国立でヨガを始める日のメモ、姿勢を絵にする利点と順番を残す難しさを考える

国立でヨガやピラティスを始め、習った姿勢をメモに残したい人へ。絵を描くことと説明を書き写すことを、描画と記憶の実験から比べる。個々の内容を覚える利点、順番を忘れる可能性、自分で図を作る意味を読み分け、次のレッスンで確かめるためのノートの使い方を考える。

レッスンを終えてノートを開く。習った姿勢を棒人間で残そうとして、腕をどちらに伸ばしたかで鉛筆が止まる。説明の言葉は少し残っているのに、体の形が出てこない。ならば、文章より棒人間を描いたほうがよいのだろうか。

個々の内容を思い出す目的なら、描く方法は候補になる。単語を絵にする実験では、書き写す場合より記憶がよくなる「描画効果」が繰り返し確認されている。ただし、内容が思い出せることと、その順番まで覚えていることは別だ。順番の記憶では黙読が優位だった実験もある。[18][15]

ヨガの動作そのものを上達させる効果まで、この結果から約束することはできない。ここで考えるのは、レッスン後に説明をどう残すかである。既存記事「呼吸法の本は自分の言葉で説明する?読み返す安心と理解の確かめ方を研究で読む」に理解を言葉で確かめる問いを譲り、こちらは絵と書き写しが残す記憶の違いに絞る。

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絵を描くと、何を覚えやすくなるのか

描画効果を調べた代表的な研究は、自由再生、つまり見本なしで覚えた内容を挙げる課題を使っている。参加者は提示された単語について、その単語が表すものを描くか、単語を書く。絵の美しさを評価する課題ではなく、あとで元の単語を思い出せるかを比べる実験である。[18]

この研究の7つの実験では、描く条件が書く条件より記憶に有利だった。記憶する時間を短くしたり、覚える単語のリストを長くしたりした条件でも利点が残った。絵を描く時間がたっぷりあるときだけの現象ではなかったのである。ただし、これを「ヨガの説明を短時間で全部覚えられる」と言い換えることはできない。調べた対象は単語の記憶だ。[18]

レッスンのメモに置き換えるなら、考え方の例はこうなる。「腕を上げた姿勢」という言葉を何度も写すかわりに、自分が覚えておきたい腕と体の関係を図にしてみる。これは研究を参考にした記録の工夫であり、その姿勢の正確さや体への適合を判定する方法ではない。ノートの中で腕が上がっていても、実際の動きが確認できたことにはならない。

また、実験でいう記憶の向上には測り方がある。見本なしで挙げられること、提示された項目を見覚えがあると選べること、並び順を再現できることは、同じ採点ではない。描画の研究を読むときは「覚えた」という言葉の後ろに、何を答える試験だったかを置きたい。項目の利点だけでノート全体の優劣を決めると、順序の問題が抜け落ちる。[5][15]

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手を動かすだけでは説明しきれない

絵でも文字でも手は動く。それでも差が出るなら、「手書きだから覚える」で話を終えるのは早い。単語を使った7実験の研究では、意味を深く考えること、頭に像を浮かべること、絵として見ることだけでは描画の利点を十分に説明できなかった。著者らは、意味・見た目・運動の要素が統合されるという説明を提案している。[18]

ここでいう運動の要素は、絵を作る手の動きなどを含む。ヨガで姿勢を保持する能力が、ノートに線を引くことでそのまま身につくという意味ではない。実験の中で手を動かした事実と、覚えたい全身の動作を習得したという主張の間には距離がある。その距離を飛び越えないことが、研究をメモに生かす前提になる。[18]

若年成人を対象に、単語を絵にする条件と黙読する条件を比べ、近赤外光で脳活動を測った研究もある。描画では項目を正しく見覚えている成績と意欲が高まった一方、その情報の出所を覚える成績は改善しなかった。感覚運動に関わる皮質や、空間情報の統合などに関わる領域では、黙読より強い活動が観察された。[1]

これは描くときに複数の処理が関わる説明を部分的に支える結果だが、脳の活動が強いほどよいノートだ、と採点する材料ではない。同じ研究の中でも改善した記憶と改善しなかった記憶がある。どんな場面の説明だったかを残したいなら、絵だけに頼らず、レッスン名など確認できる情報を文章で添えるという使い分けを考えられる。[1]

単語を描く、同じ単語を繰り返し書く、その物の見た目の特徴を列挙する、という課題を比べた別の実験もある。記憶する段階でこれらの作業を行い、後で単語を見覚えているか調べたところ、特徴を挙げる条件は繰り返し書く条件より成績がよかったが、描く条件には及ばなかった。描画か丸写しかという二択の間にも、違う処理をする方法がある。[11]

