ヨガの瞑想は呼吸の数で測れる?注意訓練との比較と対象による違いを読む

ヨガの瞑想で呼吸を数え間違えたら、集中できていないのだろうか。呼吸カウント課題と自己評価を比べた成人の無作為化試験、子どもや若者の研究から、成績が捉える注意の働きと測りきれない側面を読む。点数の上達、落ち着いた実感、日常の変化を分けて振り返るための視点を紹介する。

呼吸を数えていたはずが、帰りに買うものを考えていた。数を見失うと、ヨガの瞑想が苦手なのだと思いたくなる。目を閉じて座っていても、頭の中では買い物リストが伸びていく。そんな日の数え間違いは、心の成績表になるのだろうか。

呼吸を正確に数える課題には、瞑想で練習する注意の働きを捉える可能性がある。ただし、その得点をマインドフルネス全体の点数とするには無理がある。成人の比較試験は有用性を支持する一方、反すうの強い若者では自己評価との関係が期待と逆になる結果もある。[2][3]

そこで、数を保てたこと、落ち着いた実感、暮らしの変化を分けて読む。時間を正確に刻めるかという問いは既存記事「ヨガの呼吸法で一秒は正確に数えられるか、心のカウントと時計を分けて考える」に譲り、ここでは呼吸の数が何の指標になるかを考える。

数え直しの種類と朝の記録は、既存記事「朝の瞑想で呼吸の数を忘れたら?気づかない間違いと数え直しを分けて記録する」に譲る。こちらは別の注意訓練との比較、年齢や臨床場面による結果の違いから、測定の使い道を読む。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

呼吸を数える課題は、何を測ろうとしているか

研究で使う呼吸カウント課題は、呼吸の周期をどれだけ正確に数えられるかを見る行動課題である。呼吸への注意を保つ働き、注意がどこへ向いているかへの気づき、体の内側に注意を向ける働きが関係すると考えられている。コンピューターを使って現在の瞬間への気づきを測る試みもある。[1][3]

ここでいう行動課題とは、「集中できたと思う」と答える代わりに、実際の課題の成績を使う方法だ。自己評価には自分の経験を言葉で報告する価値があり、行動課題には特定の場面の遂行を記録する価値がある。児童の研究では、この両方を使うことが勧められている。[4]

注意したいのは、呼吸を数えることが瞑想の一部を測る課題だという点である。反すうの強い若者を調べた研究では、呼吸カウントは狭い文脈に限られた持続的注意を測り、マインドフルネスのほかの性質を捉えない可能性が示された。[3] 数字になると守備範囲まで広く見えるが、測定器にも担当がある。

たとえばレッスン後のメモに「数を見失った」と書くのと、「考え事が浮かんだ自分を責めた」と書くのでは、記録する出来事が違う。前者は課題の遂行に近く、後者は経験への向き合い方である。数の正確さから心全体の状態へ飛躍しない読み方は、この研究上の限界にも沿っている。[3]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

空き枠を見て予約電話で予約 042-595-8039LINE

成人の比較試験では、自己評価と違う反応をした

マインドフルネス訓練と注意訓練を比較した無作為化比較試験では、8週間のマインドフルネス訓練を受ける53人と、コンピューターによる注意訓練を受ける33人が比較された。比べる相手も注意を練習するプログラムだったことが、この研究の大切な点である。18〜39歳の女性に同じ反応が出るかは、この比較結果だけでは判断できない。[2]

自己評価式の尺度は、どちらの訓練にも反応した。一方、呼吸カウントの得点はマインドフルネス訓練に特有の反応を示した。研究者は、この課題が練習で扱う中心的な認知過程に近く、マインドフルネスの変化を測るのに役立つ可能性を述べている。[2]

これは「弁別的妥当性」、つまり区別したいものを測定で区別できるかという問題である。この試験で問われたのは、何もしない人より良くなるかだけではない。注意を扱う別の訓練と比べても、異なる反応を拾えるかが試された。[2] レッスン後に調子が良いと感じることと、どの練習に特有の変化かを見分けることは、別の問いなのだ。

ただし、この結果から自己評価式の尺度を全部捨てる必要はない。この試験が支持しなかったのは、使われた尺度が両方の訓練を区別する能力である。[2] その人がどう感じたかを尋ねること自体が持つ価値は残る。自分の感覚と課題の得点を、同じものの別名として扱わないことが肝心になる。

また、比較の結果を日常の合格点に変えることもできない。この研究は訓練に対する測定の反応を比較したものだ。[2] ヨガの前後に自分で呼吸を数え、その日の回数を研究の得点と同一視するのは避けたい。自宅のメモは振り返りとして残し、研究用の測定と区別しておく。

