
穴あきスプーンは、満腹より汁の量を変える
ラーメンの穴あきスプーンは、一口を小さくする話とは少し違う。具をすくうときに汁を落とせる道具を使い、スープと塩分の摂取量を減らせるかという問いである。スプーンという名前が共通でも、すくう量を区切る役割と、汁を通さず具を運ぶ役割は同一ではない。[2]
男性大学生36人を解析したランダム化クロスオーバー試験では、箸と通常のスプーンを使う場合と、箸と穴あきスプーンを使う場合を比べた。塩分摂取量の中央値は、通常のスプーンで2.4g、穴あきで1.8gだった。食後の満腹感とおいしさには、統計的に有意な差がなかった。汁の摂取量も穴あきの方が低かった。男性大学生の結果を18〜39歳の女性へそのまま当てはめることはできない。[2]
中央値とは、値を順に並べたときの中央の値である。個々の摂取量には幅がある。同試験では塩分摂取量の中央付近の広がりを示す第25・第75百分位が、穴あきで1.5〜4.3g、通常で1.8〜4.8gだった。代表値に差があっても、個々の食べ方まで一律にはならないことが分かる。[2]
別の大学食堂で行われたランダム化クロスオーバー試験では、最終解析に男性35人、女性34人が含まれた。男性のスープ摂取量の中央値は通常スプーンで141.0g、穴あきで95.0g、女性では129.5gと84.5gだった。研究者は、両性でスープと塩分の摂取量が減り、満腹感やおいしさを損なわなかったと結論づけている。女性も含む大学生の試験だが、18〜39歳の女性全体に同じ結果が出るかは、生活や食事の条件を含めて検討が必要だ。[1]
これらの結果は、「汁を残すと必ず食事の満足が下がる」という予想には沿わない。ただし、有意な差がないことは、どんな人にも全く同じ感覚になるという保証にはならない。若い学生のラーメンという食事で確認された結果として読む。穴あきスプーンの話を、そのまま具のないスープや別の年齢層へ広げないことも必要だ。[1][2]
スープを楽しみながら、具も食べたい人には、目的に合わせた道具という見方ができる。汁を味わうためのスプーンなのか、具を引き上げるためのスプーンなのか。買う前に考える問いは「食欲を抑えると書いてあるか」より、「今の食卓で何を変えたいか」だ。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
食べる量が減ることと、腹持ちは分けて読む
食べている最中にどこで終えるかという問いと、その後どれくらい空腹を感じずに過ごすかという問いは、生活ではひと続きに感じやすい。しかし、スープを自由に飲む実験の摂取量が少なかった結果から、夕方までの腹持ちや間食の変化まで決めることはできない。まずは測った食事の範囲に答えを置く。[9]
ヨーグルトの試験も、「慣れれば自然に必要なエネルギー量へ調整される」と単純には読めない。低いエネルギー密度は約215kJ/100g、高い方は約600kJ/100gで、繰り返し提供したが、どの群でもそれぞれの製品の摂取量は時間とともに変化しなかった。研究者は、繰り返し経験してもエネルギー摂取の補償は観察されなかったとしている。[5]
ここでいう補償とは、エネルギーの違いを埋める方向へ食べる量を調整することである。例えば、同じ重さでもエネルギーが多い食品なら少なく食べる、といった調整を期待しても、この試験では繰り返しによるその変化が見られなかった。スプーンを使う群の摂取量が低いことと、エネルギー密度に応じた学習が進むことは別だった。[5]
したがって、飲み方を変える工夫は、献立の中身を考える代わりにはならない。スプーンにしただけで食事が足りているかを判断せず、食後の過ごし方も含めて自分の感覚を見たい。昼食をスープだけに減らしたり、空腹を我慢する練習にしたりする理由として、この実験を使わないことだ。
食事を楽しめたかという点も残しておく。穴あきスプーンの試験では、汁や塩分の摂取量が低くても、満腹感やおいしさに有意差がなかった。[1][2] 目的は「少なく食べた自分を褒める」だけにはしない。いつもの食事を無理なく終えられたか、道具が邪魔でなかったかも、続けるかどうかを決める判断材料になる。

よくある誤解
「スプーンなら、器から直接飲むより必ず食欲を抑えられる」という思い込みには修正が要る。中心のスープ実験で操作したのはポンプによる一口量であり、器飲みとスプーン飲みそのものではない。液状ヨーグルトではストローとスプーンの群間差があったが、それをあらゆるスープの食器比較とみなすことはできない。[5][9]
