ダイエットのうどんは粉の傷つき方で違う?ゆで時間だけでは読めない麺の構造

ダイエットにうどんはいいのか。同じゆで時間でも、粉の細かさやでんぷんの傷つき方によって吸水や麺の硬さは変わる。紫小麦の製粉実験と人の食後血糖を測った試験を読み分け、こしや色から消化を決められない理由、原材料表示を確かめるときの視点を具体的な食卓の場面で考える。

袋に書かれた時間どおりにゆでたのに、今日のうどんは妙にしっかりしている。別の袋では、同じように調理しても水をよく含んだ感じがする。鍋の前では加熱時間に目が向くが、麺の性質は粉を作る工程から変わりうる。紫小麦の全粒粉を比べた製麺実験では、製粉方法によってでんぷんの損傷と吸水性が異なった。[2]

ダイエットにうどんはいいのか、という問いに対して、粉が細かいほどよい、こしが強いほど消化が遅い、と答えるのは早い。製粉実験が示すのは粉や麺の物性であり、人の食後血糖を調べた試験では、でんぷんの組成を変えた麺が比較されている。製造時の変化と体内の反応は、途中の道筋を確かめながら読む必要がある。[2][12]

既存記事「ダイエットのうどんはゆで直すと塩が減る?麺と湯の間で起こる変化を研究で読む」には、ゆで直しと塩の話を譲る。ここでは粉の粒とでんぷんの傷つき方を出発点に、同じゆで時間だけでは麺を比べきれない理由を追う。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

粉の細かさと、でんぷんの傷つき方は別のもの

損傷でんぷんとは、製粉などの物理的な処理で傷ついたでんぷんを指す。紫小麦の粉を調べた研究では、細かな粉砕による粒の断片化とでんぷん損傷の増加が観察されている。ここでいう「損傷」は粉の構造についての言葉であり、食べる人の体が傷つくという意味ではない。[1][2]

粉の粒の大きさと、粒に含まれるでんぷんがどの程度損傷しているかは、区別して読む項目である。同じ実験の中で一緒に変わることはあるが、片方の名前だけでもう片方の状態まで表したことにはならない。製粉方法を比べた実験は、粒度、吸水性、でんぷん損傷をそれぞれ測定している。[2]

紫小麦の全粒粉を、ジェット粉砕と超遠心粉砕という異なる方法で作った研究がある。粒度を表す指標である粒径の上側の目安、d90は、それぞれ15.9 µmと451.4 µmだった。細かな粉を作った条件では、損傷でんぷんが18.4%、もう一方では5.7%だった。これは実験で用いた粉同士の比較である。[2]

同じ比較で吸水性の測定値は165.6%と88.0%だった。数字だけを見ると、傷ついたでんぷんの多い粉ほど水を受け入れる性質が強かったと読める。ただし、製粉方法を変えると粒の形や細かさなども同時に変わる。吸水性の差をすべて損傷でんぷんだけの働きに割り当てる読み方は避けたい。[2]

しかも、吸水性の値は食品材料としての測定値だ。麺を食べた人の満腹感の点数でも、体重が減る割合でもない。粉の実験では、生地の混ざり方や調理後の食感も評価されており、あまりに細かい粉砕はそれらを損ねた。水をよく吸うという特徴に、食事としての優劣をまとめて背負わせることはできない。[2]

売り場で小麦粉という原材料名を見つけても、この実験のどちらに近いかまでは分からない。研究を日常に持ち帰る際に役立つのは、損傷率を想像で当てることではなく、同じ原材料名の麺にも製造条件による違いがありうる、という視点である。比較した条件が見えないときは、麺の硬さだけを頼りに製粉工程まで逆算しない。[1][2]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

細かくすれば、いつも同じ食感になるのか

製粉の条件と麺の性質の関係は、単純な一直線ではない。異なる紫小麦の品種を使った実験では、細かな製粉によって損傷でんぷんが増え、調理した麺の硬さや噛みごたえも高まったが、反応は品種によって異なった。粉砕機の回転速度の影響も、ふるいの開口や粉砕中の滞在時間によって変わった。[1]

この実験は4品種から16種類の全粒粉を作った食品材料の比較である。粉を細かくする操作が共通でも、小麦側の性質が違えば、できあがる麺の変化も同じにはならない。台所で感じる「こし」を、粉砕の強さだけで説明しようとすると、原料の違いを取り落とす。[1]

