ソイプロテインでおならが臭くなる?糖の発酵とたんぱく質の分解を読み分ける

大腸で未消化のたんぱく質が分解されると、硫化水素やアンモニアなどが生じる。糖質の発酵との違いを、食事全体の組み合わせと測定する代謝物から整理する。人の食事試験と便を使った培養実験を区別し、臭いから消化率や腸の傷みを判断する限界と、食生活を振り返る手掛かりを示す。

朝食のシェーカーを洗いながら、昨日から気になっているおならの臭いを思い出す。「大豆が合わないのか」「吸収されずに残ったのか」。飲み始めた粉には、すぐ疑いが向く。けれど、同じ日に昼食を抜いていたなら、変わったのは一杯の中身だけだろうか。

たんぱく質が腸内細菌に分解されると、硫化水素、アンモニア、フェノール類などが生じる。したがって食事のたんぱく質と臭いを結びつけて考える道筋はある。ただし、ソイプロテインを飲んだ人の臭いが必ず強くなる、臭いが強ければ腸が傷んでいる、という答えにはならない。悪臭のある放屁とたんぱく質発酵の直接的な臨床関係は、なお検討が必要とされている。[3][4]

既存の「ソイプロテインでお腹が張るのはなぜ?たんぱく質と残る糖質を分けて考える」には張りの問いを譲り、ここでは臭いを手掛かりにどこまで判断できるかを考える。大切なのは、糖を材料にする発酵、たんぱく質を材料にする発酵、そして人が感じる臭いを、同じものとして扱わないことである。[4]

また、「女性のプロテインは発酵した大豆なら違う?成分の分解と消化しやすさを研究で読む」が扱う製造段階の発酵とも問いが異なる。こちらは、食べた後の腸内で作られる物質と、臭いの判断との距離を扱う。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

臭いの話は、発酵の材料から分ける

腸内細菌によるたんぱく質発酵とは、消化されずに残ったたんぱく質などを細菌が利用し、さまざまな代謝物を作る過程である。レビューでは、その生成物として短鎖脂肪酸、分岐鎖脂肪酸、アンモニア、フェノール類、インドール類、生体アミン、硫化水素などが挙げられている。短鎖脂肪酸とは、腸内発酵で作られる炭素の鎖が短い脂肪酸のことである。[3]

名前が並ぶと、たんぱく質の分解だけが特別に汚れた過程に見えるかもしれない。しかし、これらは材料や代謝経路の違いを表す言葉であり、臭いの強さを順に並べた一覧ではない。細菌によるたんぱく質の利用は、大腸の代謝物全体に関わり、体のアミノ酸収支への寄与も考えられている。生成物の働きは一様ではない。[2]

糖質の発酵との違いもここにある。臨床研究と前臨床研究を扱ったレビューでは、高たんぱく・低糖質の食事で短鎖脂肪酸の産生が減り、アンモニア、フェノール類、硫化水素の濃度が増える方向の変化が整理されている。食事は「たんぱく質が増えた」と「細菌が利用できる糖質が減った」が同時に起こりうるため、粉だけを切り離すと全体を見誤りやすい。[4]

たとえば、昼食をきちんと取っていたところに粉を加えた日と、食事を削って粉だけにした日では、考えるべき条件が違う。後者で変わったのは、ソイプロテインを飲んだかどうかだけではない。研究を日常に下ろすなら、「飲んだ」と書くだけでなく「その代わりに何を食べなくなったか」まで振り返るのが筋である。高たんぱく・低糖質という組み合わせを、単一の材料の作用と取り違えないためだ。[4]

ここで、短鎖脂肪酸がたんぱく質発酵の生成物にも含まれる点を見落としたくない。「糖の発酵なら良い物質、たんぱく質の発酵なら悪い物質」という完全な二分にはならない。どの材料がどの生成物に結びつくか、生成物がどの条件で働くかという、別々の段階がある。たんぱく質発酵を整理したレビューが多数の化合物を挙げるのは、臭いを一語で説明するより、代謝の広がりを考えるためでもある。[2][3]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

大豆という名前だけで臭いの順位は決まらない

大豆を含むたんぱく質を直接比べた研究にも、実験の舞台を確かめる必要がある。健康な男性と女性から各5人分の便を集めた研究では、その便を入れた培養系に、大豆、乳、ホエイ、魚、卵などに由来する未加水分解のたんぱく質を0.9 g加えている。人に飲ませて放屁の臭いを比べた試験ではなく、18〜39歳の女性が飲んだ際の反応にそのまま当てはめることはできない。[7]

この培養実験では、利用できるたんぱく質が増えると、フェノール、パラクレゾール、インドール、アンモニアが増え、その変化はたんぱく質の種類によって異なった。パラクレゾールは、たんぱく質発酵を調べる際に測られる代謝物の一つである。さらに、便の提供者の性別とたんぱく質の種類の組み合わせによる違いも見られた。[7]

