体脂肪率を落とす女性の筋トレは最初の量で違う?開始値と成果の読み分け方

女性が筋トレを始めるとき、最初の体脂肪率から脂肪の落ち方を予測できるのか。小児を対象にした研究の適用範囲を確かめ、体脂肪率と脂肪量で結果が異なるメタ分析を読む。食事時間や補助食品を加えた試験も手がかりに、他人の変化と自分の記録を比べる前に確認したい条件を整理する。

筋トレを始めた友人の記録を見て、自分の開始時の体脂肪率ならもっと変わるのか、と考える。ノートに書いた自分の数字の隣へ、友人の「始める前」と「今」を並べてみる。開始値が分かれば、自分の先も読めるのだろうか。

答えの芯は、開始時の脂肪の多さが運動後の変化と関係した研究はあるが、それを成人女性の筋トレ後の予測表にはできない、ということだ。直接その関連を扱ったメタ分析は、肥満のある小児・青少年が対象で、筋トレだけを比べた研究ではない。18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。[1]

もうひとつ、体脂肪率が下がったことと脂肪量が減ったことは、研究の結果でも同じ判定にならない。筋トレにクレアチンを加えたメタ分析では、体脂肪率の群間差は認められた一方、脂肪量の群間差は有意ではなかった。[6] まず読むべきなのは、開始値の順位より、何の変化を比較しているかである。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

最初の脂肪量を扱った研究は、誰の研究か

開始時の値とは、運動を始める前に測った値である。肥満のある小児・青少年の運動プログラムをまとめた研究では、開始時の体脂肪や体重に加え、介入の種類、運動強度、運動様式が、運動後の体組成の変化のばらつきに関係していた。体組成とは、体を構成する脂肪や脂肪以外の部分に着目した評価で、この研究では体重、体脂肪率、除脂肪量などが調べられている。[1]

このメタ分析に採用されたのは、5〜17歳を対象とする30研究である。運動には歩行やジョギング、自転車運動、高反復の筋トレ、それらの組み合わせが含まれた。運動だけの場合と、行動を変える働きかけを併用した場合も扱っている。18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、対象も運動内容も異なる。[1]

研究では、低強度で長時間の運動、有酸素運動と高反復の筋トレの併用、行動面への働きかけを組み合わせたプログラムで、好ましい体組成の変化が報告された。ただし、これは小児の肥満に対する運動介入の分析である。18〜39歳の女性にそのまま同じ組み合わせを指定する結論には移せない。[1]

ここで大切なのは、「始める前の状態も無関係ではなかった」と「始める前の値だけで結果が決まる」を分けることだ。分析には開始時の脂肪以外の要因も入っている。特定の開始値を持つ人が、どれだけ減ると約束する読み方はできない。[1] 数字を入力すると未来の体が出る、という便利さまでは引き受けていない。

友人と自分を比べるときも、年齢や生活の違いを飛ばして開始値だけをそろえる必要はない。少なくともこの研究が扱うのは、小児・青少年に行われた複数の運動介入と体組成の関係である。[1] 成人女性が自分の運動を評価するなら、対象の違う平均値を達成条件にせず、自分が実施した内容とその後の記録を対応させて読む、という使い方が穏当だ。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

割合が下がる結果と、脂肪量が減る結果を分ける

割合と重さの違いは、言葉の説明だけより、実際の比較研究で見ると分かりやすい。筋トレ単独と、筋トレにクレアチン摂取を加えた条件を比べたメタ分析は、63研究、計1,489人をまとめている。クレアチンはこの研究で筋トレへの追加条件として調べられた成分であり、ここでは結果の読み方を確かめるために取り上げる。年齢や性別を検討した複数の研究を統合した結果であり、18〜39歳の女性だけの予測値としては使えない。[6]

体脂肪率については、追加した群のほうが小さくなる差が認められ、効果量は−0.14だった。一方、脂肪量の効果量は−0.10で、有意な群間差は認められなかった。効果量は結果を比較するための尺度であり、ここに示した値をそのまま体脂肪率のポイント数や脂肪のkgに置き換えてはいけない。[6]

