
女性の試験では、手幅よりテンポが運動量を変えた
女性に関する直接の材料として、筋力トレーニング経験者20人を対象とした比較試験がある。参加者の最大挙上重量は、狭い幅で平均55.2kg、広い幅で平均52.7kgだった。[20] 重いバーを扱い慣れた人たちの結果であり、胸筋トレを初めて行う女性への開始重量ではない。数字の出発点を確かめておくことが、生活に落とす際の前提になる。
この試験では、それぞれの最大挙上重量の70%を使い、限界までできる反復を5セット行った。手幅は広い幅と狭い幅、テンポは下ろす局面が6秒の遅い条件と2秒の速い条件で比較した。押し上げる局面は、いずれもできるだけ速く行う設定だった。[20] つまり、同じ重さの数字を全条件に使ったのではなく、それぞれの最大能力に対する割合をそろえた比較である。
測ったのは反復回数と、筋肉に負荷がかかっている時間である。テンポを変えると、これらの運動量の指標に有意な違いが出た。一方、同じテンポで広い幅と狭い幅を比べたとき、有意差は認められなかった。著者は、手幅にかかわらずテンポが運動量に影響すると結論している。[20]
この試験が答えるのは、女性経験者が設定された条件で行った回数や負荷時間の問いである。[20] 胸の各部分の筋活動や、肩と肘の仕事の配分は、別の測定値として読む。手幅で負担の配分が変わる話と、テンポで運動量が変わる話は、並べて持っておける。[2][20]
仕事帰り、前回より手を狭めて胸筋トレをしたとする。回数が少なくなったとしても、その日は丁寧に下ろすことを意識していたかもしれない。手幅のせいだと決める前に、動作の速さも確認したい。この試験から日常へ持ち帰れるのは、回数だけで運動量を語らず、テンポを一緒に記録するという視点である。[20]
反対に、回数が同じでもテンポが違えば比較する条件は変わる。下ろす時間が違う条件では、負荷時間という別の数字も見る必要がある。[20] スマホの記録欄には「できた回数」が収まりやすい。だが、回数の欄がそろったことと、動作の条件がそろったことは別だ。記録を増やす目的は、自分を細かく採点することではなく、比較の取り違えを減らすことである。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
ベンチプレスの結果を、そのまま腕立てに移さない
家で行う胸筋トレでは、バーより床に手をつく場面が多い。腕立ての手幅を調べた研究もあるが、ここでの種目は、押して体を浮かせるプライオメトリック腕立てだった。男性10人が、肩幅の120%、150%、170%に相当する位置に手を置いて行い、高さ、最大の力、最大のパワーなどを測っている。[16] 男性が体を浮かせる種目で得た結果なので、18〜39歳の女性が通常の腕立てを行う場面への適用には、性別と動作の両方の違いを考慮する必要がある。
肩幅を基準にする比較は、絶対的な距離だけで決めない点で参考になる。しかし、これらの割合を初心者の練習位置に指定する結果ではない。運動の型も、参加者も、自宅でゆっくり行う通常の腕立てとは区別したい。[16] 研究にある位置だから自分にも正解だ、と距離だけをコピーすると、種目の前提が抜け落ちる。
通常の反復測定による解析では、手幅間のパフォーマンス指標に有意差はなかった。その後の別の統計モデルによる解析では、120%と170%の幅の間に最大の力の有意差が認められた。[16] 複数の解析で結果が異なる点も含めて読む必要がある。「幅を広げるとパワーが上がる」と一行にしてしまうと、最初の解析で差が出なかったことを消してしまう。
また、この腕立て研究の主な測定値は、力やパワー、高さである。[16] 胸の筋活動を比べたベンチプレスの結果とは、そのまま交換できない。家の床で胸に感じたからといって、実験の最大パワーを再現したことにはならない。まず自分が知りたいのが、押せる力なのか、特定の筋肉の働きなのかを分けると、使える研究の範囲が見えてくる。
ベンチプレスでも、手幅だけでなく動作の速さを自分で選ぶかどうかを調べた試験がある。男性20人の比較では、速さと幅をどちらも自分で選んだ条件で、最大挙上重量がほかの条件より大きかった。速さと幅の両方を指定された条件が最も不快だったと答えた割合は80%で、両方を自分で選んだ条件では0%だった。[17] 男性を対象とした比較であり、18〜39歳の女性にも同じ不快さの評価や重量の変化が生じるかは、この試験だけでは判断できない。
それでも筋活動には、速さと手幅の有意な主効果や交互作用は見られなかった。[17] 不快さ、挙上重量、筋活動は同時に同じ方向へ動く指標ではない。指定の位置を守れたことだけを成果にせず、自然に押せるかという感覚も記録するのは、この違いを見失わないためだ。ここで評価された不快さと、けがの発生は分けて扱う。[17]

よくある誤解
「手を広げるほど、胸だけを鍛えられる」は言いすぎである。広い幅で肩側の関節モーメントや大胸筋の一部の活動が増えた実験はあるが、胸と腕の活動比にほぼ有意差がなかった実験や、多くの筋活動に有意差がなかった競技選手の実験もある。[2][1][5] 広い幅は胸専用の設定ではない。
「狭い幅で軽い重さしか押せないなら、胸筋トレとして失敗」も成り立たない。初心者と経験者を比べた試験では、どちらの群も狭い幅の6回限界の重量は小さかった。同時に、手幅で上腕三頭筋などの活動は変化していた。[13] 種目の条件を変えれば成績の意味も変わる。幅を変えた日の軽い重量を、そのまま前回からの後退と呼ぶ必要はない。
「回数さえ同じなら、手幅の比較は公平」という見方は、テンポの違いを見落としている。女性経験者の試験では、テンポによって反復回数や負荷時間が変わった。[20] 手幅を試す日に速さまで変えてしまうと、感じた違いを手幅だけに結びつけにくい。今日のほうが胸を使った気がする、という感想は残してよい。その横に、速さと重さを添えておく。
「胸に効く感覚が強いほど、将来の見た目も変わる」という読み方も、ここでの実験結果を越える。扱ってきた直接の結果は、動作中の筋活動や関節モーメント、挙上重量、反復回数などだ。[1][2][5][20] 胸筋トレの手幅の研究を、バストの外見の約束へつなげることはしない。今日選ぶ手の位置は、まず押す動きの条件として評価したい。
今日からできること
- 手幅を比べるときは、重さとテンポを記録する。女性20人の試験が示すように、テンポも回数や負荷時間を変える条件だからだ。[20]
