両脚のレッグレイズは、片脚の屈曲角度を足した値ではない。脚上げ中の外腹斜筋の筋電、左右を分けて測った角度、股関節を曲げる筋力の研究から、回数のきつさを腹筋の成果と取り違えない。1回の伸ばしと、週をまたぐ累積も分けて読む。家のメモでは左右を一つの点数にまとめない。
夜、布団の脇で両脚を揃えて上げる。片脚のときより息が止まり、腰が浮く。「きついなら、片脚の分を足しただけ効いている」。ノートには、左の角度と右の角度が並ぶ。足し算はできても、それで両脚を上げるときの腹筋の働きが分かるだろうか。
片脚ずつなら上がるのに、両脚では同じように動かせない。研究が並べているのは力の合計表ではない。膝を伸ばして脚を上げる検査の最中に腹筋の電気的な活動を録った試験では、伸ばし方を変えると、股関節の曲がる角度と脇腹の筋電が一緒に動いた。[20] 同じ人の片脚だけを介入し、反対の脚を対照に残すと、角度と神経の硬さは試験した側で動く。[11] 両脚を一緒に上げる場面と、片脚の屈曲角度を足した値は、別の記録である。
既存記事「腹筋は足を固定すると楽になる?起き上がる回数と筋肉の働きを分けて読む」「筋力低下は両脚を一緒に測ってよい?片脚ずつの合計と違う力の読み方を知る」「ハムストリングは両脚だと力が減る?ジムの器具で片脚の合計を比べる前に」「背筋の筋トレは両脚も一緒に上げる?最大収縮の割合から考える足上げの選び方」「腹筋の足上げは勢いをつけても効く?脚の速さと体幹の動きを分けて確かめる」「インナーマッスルのレッグレイズはぶら下がると違う?寝た姿勢と体幹の負荷を読む」「腹筋の筋トレは食後すぐだと重く感じる?待ち時間より先に比べたい胃の条件」「腹筋の筋トレの筋電図は貼る間隔で変わる?数値を比べる前に測定条件を読む」へそれぞれ譲る。ここでは床に仰向けで脚を上げるとき、片脚の屈曲角度と腹筋の筋電を混ぜない。

両脚のきつさは、片脚の角度を足した値ではない
レッグレイズの最中に働くのは、脚を曲げる筋肉だけではない。ハムストリング、ももの裏に硬さがある成人18人を、二つの伸ばし方に無作為に分けた試験がある。平均年齢は25.01歳、標準偏差は2.47歳だった。18〜39歳の女性全般への適用には、ハムストリングに硬さがある成人の結果だという条件が付く。膝を伸ばして脚を上げる検査で、左右の脊柱起立筋、ハムストリング、腹横筋と内腹斜筋、外腹斜筋、腹直筋の筋電を録っている。[20]
外腹斜筋は脇腹を斜めに走る筋肉、内腹斜筋はその内側、腹直筋は前面を縦に走る筋肉、脊柱起立筋は背骨の脇で体を起こす筋肉である。腹横筋と内腹斜筋は、一つの記録として扱われた。自分でハムストリングを伸ばす方法に比べ、運動の連鎖を安定させる伸ばしの方が、股関節屈曲の可動域と、左右の外腹斜筋および左の内腹斜筋の筋電の振幅をより大きく増やした。測定の場は、その脚上げ検査である。どちらの群も、検査後の股関節屈曲の可動域は検査前より大きかった。著者らは、硬さがある人では連鎖を安定させる伸ばしの方が、股関節を曲げる動きと筋電の制御で、より持続する効果を示したと結論している。[20]
言えるのは、脚を上げる角度と腹筋の筋電が同じ動作の中で連れ立つことがある、というところまでだ。18人の予備的な試験が比べたのは、伸ばし方による検査中の違いである。両脚と片脚の筋力を直接比べた結果としては扱えない。[20]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
上がった角度は、腹筋が強くなった点数ではない
ストレートレッグレイズの角度は、腹筋の筋力テストとして集計されていない。ハムストリングが短い人の可動域を、伸ばしの総量と対応させた用量反応のメタ分析がある。入った研究は84、非競技者は3008人、競技者は1059人である。競技者も含み、ハムストリングの短縮が条件なので、18〜39歳の女性に一律の改善量として当てはめることはできない。何もしない場合と比べ、非競技者の静的な伸ばしは、自分で膝を伸ばす角度を平均9.03度、他者が膝を伸ばす角度を平均8.44度、ストレートレッグレイズを平均12.11度改善した。収縮を挟んで伸ばす方法は、何もしない場合より自分で膝を伸ばす角度を平均10.10度改善し、静的な伸ばしに対しても平均3.18度の小さな上積みがあった。競技者では、静的な伸ばしが何もしない場合より、自分で膝を伸ばす角度を平均9.00度改善した。[13]
差の大きい相手は「何もしない」であり、方法どうしの差はそれより小さい。曲線は直線ではなく、証拠の確実性は結果ごとに広い。偏りの懸念も残る。12.11度を、両脚のレッグレイズ一週間の腹筋点にはしない。[13]
