水泳の体幹トレーニングで左右差は減る?陸の記録を泳ぎに移す条件を読む

水泳の体幹トレーニングで陸の筋力が上がっても、泳ぎの左右差が減ったとは限らない。若い競泳選手の試験とレビューを読み、泳速、左右の筋活動、体幹の持久力を分けて考える。改善が見られた研究と群間差が出なかった研究の違いから、バランスボールや陸上練習の成果を水中で確かめる視点を示す。

プールでは片側の息継ぎだけ慌ただしい。家ではプランクを前より長く保てる。それなのに、クロールの泳ぎにくさは残っている。「体幹は強くなったはずなのに」と思う場面である。

答えの芯は、陸で発揮する体幹の力と、水中の動作へ生かす力を別々に確かめることだ。体幹トレーニングで泳ぐ時間が短くなった若い競泳選手の試験はあるが、別の無作為化比較試験では群間差がなく、左右の体幹筋の協調を表す指標にも変化がなかった。泳速の改善だけから、左右差の解消まで約束することはできない。[9][2]

既存記事「呼吸法のトレーニングで運動が楽になる?吸う力と全身の持久力を分けて研究で読む」には呼吸筋と持久力の論点を譲る。ここで追うのは、陸上でできるようになった動作が、泳ぎのどの成果に結びついたかという問いである。

既存記事「体幹トレーニングがきついと左右差は増える?疲れる前後の安定を研究で読む」は疲労直後の変化を扱っている。こちらは練習を継続した後に、水中の成績や筋活動へ変化が移るかを考える。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

体幹を強くすることと、左右をそろえることは別の課題だ

体幹の安定性とは、単にお腹を硬くすることではない。競技者を扱った批判的レビューでは、活動中に手足との間で力を生み、伝え、制御するため、胴体の位置と動きを調節する能力として説明されている。筋肉が発揮できる能力と、神経による動きの調節がその重要な要素である。[6]

この定義に照らすと、動かずに耐える練習の記録は、体幹機能の一面である。クロールの腕の動きと組み合わさった時にも同じ成果が現れるかは、泳いで確かめる課題になる。レビューが示す「力を伝える」という役割を、陸の保持時間だけで代表させると、見たいものの範囲が狭くなる。[6]

左右差という言葉にも、いくつかの問いが混ざりやすい。左右で力の出しやすさが違うのか。泳いでいる時の筋活動が違うのか。胴体を回す動作が違って見えるのか。それとも、息継ぎのしやすさの感覚なのか。これらを同じ評価として扱わないことが、研究を読む出発点になる。左右の体幹筋活動を測った試験でも、筋活動、泳ぐ時間、泳ぐ力は別々に評価されている。[2]

たとえば、陸で片側を支える動作が楽になったという本人の記録は残してよい。ただし、それを泳ぐ時の回転の左右差が小さくなった証拠へ置き換えない。筋力の向上と、目的の動作でそれを使うことの間には、確認する段階がある。体幹と競技成績の関係について、競技者の傷害予防や競技成績を扱うレビューも研究の蓄積は限られると評価している。18〜39歳の一般女性の水泳にどこまで適用できるかは、競技者を中心とする根拠から分けて判断する必要がある。[6]

泳いでいる姿を見てもらう際には、「体幹が弱いか」だけを尋ねるより、「どの動作の、どの場面を比べるか」を共有したい。これは自分で左右差を診断するためではない。陸の記録と水中の観察を同じ言葉で混ぜないための工夫である。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

泳速が改善した試験は、何をどこまで示したか

健康な男子競泳選手18人、平均年齢13歳を対象にした無作為割付の試験では、通常の水泳練習に加え、体幹の運動を週3回、6週間行った群が比較された。通常練習を続けた対照群に対し、追加練習群の50 mの泳ぐ時間は1.4秒短く、95%信頼区間は2.4秒短縮から0.5秒短縮までだった。18〜39歳の一般女性へ、この男子選手の変化量をそのまま当てはめることはできない。[9]

信頼区間は、推定された差にどの程度の幅があるかを示す。この試験では、通常の水泳練習に体幹練習を加えた条件で、短距離の記録改善が認められた。[9]

泳ぎの指標も調べられた。追加練習群では、練習前との比較でストローク長が1周期当たり0.2 m増え、ストローク数は2.9回減った。ストローク長とは、腕の動きの周期当たりに進む距離である。タイムだけでなく、進み方も一緒に見る試験だったと分かる。ただし、これらの前後変化と、対照群に対するタイムの差は、比較の仕方を分けて読む。[9]

