筋トレの背中は重さを何キロずつ増やす?刻み幅より回数と進歩の見分け方

背中の筋トレで次の重りへ進むか迷ったとき、何を記録すればよいのか。重量を増やす方法と回数を増やす方法の比較試験、若い女性の段階的な負荷増加の研究から、共通のキロ数を決められない理由を読む。筋力と筋肉の厚み、総負荷量を分け、小さな刻みを選ぶ前の確認点を整理する。

背中を引くマシンの前で、重りのピンを持ったまま止まる。前回より重くするべきか、同じ位置でもう少し丁寧に引くべきか。前回の記録には重量と回数が並ぶのに、次のピンの位置までは書いていない。重りの目盛りだけは妙にはっきり答えを求めてくる。

答えの芯は、全員に共通する増量のキロ数を決めるより、重さと回数を組み合わせて進歩を確かめることである。未経験の若い男女を対象とした比較試験では、重量を増やす方法でも、回数を増やす方法でも筋力と筋肉の断面積は増え、方法間の有意差はなかった。18〜39歳の女性の背中にそのまま当てはめるには、男女を含む集団と脚の運動という条件の違いを考える必要がある。[11]

既存記事「筋トレの背中は重さを自分で選ぶと違う?決められた負荷と意欲の関係を読む」には負荷を選ぶ主体の話を譲る。ここで考えるのは、自分で選ぶ場合も指導者と決める場合も、その次の段階へ進む根拠をどこに置くかである。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

「何キロ足すか」の前に、何を進めるかを決める

漸進性過負荷とは、運動で体にかかるストレスを段階的に増やす考え方である。研究では、セット数と反復回数と重量を掛け合わせた総負荷量の増加で表すことがある。だが、この掛け算で増えた外側の仕事量と、筋肉そのものの成長は同じ指標ではない。総負荷量と筋肉の成長の関係を論じたレビューは、その数字の伸びだけで筋肥大を説明することに疑問を示している。[14]

背中の運動を続けている人にとっては、目盛りが上がれば達成感がある。それ自体を否定する必要はない。ただ、目的が重い物を引く力なのか、筋肉の大きさなのかで、見たい結果は変わる。脚の比較試験でも、最大筋力と筋肉の断面積を別々に測っていた。引ける重量を記録する行為と、筋肉が大きくなったと判断する行為は分けておきたい。[11][14]

「筋トレの背中を大きくしたい」と検索して来た人も、必ず大きさを目指す必要はない。動作を覚えたい、運動を続けたいという目的なら、その目的を記録の先頭に置けばよい。研究の筋肥大という評価項目を、そのまま全員の日常の目標にする理由はない。何を確かめたいかを先に書くと、重りの位置だけで自分を採点せずに済む。

小さな刻みを使うという発想も、ここから考える。次の重りで今までの反復が成立するかを相談するための調整であって、細かく刻むほど筋肉が育つという法則ではない。過度な負荷や不適切な技術を傷害の要因に挙げるレビューからは、数字の更新より動作と負荷の管理を優先する理由が読み取れる。[8]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

重量を増やす方法と、回数を増やす方法を比べた試験

この問いに近いのは、筋トレ未経験の若い男性と女性、合わせて39人の脚を使った無作為化比較試験である。男性20人、女性19人が参加し、各人の脚を重量を増やす条件と反復回数を増やす条件に割り当てた。別の人同士を比べるだけでなく、同じ参加者の中で方法を比較した設計である。期間は10週間だった。18〜39歳の女性だけの結果ではないため、背中への適用は負荷を進める考え方の参考にとどめる。[11]

筋力はレッグエクステンションという膝を伸ばす運動の最大挙上重量で評価した。最大挙上重量とは、ここでは反復できる回数の多さではなく、持ち上げられる最大の重さを測る指標である。重量増加の条件は開始時52.90kgから終了時69.05kgへ、回数増加の条件は51.67kgから66.82kgへ増加した。両条件の間に統計的な有意差は認められなかった。[11]

筋肉の大きさも調べている。太ももの外側にある外側広筋の断面積を超音波で測ると、重量増加の条件は21.34cm²から23.53cm²へ、回数増加の条件は21.08cm²から23.39cm²へ増えた。こちらも条件間の有意差はなかった。重量を増やす以外の進め方にも、初期の筋力と筋肥大を促す可能性があるという結果である。[11]

ただし、「有意差なし」を「どの人にも完全に同じ」と読むのは早い。この試験が比較したのは、未経験者の初期の練習であり、脚の運動である。背中のロウや上から引く運動で、同じ大きさの変化や同じ進み方が得られると約束する数字ではない。筋トレ経験の長い人の停滞期についても、この比較だけで答えを決めない。[11]

