ダイエット中の間食をやめるなら家族も一緒に?買い置きと支援の役割を考える

ダイエット中に間食をしないつもりでも、家族が買ったお菓子が食卓に並ぶ。家族全員でやめる必要はあるのか。家庭の買い置き、買い物や調理の分担、親子の食べ方を調べた研究から、協力を頼む範囲と一律の制限の違いを考える。回数だけで判断しないために、食品の内容や研究の対象にも目を向ける。

帰宅して台所の袋を開けると、頼んでいないお菓子が入っている。買った家族に悪気はない。自分は間食を控えたいが、家族には家族の食べたいものがある。そこで「家では全員やめよう」と話を広げる前に、頼みたい協力をもう少し細かくしたい。

家族の食べ方は互いに無関係ではない。親子を追った観察研究では間食を含む食習慣に関連があったが、家族全員が同じ食品を同じように控えるべきだという結果ではない。[5] ここでの答えは、家庭で相談する価値はあるが、全員の間食禁止を出発点にする必要はない、である。

既存記事「ダイエット中の間食は贈り物だと断りにくい?気遣いと食べる判断を分けて考える」には贈り物への応じ方を譲る。こちらで考えるのは、日々家に入る食品を誰が選び、誰の希望で買い足すかだ。食べる瞬間より前の、買い物袋が玄関を通る場面から見ていく。

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家族の協力を、全員の間食禁止に置き換えない

中国の縦断研究は、同居する親子5,201組を対象に、食事や身体活動の変化を調べた。子どもは7〜17歳で、食事については1991〜2009年の調査データが使われている。親子の間には、間食や外食などの食べ方について正の関連が認められた。[5] 縦断研究とは、時間を追って同じ対象の変化を調べる研究である。

親の間食からのエネルギー割合が増えたとき、子どもの同じ割合も増える関係だった。ただし、同じ家には食品、生活時間、購入先などの共通条件もある。この観察結果から「親が食べたから子どもが食べた」と原因を決めたり、逆に親がやめれば必ず子どももやめると予測したりはできない。[5]

研究では親と子で変化の速さが異なる行動もあり、著者らは世代に応じた対応の必要性にも触れている。[5] 家庭を単位に考えることと、家庭内の全員を同じ食べ方にそろえることは別だ。自分の体重管理の希望を、そのまま子どもの目標に移す理由にもならない。

たとえば「私の分のお菓子は、買う前に聞いてほしい」と伝える場面を考える。これは本人向けの購入を相談する提案であり、家族が食べる権利まで取り上げる話ではない。「応援して」という抽象的な頼み方を、買い物で何をしてほしいかに置き換えるのである。この言い方自体の効果が試験で確定しているわけではなく、家庭の共通条件に着目した研究を生活に移すための案だ。[5]

協力が成立したかも、全員が同じものを食べたかだけでは判断しない。自分の希望が買い物担当者に伝わったか、勝手に自分の分まで買い足される状態が変わったか。まず話し合う対象をそこで区切れば、家族の食事全体を採点する会議にせずに済む。

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買う・作る・食べるを分けると、頼み先が見える

家庭の食行動を見る際には、食品を手に入れること、調理すること、食べることを分ける視点が使える。南アジアの評価方法を整理したスコーピングレビュー、つまり研究の広がりや測り方を見渡すレビューでは、50研究がまとめられた。購入などの食品入手、調理の習慣や分担、食べる時間や間食などが、それぞれ評価対象になっていた。[7]

ここで大切なのは、このレビューが「買い置きを変えれば何回間食が減る」と効果を示した研究ではないことだ。採用された研究では40種類の道具が使われ、妥当性を確認した道具を使っていると報告した研究は14本だった。[7] 家庭の食行動は、何をどう測るかにも幅がある。「支援あり」という言葉だけで中身が同じだとは限らない。

自分は買っていないのに家にあるなら、最初の相談相手は買い物を担当する人かもしれない。自分が家族の希望をまとめて購入しているなら、注文する段階で誰の分かを確認する案になる。料理をする人と食品を買う人が別なら、調理担当者にだけ頼んでも、買い物袋の中身を決める相談には届かない。これは購入・調理・消費を分ける視点からの具体化である。[7]

