大胸筋の筋トレは左右交互に押す?待つ腕の重りと両腕同時との違いを読む

大胸筋の筋トレを自宅のダンベルメニューに入れるとき、左右交互なら体幹にも効くのだろうか。片手だけで持つ条件と両手に持つ条件の実験を手がかりに、待つ腕の位置、動く範囲、反復の数え方を整理する。女性を対象にした研究も読み、胸の刺激と続けられる練習量を分けて考える。

右を押すあいだ、左のダンベルはどこで待っているだろう。自宅でダンベルの動画をまねしていると、両腕をそろえるより器用な運動に見えてくる。けれど、動画の右手が動くあいだ、左手は何をしているだろう。重りを上に残しているのか、下で待っているのか、それとも何も持っていないのか。

大胸筋のプレスを左右交互にしただけで、胸や体幹により大きな効果があるとは決められない。関連する実験では、片手だけにダンベルを持つ条件で肩の動く範囲が広かったが、不安定なベンチに替えても測定した筋活動に差は認められなかった。動かす腕の順番と、左右に持つ重りの配置は、分けて読む必要がある。[4]

このページで考えるのは、胸を押す動作で「待つ側」をどう扱うかである。「背中の筋トレは両手で同時に引く?片手ずつとの体幹への負荷を研究で読む」は引く動作の比較に譲る。押すメニューでは、持っている重りと動いている重りを混同せず、胸の練習量まで見渡したい。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

左右交互でも、待つ腕の条件は同じではない

まず、ここでの呼び分けを決めておく。両腕同時は、両手の重りをそろえて押す動作。左右交互は、両手に重りを持ちながら、動かす腕を入れ替える動作。片手持ちは、反対の手に重りを持たずに押す動作である。日常の説明ではいずれも「片腕ずつ」と呼ばれやすいが、メニューを記録するときには区別したい。

たとえば「右から始めた」とだけ書いても、反対の重りがどこにあったかは残らない。上で止めて待ったのか、胸の横で待ったのか、いったん置いたのか。運動名が同じでも、実際にまねする動作は変わる。動画を見るなら、押している手だけでなく画面の反対側も見る。主役の腕だけを追うと、練習の半分が画面の外へ消えてしまう。

この区別に近い実験を行ったのがPattersonらである。参加者20人が、通常の平らなベンチと不安定性を与えるベンチで、片腕のプレスを行った。各ベンチについて、ダンベルを片手だけに持つ場合と、両手に持つ場合を設けている。比較したのは、片腕で押すという動作の中の、台と持ち方の組み合わせである。18〜39歳の女性にそのまま当てはめるより、参加者20人で確かめた条件の違いとして読む。[4]

したがって、この実験の「両手に持つ」を「両腕をそろえて押す」と読み替えるのは正確ではない。両手に重りがあるという条件と、両腕が同時に動くという条件は別物だ。左右交互という名前だけを手がかりに研究を探すと、この取り違えが起きる。研究が比べた条件を日常のメニューに重ねるには、手の数と動く側をそれぞれ確かめる必要がある。[4]

自宅のメモには「交互」と書くだけで終えず、「両手に持ち、待つ腕は上」などと添えるとよい。これは特定の待ち方が優秀だという主張ではなく、次回も同じ動作を選ぶための整理である。違う持ち方を試した日に、重さだけを見て前回よりできたと判定しないためにも役立つ。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

片手持ちで広がったのは、まず動く範囲だった

Pattersonらが測った筋肉は、大胸筋、背中の僧帽筋中部、お腹の外腹斜筋と内腹斜筋である。腹斜筋は脇腹にある筋肉だ。筋電図とは、筋肉が働くときの電気的な信号を測る方法で、この研究ではその信号の大きさを比較した。肩の動く範囲も、肩まわりの角度を表す指標で評価している。[4]

台の安定性と、重りを持つ手の数では、結果が分かれた。通常のベンチと不安定なベンチの間で、測定した筋電図の大きさにも動く範囲にも差は認められなかった。一方、ダンベルを片手だけに持つ条件では、両手に持つ条件より動く範囲が広かった。この違いは、どちらのベンチでも見られた。[4]

比較を整理すると、平らな台で片手持ち、平らな台で両手持ち、不安定な台で片手持ち、不安定な台で両手持ち、という組み合わせになる。台を替えた比較と、持つ手の数を替えた比較を別々に読むと、どの変更に動く範囲の違いが伴ったかを追いやすい。片腕で押す動作は共通でも、反対側に重りがあるかどうかは別の条件である。この実験が持ち方について示した明確な違いは、動く範囲であった。[4]

