ダイエットのおやつのスコーンとクッキー、油に替えた時の空気と硬さを読む

ダイエットのおやつにスコーンやクッキーを作る時、固形の油脂を液体油に替えれば同じ食感になるのか。油をゲル状にした食品研究から、生地に空気を含む構造、部分置換と全量置換の違い、保存中の硬さを読む。脂質の量と種類、焼き上がりを分け、家庭の試作で確認する点を考える。

計量台の上にバターと油の瓶を並べ、同じ重さを量れば置き換えられるのかと迷う。ダイエットのおやつにスコーンやクッキーを手作りする時、材料の名前だけでなく、油脂が生地の中でどんな状態にあるかも問題になる。空気を含んでほろりと崩れるクッキーの構造には、こねる時の固形脂の存在が関係する。[3]

答えの芯は、液体油への変更は栄養の変更であると同時に、食感を作る材料の変更でもある、ということだ。油をゲル状にして固体に似た性質を持たせても、全量を替える場合と一部を替える場合では結果が違う。食品試験では、液体油だけ、ゲル状の油、従来の固形脂で、焼いたクッキーの硬さが異なった。[1][3]

「オートミールのスコーンは冷たいバターで作る?温度と配合を分けて比べる台所の実験」は、冷たさをどう比較するかという問いに譲る。ここで読むのは、油脂を液体油由来の材料に替えた時、空気を含む構造や硬さをどう捉えるかである。既存記事「間食のクッキーは油を減らすと硬くなる?脂質の量と噛む負担を読み解く」の脂質削減と噛む負担の問いとも分け、液体油に構造を与える方法に焦点を当てる。直接の実験対象は主にクッキーやビスケットであり、スコーンの配合へは結果をそのまま移さず、置き換えを考える視点として使う。[1][3][4]

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固形脂は材料の重さ以上の仕事をする

ショートニングは製パン・製菓に使う油脂であり、生地の構造と完成品の性質に影響する。製菓へのオレオゲル利用を整理したレビューは、ショートニングの置き換えが難しい理由として、この機能を挙げている。脂肪酸の構成を変えるだけで、従来の製品らしさも残すという課題である。[1]

ここでいうオレオゲルとは、液体油に構造を与えてゲル状にした材料だ。油を別の油に交換するだけではなく、液体油を使いながら固体に似た性質も持たせようとする。レビューでは、オレオゲル単独、あるいはショートニングと混ぜた材料によって、生地の流れ方や変形の仕方、焼いた製品の物理的性質を従来品に近づけられる可能性が論じられている。[1]

家庭のレシピに戻すなら、「何グラム入れたか」と「入れた時にどんな材料だったか」は別欄にしておきたい。瓶から流れ出る油と、形を保つ油脂を同じ重さに量る行為は、量の比較をそろえる。しかし、それだけで生地への働きまでそろえたことにはならない。研究者が液体油をわざわざ構造化するのは、油脂の機能も置き換える必要があるからだ。[1]

この話でいう空気は、見た目の大きな穴に限定されない。クッキーの食品試験が扱うのは、空気を含み、柔らかく崩れるショートドウという生地の構造である。その構造は、こねる時に固形脂があることに依存すると研究は説明する。「サクッとしたから油が少ない」と考える前に、油脂の状態が食感を作る側にもいると押さえたい。[3]

ただし、焼き上がりの硬さを測った結果を、空気の量そのものの測定結果に言い換えてはいけない。構造の説明と完成品の測定はつながるが、同じ指標ではない。ここで紹介する比較から読むのは、固形脂を替えると製品の性質も変わりうるという点であり、特定の油なら空気がどれだけ増えるという家庭向けの公式ではない。[1][3]

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全部を替えるより、一部を替えた時の結果を読む

カンデリラワックスを含むオレオゲルを使った食品試験では、異なる量のワックスで作ったゲルと製菓用ショートニングを混ぜ、結晶化の工程を経てクッキーを作った。結晶化とは、材料の中に結晶の構造を作る工程である。研究対象は人の食後反応ではなく、油脂材料、生地、焼いたクッキーの性質だった。18〜39歳の女性が食べた時の満腹感や体重変化に、そのまま当てはめることはできない。[3]

全量をオレオゲルに替えたクッキーは、液体油で作ったものより柔らかかったが、ショートニング入りより硬かった。固形脂か液体油かという両端の間に、構造を与えた油を使う選択肢があり、その製品の硬さは両者の間に位置したのである。この比較では、液体油に替えれば柔らかくなるという単純な予想は当てはまらなかった。[3]

