筋トレと有酸素運動の間にプロテイン、走る強度で届き方を決めてよいのか

筋トレを終えて走る前にプロテインを飲むべきか。併用運動の研究を手がかりに、吸収、筋たんぱく合成、次の走力を分けて考える。走る強度だけで飲む時刻を決められるのか、運動後の摂取で確認された反応と限界、糖質を組み合わせた試験の読み方まで、生活の場面に沿って整理する。

筋トレを終え、ランニングマシンへ移る手前でシェーカーを開ける。今飲めば筋肉に間に合うのか、それとも走り出したら無駄になるのか。手元の運動メニューには走る速さが書いてあるが、シェーカーを開ける時刻までは書いていない。

答えの芯は、走る強度だけでプロテインの届き方や最適時刻を決めつけないことだ。筋トレと持久運動を組み合わせた研究では、運動後にたんぱく質を摂ると、筋肉の収縮を担うたんぱく質の合成が高まった。走る前に必ず飲む、強く走ればすべて無駄になる、という時刻表より、まず確かめられたこの反応を起点にしたい。短時間の合成反応を調べた対象は訓練した若い男性であり、18〜39歳の女性にも同じ反応の大きさが当てはまるかは別に確かめる必要がある。[4][18]

既存記事「筋トレと有酸素運動の食事タイミング、走る揺れと踏ん張る腹圧を分けて考える」には、胃にかかる負担の問いを譲る。ここでは飲んだものが筋肉の反応につながることと、走る能力が変わることを分け、どの結果から飲む時刻を考えられるかを追う。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

「届く」の意味を決めてから時刻を見る

プロテインが届く、と聞いたとき、血液に材料が現れることを思う人もいれば、筋肉が育つことを思う人もいる。だが、研究で測る筋たんぱく合成の速度と、長く運動を続けた後の筋肉量は別の結果だ。併用運動の系統的レビューも、短時間の合成反応と長期の筋肉量・筋力・有酸素能力を分けて評価している。[4]

ここでいう併用運動とは、筋トレと持久運動を同じトレーニング計画に含めることである。レビューでは、健康な成人を対象にした短期と長期の試験を集めた。飲んだ後の反応を調べる実験と、トレーニングの成果を調べる実験を同じ一言で扱わない設計になっている。対象は18〜65歳の健康な成人で、急性研究は訓練した若い男性に限られるため、18〜39歳の女性へ結果を一律に当てはめることはできない。[4]

筋原線維たんぱく質は、筋肉の収縮を担う部分のたんぱく質である。一方、ミトコンドリアはエネルギー供給に関わる細胞内の仕組みだ。レビューに含まれた急性試験では、摂取によって前者の合成は高まったが、後者の合成は高まらなかった。同じ筋肉の中でも、材料への反応は一様ではない。[4]

この違いを踏まえると、「吸収がよいから速く走れる」という説明には飛躍がある。筋肉の合成を測って得た結果は、その指標の答えとして読む必要がある。有酸素能力への効果は、別に測った結果で確かめる。レビューでも、たんぱく質補給による有酸素能力の上乗せは確認されていない。[4]

夜の運動を終えた読者が知りたいのは、研究室の測定法そのものではないだろう。それでも、何を増やしたいのかは先に決められる。筋力づくりを支える話を探しているのか、明日のランニングを軽くしたいのか。目的を言葉にすると、同じ「運動後のプロテイン」という見出しの下に、違う問いが並んでいることが見えてくる。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

運動を終えてから飲んでも反応は起きている

健康な男性8人が参加した無作為化クロスオーバー試験では、同じ人が条件を替えて実験に参加した。筋トレは脚を伸ばす運動を8組、それぞれ5回、続いて約70%の最高酸素摂取量に相当する自転車運動を30分行った。その後にホエイたんぱく質25 g、またはプラセボを摂取した。男性だけの試験なので、18〜39歳の女性の摂取量や反応の大きさを直接決める根拠にはならない。[18]

プラセボは、比較のために用いる対照の摂取物である。研究者は安静時と、運動後1時間および4時間に筋肉を採取して反応を調べた。運動後の筋原線維たんぱく合成は両条件で安静時より増え、たんぱく質を摂った条件ではプラセボ条件より67%高かった。一方、ミトコンドリアたんぱく合成は安静時から変わらなかった。[18]

この67%は、運動後の測定期間における合成速度の条件差である。筋肉がその割合だけ大きくなったのでも、ランニングの成績がその割合だけ伸びたのでもない。大きな数字ほど、単位と測定対象を一緒に読む必要がある。試験の答えは、併用運動後の摂取が筋原線維の合成をさらに高めた、という範囲にある。[18]

生活に引き寄せるなら、筋トレとその後の有酸素運動を終えてから摂ることにも根拠がある、という読み方になる。筋トレの直後にシェーカーを開けなかっただけで、その後の栄養が役に立たなくなるという不安とは合わない結果だ。ただし、この試験は自転車を使っており、筋トレとランニングの間に飲む場合との優劣を決めるものではない。[18]

