股関節を屈曲させる筋肉は厚さで分かる?骨盤の傾きと測定方法を読み解く

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同じ座り方を保つ研究にも、対象の条件がある

骨盤の位置を知る手がかりを与える方法も研究されている。腰痛があり、股関節を曲げる範囲に制限のある30人を対象とした実験では、動きを検知するベルトの振動で姿勢を知らせる群と、知らせない群を比較した。両群は15人ずつで、30分間のタイピング前後の多裂筋の活動や、座位の骨盤の傾きを測定した。腰痛と可動域の制限を持つ対象の結果であり、18〜39歳の女性全般にそのまま当てはめることはできない。[8]

研究者は、振動によるフィードバックがある条件で、多裂筋活動の低下と骨盤などの角度の変化が抑えられたと結論した。フィードバックとは、動いた結果を本人へ返す仕組みのことである。ここで試されたのは、本人が気合で背すじを伸ばし続ける方法ではない。姿勢に関する情報を返す条件を加えたときに、測定結果がどう変わるかという比較だ。[8]

この結果の対象には、腰痛と股関節屈曲制限という条件が付いている。健康な人が脚上げを練習する場面と、同じ対象ではない。また、調べた結果はタイピング課題中の筋活動と姿勢の変化である。腸腰筋の筋力が増えたことや、日常の腰痛が長く軽くなったことを示す結果として紹介するのは適切ではない。[8]

机に向かう夕方、骨盤の位置が気になるたびに「また悪い姿勢になった」と採点する必要はない。この研究を読む際の手がかりは、同じ課題でも情報の与え方を変えて比較できる点にある。ただし、振動を用いた実験の結果を、鏡を見ることや口頭の声かけが同じ効果を持つ証明にはできない。姿勢に気づく手段と、それによって変わる結果を分けて考えたい。[8]

座位レビューとの間にも矛盾はない。レビューは椅子や股関節角度を変えた研究を検討し、この実験は特定の条件を持つ人へのフィードバックを比べている。前者が万能の座り角度を支持しないことと、後者で姿勢の変化が抑えられたことは、問いが異なる結果である。どちらかを選んで片方を捨てるより、対象、介入、測定結果を並べると整理できる。[4][8]

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曲げる角度の違いは、回す運動でも顔を出す

股関節の屈曲角度が違うと結果が変わる例は、脚を上げる課題以外にもある。21人を対象とした横断研究では、股関節を0度、45度、90度に曲げた姿勢で、内旋と外旋の最大等尺性運動を比較した。等尺性とは、関節を動かさずに力を出す条件である。筋電図と力の両方を測っている点が、この比較の特徴だ。[16]

お尻の中殿筋、大殿筋の上部、大腿筋膜張筋の活動は、屈曲角度によらず外旋より内旋で大きかった。大殿筋の下部でも、股関節を90度曲げた姿勢では同じ傾向が見られた。筋肉の名前だけから「お尻なら外へ回す運動でよく働く」と単純化できない結果である。研究では、どの部位を、どの姿勢で測ったかまで確かめる必要がある。[16]

最大等尺性の力は、0度では外旋が内旋より大きく、90度では外旋が内旋より小さかった。同じ人たちの比較でも、曲げる角度を変えると力の大小関係が変わったのである。これは姿勢が測定に関わる具体例だ。ただし、回す運動での結果であり、腸腰筋の脚上げの力が同じように変わるとする証明ではない。[16]

この研究が今回の問いに役立つのは、「角度を揃えない筋肉の比較は何を比べたのか分かりにくい」と気づかせる点だ。脚上げが前より楽だったと振り返るときにも、座る、立つ、寝るといった課題の違いを記録する発想につながる。研究が勧めた練習法としてではなく、比較の条件を揃えるための考え方として使いたい。[13][16]

既存記事「股関節を屈曲させる練習は座って前傾する?脚上げの力と筋肉の長さを読み解く」には、座った脚上げの力を中心とする問いを譲る。ここでは、骨盤に付けた姿勢の名前と実測値のずれ、厚さと電気的活動の違いを中心に扱った。見た目が似た姿勢でも、測定対象は研究ごとに異なる。[7][13]

数値の差が有意だったという表現も、練習の効果の大きさとは分けたい。回旋実験の力の比較では有意差が報告されているが、ここから生活で感じる変化の大きさを数字に置き換えることはできない。スクワットの筋厚との相関についても、関連の向きと、実際にどれほど役に立つかは別の問いだ。統計的な判定だけで、姿勢を変える価値を全員について決めないほうがよい。[13][16]

研究をレッスンの場面へ持ち込むなら、先に知りたいことを決めると混乱が減る。膝を持ち上げる力を知りたいのか、股関節が曲がる範囲を知りたいのか、それとも座る不快感を知りたいのか。今回扱った研究は、それぞれ違う指標を測っている。姿勢を変えたという共通点だけで結び付けず、質問に合った結果を使うことが、説明を具体的にする。[4][7][13][16]