神経を滑らせたり引っ張ったりする手技を比べたメタ分析もある。対象は18歳以上で、ハムストリングの柔軟性が低下し、神経や筋骨格の疾患はない人である。18〜39歳の女性に使う際も、柔軟性が低下した成人への手技の結果という範囲で読む。無作為化試験30、参加者1379人のうち、量的な解析に入ったのは19試験だった。静的な伸ばしとの平均差は、他者が上げるストレートレッグレイズで3.48度(95%信頼区間1.14から5.82)、自分で膝を伸ばす角度で3.78度(95%信頼区間0.43から7.12)だった。何もしない場合との差は、他者が上げる角度で9.44度(95%信頼区間6.74から12.14)と、方法どうしの差より大きい。研究間のばらつきと偏りが大きく、著者らも慎重な解釈を求めている。[15]
同じ脚上げは、腰から足へ走る痛みの診断にも使われる。画像、電気診断、手術、臨床診断を基準に正確さをまとめた系統的レビューがある。ストレートレッグレイズは7821人、反対の脚を上げる交差法は3811人、六つの多変量モデルは1015人だった。どちらの脚上げも、検査のあとで病気の確率を大きく動かすものではなく、動かし方は小さいか、重要でない範囲だった。証拠の確実性はおおむね低いか、非常に低かった。著者らの結論は、腰仙部の神経根症状に対する診断の正確さは低い、というものである。24研究のまとめで、対象は腰に関連する脚の痛みがある患者である。18〜39歳の女性の運動成果を評価する目的へは、そのまま当てはめられない。[2]
同じ人の左右は、コピーして足せない
両脚が同じ硬さ、という言葉は、左右が同じ数字だという意味ではない。活動的で健康な成人25人、下肢49本を、介入する脚25本と反対の対照24本に分けた試験がある。18〜39歳の女性に対する効果は、この健康で活動的な成人全体の結果と分けて考える。大腿骨を長軸の方向へ圧迫する装置を片脚に使い、直後に測り直した。すべての指標で、時点と脚の組み合わせに統計的な交互作用があった(pは0.05未満)。試験した脚では、自分で膝を伸ばす角度が26.72度から19.04度に、自分で行うストレートレッグレイズが22.08度から15.96度になった。坐骨神経の硬さは33.84キロパスカルから28.79キロパスカルへ、せん断波の速度は3.27メートル毎秒から2.99メートル毎秒へ低下した。いずれもpは0.001未満である。[11]
著者らは後面の柔軟性の変化と、神経の硬さの低下として報告している。数字が小さくなったことを筋力の低下と読まない。反対の脚は対照のまま残り、直後の変化である。[11]
左右をまとめて「両脚とも硬い」と参加条件にした試験もある。症状のない若い成人42人を、静的な伸ばしと、膝を曲げた状態から脚を扱うマリガンの手技に21人ずつ無作為に分け、1回だけ行った。18〜39歳の女性だけの結果として扱わず、症状のない若い成人の急性変化として読む。時間の主効果は、自分で膝を伸ばす角度、垂直跳び、片脚のホップのすべてで有意だった(pは0.05未満)。角度と片脚ホップには、時間と方法の交互作用があった。垂直跳びには、その交互作用がなかった。角度の改善は、膝を曲げて扱う手技で6.38度、静的な伸ばしで2.10度だった。開始時の角度の差を調整したあとも、前者の角度は高かった。著者らは急性の変化が大きかったとしつつ、競技者へそのまま一般化しないよう注意している。[6]
数字で読むレッグレイズと股関節
18人:ハムストリングに硬さがある成人を二つの伸ばし方に分け、脚上げ検査中の腹筋の筋電を録った無作為化試験の人数。平均年齢は25.01歳(標準偏差2.47)。[20]
12.11度:非競技者の静的な伸ばしが、何もしない場合と比べてストレートレッグレイズを改善した平均差。84研究、非競技者3008人、競技者1059人を含む用量反応メタ分析の一部。[13]
9.44度:神経への手技が、何もしない場合と比べて、他者が上げるストレートレッグレイズを改善した平均差。95%信頼区間は6.74から12.14。30試験1379人のうち量的解析は19試験。[15]
6.38度と2.10度:症状のない若い成人42人を21人ずつに分け、1回だけ比べた、自分で膝を伸ばす角度の改善。前者が膝を曲げて扱う手技、後者が静的な伸ばし。[6]
22.08度から15.96度:活動的な成人25人の試験脚で、自分で行うストレートレッグレイズが直後に移った角度。反対脚は対照。神経の硬さは33.84から28.79キロパスカルへ低下した。[11]
0.10:人工股関節の術後の運動が、股関節を曲げる筋力に与えた標準化平均差。95%信頼区間は−0.27から0.47で、有意な効果はなかった。22研究、1782人。[1]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
1
2







