ソイプロテインの果物味はなぜ重く感じる?大豆添加で変わる粘度と口当たりを読む

ソイプロテインのストロベリー味やメロン味で感じる重さを、どう読み解くか。果肉に大豆たんぱく質を加えた研究を手掛かりに、粘度の測定値と口当たりの感想、風味の好みを分けて考える。栄養情報による評価の変化や満腹感の試験も照らし合わせ、市販粉末へ結果を当てはめる際の注意点を読む。

シェーカーを傾けても、果物味の飲料がゆっくり出てくる。味は好きなのに、口当たりは少し重い。「大豆入りだからだろうか」と袋を見直す。ソイプロテインのストロベリー味やメロン味では、風味の好みと流れやすさの感想を分けて考えたい。

大豆を加えると粘度が増した果肉の食品実験がある。ただし、その倍率は特定の果肉と添加条件で得られた結果であり、市販の果物風味の粉末飲料を同じ倍率で説明するものではない。まず測定した粘度と、自分が感じた口当たりを分けるのが出発点だ。[6]

とろみがあって好ましいことと、飲んだ後に満腹感が続くことも別である。植物性飲料の開発研究では、配合の好みを調べる官能評価と、飲用後の満腹感を調べる試験が別々に行われた。ここでは配合、食品の性質、飲んだ人の評価を順に読み分ける。[16]

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粘度の測定値と口当たりの感想を分ける

「重い飲み心地」という感想には、いくつかの意味が入り込む。容器から出にくかったのか、口に含んだ時に濃く感じたのか、飲み終えるまでに負担を感じたのか。自分の感想を整理するなら、まずどの場面の話なのかを書き分けたい。流れる様子を見た時の印象と、実際に口に含んだ後の評価を同じ言葉に押し込めないためである。

果物の加工食品を対象にした研究では、アセロラ、グアバ、パッションフルーツ、マンダリンの果肉に、大豆たんぱく質、ビール酵母、蜂花粉を加えている。色や粘度を測り、色、風味、香り、外観と受容性との関係を調べた食品実験だ。ストロベリー味とメロン味の市販粉末を順位づけした研究ではない。[6]

この研究で、製品の受け入れられ方に有意に関わった感覚要因は風味だった。また、試食者に栄養情報を提供すると受容性が有意に高まった。食品そのものの性質と、食品について知る内容を、別の要素として見る必要がある。[6]

ここから、ピンクが正解、緑が不正解という色見本は作れない。果物の種類も、たんぱく質の材料も異なる食品の結果を、色だけの効果に置き換えられないからだ。色を選ぶ話をする時ほど、「何を変えて、何を同じにした比較なのか」が大切になる。[6]

色と香りの一致は、既存記事「フルーツ味のプロテインは色と香りが合うとおいしい?選ぶ前に分けたい手掛かり」に譲る。「ソイプロテインの臭いは保管で変わる?袋の空気と原料の油から香りを読む」には保存の話を譲り、ここでは大豆添加による粘度と口当たりに焦点を絞る。

たとえば購入メモに「色が好き」と書くのは、好みの記録として十分である。一方、「この色だから果実の味が強い」と書くなら、果物や香料の配合も確かめる必要がある。自分が気に入った理由を言葉にすることと、その理由を研究で証明することは別の作業だ。

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

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大豆を足した果物は、色だけでなく口当たりも変わる

果物の研究で目立つ数字は、色の点数よりも粘度である。粘度とは、液体の流れにくさを表す性質だ。植物・微生物由来のたんぱく質源を5〜10%加えた比較で、大豆たんぱく質を加えた果肉の粘度は、無添加のものの5〜10倍になった。ほかの添加配合では1.5〜3倍であった。[6]

これは、大豆を加えた果物の評価を、見た目だけの話として読めない理由になる。材料を加える操作に伴い、食品の流れにくさも大きく変わっている。大豆入りの試料を飲食して「印象が違う」と答えた時、その違いをすべて色のせいにはできない。[6]

ただし、5〜10倍という数字を、そのまま自宅のシェーカーに当てはめるのも早い。対象は特定の果肉と添加条件であり、果物風味のソイプロテイン全般に共通する倍率ではない。粉末の袋にストロベリーと書いてあっても、この研究の果肉配合と同じ食品になったことにはならない。[6]

買い物の場面なら、気になっている違いをもう少し具体化できる。「色が薄いから物足りない」と思ったのか、「流れにくくて重い」と感じたのか、「果物の香りをもっと求めていた」のか。記録欄を分ければ、次に選ぶ時に何を確認したいかがはっきりする。見た目の欄に、すべての不満を背負わせる必要はない。

