
増やしても差が出ない試験は、何を教えるか
量を増やす利点が出た試験と並べて読みたいのが、経験者の腕を調べた無作為化比較試験だ。肘を曲げる筋トレの経験がある成人42人について、左右の腕を、もとのセット数を維持する条件と、そこから増やす条件に割り付けた。期間は12週間である。対象は筋トレ経験のある成人であり、18〜39歳の女性全般へそのまま適用する判断はできない。[13]
筋肉の厚みは上腕の複数の位置で測定された。腕の長さの中央付近の測定では、維持条件と増量条件の厚みの変化の差は0.022cm、95%信頼区間は−0.096〜0.140cmだった。信頼区間は推定の不確かさを示す幅であり、この比較は差がない可能性も含む。[13]
この試験では、もとの量の維持でも増量でも、対照条件に比べ筋肉の厚みと最大筋力が改善した。しかし、増やすことで筋肉の適応がさらに大きくなったとは認められなかった。「増量が勝たなかった」と「筋トレに意味がなかった」は違う。追加分の優位性が見つからない一方で、続けた条件には変化があったのである。[13]
同じ人の左右を比べる設計にも注目したい。別々の人の合計記録だけで比べる場合と異なり、体全体の背景を共有した腕同士を比較できる。ただし、腕の運動という範囲は残る。そこで増量の優位性がなかったことを、すべての部位、すべての経験段階で追加が不要だという結論には広げない。[13]
反対に、以前の量を基準に調整する利点を示した小さな試験もある。筋トレ経験者16人の左右の脚で、週22セットという共通の量と、本人の過去の記録の1.2倍に設定した量を8週間比較した。外側の太ももの筋肉の断面積の増加は、個別に設定した条件のほうが大きかった。対象は筋トレ経験者であり、18〜39歳の女性全般に同じ差が出るかは、この比較だけでは判断できない。[19]
変化量の条件間の平均差は1.08cm²、信頼区間は0.04〜2.11cm²だった。この結果は個別設定の利点を示す一方、比較相手は各自の量を維持する条件ではなく、全員共通の週22セットである。「過去より増やすと必ず有利」という問いとは比較の形が異なる。[19]
腕の試験と脚の試験の見出しだけを読むと、正反対に見えるかもしれない。実際には、部位も、対象者も、比較する相手も違う。研究が食い違うときに必要なのは、好ましい結論のほうを選ぶことではなく、何と何を比べたかを戻して読むことだ。個別の過去を考慮する価値と、追加が常に必要ではないことは、両立しうる。[13][19]
そのため、他人の合計セット数をそのまま目標にするより、まず自分がこれまで何を行ってきたかを確認するほうが、これらの比較を日常へ持ち帰りやすい。運動の経験が違えば、同じ予定表でも本人にとっての変更量は異なる。数字の大きさだけで、丁寧な計画かどうかは決まらない。[8][19]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
高齢者の研究は、若い女性の目標回数にしない
多くの試験をまとめた研究は、単独の小さな試験を読む視野を広げる。高齢者を対象とする151件の無作為化試験、合計6306人のネットワークメタ分析では、監督下で行う筋トレの量を比較した。対象は60歳以上であり、18〜39歳の女性のジム利用にそのまま当てはめることはできない。[11]
この分析では、低い運動量の条件でも、体の動かしやすさ、除脂肪量、下半身の筋肉の大きさに利益があった。除脂肪量は、脂肪を除いた体の量を指す。除脂肪量への効果は標準化平均差0.25、95%信頼区間0.10〜0.40、筋肥大は0.40、95%信頼区間0.25〜0.54だった。標準化平均差は異なる尺度の結果を共通の尺度にそろえた指標で、増加したkg数ではない。[11]
一方、より大きな下肢筋力の改善には、中程度または高い運動量が有利だった。目的が筋肉の大きさなのか、力を出す能力なのかで、有利とされる量はそろわない。少ない量で得られる成果と、多い量を検討する理由を、同じ表の中で見分ける必要がある。[11]
高齢女性の別のメタ分析は、過体重または肥満の閉経後・高齢女性を対象にした20件の無作為化試験を統合している。運動量の少ない群も多い群も、運動しない対照群に比べ、体脂肪や代謝リスク、炎症の指標が改善した。血糖や炎症の指標では、多い量の条件の効果量が大きかった。18〜39歳の女性に、その効果量や適量をそのまま当てはめることはできない。[20]
血糖の標準化された効果量は、多い量の条件で−1.19、95%信頼区間−1.63〜−0.74、少ない量では−0.78、95%信頼区間−1.15〜−0.41だった。いずれも対照群との比較であり、この数字の差をそのまま、量を増やした個人の追加効果と解釈しない。集められた研究の条件を踏まえた比較である。[20]
ただし、証拠の確かさは低い〜非常に低いと評価されている。さらに、この分析でいう代謝リスクは、血糖や血中脂質などの指標である。「代謝」という語があっても、安静時に消費するエネルギー量を意味するわけではない。血糖の改善を基礎代謝の増加と呼び換えると、研究が評価した成果が変わってしまう。[20]
全身の健康指標に関する利益があることと、翌朝の消費が上がることは、別の問いとして残してよい。若い女性がこの研究から受け取るのは、高齢女性向けの合計セット数の移植ではなく、対象者と目的ごとに運動量を考える姿勢である。多いほど何にでも勝つという読み方は、統合研究の結果とも合わない。[11][20]

よくある誤解
「セット数を増やせば、筋肉も代謝も同じ割合で増える」という理解は支持されない。総量と筋肉の成長の関係は単純ではなく、女性を対象とした試験でも測定部位や指標により増量の利点は異なった。筋肉の厚みの増加率から安静時の消費の増加率を計算することはできない。[8][10]
「増やした条件との差がなければ、今の筋トレは無駄だ」という理解も違う。経験者の腕の試験では、維持条件も増量条件も対照条件より改善した。追加の効果を証明できない結果は、継続している運動の成果まで否定するものではない。帰りの電車を遅らせなかった日にも、取り組んだ記録は残る。[13]
「女性を対象にした研究なら、年齢を問わず使える」とも考えない。若い未経験女性のふくらはぎ、筋トレ経験女性の太もも、閉経後や高齢女性の全身の健康指標は、対象も評価も異なる。女性という共通点だけで、ある研究の適量を自分への確定した答えにするのは早い。[7][10][20]
今日からできること
- 記録は合計だけで閉じず、種目、セット数、反復回数、負荷を分けて残す。総量のレビューで扱われた計算の中身を見える形にするためだ。[8]
- 増やす前に過去の記録を見返す。経験者16人の試験が比較したのは、本人の過去を基準にした量と、共通の量であり、他人の合計を追いかける方法ではない。[19]
- 目標を「力を出したい」「筋肉の変化を見たい」「安静時の消費を知りたい」に分けて書く。女性30人の試験でも、筋力と筋肉の各指標は同じ結果ではなかった。[10]
- 忙しい週に量を維持するなら、「増やせなかった」とだけ評価しない。42人の腕の試験では維持条件にも改善があった。ただし、この結果を全身の最小運動量の処方には使わない。[13]
