
同じ人でも、時刻と呼吸を一緒に読む
測定する時刻も背景になる。若い成人13人を30時間追った実験では、瞳孔の検査と眠気の自己評価を繰り返した。瞳孔不安定指数は午後に増える経過を示し、その後、夕方から夜にかけて減った。午前と夜には低い値が見られた。少なくともこの実験では、時計が進むほど数値が一方向に増え続けたわけではない。[4]
この点は、朝の値と仕事帰りの値を比べたい人に関わる。違う時刻の数値には、その間の睡眠だけでなく、日内の変動という背景がある。同じ装置でも、時刻は比較の条件に含まれる。日々の比較を読む際には、測定時刻を含めて見るという姿勢が必要になる。[4]
呼吸との関係も興味深い。健康な若者83人を対象にした研究では、瞳孔不安定指数と心臓の副交感神経に関係する指標、眠気との関連が調べられた。別の健康な26人では、ゆっくりした呼吸を行う検査が実施され、心拍の間隔の変動を表す指標と瞳孔不安定指数がともに増加した。[19]
この研究では、皮膚の電気的な変化に表れる交感神経の活動と、瞳孔の一時的な拡大との関連も見られた。瞳孔の動きを、眠気だけに反応する針として考えるより、複数の自律神経の働きが表れる現象として読むほうが実態に近い。ゆっくりした揺れと、一時的な拡大も同じ動きではない。[19]
ヨガの前後で呼吸を整えたあとに測定値が変わったとしても、その変化をすべて睡眠不足の増減へ換算することはできない。呼吸の検査で指数が増えたという結果は、「ゆっくり呼吸すると寝不足になる」という因果を示していない。測定された生理的な変化と、その理由の説明を分ける必要がある。[19]
薬の影響も一律ではない。健康な参加者への二重盲検・プラセボ対照の交差試験では、覚醒度を下げずに瞳孔径を小さくする薬と、覚醒度と瞳孔径の両方に変化を起こす薬が見られた。瞳孔が小さいという同じ見かけでも、眠気との対応は薬によって異なった。[1]
これは服薬を自分で変更するための情報ではない。検査を受ける際に薬の情報を医師に伝える理由になる。自分の瞳孔だけを眺めて薬の効き方や眠気を判定しようとすると、覚醒度と目の反応が別々に変わる可能性を取り逃す。[1]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
本人の眠気と機械の値は、違う面を捉える
では、自分で眠いと思うことは頼りにならないのか。夜勤後の医師34人を調べた研究では、日勤時と比べて瞳孔不安定指数の自然対数が高くなり、本人が感じる眠気の変化とも有意な関連があった。自己評価の尺度との相関係数は0.41と0.38であり、両者の対応には幅がある。18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、夜勤医師という対象の違いを踏まえて考えたい。[5]
ここで使われた自然対数の値は、元の指数を統計的に扱うため変換したものである。夜勤後と日勤時の差の中央値は0.19だった。この数字を、そのまま眠気が何割増えたという表現や、運動能力の低下率に置き換えることはできない。何の単位で、どの形に変換された数字なのかまでが結果の一部だ。[5]
一方、季節性の抑うつ症状の程度がさまざまな46人を対象にした観察研究では、瞳孔不安定指数は自己申告の眠気、疲労、症状の重さと関連しなかった。しかし、直近の睡眠を活動量の記録から評価すると、睡眠時間が長いほど指数が低い関連が見られた。調べたのは測定前の1〜3夜である。抑うつ症状の程度が異なる集団の関連を、18〜39歳の女性一般にそのまま当てはめられるかは別途検証が必要だ。[15]
この結果は、本人が眠くないと言っていても必ず危険だ、という判定ではない。眠気の言葉による評価と、最近の睡眠行動に対応する生理指標が、同じ側面を捉えない場合があるという結果だ。観察研究であるため、睡眠時間を増やせば誰でも同じ割合で指数が下がるという効果量にもならない。[15]
休息の介入でもずれが見える。健康な48人が参加した無作為化交差試験では、同じ時間帯に、音を鳴らしたシンギングボウルの上と、音のない状態での休息を比べた。休息時間は20分だった。本人が答えた眠気の中央値は音がある条件で3、静かな条件で4となり、差は有意だった。[10]
しかし、相対的な瞳孔不安定指数は0.74と0.71で、有意差はなかった。本人の感覚が変わったことは尊重できるが、それを生理的な眠気の指標も改善したという結論に広げることはできない。気分よく休めたという経験に、測っていない効果まで背負わせる必要はない。[10]
船員の疲労や睡眠の測定法を調べた系統的レビューも、主観と客観を組み合わせる意義を示している。選ばれた21研究のうち13研究で両方が使われ、客観的方法では活動量の記録や反応時間の検査が多かった。瞳孔測定は一部で使われていた。船員という職業集団のレビューであり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは勤務環境の違いを考慮する必要がある。ここでは、評価法ごとに役割を考える視点を参考にしたい。[11]
