ダイエット中のそばは熱湯で打つと違う?酵素の働きとルチンの残り方を読む

ダイエット中のそばを熱湯で打つと、ルチンの残り方はどう変わるのか。ダッタンそば粉の温度比較から、酵素の失活と成分の変換を読み解く。生地に残る量、茶へ出る量、腸での吸収を分け、家庭のレシピや市販麺へ研究の数字を当てはめる前に確認したい原料と加工条件を整理する。

そば粉に注ぐ水は、冷たい方がルチンを残せるのか。打ち粉を用意した台所で、やかんを火にかける前に確かめたい問いである。ところがダッタンそば粉では、水と混ぜた後にルチンを変える酵素が働き、熱湯による処理がその働きを止める。熱は成分を減らすだけのものではない。[1][4]

答えの芯は、熱湯で打つとルチンが残りやすくなる条件がある、ということだ。ただしこれはダッタンそばの生地を調べた食品実験の話であり、そのそばを食べると体重が減るという判定には使えない。加工中の成分量と、食べた人の変化は別の問いである。[4][6]

「ホットヨガ後のそばはゆで汁も飲む?濁りと麺の硬さから塩分は読めるか」が扱う汁の選び方はそちらに譲る。ここでは、鍋で麺をゆでるより前、粉に水を加える場面を見る。立川駅で乾麺を買う日の話と、休日に粉から打つ日の話も、混ぜずに考えたい。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

粉に水を加えると、ルチンは別の成分へ変わる

ルチンはそばに含まれるフェノール性成分の一つである。ダッタンそばの成分と消化を扱ったレビューでは、粉砕したそば製品に水を混ぜると、ルチン分解酵素であるルチノシダーゼによってルチンが分解され、ケルセチンが生じると整理されている。ルチノシダーゼとは、この変換に関わる酵素の名前である。[1]

つまり水を加える工程で、粉に入っていたルチンの量が変わる。粉の袋に注目するだけでは、調理中に起きる変化が抜け落ちる。レビューは熱湯や蒸気の加熱でルチン分解酵素が失活するとしている。失活とは、酵素としての働きが失われることだ。[1]

ここで成分が「なくなる」とだけ書くと、話が粗くなる。ルチンからケルセチンへの変換であり、測る成分の名前が変わるからである。加工研究では、この変換が苦味につながることも示されている。苦味を感じたから栄養全体が失われた、とは読めないし、ルチンがそのまま多く残った証拠にもならない。[1][6]

たとえば家庭のレシピを見比べるなら、そば粉という材料名の次に、水を加える工程を見る意味がある。同じ粉でも、加工中に酵素が働くかどうかが成分の姿を変えるためだ。ただし、混ぜ方を少し変えただけで残る量を予測するのは早い。温度を比較した実験の条件を、まず確かめる必要がある。[4]

「ダッタンソバは苦いほどルチンが多い?品種と加工による成分の違いを研究で読む」は苦味と品種の問いを扱う。本記事で知りたいのは、味から量を当てることではなく、水を加えた時に酵素の反応を止める条件である。食卓では同じそばでも、研究では答える問いが違う。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

比較実験では、ぬるい水と熱湯で結果が分かれた

ダッタンそば粉を使った食品実験では、未処理の粉を対照として、水の温度を25、40、60、80、95℃に変えて混ぜる水熱処理を行った。水熱処理とは、水と熱を使って材料を処理することである。対象は人ではなく、生地の成分である。18〜39歳の女性が食べた場合の体重や健康への効果に、そのまま当てはめることはできない。[4]

25、40、60℃の処理では、ルチンの大部分がケルセチンへ変換された。一方、80、95℃の処理では、ルチンを分解する酵素が熱で変性したため、ルチンが保持された。少し温めれば十分、という結果ではない。調べた温度の組み合わせの中で、成分の残り方が分かれたのである。[4]

95℃で作った生地には、乾物当たり12 mg/gのルチンが含まれていた。乾物当たりとは、水分を除いた重さを基準にした値である。ゆで上がって水を含んだ麺の重さを、そのままこの値に掛ける読み方はできない。研究が示したのは特定の処理をした生地の成分濃度だ。[4]

熱をかけると成分が失われそうだ、という直感と違うのが面白いところである。この実験で熱が止めたのは、ルチンを別の物質へ変える酵素の働きだった。ルチンを残すことだけに注目すると、加熱の役割は単純な破壊ではない。成分そのものと、それを変える酵素の両方を見る必要がある。[4]

ただし、80℃という数字を、すべてのそば作りに通用する境界として扱うべきではない。実験の対象はダッタンそば粉であり、比較したのは定められた温度での水熱処理である。家庭の器や粉の配合まで一つの数字で判定するのではなく、「この材料、この処理では保持された」という範囲で受け取るのが正確だ。[4]