動く範囲が広いことを、胸がそれだけ育つという意味に置き換えることもできない。研究はその場の動作と筋活動を比較している。長く続けた後の大胸筋の成長を比べた結果ではないので、ここから交互押しの筋肥大効果を順位づけしない。自宅では、持ち方を替えた日の記録に、以前と同じ範囲で動かしたかも添える。[4]

たとえば昨日は両手に持って交互、今日は片手だけに持って片側を続けたとする。本人には同じダンベルプレスでも、持ち方が変わっている。軽く感じたか、深く下ろせたかをメモするなら、その変更も一緒に残したい。重さを変えていないから条件が同じ、とは扱わない。これは片手持ちを避ける話ではなく、比べるための条件をそろえる話だ。[4]

実験と自宅のメニューを照合するなら、台、重りを持つ手、実際に押す腕の欄を作るとよい。たとえば両腕同時の日は、持つ手だけなら実験の両手持ちと共通するが、押す腕の条件が異なる。動作名を探すより、条件の欄を埋めるほうが比較の位置づけがはっきりする。[4]

体幹の仕事と胸の練習量は、別の欄に記録する

片手で押すときに脇腹が気になると、胸の運動が腹筋の運動へ変わったように感じるかもしれない。だが、お腹の筋肉も測った研究であることと、お腹により優れた効果があることは同義ではない。Pattersonらの結果は、不安定な台を使えば腹斜筋を含む測定筋の活動が一律に増す、という説明を支持しなかった。[4]

自宅では筋電図を測らない。そこで「どこに感じたか」と「何を行ったか」の欄を分ける。前者には胸、脇腹、腕などの感覚を、後者には持ち方、待つ腕、重さ、動く範囲を書く。感じ方は次に相談するときの手がかりになるが、それだけで筋肉の成長を採点する道具にはしない。実験の筋活動と動く範囲も別の指標だったのだから、日々の記録も別々に扱う。[4]

回数の数え方も決めたい。右と左を合わせて数えている日と、それぞれの腕で数えている日が混ざると、「前回と同じ回数」というメモから内容を再現できない。「右」「左」の欄を作れば、片側に行った反復がそのまま残る。両腕同時の日にも同じ欄を使うと、数え方の変更を成績の変化と取り違えにくい。

時間の効率を扱ったIversenらのナラティブレビューは、研究を整理した総説であり、交互押しそのものの比較試験ではない。この総説では、時間を優先する筋力トレーニングの構成として、両側を使う多関節運動を重視している。多関節とは、動作に複数の関節が関わるという意味である。さらに、頻度より週間の練習量を重視している。幅広い筋トレ研究を整理した提案なので、18〜39歳の女性にそのまま最適な構成と当てはめるには、目的や経験との照合が必要だ。[9]

これを自宅の選択に使うなら、時間に追われる日にまで、必ず交互の動作を入れなくてよいという考え方になる。両腕同時で予定した練習を終えることも候補だ。一方、持ち方を確認したい日には、交互の動作を観察する目的がある。どちらが上級かを決めるより、今日の目的が短い時間で行うことか、左右の動作を確かめることかを先に書く。[9]

総説が示す時間効率の提案は、交互に押せば時間が半分になるという意味でもない。研究の推薦する種目の組み方と、目の前で腕を交互に動かす手順を重ねすぎないことが大切だ。帰宅して着替えたあと、時計ばかり気になる日もある。その日のメニューを複雑にする前に、胸の練習として何を残したいかを決めておきたい。[9]

記録を比べる場面を、もう少し具体的にしよう。交互の日は右が終わるまで左を上で待たせ、同時の日は両腕をそのまま下ろしていたとする。この場合、単に腕の順番だけを替えたつもりでも、待つ動作が加わっている。まず「同じメニューの記録」ではなく「別の持ち方を試した記録」として並べる。片腕プレスの実験が持ち方を条件として区別したように、比較する前に何を替えたかを明らかにするのである。[4]

また、胸の筋力を追いたいなら、途中で評価する種目まで次々に替えないほうが記録を読みやすい。女性の試験が評価したのは座位ベンチプレスの最大筋力であり、脇腹の疲れ具合ではない。自分が知りたい成果の名前を決めてから、日々の感覚と並べて読む姿勢を持ちたい。[20]

数字で読むプレスの比較

20人:片腕プレスで、台の安定性とダンベルの持ち方を比較した実験の参加者数である。[4]

男女各12人:負荷、反復量、休憩の合計をそろえ、休みの配分を比べた研究の対象である。[6]

24回:その休憩配分の研究でそろえたベンチプレスの反復数であり、自宅用の指定回数ではない。[6]

27人:基本的な筋トレ経験のある女性を対象とした、セット数比較試験の参加者数である。[20]

10%:その女性の試験で、複数セット群に認められた座位ベンチプレス最大筋力の増加である。[20]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約