
飲みやすさと体の熱を、別の物差しで読む
飲み物を最後まで飲めるかは、温度選びの実用的な論点である。飲みやすさと摂取量を調べた2012年の系統的レビューは、成人を対象にした14研究を含む。好みを報告した10研究すべてで、温かい飲料より冷たい、または涼しい飲料が好まれた。これは冷たさに耐える練習を勧める話ではなく、運動中に好まれやすい温度の傾向を調べた結果である。成人全体の集計なので、18〜39歳の女性に限った好みや摂取量の差を表す値としては扱えない。[10]
飲水量を統合した5研究のメタ分析では、冷たい・涼しい飲料は対照より約50%多く飲まれた。効果量は1.4、95%信頼区間は0.75〜2.04だった。信頼区間は、効果の推定に幅があることを示す。これは全員のボトルを半分大きくする指示でも、温度を下げれば必ず摂取量が増えるという個人の予言でもない。[10]
同レビューで水分状態を評価した4研究の解析では、冷たい・涼しい飲料の条件で、運動中の脱水の程度が体重の1.3%分小さかった。95%信頼区間は0.9〜1.6%である。この体重の数字は、運動で失う水分を扱っている。体脂肪が減った量や、減量の達成度として読む数字ではない。体重という言葉だけで別の目的に転用しないことが必要だ。[10]
朝の支度に置き換えるなら、温度を変えた日に何を確かめたいかを先に決めるとよい。飲み残しが気になるのか、口に含んだ感覚なのか、動き始めの胃の具合なのか。例えば白湯なら飲みやすい人が、研究の平均に合わせて冷水へ替える必要はない。平均的な好みを調べた結果と、本人の飲める条件は、相談しながら近づけるものだ。[10][16]
女性にも同じかという問いには、女性を含む比較試験が手がかりになる。若い成人20人、うち女性10人が参加した研究では、40℃の乾いた環境で自転車運動と休息を交互に行い、氷状の飲料と37.5℃の飲料を比べた。女性の累積蓄熱は氷状の条件で86±120 kJ、温かい条件で167±103 kJと小さく、男女の反応差は有意ではなかった。[14]
累積蓄熱は、運動と休息を通して体にたまった熱を、出入りの測定から評価したものである。この研究では、乾いた熱の出入りや蒸発による熱の出入り自体には飲料条件による差がなかった。飲んだ氷状のものへ熱が移ることによって、蓄積する熱の差が生じたと考えられる。冷たいものが役立つ道筋を、汗の増減だけで説明しない例である。[14]
同じ室温でも連続して動く場合と、休みを挟む場合では実験の設計が違う。女性のデータが加わったことには意味があるが、この研究も乾いた高温環境での比較である。冬の朝の台所や、常温の室内で行う軽い運動へ、その熱量をそのまま持ち込まない方がよい。対象者の近さと、運動環境の近さは、別々に点検する必要がある。[14]
熱の出入りを考えると、ボトルの温度だけで暑さ対策が完了するとは言えない。暑い環境のアスリートを対象とする運動栄養の指針も、運動開始時の水分状態、胃腸が耐えられる量、飲める機会、運動中の水分の出入りを一緒に検討している。冷たい飲料は、その全体の中に置く調整項目である。競技者向けの指針を18〜39歳の女性の日常の軽い運動に使う際は、競技の補給計画を丸ごと移さず、飲める機会や胃腸の耐えやすさという観点を参考にする。[16]
朝の予定では、家で飲むものと持ち歩くものを分けて考える余地もある。自転車運動の実験で確かめられたのは、決まった場面で飲料を摂ったときの反応である。起床直後に飲みやすかった温度が、運動中にも必ず合うとは限らない。持っていくボトルを選ぶときは、どこで飲めるかという予定も一緒に確認したい。[12][16]
例えば中央線に乗る前は飲み急いでしまい、スタジオに着いてからなら落ち着いて飲める、という違いをメモしておく。これは新しい飲水法の効果を主張するためではない。指針が重視する「飲む機会」と「胃腸の耐えやすさ」を、自分の移動経路に置いて考えるためだ。温度の好みだけでは、実際に飲める段取りまでは決まらない。[16]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「温かい飲み物なら、運動前の胃は必ず早く空になる」という理解は広すぎる。温かいプロテイン飲料の試験は消化初期の反応を示したが、その結果から朝の水や朝食全体が胃を出る時間までは決められない。消化のある段階の速さと、運動を始めてよい時刻は、同じ答えにならないのである。[6]
とくに「早く送られるなら、すぐ動いても平気」と続けてしまうと、本人の胃の具合が判断から抜ける。暑い環境の運動栄養に関する指針でも、胃腸が飲料摂取に耐えられるかは、水分補給の計画に含める項目である。温度だけで待ち時間を設定するより、何をどのくらい飲んだかと、その後の不快感を併せて見たい。[16]
「冷たいものは運動の力を落とす」という一律の説明も、暑い環境の比較試験とは合わない。冷たい飲料で持久力が良かった試験も、熱い飲料と差がなかった試験もある。正しく残すべきなのは、冷水が必ず勝つという新しい決めつけではなく、温かい方が常に有利という見方が成り立たないことである。[12][8][20]
反対に「冷たくすればするほどよい」とするのも行き過ぎる。暑く湿った環境で4℃の飲料が成績を改善した試験では、氷を加えた条件で有意な改善は確かめられなかった。温度の数字を小さくすること自体を目標にすると、何のために選んでいるのかを見失う。成績、体温、飲みやすさは、それぞれの結果を確認する必要がある。[3]
「口が冷えたから、体の熱も十分に下がった」という判断にも注意が要る。冷たい飲料と熱い飲料で運動時間に差がなかった実験では、冷たい条件で暑さに対する快適さが改善した。感覚が良くなることには価値があるが、それだけで運動を続けられる限界を測れるわけではない。気持ちよさは温度計の代役にはならない。[8]

今日からできること
- 朝の持ち物を決めるとき、飲み切りやすい温度から選ぶ。14研究のレビューで見られた冷たい飲料への好みは参考にしつつ、苦手な温度を我慢する課題にはしない。[10]
- 飲料を替える日は、温度と一緒に飲んだ量、飲み残し、胃の具合をメモする。温度で摂取量が約50%違った解析もあるため、量まで同じだったと思い込まない。[10]
- 暑い環境で長く動く予定なら、冷たい飲料を選択肢に入れる。4℃と37℃を比べた持久力の結果を参考にしても、実験の飲水量や限界まで動く方法を朝の習慣として再現しない。[12][16]
- 温かい栄養飲料を選んでも、筋肉量への効果を約束にしない。38人・4週間の試験では筋肉量に有意な群間差がなく、温度より先に確かめたいのは無理なく取り入れられるかである。[6]
- 温度を変えてもつらさが残るなら、飲む量や運動との組み合わせを見直す。20人を対象とした暑熱下の研究で蓄熱が小さくても、すべての環境や体調に共通する保証にはならない。[14][16]