- 幅を変えた日は、前回の重量をそのまま達成目標にしない。男性28人の比較では、初心者も経験者も狭い幅の6回限界の重量が小さかった。[13]
- 胸だけでなく、腕や肩の感じ方も書き留める。成人35人の試験では、狭い幅で肘側、広い幅で肩側の関節モーメントが大きくなっている。[2]
- 肩幅の120%、150%、170%という腕立て研究の数字を、自分の正解としてコピーしない。男性10人の跳ねる腕立ての測定条件として読み、通常の腕立てとは区別する。[16]
- 指定された幅で押しにくいと感じたら、その感覚を指導者に伝える。男性20人の実験では、速さと幅を自分で選ぶ条件と両方を指定する条件で、不快さの評価が異なった。[17]
比較のメモは、「胸にきた」「腕が先に疲れた」のような短い言葉でよい。その感覚に手幅、重さ、テンポが添えられれば、次に同じ動作を振り返る材料になる。自分の感想と研究の測定値を混ぜず、感想は感想として残しておくのが使いやすい。
手幅を変えることを、毎回新しい正解を探す作業にしなくてもよい。研究の結果は、広い幅にも狭い幅にも胸と腕の働きがあり、どの指標を見たいかで評価が変わることを示している。[1][2][20] 次の練習では、自分が比較する条件を先に決めたい。手の位置を確かめる日なのか、同じ位置で動作をそろえる日なのか。その違いが、記録を読みやすくする。

オンザショア立川店で、動きを確かめる時間を置く
手幅を選ぶ練習には、押す動きを見直す時間を予定に置くという入口がある。オンザショア立川店にはパーソナルトレーニングがあり、営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。朝に運動する日も、仕事帰りに立ち寄る日も、生活の予定と照らして利用を考えられる。種目には女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。パーソナルトレーニングを含め、どの運動を日常に置くかを考えるために、営業時間と種目の案内を合わせて確認したい。
場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。店のトップと料金で案内を確認できる。胸筋トレを続ける方法を考えるときにも、運動する場所までの道のりを含めて予定を組みたい。
妊娠中の方は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティスもある。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験の予約で案内を確認し、押す動きを見直す時間と、日常に続ける運動の時間を予定に置きたい。
参考文献
- Lateral Force and EMG Activity in Wide- and Narrow-Grip Bench Press in Various Conditions — Tanimoto M, Arakawa H, Sato M, Nagano A., 2023, Sports (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/sports11080154
- Understanding Bench Press Biomechanics-The Necessity of Measuring Lateral Barbell Forces — Mausehund L, Werkhausen A, Bartsch J, Krosshaug T., 2022, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000003948
- The Effects of Bench Press Variations in Competitive Athletes on Muscle Activity and Performance — Saeterbakken AH, Mo DA, Scott S, Andersen V., 2017, Journal of human kinetics. DOI: 10.1515/hukin-2017-0047
- The Effect of Grip Width on Muscle Strength and Electromyographic Activity in Bench Press among Novice- and Resistance-Trained Men — Saeterbakken AH, Stien N, Pedersen H, Solstad TEJ, Cumming KT, Andersen V., 2021, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph18126444
- Effects of Different Hand Widths on Plyometric Push-up Performance — Nichols IA, Szivak TK., 2021, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000003155
- A biomechanical comparison of self-selected and experimentally controlled speeds and grip widths during the bench press exercise — Lee S, Cone SM, Kim S., 2023, Sports biomechanics. DOI: 10.1080/14763141.2020.1772357
- The Influence of Grip Width on Training Volume During the Bench Press with Different Movement Tempos — Wilk M, Gepfert M, Krzysztofik M, Golas A, Mostowik A, Maszczyk A, Zajac A., 2019, Journal of human kinetics. DOI: 10.2478/hukin-2019-0055
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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