ストレス発散のゲームは体を動かす方がよい?座って遊ぶ場合と気分を比べる

ストレス発散にスマホゲームを選ぶとき、体を動かす遊びに替えた方がよいのか。座位と立位の短いゲーム、運動型と座って遊ぶゲームの比較を手掛かりに、気分の変化と身体活動を分けて読む。運動中の楽しさや難しさ、続けやすさにも目を向け、疲れた日の休憩に合う選び方を考える。

夕食の片づけが済み、ゲームの開始画面を開く。帰宅後は体を動かすゲームに替えた方が、気持ちまで軽くなるのだろうか。休みたいのに、休憩にも運動の成績表を持ち込みたくはない。

体を動かす遊びにも座る遊びにも、気分が改善した研究結果がある。運動型と座って遊ぶゲームを比べた小規模な無作為化試験では、ストレスと楽観性は両方で改善した。また、上半身を動かす短いゲームでは、座位と立位のどちらでも前向きな感情が増え、群間に有意な差はなかった。[2][5]

ただし、気分が変わることと、身体活動が増えることは別に確かめたい。本記事では遊びの姿勢と動作を軸に比較する。仲間との協力や対戦は隣の記事「ストレス発散のゲームは協力して遊ぶ?対戦する場合と終了後の気分を比べる」に譲る。既存の「ダイエットの機械は脚を動かすだけでもよい?他動と自力の酸素消費を比べる」とも問いを分け、ここでは休憩の前後に感じる気分に焦点を置く。

画面越しの交流や支援は、既存記事「運動のストレス発散は画面の仲間でも変わる?つながりの中身と気分を読み分ける」に譲り、ここでは遊ぶ人自身の姿勢と動作を比べる。

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座っているだけで、同じ種類のゲームになるのか

体を動かして遊ぶビデオゲームは、エクサゲームと呼ばれる。健康な高齢者を扱った系統的レビューでも、身体活動を伴うビデオゲームとして位置づけられている。高齢者の認知機能を扱う結果を、18〜39歳の女性の気分の変化にそのまま当てはめることはできない。画面があるかどうかよりも、操作するときに体が何をしているかに目を向ける言葉である。[3]

ところが、椅子に座っている姿だけでは、その区別はつかない。上半身を動かして操作するカジュアルなゲームには、座った姿勢で遊ぶ形式もある。短い休憩向けゲームの準実験では、上半身の動作、全身の動作、さらに座位と立位を分けて調べている。座ったままでも、操作のために体を動かす条件なのだ。[5]

この区別はスマホゲームの検索で特に大切だ。指先で操作するゲームの結果を、座って腕を動かすゲームの結果でそのまま説明すると、途中で比較する相手が入れ替わってしまう。「座っても気分がよくなった」という研究を見つけたら、椅子の有無だけでなく、どんな動作を求められたのかまで読む必要がある。[2][5]

また、ゲームを休憩に取り入れる問いには、何を変えたいかという別の軸がある。嫌な気分を和らげたいのか、楽しい感覚を得たいのか、座り続ける時間を区切りたいのか。運動型と座位型の比較試験では心理面と身体活動の両方を扱い、短いゲームの研究でも感情と実際の負荷を別に測っている。これらを一つの「効いた」に押し込めないのが読み始めの約束だ。[2][5]

たとえば、机の前から離れず腕を動かす遊びと、立って全身を使う遊びを思い浮かべるとよい。外見だけなら後者の方が休憩らしく見えるかもしれない。しかし、操作できる感覚や楽しさの順位まで、動作の大きさから決めることはできない。短いゲームの比較は、その直感を確かめるための研究である。[5]

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ストレスは運動型でも座位型でも改善した

問いに直接近いのは、メサドン維持療法を受けている患者29人の予備的な無作為化試験である。身体的な運動を伴うゲームと、座って遊ぶゲームに分け、8週間の介入を行った。座位のゲームは、ゲームに使う時間や研究への関わりにも目を向ける比較条件として設けられた。治療中の患者を対象とするため、18〜39歳の女性の日常の休憩にそのまま当てはめるには慎重さが必要だ。[2]

結果として、物質使用は両条件で減少し、ストレスと楽観性も両条件で改善した。運動型の群では、介入の外で行う身体活動が座位型の群より多く報告された。開始時には、その身体活動の差はなかった。つまり、心理面では両方に改善があり、活動面では運動型に別の特徴が出た、という並びである。[2]