- 研究の週6セットや12セットを、そのまま全身の予定に写さない。若い未経験女性のふくらはぎという範囲を確かめ、量の調整は実施内容を伝えて指導者と相談する材料にする。[7]

オンザショア立川店で、予定に収まる選び方を
運動量を考える場面では、実施する種目だけでなく、通う時間と場所も具体的にしておきたい。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。出勤前か帰宅途中か、予定の中のどこへ置くかを考える手がかりになる。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。選べる種目と営業時間を、続ける場所を検討するための情報として使ってほしい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている場合は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。内容は店のトップ、費用は料金ページ、体験の日程は予約ページで確認できる。
参考文献
[1] Resistance training volume, energy balance and weight management: rationale and design of a 9 month trial — Washburn RA, Donnelly JE, Smith BK, Sullivan DK, Marquis J, Herrmann SD. / 年: 2012 / 誌名: Contemporary clinical trials / 被引用: 5. DOI: 10.1016/j.cct.2012.03.002
[7] Bigger Calves from Doing Higher Resistance Training Volume? — Kassiano W, Costa BDV, Kunevaliki G, Lisboa F, Tricoli I, Francsuel J, Lima L, S / 年: 2024 / 誌名: International journal of sports medicine / 被引用: 2. DOI: 10.1055/a-2316-7885
[8] Progression of total training volume in resistance training studies and its application to skeletal muscle growth — Hammert WB, Kataoka R, Yamada Y, Song JS, Kang A, Spitz RW, Loenneke JP. / 年: 2024 / 誌名: Physiological measurement / 被引用: 9. DOI: 10.1088/1361-6579/ad7348
[10] Does increasing the resistance-training volume lead to greater gains? The effects of weekly set progressions on muscular adaptations in females — Enes A, Correa CL, Bernardo MF, Salles GN, Oneda G, Leonel DF, Fleck SJ, Phillip / 年: 2025 / 誌名: Journal of sports sciences / 被引用: 4. DOI: 10.1080/02640414.2025.2459003
[11] Effects of Resistance Training Volume on Physical Function, Lean Body Mass and Lower-Body Muscle Hypertrophy and Strength in Older Adults: A Systematic Review and Network Meta-analysis of 151 Randomised Trials — Radaelli R, Rech A, Molinari T, Markarian AM, Petropoulou M, Granacher U, Hortob / 年: 2025 / 誌名: Sports medicine (Auckland, N.Z.) / 被引用: 23. DOI: 10.1007/s40279-024-02123-z
[13] Increasing set volume relative to baseline does not augment skeletal muscle adaptations when compared to maintenance of baseline training volume in recreationally trained individuals — Moreno EN, Sampson DT, Figueroa EC, Jessee MB, Buckner SL. / 年: 2025 / 誌名: European journal of applied physiology / 被引用: 6. DOI: 10.1007/s00421-024-05655-4
[19] Muscle Hypertrophy Response Is Affected by Previous Resistance Training Volume in Trained Individuals — Scarpelli MC, Nóbrega SR, Santanielo N, Alvarez IF, Otoboni GB, Ugrinowitsch C, / 年: 2022 / 誌名: Journal of strength and conditioning research / 被引用: 30. DOI: 10.1519/jsc.0000000000003558
[20] Effect of resistance training volume on body adiposity, metabolic risk, and inflammation in postmenopausal and older females: Systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials — Nunes PRP, Castro-E-Souza P, de Oliveira AA, Camilo BF, Cristina-Souza G, Vieira / 年: 2024 / 誌名: Journal of sport and health science / 被引用: 15. DOI: 10.1016/j.jshs.2023.09.012
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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