生活に置き換えるなら、前回と同じ重りの日を失敗扱いしないための研究である。重量を変えず、成立する回数を増やすという別の進歩の軸がある。ただし、回数を増やす日と重量を増やす日を混ぜて記憶すると、何が変わったか分からなくなる。研究で条件を分けた意味を、日々の記録にも借りたい。[11]

脚の試験で使われた左右の脚の比較には、同じ人の中で方法を比べられるという特徴がある。その一方で、参加者の生活や運動経験がそろっているからといって、あらゆる部位に共通する増量法までは決まらない。対象の特徴を読むことと、運動した部位を読むことは別の確認である。女性も参加した試験であるという点は参考になるが、それだけで女性の背中専用の設定表にはならない。[11]

また、筋肉の大きさを測った対象は、鍛えた脚の外側広筋だった。背中全体の見た目を評価した数字ではない。背中を大きくしたい人がこの研究から受け取れるのは、重量以外にも回数によって負荷を進める方法が検討されているという考え方までである。具体的な種目の選択や増量の幅は、自分が使う器具と動作を踏まえた別の判断として残る。[11]

回数の上限で増量する方法にも、対象と条件がある

筋トレ未経験の若い女性55人を対象とした別の試験では、腕を条件に割り当て、負荷を段階的に増やす条件、重さも回数も固定する条件、運動を行わない条件を比べた。運動は片腕での肘伸ばしであり、背中の運動ではない。筋肉を測った場所は上腕三頭筋、腕の後ろ側である。[7]

運動条件は週3日、8週間、3セットの8〜12回で実施した。段階的に増やす側では、反復回数の範囲の上限に到達したときに重量を増やした。固定する側は期間を通して同じ重量と回数を続けた。ここで注目したいのは、日付が変われば自動的に重くする仕組みではなく、反復の達成を増量の合図にした点である。[7]

上腕の長さの60%に当たる測定位置では、筋肉の厚みの増加が段階的増加条件で0.40cm、固定条件で0.22cm、非運動条件で0.02cmだった。段階的に増やす条件で変化が大きかった一方、固定する運動条件でも非運動条件を上回る増加が見られた。負荷を増やせなかった期間を、何も起きなかった期間と同一視する結果ではない。[7]

この研究と脚の比較試験は、比較した条件が異なる。女性の腕の試験は、段階的に変える条件と、重さも回数も変えない条件を比較した。脚の試験では、重量を増やす側も回数を増やす側も、運動の負荷を進めていた。「重さを変えない」には、回数は増えている場合と、回数も固定している場合がある。この違いが抜けると、研究が反対のことを言っているように見える。[7][11]

背中のマシンで増量の時機を相談するときも、「上限までできた」という言葉だけで終わらせない。どの重りで、どの回数の範囲を目標とし、何を達成したのかを伝える。腕の試験の8〜12回を全員の背中へ指定するのではなく、達成と増量をつなぐ考え方を参考にするのである。[7]

腕の試験では、参加した人の数と、条件に割り当てた腕の数を混同しないことも大切である。各人の腕を条件へ割り当てて比較しており、条件の数字を足して参加女性の人数に読み替える設計ではない。筋肉の厚みも、測定する位置を決めて調べている。研究を日常の説明に使うときは、「女性に効いた」という短い言葉へ縮める前に、何を割り当てて、どこを測ったのかを残したい。[7]

負荷を変えなかった条件にも筋肉の増加が見られた点は、運動を始めた人の不安を考えるうえで意味がある。ただし、この結果から、ずっと同じ負荷で十分だと先の期間まで決めることはできない。調べた期間の結果として受け取り、動作を覚える時期の記録と、その後に負荷を見直す相談をつなぐ。始めたばかりの日の慎重さと、先々の調整は両立する。[7]

数字で読む負荷の進め方

39人:重量増加と回数増加を、同じ参加者の脚で比較した未経験の若い男女である。[11]

10週間:脚の比較試験の期間であり、長期間の背中の変化を保証する期間ではない。[11]

52.90kgから69.05kg:重量増加条件の最大挙上重量の平均値で、毎回足した重りの幅ではない。[11]

8〜12回:若い女性の腕の試験で設けた反復範囲で、上限到達を増量の合図にした。[7]

0.40cmと0.22cm:腕の同じ測定位置における、段階的増加条件と固定条件の厚みの変化である。[7]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約