ワイドスクワットを半年続けたら何を測る?同じ重さと繰り返す力の違いを読む

ワイドスクワットを半年続けた結果は、回数だけで判断できるのか。同じ重さを使う場合と、強くなった分だけ重さを増やす場合では、持久力の読み方が変わる。最大筋力、繰り返す回数、疲れによる動作の低下を研究で分け、見た目だけに頼らず継続の変化を記録する方法を考える。

半年前の記録帳には「途中で終了」。いまはワイドスクワットを最後まで続けられる。鏡の前では違いが分からなくても、運動の記録には変化がある。ただ、その回数の増加をそのまま「筋肉が疲れにくくなった」と読むには、比較した重さを確かめたい。同じ重さで行う試験と、その時点の最大筋力に合わせて重さを変える試験では、筋持久力の結果が異なりうる。[7]

答えの芯は、半年という日付より、開始時と現在で何をそろえて測ったかにある。筋力が増せば同じ課題をより多く繰り返せる場合があり、反復回数の増加と、動作中に力が落ちにくくなることは別に評価する必要がある。[4][17]

ここではワイドスクワットを続けた結果の見方を、抵抗を受けながら筋肉を使う運動、すなわち筋力トレーニングの研究から考える。個人の半年後の到達回数を予言する記事ではない。既存記事「ワイドスクワットは下から立つだけでも育つ?筋肥大と筋力の違いを読む」に動作の局面と筋肉の成長の問いを譲り、今回は継続前後の測定条件に焦点を置く。

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半年後の結果には、まず測ったものの名前を付ける

最大筋力とは、最大限に発揮できる力の側からみた能力である。研究では、ある動作を正しく行える最大の重さを測る方法が使われる。1回だけ持ち上げられる最大重量を表す「1RM」はその代表であり、何回も動けるかを調べる筋持久力の試験とは役割が異なる。[4][7]

筋持久力にも測り方がある。開始時と終了時に同じ外部負荷を使い、可能な反復回数を比べるのが絶対的筋持久力の試験である。一方、その時点の最大筋力に対して一定割合となる負荷を使うのが相対的筋持久力の試験だ。相対的という言葉は、人と比べる意味ではなく、本人の現在の最大筋力に対して負荷をそろえる意味で使われる。[7]

たとえば、記録帳に「同じ重りを持って前より多くできた」と残す場合と、「いまの力に合わせて重りを増やしても多くできた」と残す場合は、答えている問いが違う。前者は固定された課題への対応、後者は最大筋力に対する負担をそろえた反復能力を見る。どちらかを本物、もう片方を見かけと扱う必要はない。[7]

自重のワイドスクワットでは、手に持つ重りがなくても動作条件の確認が要る。「同じ動画を見ていた」という記憶だけで、同じ試験だったとは決まらない。ここで役立つのが、筋持久力を測る際は反復のテンポを統制し、報告すべきだという研究上の提案である。回数と一緒に、どんな速さで繰り返したかを残す発想につながる。[7]

半年という節目を、体の採点日にする必要はない。「重さを固定した課題」「現在の力に合わせた課題」「動作の後半の変化」と見たいものに名前を付ければ、同じ回数でも違う成果を拾える。続けた日数だけが書かれた記録より、比較の条件が書かれた記録のほうが変化を解釈しやすい。[7][17]

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同じ重さで回数が増えることは、筋力の成果でもある

筋持久力の測定を扱った系統的な文献レビューは、51研究を対象にしている。そこで示された大きな傾向は、筋力トレーニング後には相対的筋持久力よりも絶対的筋持久力のほうが改善しやすいというものだった。筋持久力が増えたという見出しだけでなく、負荷の決め方を読む必要がある。[7]

この違いを具体的に示すのが、160人を無作為に群分けした腕のトレーニング試験である。参加者は6週間、週3回の肘を曲げる運動を行う群などに分けられた。利き腕だけを鍛えた群では、鍛えていない反対側の腕でも、絶対的筋持久力の変化が平均4.9回となり、運動しない対照群の1.2回を上回った。18〜39歳の女性のワイドスクワットにこの増加回数をそのまま当てはめず、腕での負荷の比較として読む。[4]

ところが、相対的筋持久力の改善がみられたのは、測定した腕自体を鍛えた群だった。片腕を鍛えれば反対側のどんな持久力も伸びる、という結果ではない。研究の媒介分析では、最大筋力の増加が絶対的筋持久力の変化を正の方向に媒介していた。筋力の伸びが同じ重さでの反復を支えた可能性がある。[4]

これは腕の試験であり、足幅を広げたスクワットの結果をそのまま表すものではない。それでも、「回数が増えた理由には筋力の向上もありうる」という読み方を具体的に教えてくれる。ワイドスクワットの記録を見直す際にも、回数が増えたからといって最大筋力とは無関係な成果だと切り離さないほうがよい。[4][7]

