ダイエットのプロテインは減量後も続ける?食事と補給で違う体重の戻りを読む

ダイエット後もプロテインを飲めば体重は戻りにくいのか。食事全体のたんぱく質を増やす試験と、ホエイやソイを補う試験を比較し、結果が違う理由を考える。満腹感や消費エネルギーの変化だけで継続を決めず、半年から数年の体重維持、食事の好み、血糖の結果も分けて読む。

減量中に買ったプロテインが、台所の棚にまだ残っている。食事を少しずつ普段の形に戻したいが、この袋まで片づけたら体重が戻るのではないか。朝のシェイカーを洗いながら、やめどきだけが決まらない。

減量後にたんぱく質を多く含む食事が役立った試験はある。一方、ホエイやソイの補給で満腹感や消費エネルギーが変わっても、体重の戻りに差がなかった試験もある。したがって「減量が終わっても全員が飲み続ける」という答えにはならない。いずれも過体重や肥満に相当する人を対象にした試験で、18〜39歳の女性全般への適用は慎重に考える必要がある。食事全体を変えたのか、補給品を変えたのかを分けて判断したい。[15][17]

満腹感や筋肉維持の広い話は、既存記事「たんぱく質とダイエットの科学 満腹感と筋肉維持は、体重計だけでは見えない」に譲る。ここで考えるのは、減量を終えた後の暮らしで、プロテインを続ける理由があるかという問いだ。体重を減らす必要のない人に、減量を勧める話でもない。

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減量中の成果を、維持期へそのまま持ち込めるか

維持期とは、減らした体重を保つ段階である。たんぱく質と肥満を扱ったレビューでは、食事制限による減量の初期と、その後の体重維持を分けている。高たんぱく食は早期の減量では有利でも、その差が時間とともに小さくなると整理されている。[12]

このレビューで、減量初期の差が見られた期間は3〜6か月、差が弱まり有意でなくなる時期は12〜24か月だった。減量後に食べる量を厳密に指定しない食事でも、高たんぱく食は3〜12か月の体重の戻りを小さくする可能性がある。ただし、短い期間の利点を長期の保証にはできないという評価である。[12]

食事制限中と食事を戻した後では、補給品に求める役割を見直す必要がある。たとえば、忙しい日の食事を補うために選んでいたのか、空腹への対処として選んでいたのかで、継続を考える際の問いは変わる。まず自分がその一杯に任せていた仕事を言葉にしたい。

長期の結果を考える際、レビューが重視するのは食事を守り続けられるかという点だ。栄養素の比率だけでなく、食習慣や好みに合うことが継続に関わると論じている。高たんぱくという表示だけでは、仕事が忙しい週にも食べられる献立かどうかまでは分からない。[12]

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食事全体を変えた試験では、戻りが小さかった

DIOGENES試験の延長研究では、過体重または肥満の成人256人が、低エネルギー食による8週間の減量後、たんぱく質量やGIの異なる食事に無作為に割り付けられた。GIは食後の血糖上昇の指標である。維持期は12か月で、主に体重の変化を比べている。過体重や肥満のある成人の結果であり、18〜39歳の女性全般に同じ戻り幅の差を当てはめることはできない。[17]

減量期には平均11.2kg減り、その95%信頼区間は10.8〜12.0kgだった。その後の維持期には平均3.9kg戻り、95%信頼区間は3.0〜4.8kgだった。これは試験参加者の経過であり、読者が目指す減量幅ではない。「維持」を調べた試験でも、全体では戻りが生じていた点を押さえたい。[17]

高たんぱく食と低たんぱく食の比較では、高たんぱく食のほうが体重の戻りは小さかった。割り付けられた256人を対象とする解析では差が2.8kg、95%信頼区間は1.4〜4.1kgである。完了者139人の解析では差が2.0kg、95%信頼区間は0.4〜3.6kgだった。[17]

この差は「高たんぱくなら体重が戻らない」という意味ではない。比べた集団の平均の戻り幅に差があったという結果だ。信頼区間は推定の幅を表し、各参加者が必ずその範囲の利益を得るという約束ではない。平均の差と、自分の今後の体重は別に考える必要がある。[17]

試験では最初の6か月に食品を提供する仕組みがあり、12か月を通して栄養士の指導を受けていた。粉を買って自宅で飲むだけの生活とは条件が違う。また、GIについては体重の戻りに一貫した効果が見られなかった。成功した食事の呼び名だけを抜き出すと、支援の仕組みや比較条件が消えてしまう。[17]

