けて扱いたい。[3]

測定の場面にも目を向けたい。この試験では、呼吸を測定する部屋に滞在して調べる方法に加え、日常生活では加速度計を用いて活動による消費を推定していた。管理された部屋の中の動きと、普段の暮らしの動きの両方を見ている。自宅で歩いた感覚だけから同じ精度の数字を出せるわけではない。[3]

NEATのレビューでは、日常全体のエネルギー消費から他の成分を差し引く方法と、個々の活動を積み上げて求める方法が紹介されている。どちらも、レッスンの参加回数を数えるだけの方法ではない。頻度を記録する欄と日常の行動を記録する欄を分けるのは、同じ数字にまとめる前に、異なるものを見ていると意識するためでもある。[15]

予約表は出席の記録として使い、暮らしのメモは行動の記録として使う。消費エネルギーの推計に必要な測定と、予定を相談するための観察には違いがある。研究の数字を読んでも、自分の家事をすべて熱量に換算する宿題にしなくてよい。[3][15]

数字で読む運動以外の活動

36論文・1,561人:成人の食事・運動介入を集めた系統的レビューの規模である。[7]

70群中26群:日常活動や関連する消費の低下が見られた介入群の数である。[7]

23%:運動のみの介入群で補償が見られた割合であり、個人の発生確率ではない。[7]

33人・12週間:消費の内訳も調べた高齢男性の筋力トレーニング試験である。[3]

94人・1年間:日常活動の平均的な低下が見られなかった元競技者の生活介入試験である。[2]

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宮川涼 Founder

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