たとえば仕事帰りのヨガで、先週より動きやすかったと感じる場面を考えてみる。その感覚を残すことと、「骨盤が整い腸腰筋が強くなった」と原因まで決めることは別である。今回のスクワット研究が示したのは、その場で測った角度と厚さの関連だ。実験が測ったところまでに説明をとどめれば、気持ちよく動けた経験に、確かめていない理由を付け足さずに済む。[13]

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よくある誤解

「骨盤を前傾させれば、屈曲筋が必ず強くなる」という理解は広すぎる。スクワット実験で確かめられたのは、前傾条件における腸腰筋の厚さの変化と股関節角度の変化の関連だ。練習前後の筋力増加を示した結果ではない。しかも条件間の骨盤角度には有意差がなく、姿勢の呼び名をそのまま結果の原因にできない。[13]

「筋活動が少ない姿勢は、運動として失敗だ」とも言い切れない。座る姿勢を保つ研究では、少ない活動で姿勢を保つ可能性が検討されている。運動の目的が筋への負荷なのか、座位を保つ負担なのかで、同じ活動の低下をどう評価するかは変わる。数値が大きいほど常に良いという物差しは、目的の違いを消してしまう。[4][5]

「股関節の曲がりを小さくすれば腰痛対策になる」という断定も、系統的レビューの結論に合わない。角度を変えた椅子で筋活動が一貫して変わる証拠や、腰痛・不快感を減らす裏付けは得られていなかった。椅子の好みは選ぶ手がかりになっても、角度だけで痛みを説明する理由にはならない。腰痛への対応には座位以外の要因も考慮する必要がある。[4]

今日からできること

  • 姿勢の比較をメモするときは、骨盤を前に傾ける指示と、実際にどこが動いたかを別に記す。男性7人のスクワット実験でも、課題名と骨盤角度の結果は一致するとは限らなかった。[13]
  • 脚上げの記事を読むときは、「筋電図」「筋の厚さ」「力」のどれを測ったのかを確かめる。23人の腸骨包筋研究と7人の腸腰筋研究は、筋肉も測定方法も異なる。[7][13]
  • 座り方を選ぶ際は、角度の理屈だけでなく自分の不快感も区別して記録する。12人が1分間座った試験では、筋活動の差と主観的な努力の差は同じ結果にならなかった。[5]
  • 研究の時間を推奨時間へ置き換えない。30分のタイピングは比較のための課題設定であり、姿勢を固定して保つべき時間として扱わない。[8]
  • 筋の力を比べる説明では姿勢の条件を確認する。21人の回旋実験の0度、45度、90度は研究の比較条件であり、その角度で脚上げを行う処方ではない。[16]
yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

オンザショアで、通う時間から考える

姿勢を確かめる時間を暮らしのどこに置くか、という入口もある。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。JR立川駅北口から徒歩1分、所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。仕事の前後や休日など、通う時間を考えるための情報になる。

溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガのレッスンは25種類以上である。種目と営業時間を確かめ、運動を続ける場所として検討するための選択肢だ。

参加条件も先に確認したい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。

店のトップで内容を、料金で通い方を確認できる。体験の予約も用意されている。予定に入れられる場所と時間から、継続の形を考えたい。

参考文献

[4] Does Using a Chair Backrest or Reducing Seated Hip Flexion Influence Trunk Muscle Activity and Discomfort? A Systematic Review — Curran M, O’Sullivan L, O’Sullivan P, Dankaerts W, O’Sullivan K., 2015, Human factors. DOI: 10.1177/0018720815591905

[5] Can we reduce the effort of maintaining a neutral sitting posture? A pilot study — O’Sullivan K, McCarthy R, White A, O’Sullivan L, Dankaerts W., 2012, Manual therapy. DOI: 10.1016/j.math.2012.05.016

[7] Examination of the action of the iliocapsularis: Focusing on changes in shear elastic modulus owing to muscle elongation — Itsuda H, Yagi M, Tateuchi H, Tokoro M, Ichihashi N., 2025, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0325134

[8] Effects of vibration-based biofeedback on multifidus muscle activity and pelvic tilt angle in subjects with hip flexion limitation — Jang TJ, Jeon IC., 2024, Journal of back and musculoskeletal rehabilitation. DOI: 10.3233/bmr-220284

[13] Relationship between iliopsoas muscle thickness and hip angle during squats in different pelvic positions — Miyachi R, Deguchi M, Nishi Y, Yonekura S, Hara J., 2021, Journal of physical therapy science. DOI: 10.1589/jpts.33.351

[16] Activation of the gluteus maximus, gluteus medius and tensor fascia lata muscles during hip internal and external rotation exercises at three hip flexion postures — Peduzzi de Castro M, de Brito Fontana H, Fóes MC, Santos GM, Ruschel C, Roesler, 2021, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2021.05.011

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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