研究で使われた25 gも、すべての読者の正解量として持ち帰る数字ではない。健康な男性の特定の運動条件で検証した摂取量であり、女性や運動を始めたばかりの人の日常へ、そのまま処方箋のように移すのは避けたい。根拠がある摂り方と、誰にでも唯一の摂り方は違う。[18]

筋トレ美女 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

走る強度を吸収率のつまみにしない

「軽く走るなら先に飲む」「きつく走るなら後に回す」と分ければ、判断は簡単に見える。しかし、自転車を使った併用運動後の合成試験の数字を、ランニングの速度別の吸収率へ置き換えることはできない。運動の種類、摂取した時点、測った指標をそろえて読むことが必要だ。[18]

強度の数字を見つけたら、その数字が何の条件なのかを確認したい。約70%という値は、この試験で自転車運動を行わせた条件である。プロテインが届くか届かないかを分ける境目ではない。数字が細かいことと、日常で境界線として使えることは別である。[18]

ランニングを扱った別の無作為化二重盲検試験では、持久運動の訓練を積んだ6人が、最大酸素摂取量の70%で疲労困憊まで走った。ここでは走った後の回復期に何を飲むかを比べている。同じ70%でも、先ほどの自転車の試験とは運動も比較も異なる。持久運動の訓練者を対象とした結果であり、18〜39歳の女性の日常的なランニングへ同じ数値を当てはめるには検証が必要だ。[5]

最大酸素摂取量は、有酸素能力を評価する指標として研究で用いられる。だが、ランニングマシンの速度表示から、これらの参加者と同じ条件になったと考える必要はない。仕事帰りの運動と疲労困憊までの実験を見比べるときは、「走った」という共通点の後に、どこまで走らせたかを読むほうが役に立つ。[4][5]

強く走る日には、飲む時刻だけを精密に決めるより、その日の運動と補給を一緒に記録すると問いが具体的になる。筋トレをしたか、走る予定は何だったか、飲んだのは途中か終了後か。これは吸収を自分で測る方法ではなく、自分の予定と研究の条件を取り違えないためのメモである。

筋肉の材料と次のランニングの燃料は別の問い

先ほどのランニング試験では、最初の走行後に4時間回復し、再び同じ相対強度で疲労困憊まで走った。回復中には、体重1 kg当たり毎時、糖質0.8 gとたんぱく質0.4 gを摂る条件と、糖質1.2 gを摂る条件を比較した。両者のエネルギー量はそろえてある。[5]

比べたのは、同じ糖質量にたんぱく質を追加した場合ではない。糖質の一部をたんぱく質に置き換えた飲料と、糖質だけの飲料である。筋グリコーゲン、つまり筋肉に蓄えられた糖質の回復量と、次の走行での利用、疲労困憊までの時間に条件間の有意差はなかった。[5]

次の走行時間は糖質だけで51±13分、糖質とたんぱく質で49±15分だった。この結果は、たんぱく質入りなら必ず次の走行が伸びるという期待を支持しない。同時に、たんぱく質を含む条件でも同程度のグリコーゲン回復が得られたという結果でもある。良し悪しをひとつにまとめるより、何が同じだったかを読む試験だ。[5]

筋肉の合成を助けることと、短い回復を挟んだ次の走行を延ばすことは、こうして分かれる。筋トレ後に飲む理由があるからといって、走る前の飲料を全部それで置き換える理由にはならない。糖質との比較をした試験を、たんぱく質単独で十分という話へ読み替えないことが大切である。[4][5]

比較相手を見ると、研究同士の距離も分かる。併用運動後の合成試験では、ホエイとプラセボを比較していた。ランニング後の回復試験では、エネルギー量をそろえた糖質飲料と糖質・たんぱく質飲料を比較していた。「プロテインを飲んだ」という共通点だけでは、同じ問いに答えた試験にはならない。[5][18]

前者からは、対照条件に対して筋肉の合成反応がどう変わったかが分かる。後者からは、回復期の飲料の組成を替えたとき、糖質の貯蔵や次の走行がどう変わったかが分かる。この比較の違いを残したまま読めば、合成は高まったのに走行時間は変わらないという結果を、無理に矛盾として処理せずに済む。[5][18]

また、51分と49分という平均値だけを見て、糖質だけのほうが優秀だと順位を付けるのも適切ではない。参加者によるばらつきを含めた検定では有意差がなかった。平均値の小さな前後関係より、試験として差を確認できたかを優先する。研究の数字は、飲料を表彰台に並べるための順位表ではない。[5]

数字で読む運動後のプロテイン

8人:脚の筋トレと自転車運動後の摂取を比べた健康な男性の人数である。[18]

25 g:その試験で運動後に摂ったホエイたんぱく質量である。[18]

67%:プラセボ条件と比べた筋原線維たんぱく合成速度の差であり、筋肉量の増加率ではない。[18]

4時間:疲労困憊までのランニング試験で、次の走行までに設けた回復期間である。[5]

51±13分と49±15分:回復飲料を替えた後の走行時間であり、有意差はなかった。[5]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約