メモは、温度の優勝者を決める採点表ではない。例えば、出発直前には温かい方が飲みやすく、運動中は冷たい方が手が伸びるなら、その違いを残してよい。飲料の好みを扱った研究と、暑熱下の補給を扱う指針を生活に生かすとは、自分が飲める機会を具体的に見つけることでもある。[10][16]
オンザショア立川店で、朝の予定に運動の場所を置く
飲料の温度を考えるなら、先に運動する場所の環境を確かめたい。オンザショア立川店には、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティスがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを扱う。飲み物の好みと参加する形式を一緒に考え、生活の中で通う予定を組む場所として選びたい。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。飲料温度の研究結果を、レッスンへの参加可否の判断に置き換えないことも大切だ。
営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。店舗は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分にある。店舗トップで通う場所を確認し、飲み物の準備と移動を含めて予定を立てる。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と体験の予約を確認し、持ち物と参加する形式を整える。

参考文献
[1] Influence of beverage temperature on exercise performance in the heat: a systematic review — Burdon CA, O’Connor HT, Gifford JA, Shirreffs SM., 2010, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.20.2.166
[3] Effect of drink temperature on core temperature and endurance cycling performance in warm, humid conditions — Burdon C, O’Connor H, Gifford J, Shirreffs S, Chapman P, Johnson N., 2010, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.2010.489197
[6] Effects of protein drink temperature on leg muscle strength and muscle mass during a 4-week training period: A pilot study — Fujihira K, Takahashi M, Tahara A, Fuke S, Hayashi N., 2026, Temperature (Austin, Tex.). DOI: 10.1080/23328940.2025.2588730
[8] The effect of hot and cold drinks on thermoregulation, perception, and performance: the role of the gut in thermoreception — Barwood MJ, Goodall S, Bateman J., 2018, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-018-3987-8
[10] Influence of beverage temperature on palatability and fluid ingestion during endurance exercise: a systematic review — Burdon CA, Johnson NA, Chapman PG, O’Connor HT., 2012, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.22.3.199
[12] Cold drink ingestion improves exercise endurance capacity in the heat — Lee JK, Shirreffs SM, Maughan RJ., 2008, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0b013e318178465d
[14] Influence of Sex on Whole-Body Heat Exchange Following Cold Beverage Ingestion During Work-Rest Cycles in the Heat — Richards BJ, O’Connor FK, Koetje NJ, Janetos KT, McGarr GW, Kenny GP., 2025, American journal of industrial medicine. DOI: 10.1002/ajim.70002
[16] Sports Dietitians Australia Position Statement: Nutrition for Exercise in Hot Environments — McCubbin AJ, Allanson BA, Caldwell Odgers JN, Cort MM, Costa RJS, Cox GR, Crawsh, 2020, International journal of sport nutrition and exercise metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.2019-0300
[20] The influence of serial feeding of drinks at different temperatures on thermoregulatory responses during cycling — Lee JK, Maughan RJ, Shirreffs SM., 2008, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640410701697388
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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