成人試験の読み方には、もう少し具体的な違いがある。もし比べる相手が何もしない群だけなら、練習を受けたこと全体への反応と、呼吸へ注意を向ける練習への反応を区別しにくい。この試験は活動のある対照群を置き、注意訓練にも反応する自己評価と、マインドフルネス訓練に特有の反応を示す課題を比較した。[2] 対照群は脇役ではなく、得点の意味を決める相手になる。

ただし、呼吸カウントが練習内容に近いという特徴には、読み方の境界もある。研究者自身、この課題が実践で訓練する認知過程によく似ている点に言及している。[2] そのため、課題に近い働きの変化を捉えた結果を、暮らしのあらゆる場面への広がりと同じ言葉で語らない。レッスン中の呼吸と、家で急な予定変更に向き合う場面は、質問を分けて振り返りたい。

立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

子どもでは、上達しても自己評価は変わらなかった

9〜13歳の109人を対象にした研究では、呼吸カウント、マインドフルネスの質問票、認知制御の行動課題が調べられた。認知制御は、目的に合わせて行動を調整する働きである。呼吸カウントは認知制御の全体的な成績と正の関連があったが、自己評価のマインドフルネスとは関連しなかった。児童を対象にした結果であり、18〜39歳の女性の成績や自己評価にそのまま当てはめることはできない。[4]

そのうち67人は、音声を使った毎日の呼吸練習を1〜2週間行い、再び測定を受けた。呼吸カウントの成績は改善し、効果量は偏η²=0.23だった。一方、自己評価には統計的に有意な変化が見られなかった。[4] 偏η²は分析の中で効果の大きさを表す指標であり、正答率が23ポイント上がったという意味ではない。

この結果の面白さは、行動の上達と本人の答えが同時に動かなかったところにある。研究者は、呼吸カウントが自己評価とは別の側面を捉え、訓練の変化に敏感かもしれないと考えている。[4] 「上手になったのに実感がない」は、ただちに矛盾ではない。

もっとも、これは児童の研究であり、成人女性のヨガの効果量として使うことはできない。ここから持ち帰れるのは、年齢を越えた効果の保証ではなく、評価方法を分ける視点だ。[4] 参加者の年齢を外して大きな数字だけを読むと、研究とは違う話になる。

日常でも「今日はうまくできたか」と尋ねるだけでは、本人が何を基準に答えたのかが曖昧になる。数を保てたことを指すのか、心地よさを指すのか。研究で別々に測ったものを、振り返りでも別々の言葉にする。児童の結果は、その必要性を考える材料になる。[4]

考え込みやすい若者では、予想と逆の関連もあった

同じ考えを繰り返しやすい、つまり反すう傾向の高い若者78人を調べた研究では、呼吸カウントの成績は成人研究と似た分布を示した。しかし、自己評価式のマインドフルネスとの期待された正の関連は見られなかった。対象は反すう傾向の高い思春期の若者であり、18〜39歳の女性一般にも同じ関連があるかは別に確かめる必要がある。[3]

さらに、感情や体の感覚を観察する側面、すぐ反応せずにいられる側面の自己評価が高いほど、数える正確さが低いという負の相関があった。マインドフルネス全体の自己評価が高い人では、成績の低下も大きかった。ほかの臨床的な指標や性格、実行機能との関連も確認されなかった。[3]

ここで、数えるのが下手なほど瞑想が得意なのだ、と逆向きの採点表を作ってはいけない。特定の集団における関連の研究であり、自己評価が成績を下げたという因果関係を示したものではない。研究の結論は、この集団で測れる範囲が狭く、予測の指標としての妥当性も乏しい可能性があるというものだ。[3]

成人の比較試験を支持する結果と、この研究は一緒に置く必要がある。ある訓練の前後の変化を拾う力と、異なる人の幅広い性質を見分ける力は同じではない。[2][3] 定規が長さを測れるからといって、その人の暮らしを測る道具にもなるとは限らない。

また、この若者の研究では、課題の中を分けて評価した成績の一貫性は一定程度あった。[3] つまり、成績がある程度安定して得られることと、その成績が狙った性質を表していることは別問題になる。毎回同じような数字が出ても、それだけで心全体の良い指標になったとはいえない。測り方の安定と、解釈の適切さを混ぜない視点が必要だ。

数字で読む呼吸カウントの測定研究

8週間:成人のマインドフルネス訓練と注意訓練を比べた試験の期間。[2]

53人と33人:同試験のマインドフルネス訓練群と注意訓練群。[2]

109人:呼吸カウントと自己評価などを調べた9〜13歳の児童。[4]

偏η²=0.23:練習を行った児童の呼吸カウント改善の効果量。改善した人数の割合ではない。[4]

78人:成人とは違う関連を示した、反すう傾向の高い若者の研究対象。[3]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

空き枠を見て予約電話で予約 042-595-8039LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約