一方、ショートニングの一部をオレオゲルに替えた時は、生地とクッキーの性質がより受け入れやすいものになった。著者らは、段階的な置換がショートドウ製品の飽和脂肪を減らす方法になりうると結論している。すべて替えられるかだけを合否にせず、どの程度残すと製品として成立するかを探る研究である。[3]

この結論の使い道は、台所で使うワックスの量を決めることではない。研究では、油をゲル状にし、混合し、結晶化させた材料を使っている。家庭でバターを溶かして油を足す操作と同じ条件ではない。日常へ持ち帰るなら、「全量を替える案にしか価値がない」と思わず、残す機能も含めて比較する、という考え方になる。[3]

ダイエットのおやつという言葉を添えた途端に、元の材料を残すことが後退に見えることがある。しかしこの試験では、部分置換に製品としての利点があった。油脂の変更を考える時は、何を減らしたいのかと、何を食感として残したいのかを同じ紙に書ける。栄養面の狙いと製造面の狙いは、別々に確かめる必要がある。[1][3]

油を固めれば、どれも同じ硬さになるのか

別の食品試験では、精製ひまわり油を異なる材料で構造化し、油脂そのものから生地、焼いたビスケットまでを比較した。使う構造化材料によって、油の保持力や硬さ、生地の性質が変わった。同じ液体油を出発点にしても、どんな構造を作るかで製品への働きは異なる。[4]

たとえば、植物ステロールの一種であるβシトステロールと蜜ろうを組み合わせたオレオゲルでは、油が外へ失われる割合は0.05%だった。その油脂材料の硬さは6.37 Nで、比較した市販マーガリンの3.58 Nより高かった。Nは力の単位ニュートンであり、この値は試験条件下で測った材料の硬さを表す。[4]

ところが、生地段階で最も硬かったのは、カルナウバワックスで構造化した油を使ったものだった。生地の硬さは92.49 N、マーガリンを使った比較生地は21.80 Nだった。油脂材料だけの順位を見て、そのまま生地の扱いやすさを決められないことが、この工程別の測定から分かる。[4]

さらに焼いたビスケットでは、マーガリン入りの硬さは28.74 N、オレオゲル入りの試料は11.22〜20.97 Nだった。著者らは、これらが対象としたほろりとした生地の製品に適した柔らかさを示したと報告している。生地が硬いという観察だけでは、焼いた後も硬いという答えは出ない。[4]

先ほどの試験では、全量オレオゲルのクッキーはショートニング入りより硬かった。こちらではオレオゲル入りビスケットがマーガリン入りより柔らかかった。この違いを消して「オレオゲルは柔らかい」あるいは「硬い」と一般化するのは無理がある。構造化材料、比較する油脂、対象製品が異なる実験は、それぞれの条件と結果を組にして読む必要がある。[3][4]

数字が付くと、92.49という細かさについ安心する。けれども、その値を自宅のスコーンが目指すべき硬さにしても意味は変わってしまう。食品試験の数値は、同じ試験内で何を比べたかを示す道具である。ほかの配合や別の測り方に横断的な順位表として持ち込むより、油脂、生地、完成品のどこを測った値かを先に確認したい。[4]

比較の順序も大切になる。まず同じ研究の中で、対照の油脂と置き換えた油脂を比べる。次に、材料段階の硬さなのか、焼いた後の硬さなのかをそろえて読む。その後で別の研究を見る。この順なら、オレオゲル入りの方が硬かった報告と柔らかかった報告を、都合のよい方だけ選ばずに扱える。置換という同じ言葉でも、実験で作っている材料と比べている相手は同じではない。[3][4]

家庭での観察を言葉にする時も、「失敗した」だけでは変更の影響を残せない。生地の手応えが変わったのか、焼成後の割れ方が変わったのかを分けて書く。これは実験の数値を再現するためというより、別の段階を混同しないための記録である。油脂そのものから完成品までを測った研究は、完成したおやつだけを見ても分からない比較の軸を示している。[4]

数字で読む油脂の置き換え

0.05%:βシトステロールと蜜ろうで構造化した油脂材料で報告された油の損失割合であり、人体から失われる脂肪の割合ではない。[4]

92.49 Nと21.80 N:カルナウバワックス由来のオレオゲル入り生地と、比較用マーガリン入り生地の硬さである。[4]

11.22〜20.97 Nと28.74 N:同じ研究で測った、オレオゲル入りとマーガリン入りの焼成ビスケットの硬さである。[4]

50%と100%:別のクッキー研究では、エマルゲルでショートニングをこの割合だけ置き換えた。[2]

12.88 Nから30.70 N:エマルゲルで全量置換したクッキーで、1か月の保存中に起きた硬さの変化である。[2]

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宮川涼 Founder

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