30代男性のダイエット食事メニューは料理名の隣を見る?カロリーの位置を読む

30代男性がダイエットの食事メニューを選ぶとき、カロリーは料理名の隣と価格の隣のどちらで見るとよいのか。配達画面と昼食メニューの実験を比べ、文字の大きさ、合計表示、選択と実際の摂取の違いを読む。数字の位置だけで結果を約束せず、日常の注文で確かめる視点を示す。

夕食の配達メニューを開き、料理の写真を見比べる。料理名と写真は見た。価格も見た。カロリーは、注文を終えてから別の画面で見つかった。食事メニューを考えるとき、何を食べるかの前に、何を同じ画面で見られるかという問いがある。

料理名の隣にカロリーがあれば、選ぶ食事は変わるのか。配達画面の無作為化比較試験では、料理名の隣の表示で、表示なしより選択されたエネルギーが少なかった。一方、昼食の実験では価格のすぐ右側で効果が最も強かった。表示の場所は検討する価値があるが、料理名の隣を万能の正解にはできない。[9][16]

既存記事「カロリー表示はダイエットの選び方を変えるか メニューの数字が効く条件を読む」に表示全般の問いを譲り、ここでは注文の瞬間に料理名・価格・カロリーがどう並ぶかに絞る。30代男性の食事選びに引き寄せて読むが、男性だけに特有の効果を示す話ではない。[9][16]

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料理名の隣と価格の隣を、配達画面で比べる

英国で配達サービスを使う成人8,780人を対象にした無作為化比較試験では、模擬の配達画面から、自分の食事を普段どおりに注文してもらった。参加者を偶然に任せて条件へ振り分けることで、表示方法による違いを調べた研究である。実際に食べた量ではなく、画面で選んだ食品のエネルギーが評価された。成人全体を対象とした結果であり、18〜39歳の女性にも同じ大きさの変化が生じるかは、この全体の結果だけでは判断できない。[9]

表示なしの対照条件に加え、文字の大きさと隣に置く情報を変えた条件があった。大きな文字で価格の隣、大きな文字で料理名の隣、小さな文字で価格の隣、小さな文字で料理名の隣、という比較である。さらに表示を消せる機能、表示を出せる機能、注文かご全体の合計表示を加える条件も設けられた。同じ「カロリー表示あり」でも、情報の出し方を分けている。[9]

料理名の隣に大きく表示した条件では、表示なしに比べて平均60 kcal少ない食品が選ばれた。95%信頼区間は−111〜−6 kcalであった。小さく表示した条件では平均73 kcal少なく、信頼区間は−125〜−19 kcalであった。信頼区間とは、効果の推定に伴う不確かさを表す幅である。どちらも表示なしとの差が統計学的に認められた。[9]

対して、価格の隣に大きく表示した条件は平均33 kcal少なく、信頼区間は−88〜24 kcal、小さく表示した条件は平均52 kcal少なく、信頼区間は−105〜2 kcalであった。こちらは差がない可能性を含む範囲で、対照条件と異なるという証拠は得られなかった。「減ったように見える平均値」と「差を確かめられた結果」を分ける必要がある。[9]

ここで早合点しやすい。料理名の隣では有意、価格の隣では有意でなかったのだから、料理名の隣が価格の隣に勝った、という読み方である。しかし、これらはそれぞれ表示なしと比べた結果だ。対照との差が認められたかどうかだけで、表示位置どうしの優劣まで確定させることはできない。小さい文字のほうが大きい文字より優秀だった、とも読めない。[9]

夕食の候補を見るときの応用は、料理名の横に数字があれば同時に確認する、という程度が妥当である。文字の小さな画面をわざわざ選ぶ必要はない。研究で比べた条件を、個人のための細かな操作手順へ勝手に変えないことだ。結果は、料理と数字を同じ注文場面に置く設計を考える材料になる。[9]

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昼食では、価格のすぐ右が強かった

別の無作為化実験は、昼食をメニューから選ぶ場面でカロリー情報の有無と位置を変え、視線の動きも記録した。参加者は、昼食の選択が研究の一部であることを知らずに選んだ。画面上の仮想注文とは異なり、昼食を選ぶ参加者の選択とその後の摂取を扱った実験である。18〜39歳の女性に絞った効果としては扱わず、昼食メニューの配置を考える材料として読む。[16]

