筋トレの胸のセットは途中で休める?小分けの反復で保つ速度と回数を考える

筋トレで胸を鍛えるセットは、途中に短い休憩を挟んでもよいのか。ベンチプレスとチェストプレスの比較試験から、小分けで保ちやすい押す速度、限界までの回数、疲労感の違いを読む。休憩の追加と配り直しを区別し、その場の動きやすさが長期の筋肥大とは別に評価する理由も考える。

胸のプレスを続けていると、最初はすっと押せた重さが、終わりにはゆっくりしか動かない。そこでいったん重りを戻して休んだら、予定のセットは失敗なのか。男性10人の比較試験では、セットの途中に休憩を置くことで、連続して押す場合より速度の低下が抑えられた。18〜39歳の女性にも同程度の変化が出るかは、この試験だけでは判断できない。[9]

途中休憩の評価は、何を目指すかで変わる。その日の速度を保つこと、できる回数を増やすこと、続けた後に筋肉が厚くなることは、別々に確かめる必要がある。男女21人の長期比較では、胸の一部の筋厚は連続して行う方法のほうが増えた。女性を含むが、18〜39歳の女性だけの結果としては扱えない。[7]

「大胸筋の筋トレは目標回数を先に決める?残せる回数の予想と実際のずれを読む」では、余力の見積もりを扱う。ここで考えるのは、決めた反復のどこに休憩を置くかである。練習ノートを見返すなら、「何セット」だけでなく、途中で区切ったかも見ておきたい。

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セット数だけでは、連続して押した量は分からない

クラスターセットとは、反復を小さなまとまりに分け、セットの内側にも休憩を入れる構成である。筋力トレーニング経験のある男性を対象としたベンチプレス試験では、同じ反復数でも、連続して行う構成と、反復の間に短い休憩を入れる構成を比べている。男性の結果を18〜39歳の女性へそのまま当てはめるには、性別や経験の違いを考える必要がある。[9]

ここでいう反復は、重りを下ろして押す動作を繰り返すことだ。セットは、その反復をどこまでひとまとまりとして扱うかを表す。しかし、研究ではセットの内側も区切れる。「セット」という名前だけで、中身が途切れず続いていると決めないほうがよい。[9]

その試験は男性10人が異なる構成を無作為な順序で行うものだった。連続10回を3セット、連続5回を6セット、さらに10回の内側で反復ごとに5秒、10秒、15秒を挟む構成を比較した。総反復数は30回、セット間休憩は5分、重さは10回を行える最大の重さでそろえていた。[9]

「3セット」と「6セット」の見た目は違っても、この比較では押した総回数は同じである。一方、セット間休憩の長さが同じでも、休憩を挟む箇所の数や、セット内に加えた時間は異なる。回数が等しいことを、練習時間まで等しいことと読み替えてはいけない。[9]

日々の記録も同様に考えたい。「胸のプレスを予定どおり終えた」と書く代わりに、重さ、連続して行った回数、途中の休憩、セット間の休憩を並べる。これは研究の構成を日常で区別するための記録案であり、特定の組み方を全員に指定する処方ではない。

検索窓に「筋トレ 胸 何セット」と入れると、枠の数だけを決めたくなる。しかし小分けを考える場面では、枠の中身も問いに含まれる。途中の休憩を使うかどうかは、胸を鍛えたと数える資格の問題ではなく、どんな反復を並べたいかの問題である。[9]

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小分けで保ちやすいのは、まず押す速度である

先ほどの試験では、連続10回の構成でセット内の速度低下が平均39.3%だったのに対し、反復ごとに10秒休む構成では12.9%、15秒では10.0%だった。連続5回を6セットにした構成でも10.3%にとどまった。小分けにして休憩を挟むことと、連続する回数自体を減らすことの両方で、速度低下は小さかった。[9]

速度低下とは、反復を続ける間に押す速さがどれだけ落ちたかを示す指標だ。この数値は胸の筋肉が何割育つかを表してはいない。同じ試験で測っているのは、その場の動きと血中乳酸濃度であり、長期間続けた後の筋肉の大きさとは測定対象が違う。[9]

血中乳酸濃度は連続10回で7.9、反復間に10秒を入れた構成で3.5、15秒で3.4ミリモル毎リットルだった。連続5回の構成では4.2だった。速度の低下が近い構成でも、代謝面の指標には違いがあった。重りの動きと体内の反応を、ひとつの「効いた感じ」にまとめない読み方が必要だ。[9]