この実験では、思い出す際の脳活動も磁気共鳴画像で測っている。描いた単語の記憶の利点が大きい人ほど、視覚表現や心の中の像、運動の計画に関連する領域の活動と正の関連があった。著者らは、描く際に作られた視覚・運動・意味の表現が、思い出すときにも再び関わる可能性を示している。ただし、活動と成績の関連だけで、特定の領域が記憶の改善を引き起こしたと断定することはできない。[11]

絵に抵抗がある日の記録なら、この比較は「書く」の中身を見直す材料になる。先生の説明をそのまま反復して書く作業と、自分が見た特徴を言葉で取り出す作業は同じではない。ただし、特徴を列挙する条件の成績がよかったのは単語の記憶実験である。姿勢の特徴を書けば動きが正確になるという保証にはせず、自分のメモで何をしているかを考える手がかりとして使いたい。[11]

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見本を写す絵と、自分で作る絵は違う

説明図をそっくり写すのと、自分の理解から図を組み立てるのは、どちらも描く行為だ。だが、単語と画像を組み合わせた記憶実験では、与えられた画像を再現する条件より、異なる画像を自分で生成する条件のほうが、描画の利点が頑健だった。比較対象は書く課題で、結果は自由再生で評価された。[2]

この研究では、描く課題と書く課題を同じリスト内に混ぜる場合と、分けたリストにする場合の両方で描画効果が見られた。単語だけでなく画像も提示される状況へ実験を広げた点に意味がある。一方、ヨガの姿勢を見ながら描く状況と同じ課題ではない。自分で図を作るという発想を借りることと、そのまま同じ効果が出ると判断することは区別したい。[2]

たとえば帰宅後のメモなら、見た姿勢の輪郭を細部まで再現する前に、自分が残したい関係を決める。「手がどこにあったか」が疑問なら、そこが読める図にする。「先生が何と言ったか」を残したいなら、言葉も必要になる。これは絵の完成度を競う時間ではなく、次に確認する対象を選ぶ時間である。

ただし、自分で生成することは、正しい説明を自由に変更してよいという意味ではない。言われた内容と、自分がそう理解した内容は、メモ上でも分けておける。自作の図の横に「ここは未確認」と残す余白を作れば、その図を質問の材料にできる。自分の解釈を記憶したことと、指導内容を正確に保存したことを混ぜずに済む。

描き終わる前の「どう描くか」にも意味がある

描画のどの部分が記憶に関わるのかを調べた実験では、描くか書くかを指示し、課題に取りかかる前に1秒または2秒の準備時間を設けた。一部の試行では、その後の描画や筆記を実行できないようにした。完成した絵が手元に残らなくても、描く準備だけで、実際に書いた条件より記憶に利点が認められた。[17]

この結果は、覚えるために必ず立派な完成図が必要だ、という考えに待ったをかける。何をどう表すかを考える過程も、描画の利点に関わりうる。実験が示したのは、描く準備にも記憶の利点があったことだ。ノートではまず、体の向きか腕の位置か、残したい関係を選ぶところから試せる。[17]

ノートを開いて、体のどこを線で残すかを迷う。その迷いを全部、無駄な時間とみなさなくてもよいだろう。少なくとも研究上は、準備と完成した図を切り離して調べたとき、準備だけにも記憶の利点があった。棒人間の顔を丁寧に整えるより、何を表したいかを決めるほうに注意を向けるという工夫につながる。[17]

たとえば、腕を広げた姿勢を残したいなら、棒人間の横に「体はどちら向きだったか」と書く。形を描く欄と、動作の流れを書く欄を分け、後者には「この姿勢の前に何をしたか」「次にどこへ動いたか」を言葉で添える。覚えているつながりだけを矢印で結び、迷った箇所には疑問符を置く。描き込む場所と次に聞く場所が、同じページで読み取れる記録の例だ。

数字で読む、描く記憶の実験

7実験:単語を描く場合と書く場合などを比べ、自由再生で描画の利点を確かめた研究である。[18]

3実験:描くことと黙読を比較し、項目だけでなく順番の記憶も調べた研究である。[15]

1秒または2秒:描く・書く作業の前に設けられた準備時間であり、日常の推奨時間ではない。[17]

86人:小学5年生の詩の学習を、描く条件と繰り返し読む条件で比べた授業研究の対象である。[3]

3実験:描く項目と書く項目を混ぜる場合、分ける場合の利点と不利益を検討した別の研究である。[5]

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宮川涼 Founder

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