ダイエット停滞期に眠いのは食事の減らしすぎ?疲れと体重の横ばいを分けて読む

ダイエットの停滞期に眠い、疲れやすいと感じても、体重の横ばいだけではエネルギー不足を判断できない。食事制限で疲労が増えた試験と、眠気が改善した試験を比較し、睡眠の質・日中の眠気・運動中の疲れの違い、食事と活動の振り返り方、医師に相談するときに伝えたい情報を整理する。

昼食後の机で、読みかけの文章が何度も同じ行に戻る。食事には気をつけているのに、体重計の表示は横ばい。そんな日に「停滞期だから体が省エネになって眠いのか」と検索したくなる。しかし、食事制限を調べた試験では、疲労が増えた結果も、日中の眠気が改善した結果もある。眠さだけで食事の減らしすぎを言い当てることはできない。[6][18]

答えの芯は、体重の変化と日常の調子を別々に確かめることだ。肥満の成人を対象にした試験では、体重が減っても疲労の評価は対照群と変わらなかった。一方、20〜36歳の過体重女性の小規模試験では、疲労と活気が悪化した。一般成人の試験でも結果は分かれ、肥満の成人の平均的な結果を18〜39歳の女性全体へ広げるには、体格や食事条件の違いを考える必要がある。[4][18]

ここでは、横ばいを破る食事の削り方ではなく、眠気と疲れを読み違えない方法を考える。食事制限の休み方は既存記事「ダイエットの停滞期は食事制限を休む?運動を続けて維持量に戻す研究を読む」に譲る。体重計が動かない朝にも、生活の調子まで採点させる必要はない。

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「眠い」「疲れる」「眠れない」は同じ項目ではない

昼食後にまぶたが重いことと、階段で脚が重いことは、本人の言葉ではどちらも「だるい」になりやすい。しかし、研究では眠気、睡眠の質、気分の中の疲労、運動の成績などを別々に測っている。これらをまとめてしまうと、食事制限で何が変わったのかを取り違える。[3][4][6]

過体重または肥満の成人を対象にした睡眠の試験では、本人が答える睡眠の質問票に加え、手首の活動から睡眠を推定する機器を使った。質問票で日中の眠気が改善しても、機器で測った睡眠時間は変わらなかった。本人の眠りの評価と、実際に測る睡眠の指標は、異なる動きをする。[6]

一方、肥満の成人を追った別の試験で調べた疲労は、気分を評価する質問票の下位項目である。その疲労に差がないという結果は、昼間に居眠りしやすいかを直接言い換えたものではない。研究の見出しに「気分」とあっても、その中のどの項目が動いたかを見る必要がある。[4]

生活に下ろすなら、記録も場面の言葉にする。「眠い」なら、通勤中にうとうとしたのか、会議中に目を開けていられなかったのか。「疲れる」なら、仕事の終わりに動き出しにくいのか、いつもの運動が重く感じたのかを書き分ける。これは診断のための点数表ではなく、研究でも分けている項目を自分の言葉に戻す作業だ。[4][6]

たとえば、眠ったつもりなのに午後に眠い日と、眠気はないが運動への活気がない日では、相談時に伝えたい内容が違う。体重の記録だけを見せるより、何をしているときに困るかを添えたほうが、自分が確かめたい問題がはっきりする。睡眠時間だけで疲労を代表させず、疲労だけで睡眠を代表させない読み方である。[3][4][6]

体重の減少量と気分の関連も確かめよう。肥満の成人を対象にした試験では、研究終了時の体重、活動量、気分、生活の質の変化の間に関連は認められなかった。減量の成績表から、今日の疲れ具合を逆算することはできないという結果だ。[4]

予定表に当てはめると違いが見える。帰宅後にソファから動きたくないと感じた日は、眠ってしまいそうなのか、起きているが動作が面倒なのかを分けてみる。どちらも本人にとっての困り事だ。それぞれの困り事を相談で伝えるための区別だ。[4][6]

記録を細かくする目的も、体を管理し尽くすことではない。相談で「最近だるい」と伝えた後に、具体の場面を説明できるようにすることだ。研究で使う質問票を自分で再現したり、得点を推測して健康状態を判定したりする必要はない。日常のメモと研究の測定値を同じものとして扱わない姿勢も大切である。[4][6]

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食事制限で眠気が軽くなった試験もある

食べる量を減らすと必ず眠くなる、という説明に合わない試験がある。過体重または肥満の成人51人(平均年齢47歳)が、推定必要量より摂取エネルギーを少なくした食事を12週間続けた無作為化比較試験だ。無作為化とは、比較する条件への割り当てを偶然に任せる方法で、この試験ではたんぱく質食品の量を比較した。18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、年齢や体格の違いがある。[6]