カロリー情報を見た参加者は、表示のない対照群より注文したエネルギーが93 kcal、割合で11%少なかった。実際に摂取したエネルギーの差は、注文量の差よりさらに大きかった。表示の効果が最も強かったのは、価格と同等の字体で、価格のすぐ右側にカロリーを示した条件であった。[16]

この結果は、配達画面で料理名の隣に差が認められた研究と、そのまま同じ並びにならない。だからといって、片方を誤りとして捨てる必要はない。昼食メニューで選ぶことと、配達画面で注文かごへ入れることは別の場面である。同じカロリーという情報でも、提示される環境を含めて結果を読むべきだ。[9][16]

視線の記録では、空間的な配置によってメニューの探し方が変わることが示唆された。また、食事のカロリーに関する知識が効果を媒介していた。媒介とは、表示と選択の関係の間に、その知識が関わっていたという意味である。単に数字を載せたかだけでなく、選択に使える情報になったかを考える手掛かりになる。[16]

価格を見てから料理名へ戻る人にとっては、価格の近くが自然な確認場所かもしれない。料理名を軸に候補を読む人なら、その横の数字が見つけやすいかもしれない。これは生活での確認の例であり、人ごとに最適な場所が判定されたという研究結果ではない。実験が示したのは、配置で探し方が変わりうることである。[16]

なお、この昼食実験では食事の楽しさへの影響は認められなかった。数字を見ることと食事を楽しめなくなることを、当然の組み合わせにする必要はない。ただし、この場面で楽しさが変わらなかった結果を、すべての人のすべての外食へ広げることもしない。[16]

大きく書くことと、合計を見せることは別である

配達画面の研究では、価格の隣の大きな表示に、機能を加えた条件でも差が認められた。表示を消せる機能付きでは平均110 kcal、表示を出せる機能付きでは109 kcal、注文かごの合計表示付きでは85 kcal、対照条件より少なかった。95%信頼区間はそれぞれ−161〜−57、−159〜−57、−137〜−30 kcalであった。[9]

ここから「表示を切り替えれば必ず減る」とは言えない。機能を備えた画面条件の結果であって、誰もがその機能を使って食事を変えたという説明にはならないからだ。また、合計表示を加えた条件は、各料理の表示に情報を重ねている。単品の数字と注文全体の数字を、同じものとして扱わないほうがよい。[9]

たとえば、主菜を選ぶ場面では料理名の横、注文を確定する場面では注文かご、という見方ができる。これは日常への取り入れ方の案である。主菜の数字だけを覚えて飲み物や追加品を見落とすより、注文全体を確認する問いを持てる。ただし合計表示を見れば自分も研究の平均と同じだけ変わる、という約束にはならない。[9]

重要な限定もある。この配達画面の研究では、過体重または肥満の参加者に解析を絞ると、いずれの介入にも効果の証拠が認められなかった。過体重または肥満の18〜39歳の女性にも、全体で得られた効果をそのまま当てはめることはできない。表示を確認しても注文が変わらないことを、本人の注意不足と決めつける根拠はない。[9]

情報がウェブサイトに存在することと、最初に見るメニューで読めることも違う。英国の大規模な外食事業者77社のウェブ情報を調べた報告では、全社がサイトのどこかにカロリーを掲載していた一方、最初に見られやすい標準メニューでは表示のない事業者が37社、48%あった。掲載の有無だけで、注文時の見え方は判断できない。[5]

この調査では、位置の示し方に関する実施指針への適合は81%、目立つ書式への適合は40%であった。これは英国の事業者の掲載状況を調べた結果であり、日本の店の状況でも、位置による効果を試した結果でもない。それでも、情報を載せる、近くに置く、読み取れる形にする、という確認事項を区別する例にはなる。[5]

数字で読むカロリーの配置

8,780人:英国の配達利用者が模擬画面で食事を選んだ試験の人数である。[9]

−60 kcal:料理名の隣に大きく表示した条件と表示なしとの差で、95%信頼区間は−111〜−6 kcalである。[9]

−33 kcal:価格の隣に大きく表示した条件の差で、95%信頼区間は−88〜24 kcalと差なしを含む。[9]

−85 kcal:価格の隣の大きな表示に注文かごの合計を加えた条件の差である。[9]

93 kcal:昼食実験で、カロリー情報を見た群が対照群より少なく注文したエネルギーである。[16]

48%:英国の事業者調査で、最初に見られやすいメニューに表示がなかった割合である。[5]

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宮川涼 Founder

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