味の名前が同じでも、別の配合を比べれば色以外の条件が混ざる。大豆を加えることで粘度が変わった食品実験は、その混ざり方を考える具体例になる。色だけの影響を知りたい比較と、完成した飲料のどちらが好きかを知りたい比較は、目的が異なるのだ。[6]

家で飲む時には、好きな完成品を選べればよい日もある。その場合、原因を無理に決める必要はない。「この作り方のこの飲料が好みだった」と残せば足りる。研究のように理由を切り分けたい時だけ、粉末や割る材料まで変えていないかを振り返ればよい。

栄養情報を読んだ後の好みは、粘度だけで説明しない

果物の研究では、子ども、高齢者、若年・成人といった年齢層も含めて評価が検討された。栄養情報を提供した際に受容性が高まり、場合によっては70〜80%の値を示した。ただし、これは色によって甘さが70〜80%増したという意味ではない。受け入れられ方に関する数字である。複数の年齢層を含む評価なので、18〜39歳の女性にも同じ受容性の値が当てはまるかは、この比較だけでは判断できない。[6]

受容性は、その食品を受け入れる、好むといった評価の話だ。糖の量の測定値でも、筋肉が増える割合でもない。気に入ったという回答と、栄養面で何が起きたかを混同しないため、数字の横には何を測ったのかを置く必要がある。[6]

たとえば「たんぱく質入り」と説明を読んでから試す場合と、説明を見ずに飲む場合を比べるなら、変わっているのは色だけではない。研究で情報提供が評価に関係した以上、袋を読んだ後の感想を、そのまま見た目だけの作用として解釈するのは避けたい。[6]

そのことは、栄養情報を読まないほうがよいという意味ではない。買う時には知りたい情報である。好みを確かめる作業と、栄養表示を確認する作業を、記録の中で分ければよい。「飲む前に期待したこと」と「飲んだ後に感じたこと」を別の文にするだけでも、何を判断しているかは整理できる。

ここで目標にしたいのは、思い込みを完全に消した人になることではない。果物味を楽しみたい人が、気に入った理由を必要以上に単純化しないことである。説明を読んで選びたくなったなら、その理由も残してよい。ただし、それを「色だけで味が変わった」という研究の結論にはしない。[6]

色と香りの組み合わせを試す際も、香りが同じという条件は出発点にすぎない。たんぱく質の配合で粘度が変わり、説明で評価が変わった研究を踏まえると、ほかの条件まで点検して初めて、色に関する問いを絞れる。ピンクの感想欄に、栄養表示までこっそり同席させないのである。[6]

数字を読む際は、比率の分母にも気をつけたい。粘度が何倍かという値は、添加していない果肉との比較である。受容性の値は人が食品を評価した結果だ。同じ研究に並んでいても、物性を測った数字と、人の回答を表す数字は置き換えられない。飲料選びに持ち帰る時にも、前者は口当たりを考える材料、後者は評価の条件を考える材料として扱いたい。[6]

もし自宅で色への期待を残すなら、「見た目が好き」と「予想した果物の感じ」を別の言葉にしてみる。たとえば薄い色を好んだことと、香りが控えめだと予想したことは別の記録である。実際に飲んだ後で予想と違ったなら、その違いこそ残しておきたい。予想が外れたからといって、好みまで訂正する必要はない。

研究の受容性の上昇を、自分にも必ず起きる変化と受け取らないことも大切だ。果肉の種類や添加する材料、評価する人の条件がある。研究で確かめられた比較を離れ、別の食品に同じ大きさの変化を約束することはできない。家庭では「この条件で自分はこう感じた」という記録までにとどめれば、研究の数字と感想を無理なく隣に置ける。[6]

数字で読む果物とたんぱく質飲料

5〜10%:果肉への植物・微生物由来たんぱく質源の添加条件。市販粉末の推奨量ではない。[6]

5〜10倍:大豆たんぱく質を加えた果肉の粘度。色だけを変えた時の味の倍率ではない。[6]

55人:色、風味、甘さ、量をそろえた飲料の試験で、すべての条件を完了した女性の人数。[1]

46人:別のホエイ入り飲料の試験で、すべての条件を完了した女性の人数。[7]

27人:植物性飲料と比較飲料の満腹感などを調べた、急性の交差試験の参加人数。[16]

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宮川涼 Founder

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