「小さな一口にすれば、食べる速さを気にする必要はない」という読み方も飛躍する。スープ試験は供給速度をそろえた条件で一口量の違いを見た。一方、ヨーグルトでは手段によって速さも違った。それぞれが異なる条件を確かめており、どちらかがもう一方を打ち消す結果ではない。家の食卓で両方が同時に変わるなら、その違いも含めて受け止めたい。[5][9]
「穴あきスプーンは満腹を増やして食欲を抑える」という説明も正確ではない。ラーメン試験で示されたのは、スープや塩分の摂取が少なく、満腹感とおいしさに有意差がなかったことだ。満腹感の増加を確認した結果へ言い換えない。汁を減らす工夫と、食欲の変化を狙う工夫は、同じ食器売り場にあっても目的が異なる。[1][2]
さらに、研究で摂取量が少なかった方法が、すべての人に必要な方法になるわけではない。食事が十分にとれているか、本人が何に困っているかを先に考える。スープが好きで器から飲む時間を楽しんでいる人まで、道具を持ち替える義務はない。食卓の選択肢を増やすために研究を読みたい。
今日からできること
- いつもの献立にスプーンを添え、器から続けて飲むときと、すくって飲むときの使いやすさを比べる。スープの一口量を変えた実験[9]をヒントにした家庭での試し方であり、計量して実験条件を再現する必要はない。
- スープ以外の主食やおかずも普段どおり用意する。食べ終えたときの量だけでなく、その後の空腹や追加で食べたものも振り返る。スープ単独の摂取量の差[9]が、食事全体のエネルギー摂取を減らすかは、この結果だけでは判断できない。
- 急いで飲み終えてしまう日には、すくうたびに器へ手を戻し、自分が使いやすいペースを探す。食べる手段と速さに差があったヨーグルト試験[5]からの応用案として試し、食後の満足と空腹も判断材料にする。
- 食事へ注意を戻したいときは、連絡の返信や動画をいったん区切り、スープの味を確かめる。注意がそれる条件で摂取量が増えた実験[9]を踏まえた工夫であり、食事に集中できたかを採点する必要はない。
- ラーメンで汁を減らしたいときは、具を引き上げる道具として穴あきスプーンを選ぶ。満腹感やおいしさに有意差がなかった試験[1][2]を参考に、実際の食べやすさと満足を確かめる。
食べ方を試すときに、器の底へたどり着くことを競争にしない。口へ運ぶ量を観察したいのか、汁を減らしたいのか、食事の時間を落ち着かせたいのか。自分の問いを決めておけば、使いにくい道具を無理に使い続けずに済む。合わなければ引き出しへ戻す。それも、生活に合う方法を選んだ結果である。

オンザショア立川店で、生活に続ける場所を置く
食卓で一口量やペースを確かめるように、運動も生活に合う続け方を考えたい。オンザショア立川店には、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガと、常温のヨガ、ピラティスがある。食べ方の工夫と並べて、通う時間や種目を自分で選ぶ場所として検討できる。
妊娠中の方は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。通う条件を確かめるには、店の案内と料金が入り口になる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休である。ヨガだけで25種類以上あり、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも選べる。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験の予約の際は、普段の予定に入れやすい時間かを考える。食卓の道具と同じく、使い続けやすさも選ぶ理由になる。
参考文献
[1] Effectiveness of a perforated spoon for reducing salt intake in a university cafeteria — Murayama A, Hamasu A, Tabata I, Sato M, Tajiri E, Nakashima N, Sakamoto T., 2026, Frontiers in public health. DOI: 10.3389/fpubh.2026.1845807
