
研究が食い違うときは膝のどの力かを見る
膝の負担について、別の実験も読んでおきたい。経験のある男性リフター10人がスクワットとレッグプレスの条件を変えた研究では、スクワットの広い足幅で、狭い足幅より脛骨と大腿骨の間、および膝蓋骨と大腿骨の間の圧縮力が大きかった。つま先をまっすぐにするか外へ30°向けるかでは、筋活動と膝の力に差がなかった。経験のある男性の結果は、18〜39歳の女性の初心者へそのまま適用する根拠にはならない。[11]
先ほどの自重の研究は、狭い足幅や外向きのつま先で膝の内側接触力が大きいという結果であった。ここを読み飛ばすと、「狭いと膝に悪い」と「広いと膝に悪い」が並んでしまう。だが、膝の内側の接触力と、関節にかかる別の圧縮力は同じ指標ではない。対象者も実施した運動の条件も異なる。[7][11]
食い違いは、都合のよい方だけを採用する理由にはならない。つま先の向きで差が出なかった実験と、内側接触力で差が出た実験を併せて読むと、特定の向きを全員に対する正解として断定しにくいことが分かる。膝の力の種類を外したまま「負担が減る」とだけ説明する言葉には、いったん立ち止まりたい。[7][11]
横方向の力学も無視できない。成人アマチュアラグビー選手14人が、大腿部が床と平行になる深さまでしゃがんだ研究では、最大挙上重量の70%と85%を用いている。広い足幅では、膝に対する股関節の伸展モーメントの比率と、膝の内転モーメントが大きかった。狭い足幅では膝の曲がりが大きく、股関節の曲がりには設定された有意水準で差がなかった。[8]
つまり、前から見て足が開いているかどうかだけでは、膝と股関節の分担は説明しきれない。しゃがむ深さをそろえたときにも、前後方向と左右方向の働きに違いがある。同じ高さまで腰を下ろした写真が撮れたとしても、関節に求められる仕事まで同じになったわけではない。[8]
バランスの印象も見直せる。健康な30人の予備的研究では、広い足幅のスクワットで、狭い足幅や腰幅の場合より、足裏の圧力の中心が移動する距離や揺れの速さ、揺れの広がる範囲が大きかった。足幅が広がるほど荷重の左右差も大きくなり、優位な脚へ圧が移る結果であった。健康な対象者の予備的な比較であり、18〜39歳の女性にも同じ傾向が出るかは別に確かめる必要がある。[6]
足を広げれば必ずどっしりする、という直感には合わない。ただ、この小規模な研究の結果を「狭ければ転ばない」に置き換えることもできない。測ったのはスクワット中の姿勢制御と足への荷重である。立つ場所を広く確保することと、動作中に左右へどう力をかけるかは別の話だと受け取るのが適切である。[6]
立川駅から帰宅して、部屋着のまま実演を比べる場面なら、足幅以外が一緒かを先に確認したい。片方の動画は重りを背負い、もう片方は自重で、片方だけ深くしゃがんでいるかもしれない。狭い足幅の優劣を決める前に、その比較で足幅以外の条件まで入れ替わっていないかを確かめる。これは研究の結果を自分の練習へ持ち込む際の、取り違えを減らす読み方である。[2][5][7][8]
研究の対象も、読み方を変える。経験のある男性リフターを調べた比較と、健康な成人の自重の比較では、練習経験や負荷の背景が違う。経験者の膝の力の結果だけで、運動を始めたばかりの人の足幅を決めるのは慎重でありたい。逆に、自重の結果だけで高負荷のトレーニングの設定を決めるのも飛躍になる。[7][11]
実演の字幕に「膝に優しい」と書かれていたら、膝のどの力を比べた説明なのかを問う視点を持てる。膝の内側接触力、関節の圧縮力、膝を伸ばすモーメントは、それぞれ研究で扱う問いが違う。専門用語を暗記する必要はないが、異なる測定値が同じ負担という言葉にまとめられていることには気づいておきたい。[4][7][11]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「足を閉じれば内ももだけに効く」という理解は、ここまでの結果とは合わない。狭い足幅では膝の曲がりが増し、高負荷では前ももの広筋群の推定筋力が大きい結果がある。広い足幅で内側広筋の筋活動が高い実験もあるため、脚の内側の実感だけで、狙った筋肉が選択的に働いたと判定しない方がよい。[2][4]
内ももに意識を向けること自体と、内もも専用の運動であると証明することは違う。前もも、股関節、膝の角度を同時に調べた実験を読むと、足幅の変更は動作全体の配分を変える操作である。研究が示した力の分担を飛ばして、種目名から脚の形の変化まで約束しないことが大切だ。[2][5][8]
「つま先まで内へ向ければ、クローズの効果が強まる」という推測も支持できない。自重の実験が比較したのは外向き0°と30°である。内向きのつま先と狭い足幅をひとまとめにして勧めるのは、実際に比べられた条件から外れる。足幅を寄せる話を聞いたら、つま先の向きまで変える指示なのかを確認したい。[7]
「膝の負担が小さい足幅は誰でも同じ」という見方にも注意が必要である。自重の内側接触力と、経験者の別の膝関節力の比較では、狭い・広いの関係が一致していない。研究で計算された力を、自分の痛みの有無の判定表として使わない。痛みがあるときの運動の選択は医師に相談する対象である。[7][11]
また、筋活動が高かったという結果は、その後の体形の変化を直接示す結果ではない。高い位置のバーと狭い足幅の組み合わせで測った電気活動は、その条件での筋肉の働きの情報である。鏡の前で脚の輪郭を採点する答えに変えず、動きの分担を理解する材料にとどめたい。[5]

今日からできること
- 自分が見ている実演を、足幅とつま先の向きに分けて確認する。研究の0°と外向き30°の比較を、内向きの推奨へ読み替えない。[7]
- 足幅を比べるときは、重りの有無やバーの位置も記録する。18人の実験では足幅だけでなく重さと反復も変えており、単独の設定に結果を背負わせない。[2]
- しゃがむ深さが変わったら、そのことも書き添える。狭い足幅で膝の最大の曲がりが3.7°大きい結果は、同じつもりの動作でも角度が違い得ると教える。[2]
- 左右の足へどう体重をかけているかを確認する観点を持つ。健康な30人の比較では、広い足幅で荷重の左右差が大きかった。足を広げただけで均等に支えられると決めつけない。[6]
