筋トレの胸は押す速度を見ながら行う?その場の表示と次回の力を分けて考える

胸の筋トレが伸びないとき、押す速度の表示は助けになるのか。ベンチプレスで速度を伝えた比較試験、高齢者の画面表示、速度感覚を育てる練習を読み解く。その場で速く押せることと、筋力や筋肉の長期的な変化を分け、表示の頻度や主観的なきつさとの付き合い方を考える。

最後の反復を押し終えると、速度の数字が告げられる。重りも回数も先週と同じなのに、結果を聞いた今日は手応えが違う。画面に速度が出れば、胸の筋トレが伸びない理由まで見えるだろうか。

速度をその都度伝えると、その場のベンチプレス速度が高くなった比較試験はある。ただし、速く動いた日の記録を、そのまま次回の筋力や胸の筋肉の成長に読み替えることはできない。情報を受けて動作が変わる効果と、練習を続けた後の変化は、測る問いが違う。[6][4]

まず決めたいのは、表示を何に使うかである。今の反復の結果を知りたいのか、自分の速度感覚を育てたいのか。それともセットを終える判断に使いたいのか。速度の数値が同じでも、研究が確かめた役割はそれぞれ異なる。[2][4][6]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

速度を測ることと、本人へ伝えることは違う

既存記事「大胸筋の筋トレ動画で速度を測れる?解析ソフトと測定機器の一致を読む確認点」には、測定方法の一致という問いを譲る。ここで扱うのは、測った結果を本人へ返すと、その場の動きや速度の見積もりがどう変わるかだ。[4][6]

研究でいうフィードバックとは、自分が行った動作の結果を外から伝えてもらうことである。押した後に速度を言葉で聞く方法もあれば、機器の画面で出力のグラフを見る方法もある。どちらも情報を返すが、見る内容も受け取るタイミングもそろってはいない。[3][5][6]

この区別は、機器の購入を考える前にも役立つ。数値を保存して後日眺める使い方と、反復の直後に本人が数値を知る使い方を、同じものとして扱わないためだ。瞬時に速度を伝えた試験で良い結果が出ても、その結果を、記録だけ残す方法へそのまま移すことはできない。[6]

また、「もっと頑張る」という応援と、実際の速度を伝える言葉も区別して読む必要がある。ここで紹介する男性の比較試験で使われたのは、速度という動作結果の情報である。単に誰かが声を出してくれれば同じ割合だけ速くなる、と受け取る研究ではない。[5][6]

画面に数字があると、それだけで客観的な正解を渡された気になる。しかし、数字を受け取った人が何を変えたかを知るには、表示ありと表示なしを比べる必要がある。測定の記録を集める研究と、情報の効果を試す研究は、似た機器を使っていても答えている問いが違うのである。[4][6]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

その場のベンチプレスは、速度を聞くと変わったか

男性17人を対象にした比較試験では、筋力を重視する練習と、パワーを重視する練習で、速度を即座に言葉で伝える条件と、伝えない条件を比べた。筋力を重視する条件では、ベンチプレスなどを最大挙上重量の75%で、5回ずつ4セット実施している。最大挙上重量とは、1回だけ持ち上げられる最大の重さだ。男性を対象とするため、18〜39歳の女性でも同じ大きさの速度変化が得られるかは、この比較では確かめられていない。[6]

ベンチプレスの速度は、結果を伝える条件で平均0.47±0.09m/s、伝えない条件で0.44±0.07m/sであり、報告された向上率は7.8%だった。この比較は、同じ練習の中で結果を知らせるかどうかを変え、その場の速度を調べたものだ。[6]

ここでの7.8%は、持ち上げられる最大重量が7.8%増えたという意味ではない。比べた指標は動作速度である。胸囲や筋肉の厚さの変化でもない。停滞が気になる人にとって期待の持てる結果ではあるが、記録帳の「速度」の欄に書く数字を、勝手に「筋力」の欄へ引っ越しさせないことが大切だ。[6]

同じ研究の軽い負荷を使う条件では、ベンチプレススローという、押し出してバーを放つ種目も調べた。その速度は情報ありで2.33±0.13m/s、情報なしで2.29±0.16m/sとなり、向上率は1.7%だった。通常のベンチプレスとスローでは、種目も負荷も違う。この試験でも情報の効果の大きさは種目によって異なった。[6]

この結果を普段の練習へ持ち帰るなら、「表示があれば誰でも同じ分だけ強くなる」ではなく、「結果を知る条件では、その場の速度が変わる可能性がある」という読み方になる。男性の小規模な試験であり、若い女性の初心者が初めて胸のプレスを行う場面に、報告値をそのまま当てはめるのは避けたい。[6]