夕方、立川駅の階段を上ってから家で運動する場面を思い浮かべたい。以前と同じ課題に取り組めることを確かめたいなら、同じ条件での反復は目的に合う。一方、成長後の力に合わせた負担への対応を知りたいなら、固定負荷の回数だけでは問いに届かない。暮らしの目標と測定の目標を先に結び付けるのが筋道である。[7]

「同じ重さでできた回数」を過小評価する必要もない。最大筋力が増えた分も含めて、同じ課題をこなす能力が変わった記録だからだ。研究が求めているのは成果の取り消しではなく、何が変わったのかの言い方を正確にすることである。[4][7]

立ち上がる回数と、後半に失速する程度は分ける

脚の運動に近い例として、健康で活動的な若い成人23人をトレーニング群と対照群に無作為に割り付けた研究がある。トレーニング群は短い休憩を使う筋力トレーニングを4週間行い、椅子からの立ち座りや筋力の測定を受けた。立ち座りは1分間の反復回数だけでなく、動作の時間、速度、パワー、運動中の成績低下も評価された。対象は若い成人だが、18〜39歳の女性がワイドスクワットを続けた際にも同じ変化になるかは別に確かめる必要がある。[17]

トレーニング群では1分間の立ち座り回数が16%増え、推定された1回の最大挙上重量は36%増えた。一方、研究で評価した疲労によるパフォーマンス低下には、トレーニングの効果がみられなかった。研究者は、立ち座り成績の向上を筋持久力よりも筋力に関連する改善から説明している。[17]

「回数が増えたのに、疲れへの強さは変わらない」は矛盾ではない。より大きな力を出せることと、反復中に成績が落ちにくいことを別々に測れば、このような組み合わせが現れる。回数という最終結果だけを見ていると、途中で起きている変化の種類を区別できない。[17]

パフォーマンスの低下とは、ここでは運動を続ける間に測定上の動作能力が落ちることを指す。「今日は疲れた気がする」という感想と同じ指標ではない。研究が速度やパワーなども使ったのは、立ち座りの総回数だけでは筋機能の変化を十分に読み取れないという問題意識からだ。[17]

この試験はワイドスクワットを半年追ったものではなく、短期間の立ち座り能力を調べた小規模な試験である。16%という変化を自分の半年後の予定表に書き込むことはできない。ただし、回数、力、反復中の低下を別々に見る意義は、脚の運動の具体例として理解できる。[17]

写真では分からない成果を探す際にも、この区別が役立つ。反復の総数だけを増やすことを唯一の目標にすると、すでに伸びている力を見落とすかもしれない。体型の変化を求めるかどうかとは別に、身体が同じ課題をどう処理するようになったかを記録する余地がある。[7][17]

研究の比較で見落としやすいのは、出発点と終了時点で同じ言葉が違う負担を指しうることだ。「最大筋力に対して同じ割合の負荷」と言えば条件が一定に聞こえるが、最大筋力が変われば持ち上げる実際の重さも変わる。絶対的な試験は実際の重さを固定し、相対的な試験は本人の力に対する割合を固定する。どちらも条件をそろえているが、固定している対象が違うのである。[7]

このため、最大筋力と反復回数がともに増えた人と、最大筋力が増えて相対的な反復回数は変わらなかった人を、回数だけで順位付けするのは難しい。後者の負荷は、成長後の最大筋力に合わせて更新されている可能性がある。前後で持った重さを読むことは、数字に言い訳を添える作業ではなく、測定した課題を確認する作業なのだ。[7]

立ち座り試験でも、回数の増加は速度やパワーに関連する指標の改善と相関していた。相関とは、一緒に変わる傾向を表すもので、どの変化が原因かを単独で決めるものではない。少人数の短期試験で示された関係を使って、家でのスクワットの増加分を筋力由来と持久力由来に計算で振り分けることはできない。研究から受け取るのは割合の処方ではなく、測定項目を分ける手掛かりである。[17]

数字で読む繰り返す力の測り方

51研究:絶対的筋持久力と相対的筋持久力の変化を検討した文献レビューの対象数として数えられた。[7]

160人:片腕または両腕のトレーニングと、運動しない条件などを比較した無作為化試験の参加者が含まれた。[4]

4.9回と1.2回:利き腕だけを鍛えた群と対照群における、反対側の腕の絶対的筋持久力の変化を示す。[4]

16%:活動的な成人の短期試験で増えた、1分間の立ち座り回数である。疲労による成績低下の改善率ではない。[17]

36%:同じ立ち座り研究のトレーニング群で報告された、推定された1回の最大挙上重量の増加率に当たる。[17]

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宮川涼 Founder

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