- 数字を練習量の指示に流用しない。最大重量の70%・85%を使った競技者の実験条件は、初心者がその重さを試すための処方ではない。[8]
練習のメモには、「内ももに効いた」だけでなく、足を寄せたのか、足先も回したのか、しゃがむ深さも変わったのかを残したい。次に読み返したとき、どの設定についての感想だったかを区別できる。研究でも条件を分けて測っている以上、生活の中の比較でも、変更点を曖昧にしない方が結果の受け取り方を整理できる。[2][7]
研究に女性が含まれることは参考になるが、男性9人と女性9人の高負荷の実験を、すべての女性に最適な足幅が決まった証拠にはできない。種目を選ぶ場面では、内ももという言葉だけに引かれず、前ももを使うのか、股関節の仕事を重視するのか、現在の動作を見直すのかを分けて考えたい。[5]
オンザショア立川店で運動を続ける予定をつくる
足幅を考える時間とともに、運動へ通う予定をつくる場所として、オンザショア立川店を紹介する。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。駅と営業時間を、自分の生活の予定に照らして検討できる。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。種目と通う時間を選び、継続の予定を立てる場所として考えてほしい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。店舗案内と料金で、参加条件と通い方を確かめたい。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験予約を検討するときは、生活の中で通える時間も一緒に考えたい。

参考文献
[2] The effects of bar positioning, stance width, repetition, and load on muscle activity during the barbell back squat — Lee CXY, Crossman AJ, Kedgley AE. / 年: 2026 / 誌名: PloS one / 被引用: 0. DOI: 10.1371/journal.pone.0354893
[4] The Impact of Stance Width on Kinematics and Kinetics During Maximum Back Squats — Larsen S, Zee M, Tillaar RVD. / 年: 2025 / 誌名: Journal of strength and conditioning research / 被引用: 0. DOI: 10.1519/jsc.0000000000004949
[5] Effects of Stance Width and Barbell Placement on Kinematics, Kinetics, and Myoelectric Activity in Back Squats — Larsen S, Kristiansen E, Helms E, van den Tillaar R. / 年: 2021 / 誌名: Frontiers in sports and active living / 被引用: 11. DOI: 10.3389/fspor.2021.719013
[6] Influence of the base of support widths on postural control and feet loading symmetry during squat – preliminary study — Kędziorek J, Błażkiewicz M. / 年: 2022 / 誌名: Acta of bioengineering and biomechanics / 被引用: 6. DOI: 10.37190/abb-02033-2022-02
[7] Influence of stance width and toe direction on medial knee contact force during bodyweight squats — Asayama A, Tateuchi H, Yamagata M, Ichihashi N. / 年: 2021 / 誌名: Journal of biomechanics / 被引用: 6. DOI: 10.1016/j.jbiomech.2021.110824
[8] Effects of barbell back squat stance width on sagittal and frontal hip and knee kinetics — Lahti J, Hegyi A, Vigotsky AD, Ahtiainen JP. / 年: 2019 / 誌名: Scandinavian journal of medicine & science in sports / 被引用: 19. DOI: 10.1111/sms.13305
[11] Effects of technique variations on knee biomechanics during the squat and leg press — Escamilla RF, Fleisig GS, Zheng N, Lander JE, Barrentine SW, Andrews JR, Bergema / 年: 2001 / 誌名: Medicine and science in sports and exercise / 被引用: 179. DOI: 10.1097/00005768-200109000-00020
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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