[2] Effects of Using a Perforated Spoon on Salt Reduction When Consuming Ramen Noodles: A Randomized Crossover Study of Japanese Male University Students — Sugimoto M, Tajiri E, Nakashima N, Sakamoto T., 2023, Nutrients. DOI: 10.3390/nu15132864
[5] Intake during repeated exposure to low- and high-energy-dense yogurts by different means of consumption — Hogenkamp PS, Mars M, Stafleu A, de Graaf C., 2010, The American journal of clinical nutrition. DOI: 10.3945/ajcn.2009.28360
[9] Consumption with large sip sizes increases food intake and leads to underestimation of the amount consumed — Bolhuis DP, Lakemond CM, de Wijk RA, Luning PA, de Graaf C., 2013, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0053288
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
ヨガとからだの小さな疑問のほかの記事
- スクワットの専用バーは肩が楽になる?持ち手と上体の傾きから負荷の違いを読む
- ヒップアップのデッドリフトは足を大きく開く?狭い構えとの関節負荷を研究で読む
- 女性の筋トレは六角形のバーで引く?前で持つ場合との腰や膝の負荷を研究で読む
- スクワットは軌道固定のマシンがよい?自由なバーとの脚の働きを研究で読む
- 二の腕の腕立ては持ち手が回ると違う?固定台との肩や肘の負担をどう読むか
- 背中の筋トレは懸垂の補助をゴムにする?重り式マシンとの負荷を研究で読む
- 女性の腹筋運動はボールを脚で挟む?手で持つ場合との違いを研究から読み解く
- ヒップアップはうつ伏せで両脚を台から上げる?上体を起こす運動との負荷を読む
- 有酸素運動のローイングは本体が動くと違う?引く力と腰の負担を研究で読む
- 朝の運動のエアロバイクは重いはずみ車がよい?慣性と脚の出力を研究で読む
- 有酸素運動の自転車は左右独立のペダルで違う?引く動きと効率を研究で読む
- ダイエットの大根おろしは加熱前に置く?辛味が生まれる時間と消える成分を読む
- 糖質制限のオクラは細かく刻むと違う?粘りの増え方と食後の反応を研究で読む
- ダイエットのなすは先にレンジ加熱する?吸う油と成分抽出の研究を分けて読む
- 間食のかぼちゃは蒸すと甘くなる?糖の量と食感の変化を分けて研究で読む
- ダイエットの小松菜は油と炒めるべき?色素の残り方と吸収を分けて読む
- 糖質制限の白菜は塩もみで栄養が減る?絞った汁とビタミンを分けて読む
- 間食のいちごはつぶすと成分が変わる?酸化と保存時間を分けて研究で読む
- ダイエットのアボカドはレモンで色が保てる?褐変と栄養を分けて研究で読む
- 疲労回復のさばは焼くより煮る方がよい?流れる脂と残る脂肪酸を研究で読む
- 女性のプロテインは発芽大豆で違う?消化を妨げる成分と加熱の関係を研究で読む
- 筋トレ女性の食事はパンに豆粉を混ぜる?アミノ酸の補完と消化の違いを読む
- 朝の運動前のブルーベリーは煮てもよい?色素が減る条件と残る成分を研究で読む
- ダイエットのさつまいもはゆっくり焼く?加熱の速さと麦芽糖の増え方を研究で読む
- 疲労回復の豚肉はゆで汁も使う?ビタミンB1の減少と加熱条件を研究で読む
- 間食のチーズは熟成で乳糖が減る?胃腸の負担とたんぱく質の分解を研究で読む
- ダイエットのブロッコリーはからしを添える?加熱後の酵素と吸収を研究で読む
- 運動後の牛乳は温め直しても同じ?プロテインの糖とリシンの反応を研究で読む
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
2