ルチンの保持を目的にする場合、対照の置き方にも注目したい。温度比較では未処理の粉を対照に置き、温度を変えた処理を比較している。「いつもの食事よりよいか」ではなく、「原料から生地へ加工する間にどう変わるか」を調べる設計だ。この違いが分かると、結果を料理の工程に使う場面と、食事全体の評価に使わない場面を分けられる。[4]

また、低い温度側の結果は、単にルチンが少なかったというだけではない。ケルセチンへの変換が確認されているから、酵素の働きによる成分変化として説明できる。高い温度側で残った理由も、ルチン分解酵素の変性として示されている。温度と成分量が並ぶだけでなく、その間を結ぶ仕組みが調べられている点が、この比較の読みどころである。[4]

家庭のメモにも「ルチンに良いそば」とだけ残すより、「ダッタンそば粉を水と混ぜる時の酵素反応の話」と残す方が役立つ。次に茶や乾麺の記事を読んでも、同じ結果として混ぜにくくなるためだ。研究で保持が示された材料は生地であり、食べるまでの工程すべてを一つの濃度で表したものとしては受け取らない。[4]

熱湯で打つ工程と、できた麺を後でゆでる工程も同じではない。温度比較が問うたのは、粉と水を混ぜて生地を作る時のルチン保持である。食べる時には必ず加熱するから、粉に加える水の温度は関係ない、と省略すると、この研究の肝心な比較を落としてしまう。[4]

生地に残る量と、湯へ出る量は違う

熱湯を使ったそばの研究でも、何を測ったかで数字の意味は変わる。焙煎したダッタンそばのふすまと穀粒を使った茶の実験では、それぞれ6 gを、95℃を超える湯300 mLで0.5分抽出した。最初の抽出液のルチン濃度は、ふすまで389 mg/L、穀粒で68 mg/Lだった。[3]

ふすまとは製粉で分かれる外側の部分である。この研究は、同じ抽出条件でも、焙煎ふすまの方が焙煎穀粒より効率よくルチンを抽出できたと報告している。熱い湯という共通点があっても、生地に残す実験とは測定場所が違う。こちらは飲み物側に出た成分を測っている。[3]

数字を見比べる時には、mg/gとmg/Lを同じ列に並べて勝敗をつけないことだ。前者は乾物の重さ当たり、後者は抽出液の体積当たりの濃度である。さらに材料が粉、生地、ふすま、穀粒と違う。単位と材料をそろえずに「熱湯の方が何倍よい」と考えると、調理の理解から離れてしまう。[3][4]

「そば茶は濃いほどルチンが多い?焙煎と抽出条件で変わる成分を研究で読み分ける」が扱う飲み物の濃さはそちらに譲る。ここで茶の実験を挙げる理由は、熱湯の使い方を一括りにしないためである。湯に出したいのか、生地に残したいのか。台所では似た動作でも、測っている先が違う。[3][4]

同じように、市販の麺に「そば」と書かれているだけでは、ダッタンそば粉の生地実験の値を移せない。製粉の層の違いは「ダイエットのそばは黒いほど成分が多い?製粉で分かれる層とルチン量を読む」に譲り、本記事では、原料と工程が実験の対象と対応するかを確認する視点を残しておきたい。[3][4]

茶の比較では原料の重さ、湯の量、抽出時間をそろえた上で、ふすまと穀粒の違いを見ている。このように条件をそろえることで、抽出液の濃度差を材料の違いと結びつけて検討できる。一方、家で飲む湯飲みの大きさや使う原料が違えば、研究の濃度を自分の飲み物の値と見なすことはできない。数字は条件と一緒に持ち帰るものである。[3]

食べる側が確認する時も、いきなり最も大きい数字を探す必要はない。まず粉なのか、粉から作った生地なのか、湯に出た成分なのかを区別する。次に温度などの処理条件を見て、その後で測定値を読む。この順序なら、ルチンを「残す」という言葉が、生地の中を指すのか抽出液の中を指すのか、読み違えずに済む。[3][4]

数字で読む熱湯とルチン

25、40、60℃:ダッタンそば粉の処理で、ルチンの大部分がケルセチンへ変換された温度である。[4]

80、95℃:同じ実験で酵素の変性によりルチンが保持された処理温度である。[4]

12 mg/g:95℃で作った生地の、乾物当たりのルチン含有量である。[4]

6 gと300 mL:茶の抽出実験で使った焙煎原料と湯の量であり、生地の配合ではない。[3]

389 mg/Lと68 mg/L:最初の抽出液における、焙煎ふすまと焙煎穀粒のルチン濃度である。[3]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約