30代のダイエットは空腹で買い物すると増える?量と予定外の品を分けて読む

仕事帰り、お腹が空いたままスーパーに寄ると買いすぎるのか。実店舗のレシート調査、食品の選択実験、徹夜後の模擬買い物を比べ、購入量・選ぶ食品・予定外の品を分けて考える。空腹だけを失敗の原因にせず、30代の暮らしで買い物を振り返るための見方と、無理のない工夫を示す。

夕飯の材料を買うはずが、レジに並ぶころには予定外のパンも入っている。空腹のまま売り場を歩き、焼きたての棚で足を止めた。レシートを見て「食べてから来ればよかった」と思う。こんな場面では、買い物の原因を胃袋だけに押しつけたくなる。

だが、「空腹で買い物をすると誰でも量が増える」という一律の説明は、実店舗の研究では支持されていない。買い物客198人の調査では、空腹や直前の食事からの時間と、購入品の数・金額との間に一貫した全体の関係はなく、体重区分によって異なる傾向が見られた。[16] 空腹を我慢する勧めではない。買い物を振り返る物差しを増やす話である。

既存の「買い物かごとダイエット スーパーとネット注文で変わる食品、体重までの距離」には買い物手段の比較を、「ダイエットの計画は空腹時に立てると変わる?買う食材と食べたい量を分けて読む」には計画時の判断を譲る。ここでは売り場に入ったときの状態と、実際に増えたのが何なのかを照らし合わせる。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

空腹で増えるのは品数か、金額か、予定外の品か

まず、買いすぎたという言葉をほどきたい。食材の個数が多いのか、会計が高いのか、予定になかった食品があるのか。家族の夕食と翌日の朝食を一緒に買えば、かごは重くなる。その重さだけでは、空腹に押されて選んだかどうかは分からない。研究でも、購入の総量と予定外の購入は別の項目として調べられている。[16]

Melaらの研究では、大型スーパーへ入る直前の198人に質問し、直前に食べてからの時間、本人の空腹感、食事を抑えようとする傾向などを調べた。退店時には、予定外だった品を本人に特定してもらったうえで、明細のあるレシートを集めている。買い物時の状態と購入を照合した調査なので、ここで示す空腹と購入の関係を因果関係としては扱えない。[16]

全体としては、直前の食事からの時間、自己申告の空腹感、食事を抑える傾向、相対的な体重から、総購入・予定内・予定外の品数や費用を一貫して説明できなかった。食べ物だけでなく、食品以外の購入も調べた結果である。「お腹が空いていた」という記憶だけで、その日の会計まで説明し切るのは難しい。[16]

一方、体重区分と食事からの時間などを組み合わせると違いが見られた。標準体重の参加者では食べない時間が長いほど食品購入が増える傾向があり、過体重の参加者では長い時間食べていないと食品の品数と費用が明らかに少なくなった。ただし、予定外の購入や特定の食品群とは一貫した関係がなかった。[16] これは、人を見た目で買い物の型に分類する材料ではない。全員に同じ向きの変化を想定できないという結果だ。

ここで、過体重なら食事を抜いて買いに行くとよい、と読むのは飛躍である。この調査が示したのは購入との関係であり、食事を抜く方法を続けたときの健康や減量の利益ではない。[16] 買う点数を減らすことと、暮らしに必要な食事を確保することも同義ではない。今夜食べる材料まで足りなくなれば、購入点数より、必要な食材がそろったかを確かめたい。

別の実店舗研究では、バーコードを用いた会計記録から、肥満のある人とない人の予定外の購入を比較した。肥満のある参加者は、食べていない状態より、そうでない状態で予定外の品を多く買い、その品の多くは通路の端や購入地点の陳列にあった。肥満の有無で比較した結果を、18〜39歳の女性全体の購入傾向として使うことはできない。[18] これも「満腹なら買い物に不利」と決める結果ではない。胃の感覚に加え、目に入る売り場の手がかりも切り離せないことを示している。

夕飯の材料は予定どおりだったのに、会計前に菓子を追加した。その場合は、夕飯の材料が多かった日とは違う振り返り方ができる。レシートは合計金額しか叱ってこないが、こちらは中身を分けて読める。空腹を評価する前に、予定していた品と、売り場で初めて欲しくなった品を区別することが出発点になる。[16][18]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

