冷え性改善の食事は油を抜けばよい?同じカロリーで替える献立と食後の熱を読む

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油の種類による違いは、小さな試験と一緒に読む

油の量を減らす話から、油の種類を替える話へ移ろう。標準体重で閉経前の健康な女性15人、年齢18〜35歳を対象に、脂質由来のエネルギーを70%とした食事を比べた無作為化クロスオーバー試験がある。同じ人が別の条件も経験する形式で、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸に富む食事を比較した。[5]

これらは脂肪酸の種類を区別する呼び名であり、この研究では食事の脂肪酸組成を替える軸になっている。食後5時間の熱産生の曲線下面積は、多価不飽和脂肪酸の多い条件で10.0 kcal、一価不飽和脂肪酸の多い条件で8.6 kcal、飽和脂肪酸の多い条件で8.9 kcalだった。多価不飽和脂肪酸の条件が有意に高かった。[5]

同じ高脂質食でも、種類により差が出た点は見逃せない。ただし、示された大きさも一緒に読む必要がある。この値を聞いて、特定の油に替えると指先まで温まると期待するのは、測定された熱産生から先へ進みすぎる。さらにこの試験では、糖質や脂質を燃料として使った量には有意差がなかった。[5] 熱産生で差があることと、脂質の利用で差があることさえ、同じ結果ではない。

油を替えても差が出なかった試験もある。体脂肪の多い成人女性15人を対象とした無作為化クロスオーバー比較では、同じ熱量の朝食に、バージンココナッツ油またはエキストラバージンオリーブ油を25 mL含めた。食後240分まで調べたところ、安静時のエネルギー消費、脂質の酸化、食事誘発性熱産生に油による違いは認められなかった。[4]

差が出た試験と、出なかった試験は矛盾だから片方を捨てる、という読み方はしない。対象者、比較する油、食事の設計が違う。[4][5] 前の試験の結果を、後の試験で使った油の優劣へ付け替えることもできない。「脂質」という大きな分類で答えを急がず、何と何を交換した実験なのかをたどる必要がある。

続けて食べた試験にも注意点がある。心血管疾患のリスクがある成人56人を割り付け、ピーカンナッツを8週間摂る試験では、置き換え群の空腹時代謝や、追加群の食後の熱産生などに群内の改善があった。しかし、評価項目には群間の有意差がなかった。対象は高コレステロール血症または心血管疾患リスクの高い成人であり、18〜39歳の女性一般へそのまま当てはめるには対象の違いがある。[3] 「食べる前より増えた」と「対照群より増えた」は別の比較であり、この結果だけで特定の食品が優れるとは決められない。

ピーカンナッツの試験では、割り付けられた56人のうち47人が完了して解析された。置き換え群の空腹時代謝は平均1607 kcal/日から1701 kcal/日へ増加しているが、群間差がなかったという結果を併記して読む必要がある。[3] この前後の値だけを大きく掲げると、比較試験で確かめたはずの対照との関係が消えてしまう。

また、この試験の食後の測定には、介入前と介入後に高飽和脂肪の食事が用いられた。[3] ナッツを口に入れた瞬間に出る熱を、その場で他の食品と比べた実験とは設計が違う。日々の摂取を続けた後の変化と、試験食の直後の変化を分けることが、油の多い食品を一括して評価しないための手がかりになる。

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日単位の消費量と、食事を分ける工夫は別の問い

食後の短い時間から、日単位の測定へ視野を広げた食事比較もある。糖尿病のない14人と糖尿病のある6人のピマの人々を対象に、体重維持のための熱量をそろえ、高脂質食と高炭水化物食を比べた研究である。全身の消費を測る装置で24時間を追っている。糖尿病患者を含む特定の集団の比較であり、18〜39歳の女性一般へ同じ結果を当てはめるには検証が必要だ。[18]

糖尿病のない参加者では、平均消費量は高脂質食で2436 kcal、高炭水化物食で2359 kcalだったが、同程度と評価された。睡眠中と安静時の代謝、食事による熱産生、自発的な身体活動にも変化はなく、糖尿病のある参加者でも同様の結果だった。[18] 数字が完全に一致していないことと、条件による差が示されたことは同義ではない。

この比較で注目したいのは、脂質の割合が高い食事では必ず全日の消費が下がる、という単純な説明を支える結果ではない。[18] 食後の一部で差が出る研究があっても、それだけで日単位の差を決めずに読むための比較になる。

では、油を減らす代わりに食事を小分けにすればよいのだろうか。非肥満の女性18人を対象にした研究は、同じ総熱量をまとめて食べる場合と、分けて食べる場合を比較した。高炭水化物・低脂質食を食べる群と、低炭水化物・高脂質食を食べる群が設けられている。[19]