この結果の読みどころは、心理面の改善が両群に見られたことと、介入外の身体活動には群間の違いがあったことを分ける点にある。ストレスの変化だけを追えば両方が候補になり、活動も増やしたいなら運動型の結果にも目が向く。ただし、ゲームをしない群との比較ではないため、両群の改善をゲームそのものの効果と断定することも、運動型と座位型の効果が同じだと判断することも避けたい。[2]

数字の読み方にも注意がいる。29人、8週間という情報は試験の大きさと期間を示すものであり、気分が何割改善したかを示す数字ではない。この研究を、運動型の方がストレス改善で優れていたという効果量に置き換えてはいけない。心理面の変化について言える範囲は、両条件で改善が認められたところまでである。[2]

帰宅して座るゲームを選んだ日に、運動しなかったから休憩として失敗だった、と決める必要はない。一方、気分の切り替えに加えて日常の身体活動も見直したいなら、その目的は別に持ってよい。試験が示す違いを生活に持ち帰るなら、「どちらが偉いか」よりも「何を確かめるか」を分ける読み方になる。[2]

短い休憩では、座位でも前向きな感情が増えた

短時間の遊びに近いのは、2分間のカジュアルなエクサゲームを使った準実験研究である。研究は、上半身と全身を使う操作の比較、上半身を使いながら座る場合と立つ場合の比較から成る。長時間の運動プログラムではなく、座り仕事の合間に入れるような短い活動に焦点を当てている。[5]

上半身と全身の比較では、操作を自分で制御できる感覚は上半身を使う条件で有意に高かった。一方、本人が感じるきつさと没入感には有意差がなかった。動かす範囲を広げれば、操作の手応えも入り込む感覚も一緒に増える、という単純な関係ではなかったのである。[5]

座位と立位を比べると、前向きな感情は両条件で有意に増加した。立位の方が実際の身体的負荷はやや高かったが、前向きな感情、感じるきつさ、楽しさ、ゲームの成績には群間差がなかった。体への負荷が少し違っても、気分の結果には差が検出されなかった点が重要だ。[5]

ここで「有意差なし」は、あらゆる条件で完全に同じだという証明ではない。この研究の短いゲームと動作の条件では、差があると判断できなかったという意味になる。それでも、立つ方が気分のために必須だという読み方を支える結果ではない。休憩に選べる姿勢を狭めずに済む知見である。[5]

午後の作業で席を立ちにくい日、上半身を使う短い遊びを候補にすることには研究上の手掛かりがある。ただし、それは指先だけで操作するあらゆるミニゲームに同じ結果を約束する話ではない。2分という時間も、この研究の設定であって、ストレス発散に必要な最低時間や、最適時間として示されたものではない。[5]

画面の中では大冒険でも、現実の動作は小さいことがある。その小ささだけを理由に、気分の変化まで小さいと見積もることはできない。一方、楽しかったという感想だけで、全身運動と同じ身体活動を行ったことにもできない。短いゲームの研究は、休憩の評価を感情と動作に分ける助けになる。[5]

休憩の場面に置き換えるなら、会議の合間に体を動かす余地がある日と、移動中に座って過ごす日を、同じ条件だと思わないことだ。前者で上半身を使うゲームを試せたとしても、後者で指先の操作しかできないなら、研究との近さは変わる。どちらの休憩にも勝敗をつける必要はないが、結果を説明する際には動作の違いを残しておきたい。[5]

短いゲームの結果を読むときは、変化の向きと条件間の差も区別したい。座位でも立位でも前向きな感情が増えた、というのは各条件の前後の話である。座位と立位に有意な差がない、というのは条件同士を比べた話だ。前後に変化があったことだけを見て、立つ方が優れたと判断することはできない。逆に、群間差がないから、どちらにも変化がなかったと読むのも誤りになる。[5]

この研究では、楽しさやゲームの成績についても座位と立位の差は検出されなかった。立つことを追加した分だけ遊びの成績まで上向く、という話でもない。休憩に期待するものを増やしすぎず、感情の変化を知りたい日は感情を、動作の量を知りたい日は動作を見る。その順序なら、ゲームの点数を気分の点数に見立てずに済む。[5]

数字で読むゲームと気分の比較

29人:運動型と座位型に無作為に分けた、治療中の患者の予備試験の参加者数である。[2]

8週間:同試験の介入期間であり、心理面の改善は両条件で認められた。[2]

2分:座位と立位などを比較したカジュアルなエクサゲームの実施時間である。[5]

34人:同じ参加者が仮想現実あり・なしの自転車運動を行った成人の比較研究の人数である。[15]

30人:運動型ゲームとトレッドミル歩行の生理・心理反応を比べた健康な成人の人数である。[16]

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宮川涼 Founder

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