先ほどの製粉方法の比較では、過度な細かさが生地の混ざり方と調理麺の食感を損ねた。一方、品種を変えて条件を調べた実験では、細かな製粉で硬さや噛みごたえが増した。結果の言葉は違うが、硬さと好ましさは別の評価項目である。評価した条件と、何をよい品質としたかを一緒に読む必要がある。[1][2]

小麦だけでなく、大麦の粉を小麦粉に混ぜた麺の実験も参考になる。大麦粉の粒を小さくすると、混合粉の吸水性と粘度は高まり、麺の構造は密になった。同時に、麺の硬さは高くなり、せん断力は低くなった。せん断力は切るときの力に関係する測定項目であり、押したときの硬さとは分けて評価する。[3]

この大麦の実験では、粒の大きさが異なる粉で損傷でんぷん量も変化していた。最も大きな粒の条件では47.0 g/kg、最も小さな粒の条件では108.0 g/kgだった。また、粒が小さいほど調理後の麺の収量は低下した。粉段階の吸水性が高ければ、調理後の麺の量も必ず増える、という連想も成立しない。[3]

鍋から引き上げた麺の重さと、粉を測定したときの吸水性は、同じ測定ではない。前者には製麺された構造と調理中の変化が加わる。この実験の対象は大麦と小麦の混合麺なので、普通のうどんの調理後重量を予測する公式には使わない。実験の数字は、その麺がどう作られたかを添えて初めて意味を持つ。[3]

昼休みにうどんを選ぶとき、噛みごたえが好みに合うことには価値がある。ただ、その感覚をそのまま消化速度の測定と見なす必要はない。材料研究が示した硬さ、切れやすさ、吸水性は、麺を多面的に説明するための別々の窓である。食感の言葉を細かく分けるほど、そこから言いすぎずに済む。[1][2][3]

同じゆで時間でも、粉以外の条件が重なる

麺の構造には、でんぷんとたんぱく質の両方がかかわる。小麦たんぱく質に関するレビューでは、水を加えて混ぜるとたんぱく質が網目を作り、生地や麺の構造に影響すると整理されている。この網目を作るグルテンと、共存するでんぷんとの関係が、麺の性質を考える土台になる。[9]

グルテンは、小麦粉を水と混ぜたときにできるたんぱく質の網目として捉えるとよい。レビューは、その構成にかかわるたんぱく質の比率や、たんぱく質同士を結ぶ結合が網目形成に関係するとしている。そこにでんぷんの性質も重なるため、でんぷんの損傷率だけを切り出して麺全体を説明するのは難しい。[9]

小麦麺の製造を扱った別のレビューでは、生地を圧延する工程がグルテンの配向や結合を促し、密な構造、硬さ、弾力、調理中の安定性にかかわると整理されている。粉を作る工程のあとにも、麺の構造を変える工程が続く。同じ粉を使うという条件だけでも、製麺のすべてをそろえたことにはならない。[6]

ここで「同じゆで時間」の意味がはっきりする。台所で時計をそろえることは調理条件をそろえる工夫にはなるが、その前にできた構造まで同じにする操作ではない。製粉、原料の性質、網目の形成を経て麺は鍋に入る。袋の加熱時間だけを見比べて粉の消化性を判定するのは、工程の途中から結果を当てようとする読み方である。[1][6][9]

見た目も便利な近道にはならない。小麦麺の色についてのレビューでは、変色にたんぱく質量、粉の取り方、でんぷん損傷、保存時間、吸水や温度などが関係すると整理されている。色を決める要因は複数あるため、白さだけから損傷でんぷんの多さを判定することはできない。[17]

白くつやのある麺は写真に撮りたくなる。しかし、写真から粉砕機の設定は読めない。色のレビューが扱うのは、消費者に受け入れられる見た目や変色の仕組みだ。色がきれいという評価を、食後血糖やダイエット効果の測定結果として使わないことが、食卓で役立つ線引きになる。[17]

数字で読む粉と麺の比較

損傷でんぷん18.4%と5.7%:紫小麦全粒粉を異なる製粉方法で作った比較であり、市販うどんの基準値ではない。[2]

吸水性165.6%と88.0%:同じ製粉実験で測った粉の性質であり、人の満腹感を表す値ではない。[2]

4品種、16種類の全粒粉:原料と製粉条件を変えて調べた実験で、麺の反応には品種による違いがあった。[1]

健康な若年成人12人:高アミロース小麦の麺で食後血糖を比較した無作為化クロスオーバー試験の対象である。[12]

血糖反応の面積3.4%低下:アミロース45%の粉の麺を15%の粉の麺と比べた結果で、体脂肪の減少率ではない。[12]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約