運動前の場面へ持ち帰るなら、まず自分が何を知りたいのかを言葉にしたい。昨夜どれほど寝たかを振り返りたいのか、今眠り込みそうなのか、体が疲れているのか。それぞれを同じ「寝不足」の一語で片付けると、測定値との食い違いも説明しにくくなる。疲労と眠気の区別や、評価法によって捉える面が異なることは、日中の眠気を扱うレビューでも重視されている。[14]
船員のレビューでは、眠気だけでなく疲労や睡眠行動も対象になり、質問票、睡眠の記録、反応時間など異なる方法が使われていた。異なる方法が並ぶのは、同じ質問を機械に繰り返しているからではない。睡眠の経過、本人の訴え、課題への反応という異なる情報を集めているからである。瞳孔の値にも、その中で担う役割がある。[11]
中央線の帰り道で「眠いが、予定はこなしたい」と思う日は、客観的という言葉が頼もしく聞こえる。しかし、夜勤後の研究や休息の試験が示すのは、数値と感覚の対応を実際に確かめる必要があるということだ。運動前に使うなら、瞳孔の指標から何が分かるかだけでなく、睡眠の記録や自分の状態とどう合わせて読むかが問いになる。[5][10][11]

よくある誤解
「瞳孔が大きい日は寝不足、小さい日は元気」という理解は成り立たない。睡眠不足群で暗い条件の瞳孔径が大きかった研究がある一方、徹夜中に基本の直径が小さくなった実験もある。条件と研究の型を切り離して、どちらかを家庭用の判定則にすることはできない。[2][3]
「客観的な数字なら、本人の感覚より常に正しい」という理解にも注意したい。眠気の自己評価と生理的な検査が対応する研究もあれば、対応しない研究もある。数字は測定した側面を示すものであり、眠気の経験全体を置き換えるものではない。日中の眠気を評価したレビューでも、行動の検査と生理的な検査は異なる面を評価しうると整理されている。[5][14][15]
「呼吸で数値が動けば、睡眠不足も変わった」という読み方も飛躍になる。ゆっくりした呼吸で瞳孔不安定指数と心拍の変動指標がともに増えた結果は、自律神経との関係を示す。呼吸、眠気、睡眠の量を同じ意味で使わないことが、運動やリラクゼーションの研究を読むうえでも大切だ。[19]
今日からできること
- 瞳孔検査の説明を受けるときは、暗所・静かな環境・赤外線による11分間の連続記録という条件を確認する。測定条件と解析する指標をセットで読む。[3][9]
- 眠気を記録するときは、睡眠と起きていた時間帯も一緒に残す。睡眠と覚醒の日誌は、睡眠の習慣や時間のずれを評価する手がかりになる。[14]
- 検査値を見るときは測定時刻を確認する。13人を追った実験では、午後と夕方以降で指数の推移が異なっていた。[4]
- 休息後にすっきりしても、検査値も同じだけ変わったと決めない。48人の試験では、自己評価の差と瞳孔の指標の差は一致しなかった。[10]
- 運動前に眠気が気になる日は、瞳孔の大小を参加の許可証にしない。強い眠気が続く場合は、睡眠の記録や服薬の情報を持って医師に相談する。自己評価だけでなく複数の面から評価する視点が必要だ。[1][11][14]

オンザショアで、休息も含めて通う時間を考える
運動の予定は、睡眠や休息の時間と合わせて考えたい。通う時間と参加条件を先に確認すれば、生活の中で続ける段取りを組みやすくなる。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。仕事や用事の前後を含め、自分の生活に合わせて通う段取りを考えるための場所である。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティスもある。ヨガのレッスンは25種類以上で、種目を選ぶ際には、通う時間とともに内容も確かめたい。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。準備する物や費用の見通しを立ててから、続け方を考えられる。
店舗の案内と料金を確認し、体験の予約では、休む時間も残せる日程を選びたい。
参考文献
[1] Comparison of ketanserin, buspirone and propranolol on arousal, pupil size and autonomic function in healthy volunteers — Koudas V, Nikolaou A, Hourdaki E, Giakoumaki SG, Roussos P, Bitsios P., 2009, Psychopharmacology. DOI: 10.1007/s00213-009-1508-5
[2] Static and dynamic pupillary changes reflect autonomic effects of acute sleep deprivation in healthy adults — Ozkoyuncu Kocabas D, Atalay B, Taskiran Sag A., 2025, Sleep medicine. DOI: 10.1016/j.sleep.2025.106795