1200 kcalをまとめて食べる条件と、600 kcalずつに分ける条件を比べると、食後6時間の熱産生に有意差はなかった。高炭水化物・低脂質群では平均90 kcalと91 kcal、高脂質群では85 kcalと81 kcalだった。[19] この条件では、分けること自体で熱産生を増やす効果は示されなかったのである。

これは、食事の分け方に関するあらゆる目的を否定する話ではない。問うたのは同じ総熱量から測定時間内に生じた熱産生の違いだ。[19] 仕事の都合で昼食を分けたい人が、その生活上の理由を捨てる必要はない。一方で「小分けなら毎回温まるから、合計でも有利」と期待を足す根拠にはしない。

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よくある誤解

「低脂質にすれば、同じカロリーでも必ず熱が増える」という思い込みは、女性の食事比較では支持されなかった。たんぱく質の比率をそろえて脂質と炭水化物を交換した試験では、食後の熱産生に有意差がなかったからである。[15] 油を抜いた献立という名前は、測定結果の代わりにならない。

ただし、「食事の組成など関係ない」と逆方向に言い切るのも誤りである。痩せた女性15人と肥満の女性15人が、同じ熱量・同じ容量の高たんぱく質食と高脂質食をランダムな順で食べた比較では、高たんぱく質食の熱産生が両群でほぼ3倍高かった。一方、痩せた群と肥満の群の間では、各食事後の熱産生に有意差はなかった。[8] 交換相手が炭水化物なのか、たんぱく質なのかで、問うている内容が変わる。

「熱産生で上回った油なら、脂肪も多く燃える」という読み替えも避けたい。脂肪酸の種類を替えた女性の試験では、熱産生の差と同時に、燃料の利用量には有意差がないという結果が出ていた。[5] 温まる、消費する、脂質を使う。会話では近くに並ぶ言葉でも、実験の評価項目は別々である。

今日からできること

  • 献立を見直すときは、油を除いた分を何に替えるつもりか書き添える。女性16人の比較がそろえたのは食事の熱量であり、ただ量を減らす操作ではなかった。[15]
  • 食品の宣伝や記事の数字を見るときは、食後何時間の値かも確かめる。測定解析では、6時間分のうち3時間までに測れたのは60%だった。[17]
  • 油の種類で期待を決める前に、比較相手と対象を読む。女性15人の朝食試験では、25 mLの油を替えても熱産生に差は出なかった。[4]
  • 食事を分ける場合は生活上の都合を基準に考え、産熱を増やす方法と決めない。女性18人の試験では、同じ総熱量の食べ方を分けても有意差はなかった。[19]
  • 冷えが気になる食事の場面をメモしても、それを熱産生の検査結果とは扱わない。研究が測るのは食後の代謝の増加である。個別の症状については医師に相談する。[17]
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

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参考文献

[3] Pecan-enriched diets increase energy expenditure and fat oxidation in adults at-risk for cardiovascular disease in a randomised, controlled trial — Guarneiri LL, Paton CM, Cooper JA., 2022, Journal of human nutrition and dietetics : the official journal of the British Dietetic Association. DOI: 10.1111/jhn.12966

[4] Effects of coconut oil consumption on energy metabolism, cardiometabolic risk markers, and appetitive responses in women with excess body fat — Valente FX, Cândido FG, Lopes LL, Dias DM, Carvalho SDL, Pereira PF, Bressan J., 2018, European journal of nutrition. DOI: 10.1007/s00394-017-1448-5

[5] Acute effect of dietary fatty acid composition on postprandial metabolism in women — Clevenger HC, Kozimor AL, Paton CM, Cooper JA., 2014, Experimental physiology. DOI: 10.1113/expphysiol.2013.077222

[8] Diet-induced thermogenesis and substrate oxidation are not different between lean and obese women after two different isocaloric meals, one rich in protein and one rich in fat — Tentolouris N, Pavlatos S, Kokkinos A, Perrea D, Pagoni S, Katsilambros N., 2008, Metabolism: clinical and experimental. DOI: 10.1016/j.metabol.2007.10.004

[15] Thermic effect of food in man: effect of meal composition, and energy content — Kinabo JL, Durnin JV., 1990, The British journal of nutrition. DOI: 10.1079/bjn19900007

[17] Measuring the thermic effect of food — Reed GW, Hill JO., 1996, The American journal of clinical nutrition. DOI: 10.1093/ajcn/63.2.164

[18] Energy expenditure in humans: effects of dietary fat and carbohydrate — Abbott WG, Howard BV, Ruotolo G, Ravussin E., 1990, The American journal of physiology. DOI: 10.1152/ajpendo.1990.258.2.e347

[19] Effect of meal frequency on the thermic effect of food in women — Kinabo JL, Durnin JV., 1990, European journal of clinical nutrition. DOI: なし

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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