別の試験では、筋力トレーニング経験のある男性14人が、最大挙上重量の60%で12回を3セット行った。最大挙上重量とは、1回だけ挙げられる最大の重さである。連続する構成、4回ごとに区切る構成、2回ごとに区切る構成を比べ、小分けの条件では途中に30秒を入れた。男性を対象とするため、18〜39歳の女性での効果の大きさは別に確かめる必要がある。[20]

この比較では、休憩の頻度が増えるにつれて力、速度、パワーの値が高く保たれた。パワーは、力だけでなく動きの速さも関わる出力だ。ただし、これは休憩の回数を増やした構成の比較である。短く区切るだけで、追加の時間なしに同じ結果を得られると解釈することはできない。[20]

同時に測った大胸筋の筋電図では、細かく区切る条件の振幅が低い場面もあった。筋電図は筋肉の電気的活動を捉える測定である。動きの出力を保った結果と、筋電図の値が高い結果は、必ずしも同じ方向には並ばなかった。数字が大きいものをすべて「良い」と読むと、かえって結果を取り違える。[20]

休憩を足すのか、同じ時間を配り直すのか

小分けの研究を日常に持ち帰るときは、休憩の総量を確認したい。セット内に休憩を加え、外側の休憩をそのまま残した場合と、外側から内側へ時間を配り直した場合では、比べている条件が異なる。この違いを明確にした試験がある。[15]

筋力トレーニング経験のある男性26人を対象とした比較では、スクワットとベンチプレスを、最大挙上重量の75%、総反復数24回、総休憩240秒にそろえた。連続8回を3セット行いセット間に120秒休む構成と、4回ずつ6つのまとまりにして間に48秒を置く構成などを、無作為な順序で行った。18〜39歳の女性にも同じ配置が適するかは、この男性の比較からは確定できない。[15]

総休憩をそろえても、小分けの構成では連続する構成より速度低下と自覚的疲労が抑えられた。自覚的疲労とは、本人が感じる疲れを尺度で回答したものだ。単に長く休んだからという説明だけでは終わらず、同じ休憩時間をどこへ置くかが、その場の反応を変えた比較である。[15]

さらに同じ試験には、速度の低下を基準に、まとまりの数や反復数、休憩を個別に調整する条件もあった。この条件では固定された小分けの構成より、速度低下と疲労感が抑えられた。ただし、測定機器を使って調整した結果であり、自分の感覚だけで同じ調整ができると約束するものではない。[15]

仕事帰りに使える時間が限られているなら、「途中で休む」を「休憩を全部増やす」と同じ意味にしないことだ。まず現在の休憩を含めた練習の枠を記録し、どこを変更するかを指導者と相談する。比較試験の数字は組み方を理解する例であり、手元の器具や経験を問わずそのまま採用するための時刻表ではない。

研究を読む際にも、総反復数が同じ、重さが同じ、総休憩が同じ、という条件を別々に探すとよい。何をそろえたかが分かれば、何による違いかを考えやすい。セットの名前が新しいだけでは、その練習で何が変わったかは分からない。[9][15]

研究の「同じ総休憩」を、自分の練習でも確かめるには、重りを動かしていない時間をどこから数えるかも整理しておきたい。セットの間だけを記録すると、途中に挟んだ休憩は見えなくなる。反対に、途中の短い休憩だけを見ても、外側の長い休憩を含む全体像は分からない。ノートの上で、動作と休憩を順に並べると、比較したい条件を取り違えにくい。

たとえば前回は連続で行い、今回は小分けにしたとしても、同時に重さや総回数まで変えれば、感触が違った理由をひとつに絞れない。まず何を変えた記録なのかを明示する、という整理で十分だ。研究で重さ、反復数、総休憩をそろえた意味は、日常の記録でも比較の軸を考える手掛かりになる。[15]

また、測定された速度と「速かった気がする」は分けて書きたい。個別調整の試験は機器による測定を使っており、動きを眺めた印象で同じ数値を再現したものではない。測っていない日には数値を推定して埋めず、連続回数や休憩という確かめられる項目から残す。そのほうが、研究の数字と自分の実感の境界が明確になる。[15]

数字で読む胸のセット内休憩

男性10人の比較では、総反復数30回と重さをそろえ、連続と反復間休憩を比べた。[9]

速度低下は連続10回で39.3%、反復間10秒で12.9%。その場の速度の指標である。[9]

男性26人の比較は、総反復24回、総休憩240秒をそろえて休憩の配置を変えた。[15]

男性12人の高負荷の比較では、20秒のセット内休憩で平均6.8回から11.4回へ増えた。男性の試験であり、18〜39歳の女性で同じ回数の増加を見込む根拠にはならない。[1]

男女21人の長期比較は8週間。小分けのほうが筋肥大で一律に優れた結果ではなかった。[7]

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宮川涼 Founder

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