[3] Pupillographic assessment of sleepiness in sleep-deprived healthy subjects — Wilhelm B, Wilhelm H, Lüdtke H, Streicher P, Adler M., 1998, Sleep. DOI: 10.1093/sleep/21.3.258
[4] Daytime variations in central nervous system activation measured by a pupillographic sleepiness test — Wilhelm B, Giedke H, Lüdtke H, Bittner E, Hofmann A, Wilhelm H., 2001, Journal of sleep research. DOI: 10.1046/j.1365-2869.2001.00239.x
[5] Objective and quantitative analysis of daytime sleepiness in physicians after night duties — Wilhelm BJ, Widmann A, Durst W, Heine C, Otto G., 2009, International journal of psychophysiology : official journal of the International Organization of Psychophysiology. DOI: 10.1016/j.ijpsycho.2009.01.008
[9] Mathematical procedures in data recording and processing of pupillary fatigue waves — Lüdtke H, Wilhelm B, Adler M, Schaeffel F, Wilhelm H., 1998, Vision research. DOI: 10.1016/s0042-6989(98)00081-9
[10] Effects of singing bowl exposure on Karolinska sleepiness scale and pupillographic sleepiness test: A randomised crossover study — Bergmann M, Riedinger S, Stefani A, Mitterling T, Holzknecht E, Grassmayr P, Hög, 2020, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0233982
[11] Measurement Methods of Fatigue, Sleepiness, and Sleep Behaviour Aboard Ships: A Systematic Review — Kerkamm F, Dengler D, Eichler M, Materzok-Köppen D, Belz L, Neumann FA, Zyriax B, 2021, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph19010120
[14] Evaluation of daytime sleepiness — Moldofsky H., 1992, Clinics in chest medicine. DOI: 10.1016/s0272-5231(21)00871-6
[15] Detecting sleepiness in seasonal depression using the pupillary unrest index (PUI): Associations with actigraphic sleep behavior — Taylor ML, Franzen PL, Wescott DL, Klevens AM, Siegle GJ, Hasler B, Wilhelm B, R, 2026, Journal of affective disorders. DOI: 10.1016/j.jad.2026.121791
[19] Sympathetic and Parasympathetic Modulation of Pupillary Unrest — Schumann A, Kietzer S, Ebel J, Bär KJ., 2020, Frontiers in neuroscience. DOI: 10.3389/fnins.2020.00178
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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