選ぶ食品と買う総量は、別の指標である

食品の「どちらを選ぶか」を測った実験もある。Forwoodらは、果物や野菜の広告を見せる条件と、見せない条件へ参加者を無作為に割り付け、その後で果物とほかの甘い間食のどちらを選ぶか調べた。最初の研究は143人、次の研究は764人を対象にした。これはスーパーの会計全体を再現する試験ではなく、限られた選択肢での好みを測る実験である。[5]

最初の研究では、空腹は果物を選ぶオッズの低下と関連し、その値は0.38、95%信頼区間は0.26〜0.56だった。オッズは、選ぶ場合と選ばない場合の比であり、果物を買う人数がそのまま同じ割合になったという意味ではない。果物・野菜の広告を見た条件では、その影響に対抗する方向の結果があり、オッズ比は2.29、95%信頼区間は1.33〜3.96だった。[5]

ただし、より代表性を意識した次の研究では、広告の効果は集団全体へそのまま広がらなかった。教育歴の長い参加者では空腹と広告が重なる条件で果物を選ぶ傾向が見られたが、教育歴の短い参加者では空腹や広告による選択の変化はなかった。[5] 目立つ結果だけを取り出して「空腹は果物を遠ざける」「野菜の写真を見れば解決」という説明は、この研究間の違いを落としている。

広告を見せる条件は無作為に決められていても、空腹感そのものについての関係まで、原因と結果が確定するものではない。さらに、果物を選ぶ好みと、会計で食品が何点増えたかは違う測定である。[5][16] 買い物の工夫を考える際も、甘い間食から果物へ替えたいのか、予定外の追加を減らしたいのかを分けるほうが、研究の答えと結びつけやすい。

実際の購入を伴うオンライン食料品店の試験では、146人が表示なし、同じ食品分類内での低カロリー表示、分類をまたぐ低カロリー表示を経験した。同じ分類内で表示する条件では、表示対象商品の購入割合が対照より3パーセントポイント増えた。しかし、購入カロリーの各指標や総支出の減少は、どちらの表示方法でも確認されなかった。[3]

この試験では、空腹や気分によって表示の効果が変わることも確認されなかった。[3] 空腹が買い物に一切関係しないという意味ではない。少なくともこの表示方法の効き方を、空腹だけで説明できなかったのである。低カロリーの印がついた食品を多く選べた日でも、かご全体の量を別に見る必要がある。商品の印とレシートの合計は、同じ報告書ではない。[3]

食べてから入店しても、寝不足という別の条件が残る

「食べてから行く」を万能な予防策にしにくい理由は、空腹以外の条件をそろえた実験にもある。Chapmanらは標準体重の男性14人を対象にした無作為化比較試験で、一晩まったく眠らなかった翌朝と、眠った翌朝に模擬スーパーで買い物をしてもらった。食品は40品目で、高カロリーと低カロリーの品がそれぞれ20品目。予算は固定され、できるだけ多く購入するという課題だった。男性を対象にした結果であり、18〜39歳の女性に同じ変化が起こるかは、この試験だけでは判断できない。[4]

課題の前には決められた朝食を出し、空腹による影響が混ざるのをできるだけ小さくしていた。それでも、徹夜後は眠った後に比べ、購入食品のカロリーが9%、重量が18%多かった。どちらも統計的に有意な差で、食品の種類や価格条件にかかわらず見られた。[4] 食事を済ませていれば、睡眠という別の条件が購入に関わっていた。

朝の血液では食欲を促すホルモンであるグレリンも高くなっていたが、その上昇と食品購入の変化には相関がなかった。[4] ホルモンが増えたから会計が増えた、とひと続きの物語にはできない。体の指標と買い物の記録は、同時に変わっても同じ経路を証明したことにはならないのである。

対象は少人数の男性であり、徹夜という条件も強い。残業で少し就寝が遅れた30代の女性に、購入量の増加率をそのまま当てはめることはできない。[4] 日常で使うなら、寝不足の日の買い物を「空腹対策に失敗した」と決めつけず、前夜の睡眠も振り返る程度の手がかりだ。帰宅後のレシートから、昨夜の睡眠時間までは読み取れない。

数字で読む空腹と買い物

198人:実店舗の調査で、空腹と品数・費用の全体の関係は一貫しなかった。[16]

143人と764人:果物・野菜の広告による食品選択の変化は、研究間でそのまま再現しなかった。[5]

3パーセントポイント:オンライン購入試験の同じ分類内の表示で増えた、対象商品の購入割合である。[3]

9%と18%:徹夜後の男性で増えた購入カロリーと重量。実際に食べた量や体重の増加率ではない。[4]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約