女性由来の培養系では、たんぱく質の種類にかかわらずアンモニアが多く作られた。一方、男性由来ではパラクレゾールが多かった。これは女性にソイプロテインの回避を勧める根拠にはならない。これは少人数の便を使った体外の発酵であり、人で確認されれば食事の個別化に役立つ可能性がある、という段階の結果である。[7]

別の培養研究では、雑食者と菜食者それぞれ3人の便を使い、大豆などのたんぱく質と、イヌリンを含む発酵性の糖質を組み合わせた。菜食者由来の細菌は大豆などで異なる増殖の仕方を示し、アンモニアの産生パターンにも食習慣による違いがあった。材料名だけでなく、もともとの細菌の側も反応に関わっている。便を使う体外の実験なので、18〜39歳の女性の体内で同じ反応が起こるかは、人で確かめる必要がある。[8]

この結果から読者が持ち帰れるのは、「自分と友人の感想が違っても、すぐどちらかが間違いとはならない」という視点である。ただし、臭いの体験談を細菌の検査結果に置き換えることもできない。培養系で確かめた代謝物の違いと、生活の中で感じた臭いの違いは、分けたまま照らし合わせる必要がある。[7][8]

さらに、便の提供者が人であることと、試験そのものが人の介入試験であることを混同しないでおきたい。人由来の細菌を使えば、細菌側の応答を詳しく調べられる。一方、たんぱく質を飲み込み、消化し、生活しながら臭いを感じる一連の過程をそのまま再現したわけではない。大豆を含む実験であるという点は関連性を高めるが、実験の舞台まで人の体内に変えるものではない。[7][8]

人の試験では、測る場所で答えが違った

人に食べてもらう研究は、培養実験より生活に近い。その一つが、健康な成人15人を対象に、牛血漿たんぱく質と分離ホエイたんぱく質を入れ替えて比較した無作為化クロスオーバー試験である。クロスオーバーとは、同じ参加者が異なる条件を順に経験する比較方法である。それぞれを1日30 g、食事3回に分けて7日間摂取した。健康な成人の結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、対象を絞った検証が必要である。[6]

牛血漿たんぱく質を摂った期間は、ホエイの期間より血漿中や尿中の芳香族アミノ酸由来の代謝物が高かった。ところが、便中のアンモニア、分岐鎖脂肪酸、細菌の多様性には、たんぱく質源による影響がなかった。発酵を調べる指標が、どれも一緒に動くわけではなかったのである。[6]

研究者は、この違いについて、消化性の差よりもアミノ酸組成が主に関わった可能性を示した。実験室で調べた分解の程度と食後の血中アミノ酸反応は、当初想定したほどたんぱく質源の間で違わなかったからだ。「吸収されにくいから発酵が増えた」と説明するにも、その途中を実際に調べる必要がある。[6]

この試験の比較対象にソイプロテインは入っていない。ここから大豆とホエイの優劣は決められない。それでも、便のアンモニアが変わらなくても血液や尿の指標が変わりうる、という点は、臭いを消化の成績表にしないための重要な手掛かりである。鼻で感じた結果から、体内の複数の測定値をまとめて推定するのは飛躍だ。[6]

また、7日間の食事条件で調べた代謝物の違いは、その後の病気の有無とは別の問いである。何を食べたか、どこで測ったか、どの代謝物が変わったかを区別して読むと、「発酵が増えた」という短い言葉にも中身の違いが見えてくる。[6]

血液と尿で増えたのは、パラクレジル硫酸などの芳香族アミノ酸に由来する代謝物である。ここでいう代謝物は、腸内細菌がアミノ酸を利用した後に生じる物質である。便中アンモニアと異なる結果だったことからも、何を採取し、どの化合物を測るかが比較の意味を左右すると分かる。血液や尿の結果を紹介するときは、便で測った指標が変わらなかった点も一緒に読む必要がある。[6]

血液中の化合物の濃度を比べることと、放屁を評価することは異なる。製品の体験談に研究を添える場合も、測ったものの名前を省かないほうがよい。代謝物が増えたという事実には意味があるが、臭いの変化という別の結果を代弁させると、確かめた範囲を越えてしまう。[6]

数字で読むたんぱく質発酵

20人:高たんぱく食と低たんぱく食を比較した、健康な人の食事試験の参加者数である。[5]

各2週間:その試験で異なるたんぱく質量の食事を続けた期間であり、長期の発症を調べた数字ではない。[5]

15人:たんぱく質源によって血液・尿・便の指標を調べた成人の試験規模である。[6]

1日30 g:その試験で食事3回に分けた研究上の摂取量であり、ソイプロテインの推奨量ではない。[6]

各5人:大豆などを加えた培養系に使われた便の、男女それぞれの提供者数である。[7]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約