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ホエイやソイを補った試験では差が出なかった

プロテインそのものを続ける問いには、補給を比較した無作為化二重盲検試験が近い。対象は18〜60歳、BMIが27.6〜40.4の220人だった。BMIは身長に対する体重の指標である。8週間の減量後、24週間の維持期に入った。18〜39歳の女性だけを対象とした比較ではなく、その年代の女性に同じ結果が得られるかは別に検討する必要がある。[15]

維持期には、カルシウムを加えたホエイ、ホエイ、ソイ、対照のマルトデキストリンを比較した。マルトデキストリンは炭水化物であり、補給品のエネルギーはそろえられていた。補給品は1日45〜48gである。ホエイは乳由来、ソイは大豆由来のたんぱく質だ。[15]

維持期を完了したのは151人だった。平均の体重の戻りは、カルシウム入りホエイで2.19kg、ホエイで2.01kg、ソイで1.76kg、対照で2.23kgだった。群間に統計学的な有意差はなく、脂肪量の戻りや除脂肪量の変化にも有意差はなかった。除脂肪量とは脂肪を除いた体の成分で、筋肉だけを指す言葉ではない。[15]

ソイの平均値だけを見ると最も小さい。しかし、平均値が並ぶ順番と、成分の優劣を判断できるかは同じではない。この試験の体重の戻りの比較はP=0.96であり、ソイを選べば維持に優れるとは結論できない。数字の小さな欄に、つい買い物の答えを書き込みたくなる場面である。[15]

なお、対照群も食事から通常量のたんぱく質を取っていた。研究の結論で示された量は体重1kg当たり1日0.8〜1.0gである。たんぱく質を取らない人と、補給する人を比べた研究ではない。この数字は比較条件であって、誰にでも適用する摂取目標として示すものではない。[15]

満腹感の変化と、体重維持の成績を分ける

同じ補給試験では、たんぱく質の補給によって、食事を取った後に増えるエネルギー消費や安静時の消費エネルギー、食欲を抑える方向の感覚に変化があった。それでも体重維持には群間差がなかった。体の反応が測定できたことと、暮らしの中で望む結果が得られたことを、分けて読める例である。[15]

高たんぱく食を扱うレビューでは、満腹感や食事後のエネルギー消費、除脂肪量の保持が、減量に役立つ仕組みとして挙げられている。ただし、そのレビューも12か月を超える長期の臨床試験が必要だと述べている。仕組みの説明は効果を考える助けになるが、そのまま長期の成績表にはならない。[13]

「飲んだら夕方の空腹が違った」という感覚を無視する必要はない。それは続けやすさを考える材料になる。一方で、空腹の変化だけから「もう体重は戻らない」とは判断できない。補給試験では、その間に飛躍があることが実際に示されたからだ。[15]

食事全体を扱った試験と補給試験は、片方を信じて片方を捨てる関係ではない。前者は高たんぱくと低たんぱくの食生活を比べ、後者は通常量のたんぱく質を取る食事に加える補給品を比べた。対照条件が違えば、答えている質問も違う。[15][17]

解析の対象にも意味がある。完了した人だけを見る解析と、割り付けた人を対象とする解析では、途中で続けられなかった人の扱いが違う。DIOGENESではどちらでも高たんぱく食の戻りが小さかったが、差の大きさは一致しなかった。記事で見た数字を使うときも、どの解析の値かを確認したい。[17]

体重の戻りが小さいことと、健康指標がすべて改善することも同義ではない。この試験では食事群の間に、心臓や血管、代謝に関わる危険因子の変化について、臨床的に意味のある差はなかった。体重に見られた利点を、検査結果全般の改善へ広げることはできない。[17]

補給試験でも、完了者の人数と開始時の人数を区別しておきたい。途中で参加を終えた人がいる試験の成績を、誰でも同じように続けられる証拠にはできない。成分の比較結果を読むことと、自分が飲み続けられるかを考えることには、別々の確認が必要である。[15]

数字で読む減量後のたんぱく質

12か月:食事全体を比較したDIOGENES延長研究の維持期間である。[17]

2.8kg:高たんぱく食と低たんぱく食の戻り幅の差。95%信頼区間は1.4〜4.1kgだった。[17]

24週間:ホエイやソイの補給と対照を比較した維持期間である。[15]

151人:補給試験で維持期を完了した人数。開始時の220人とは異なる。[15]

31.4%対30.4%:PREVIEWの3年時点で、初期体重から8%以上の減量維持目標を満たした割合である。[3]

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宮川涼 Founder

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