同じ重さを同じ回数押していても、情報条件によって速度が変わるという点は、記録を読むうえで具体的な意味を持つ。表示を導入した週に速度が高くなったなら、以前から表示を使っていた週同士の比較とは条件が異なる。変化を消して考える必要はないが、何を変えた週だったかを記録から落とさないほうがよい。[6]

また、平均値の差が見られたことは、参加者全員が同じ反応をしたという意味ではない。普段の練習で研究の平均値へ自分を合わせようとするより、情報ありで何が起きたかを確かめる材料としたい。研究の数字は、自分の反復ごとの合格点ではないのである。[6]

立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

毎回聞く方法と、セット後に知る方法を比べる

情報を返す頻度を比べた研究もある。男性15人が、ジャンプとベンチプレススローを、最大挙上重量の30%で6回ずつ3セット行った。情報なし、各セットの前半の反復後に速度を返す、毎反復の直後に返す、セット平均を返すという条件を比較している。対象が男性で、バーを放つ種目を使っているため、18〜39歳の女性の通常のプレスに同じ頻度が適するかは別に検討する必要がある。[5]

情報なしと比べた速度の向上は、毎反復の直後に返す条件で1.9〜5.3%、前半に返す条件で1.3〜3.6%、セット平均を返す条件で0.7〜4.3%だった。これらは研究で扱った種目にまたがる範囲であり、すべてを胸のプレスだけの改善率として紹介することはできない。[5]

この比較で最も高い速度を示したのは、毎回の直後に結果を聞く条件だった。反復が終わるたびに直前の結果を知る使い方と、セット終了後に全体の平均を知る使い方は、同じ情報量の違いだけではなく、受け取る場面も異なる。練習の途中で使える情報か、振り返りに使う情報かという差がある。[5]

ただし、この試験が確かめたのは、その練習中の速度である。「毎回知らせれば、長く続けた後も最も筋力が伸びる」と順位を広げてはいけない。目の前の反復を速くするための頻度と、表示がない日にも使える感覚を育てるための頻度は、別々に検討すべき問いだ。[5][4]

自宅の腕立て伏せへ移すときにも、種目の違いを残しておく必要がある。軽い負荷でバーを放つ試験の結果は、そのまま腕立て伏せの回数や成果を保証しない。研究の種目名を省いて「胸の筋トレは毎回数字を見ればよい」と書き換えると、元の比較条件が消えてしまう。[5]

画面のグラフを見た高齢者では、何が上がったか

言葉で速度を返す研究とは別に、健康な高齢者28人、平均年齢73.1±6.7歳を対象に、機器の画面で出力のグラフを見る条件と、見ない条件を比較した試験がある。空気圧で抵抗をかける機器を使い、胸と脚のプレスを実施した。ここで表示したのはパワーであり、速度そのものと同一の指標ではない。高齢者の試験なので、18〜39歳の女性にも同じ出力の変化が起こるかは、この結果だけでは判断できない。[3]

参加者は2週間、週2回のセッションに参加し、各種目を8回ずつ3セット行った。胸のプレスのピークパワー、つまり動作中の最大の出力は、表示がある条件で5%高く、条件間の差は20.9W、標準誤差は9.7Wだった。平均パワーでも表示がある条件の成績が高かった。[3]

この研究は、目で結果を受け取る方法が、高齢者の胸のプレス中の出力にも関係することを示している。一方、対象は健康な高齢者であり、空気圧式の機器を使っている。若い人のフリーウエイトの速度と同じ条件として扱ったり、筋肉が5%増えたと読み替えたりする結果ではない。[3]

画面を見る研究と、言葉で速度を聞く研究が似た方向を示している点には意味がある。しかし、表示された指標、対象者、使った器具が違う以上、向上率の大小で優劣を決めるのは難しい。数字の見栄えよりも、どの場面で何を受け取ったかをそろえて読むほうが、普段の練習に結び付けやすい。[3][6]

さらに、胸のプレスのピークパワーと平均パワーも分けておきたい。動作中に最も高くなった値と、平均として評価した値では、記録の意味が違う。この試験は両方を調べている。画面の最も大きな数字だけを抜き出して以前と比べる前に、それがどちらの指標だったかを確認する余地がある。[3]

数字で読む速度情報の使い方

男性17人の比較:ベンチプレスの速度は情報あり0.47m/s、なし0.44m/sだった。[6]

毎反復の直後に伝える条件:男性15人の試験で速度の向上は種目全体で1.9〜5.3%だった。[5]

健康な高齢者28人:画面表示ありで胸のプレスのピークパワーが5%高かった。[3]

速度感覚を調べる期間:5週間の練習後、情報を受けた群では実測とのずれが減った。[4]

主観的なきつさとの比較:男性19人、女性9人が両方の方法を試した。[2]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約