食卓にあるお菓子を見て「家族が協力してくれない」と感じたときも、どこですれ違ったかは分けて考えられる。頼んだ相手が購入していなかったのか、自分の分を含めるかが曖昧だったのか、それとも家族用の食品までなくしてほしいと受け取られたのか。食品を巡る相談は、気持ちの賛否だけでなく作業の分担にまで下ろしたい。

買い置きの確認も、家にある食品を一斉に捨てるために行う必要はない。何があり、誰が使う予定で、次に誰が買うのかを共有するための確認と位置づける。家庭の食行動を評価する研究が購入と消費を別々に扱うように、棚にあることと自分が食べることを、相談の中でも別の項目にするのである。[7]

自炊と家族の食卓が増えても、間食が減るとは限らない

家族で料理を作るようになれば、間食も自然に減るのだろうか。感染症流行期の外出制限を扱った系統的レビューでは、食事の計画、調理、一緒に食べる時間が増える一方、食べ過ぎや間食の増加も報告された。多様な家庭料理や野菜・果物の摂取と、菓子やデザートの増加が同じ家庭環境の変化の中にあった。[10]

オーストラリアで食品の購入や調理を主に担う25人に聞き取りをした質的研究も、その併存を示している。質的研究とは、経験や受け止め方を言葉から詳しく探る研究だ。家庭料理や家族で食べる機会、調理や購入の技能への自信が増したという語りとともに、間食や食事量の増加が報告された。[2]

さらに、インドのムンバイ都市圏で女性の食品担当者34人に行った聞き取りでは、家族の料理への参加、食事計画、まとめ買い、家庭料理の種類の増加などと、間食や全体の食事量の増加がテーマとして現れた。[3] 料理に参加したことも、買い物を工夫したことも、それだけで間食の減少を意味するわけではなかった。

ただし、外出制限なら常に同じ変化が起きたわけでもない。東南アジアの子ども9,203人と保護者を含む調査では、マレーシアで基本的な食品群が増え、嗜好的な食品が減る変化がみられた一方、ほかの国では多くの食品群の摂取は大きく変わらなかった。国によって状況が異なり、所得や食料の確保にも影響が及んでいた。[19]

これらは特殊な生活条件下の研究であり、今の立川の家庭に同じ変化が起きると予測する材料ではない。それでも「自炊を増やす」「家族で食べる」「間食を減らす」を同じ成果として数えないことはできる。調理担当者が丁寧に食事を作っていても、別の時間に食べる食品まで自動的に変わるとはいえない。[2][3][10][19]

家族の協力を頼む際も、夕食を作ってくれることへの感謝と、菓子の買い足しについての希望は別々に伝えたい。自炊を頑張っている家族に「食生活を改善して」とだけ言えば、どの作業の話なのかが分からない。間食の相談なら、家庭料理の良し悪しへ話を広げず、その食品の購入予定を確認するところから始める案がある。

買い置きについても、研究の読み方には区切りが要る。外出制限を扱ったレビューでは、まとめ買いや保存の利く加工食品の備蓄が、食事計画やオンライン購入と並んで現れた。[10] これは複数の変化が同時に起きたという報告であり、備蓄した食品の量だけで、その後の間食の回数が決まったとする結果ではない。家庭で在庫を確かめる提案と、在庫を減らす効果が証明されたという主張は分けておきたい。

たとえば買い物リストに同じ菓子が重なっていたなら、誰がどの用途で書いたのかを確認する。来客用なのか、家族が自分で食べる分なのか、本人への差し入れのつもりなのかで、相談する内容は変わる。購入と家庭での消費を分けて捉える視点は、こうした確認にも使える。[7] 棚の中身を見た段階で誰かの意志の弱さへ話を飛ばさず、食品が入ってくる経路を言葉にするのである。

数字で読む家庭と間食

親子5,201組:中国の縦断研究。食事や間食に親子間の関連があったが、禁止の効果を試した数字ではない。[5]

50研究:南アジアの食行動の評価方法を整理したレビューの採用数。購入・調理・消費を別の行動として捉えている。[7]

25人:オーストラリアの食品担当者への聞き取り。自炊の増加と間食の増加の両方が語られた。[2]

34人:ムンバイ都市圏の女性の食品担当者への聞き取り。家族の参加と間食の増加がともにテーマに含まれた。[3]

24施設:低所得家庭を利用者に含む保育施設で行われた栄養教育試験。家庭での野菜の間食にも変化があった。[12]

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宮川涼 Founder

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