別の対照試験では、全国レベルのジュニア競泳選手20人が参加し、通常の水泳練習に体幹練習を週3回、12週間追加した群が調べられた。50 mクロールの時間への効果は対照群に比べて2.0%短縮、90%信頼区間は3.8%短縮から0.2%短縮であった。この研究では男女が参加したが、割付は既存の練習グループに基づいており、無作為割付の試験とは区別したい。対象は平均16歳の男女各10人であり、18〜39歳の一般女性が同じ量を行った場合の効果は別に検証する必要がある。[11]

ここで興味深いのは、陸上の評価に非対称のストレートアーム・プルダウンが使われた点だ。腕を伸ばした状態で引き下ろす課題であり、その成績には23.1%の改善が報告された。しかし、「非対称な課題が上達した」という結果は、「左右の差が23.1%減った」という意味ではない。試験の名前に非対称という語があっても、左右差の減少率に読み替えることはできない。[11]

これは数字を小さく見せるための注意ではない。何が上達したのかを正確に残すためである。陸の課題と泳ぐ時間の両方が良くなったことは有用な情報だが、それらをつなぐ動作の変化まで同じ数値で語ると、研究の成果から離れてしまう。[11]

群内の改善だけでは、体幹練習の上乗せ効果は決まらない

明るい結果だけで予定を組む前に、異なる結論の試験を読む必要がある。競泳選手32人を無作為に分けた試験では、実験群が通常の水中練習へ週2回の体幹練習を8週間追加し、対照群は通常の水中練習を続けた。50 mクロールの時間やストローク、左右の体幹筋活動などを測ったが、群間差は認められなかった。男女の競泳選手の結果であり、18〜39歳の一般女性に対する有効性を直接確かめた試験ではない。[2]

男子の実験群では、群内で泳ぐ時間が0.59秒短くなった。一方、女子の泳速度は実験群でも対照群でも改善した。実験群の前後だけを見れば「良くなった」と書けるが、それだけでは、追加した体幹練習によって通常練習以上に良くなったとは判断できない。対照群を置く意味がここにある。[2]

同じ試験は、表面筋電図という、皮膚の上から筋肉の電気的活動を捉える方法を用いている。体幹筋が同時に活動する程度を表す共同収縮指数にも、男女とも差は示されなかった。力を込める感覚が増えたことと、泳いでいる時の筋活動の協調が変わったことを、別に評価した点が重要である。[2]

ただし、共同収縮指数は、泳ぎの左右差のすべてを代表する指標ではない。この試験で差が出なかったことから、あらゆる左右差が変わらないと広げるのも不適切である。反対に、泳ぐ力の検査で改善傾向があったことを、左右差が整った証拠にすることもできない。測った項目の単位で結論を受け取る姿勢が必要だ。[2]

先ほどの改善を示した試験と、こちらの試験では、対象や練習の期間、頻度、評価する項目が異なる。違いのどれが結果を左右したかを、試験同士の見比べだけで特定はできない。現時点では、体幹練習の上乗せ効果は条件によって一様ではない、と読むのが妥当である。[9][2]

さらに、この試験の泳ぐ力は、体をつないだ状態で力を測る係留泳の検査でも評価された。自由に前へ進む時の速さと、つながれた条件で発揮する力は、同じ結果ではない。実験群には対照群より大きい力の改善が見られた一方、研究全体として体幹練習の有意な効果は示されなかった。この並びを省かずに読むと、測定項目の一部が良くても、介入全体の結論を強めてはいけない理由が見える。[2]

また、改善を示したジュニア選手の対照試験でも、筋電図の評価には陸上で最大限の力を出す検査が含まれていた。そこで体幹筋の活動が高まったことは、泳いでいる間の左右の活動が均等になったこととは異なる。どの姿勢で、どの課題中に測った値かまで添えると、同じ「筋活動」という語の中にある違いを拾える。[11]

数字で読む水泳への移り方

18人:短距離の泳ぐ時間が改善した、若い男子選手の試験規模である。[9]

−1.4秒:その試験の50 mの群間差。95%信頼区間は−2.4〜−0.5秒である。[9]

32人:週2回、8週間の体幹練習を追加しても、群間差が認められなかった試験である。[2]

−2.0%:既存の練習グループを比べた試験の50 mへの効果。90%信頼区間は−3.8〜−0.2%である。[11]

6研究:ターンへの陸上練習を調べた系統的レビューの採用数。体幹練習の結論は確定的ではなかった。[5]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約