全参加者を合わせた体重の変化は平均−6.2kgで、報告されたばらつきは±0.4kgだった。日中の眠気の質問票の得点は平均3.8点下がり、睡眠の総合評価も改善した。一方、機器で測った就床時間、睡眠時間、寝つくまでの時間、寝ついた後に起きていた時間は変わらなかった。睡眠効率の改善は1±1%と小さいものだった。[6]

ここで「減量すれば眠気が取れる」と読むのも早い。全員がエネルギーを制限した食事を取り、無作為に比較したのはたんぱく質量である。制限しない食事との直接比較で眠気の改善を確かめた設計ではない。経過中に改善した事実と、その原因を食事制限だと言い切ることは分ける必要がある。[6]

比較したたんぱく質量は、主観的にも客観的にも睡眠の結果に影響しなかった。「眠いからたんぱく質だけを増やせばよい」という助言も、この試験からは導けない。食事を単品の勝負にすると、研究が比べた条件から離れてしまう。[6]

より長い比較ではどうか。肥満の成人90人を、食べる時間を限る群、毎日エネルギーを制限する群、介入しない対照群へ割り当て、12か月追った無作為化試験の二次解析がある。肥満の成人が対象であり、18〜39歳の女性全体の疲労への反応を代表する結果ではない。対照群との比較で体重はそれぞれ4.87%、5.30%減ったが、気分の疲労を含む項目には差がなかった。体重の差の95%信頼区間は順に−7.61〜−2.13%、−9.06〜−1.54%である。[4]

信頼区間は、効果の推定にどの程度の幅があるかを示す手掛かりだ。体重では差が認められても、疲労では同じ結果にならなかった点が大切である。活力には食べる時間を限る群で改善傾向があったものの、研究全体としては気分や生活の質への影響を認めなかったと結論している。都合のよい項目だけで「元気になる食事法」に変えてはいけない。[4]

2型糖尿病の成人69人を6か月追った別の無作為化試験の二次解析でも、食べる時間の制限や毎日のエネルギー制限による疲労、活力などの変化は対照群と差がなかった。ただし、開始時の気分や生活の質は概して健康な範囲で、体重の減少も小さかった。もともとの状態と変化の余地が、結果を読む背景になる。糖尿病の成人が対象なので、18〜39歳の女性一般へそのまま当てはめる判断はできない。[2]

これらは、強い疲労のある人が食事を削り続けてもよいという許可ではない。試験で平均的な差が出ないことと、目の前の人に困り事がないことは別だ。むしろ、食事制限中の気分を体重だけで決めつけず、本人の症状を別に聞く理由になる。[2][4]

疲労が増えた研究では何が違ったのか

反対側の結果も見よう。健康な閉経前の過体重女性9人を調べた小規模試験では、強いエネルギー制限を伴う食事を続けた期間に、気分の質問票の疲労と活気が悪化した。対象は20〜36歳で、食事期間は約1か月である。ところが、別の尺度による睡眠の質や集中力などの自己評価には有意な変化がなかった。[18]

同じ研究で手と目の協調を調べる動作成績は改善した。つまり、疲労の質問票、睡眠の自己評価、動作課題の結果がそろわなかった。著者らは生理面や動作成績の有益な結果も評価しており、「食事制限は全面的に有害だった」と要約するのは不正確だ。同時に、動作がよくなったから疲れの訴えを消す理由にはならない。[18]

この女性の試験は、食事を変える前の期間と、制限中の後半を比較した。月経周期による違いを小さくするため、測定する期間にも配慮している。それでも参加者は9人であり、別の食事条件へ無作為に割り当てた対照群との比較ではない。疲労が悪化したという観察と、その原因を食事だけに絞ることは分けて読む必要がある。[18]

一般成人の研究を並べると、制限の強さ、続けた期間、体格、測った尺度という違いが残る。女性9人の試験は、18〜39歳の女性に年齢が近い一方、健康な過体重の閉経前女性という条件がある。51人の睡眠試験や90人の長期試験と結果を比べても、どの程度食事を減らすと誰が疲れるかという境界線は引けない。[4][6][18]

数字で読む食事制限と眠気・疲労

51人:過体重・肥満の成人の睡眠を調べた、たんぱく質量を比較する試験の参加者数だ。[6]

−3.8±0.4点:同試験で経過中に下がった日中の眠気の得点で、眠った時間そのものではない。[6]

12か月:肥満の成人90人の試験の追跡期間で、体重は減っても疲労には群間差がなかった。[4]

9人:疲労と活気の悪化、睡眠の自己評価の有意な変化なしが併存した女性の小規模試験だ。[18]

20〜36歳:女性9人の試験の年齢範囲だ。若い女性を扱っていても、過体重という参加条件と強い食事制限に目を向けたい。[18]

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