著者らは、体重の小幅な増加が主に除脂肪量の増加に由来し、それが体脂肪率のわずかな低下に寄与したと説明している。除脂肪量は脂肪以外の部分をまとめた指標で、筋肉だけと同じ意味ではない。この結果では、脂肪量に明確な追加効果がなくても、体の内訳の変化として割合が低下している。[6]

したがって、「体脂肪率に差があった」という見出しを「脂肪を余分に落とした」と読み替えると、研究が示す内容から離れる。また、群間差が有意でないという結果は、参加者全員の脂肪がまったく変わらなかったという意味でもない。何を比べた差かが先にある。この研究の比較相手は、運動をしない群ではなく筋トレ単独の群だ。[6]

既存記事「体脂肪率と女性の筋肉量は逆に動く?割合の分母と増減した重さを分けて読む」には、割合の仕組みそのものを譲る。ここで確かめたいのは、開始値から筋トレ後の成果を見込む際に、割合の結果と脂肪量の結果を混ぜないことである。筋トレへの追加介入が割合に及ぼした差を、開始時の脂肪量による差と取り違えないことも必要だ。[6]

筋トレ美女 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

開始値以外の条件が違えば、同じ筋トレ比較ではない

研究を読むときは、何を追加した試験かを確かめたい。筋トレだけの結果を知りたいのに、食事の時間帯を変えた試験や、補助食品を併用した試験を一緒に並べると、違う比較に同じ答えを求めることになる。食事時間を制限する研究とクレアチンの研究では、いずれも筋トレが含まれるが、試している追加条件は異なる。[2][6]

健康な成人を対象に、食べる時間帯を限る方法と通常の食事を、筋トレを行う条件で比べた系統的レビュー・メタ分析がある。採用されたのはランダム化比較試験、すなわち参加者を無作為に群に分けて介入を比較する研究で、5試験、計120人だった。18歳以上の健康な成人をまとめた結果なので、18〜39歳の女性にそのまま当てはめた優位性は判断できない。体重や脂肪量に有意な差を報告したのは、そのうち2試験である。[2]

このレビューでは、介入終了時の除脂肪量は群間で同程度であり、食事時間を制限する方法が除脂肪量を増やすという統計的な根拠は得られなかった。[2] 「筋トレと一緒なら、食べる時間を狭めるほど体の内訳が良くなる」と期待する前に、比較で確認された範囲を見る必要がある。

ただし、ここから食事時間の研究を開始時体脂肪率の研究に変えることはできない。この試験群で問われたのは、食事時間の制限を加えた条件が通常の食事より優れるかである。[2] 「自分は最初の脂肪が多いから、その方法の効果も大きいはず」と続けると、別の問いを付け足してしまう。開始時の状態、筋トレの内容、追加した条件を、文章の中でも別々の欄に置いておきたい。

夜のスマホで体験談を読むなら、変化した数字を保存する前に、その人が何を変えたのかを書き留めるとよい。筋トレを始めたのか、食事の時間も変えたのか、追加したものがあるのか。これは効果を保証する手順ではなく、比較の整理である。食事時間の比較を扱う研究と、筋トレへの成分追加を扱う研究が別々に設計されている理由を、日常の記録にも残すということだ。[2][6]

女性向けの予測にする前に、分析の限界を見る

クレアチンを加えたメタ分析では、年齢、性別、トレーニング経験などの参加者の特徴と、介入期間や頻度などの条件が結果に関係するかも調べられた。体組成については、サブグループ解析とメタ回帰のいずれでも、一貫した調整要因は見いだされなかった。[6] 条件別の分析からも、体組成について明快な予測式は得られていない。

サブグループ解析は条件ごとに研究を分けて比べる方法、メタ回帰は研究間の特徴と効果の関係を調べる方法である。この分析で年齢と筋力への効果の関連は示唆されたが、探索的な結果で、年齢群の人数構成にも偏りがあるため、慎重な解釈が求められている。[6] 筋力で示唆された年齢との関連を、女性の脂肪減少の予測に転用することもできない。

開始時の値が近い人を探すことと、開始時の値が効果を変えると確かめることも異なる。後者には、その特徴と介入への反応の関係を調べる分析が必要になる。クレアチンのメタ分析は参加者の特徴を検討したが、体組成では一貫した調整要因を見いだしていない。[6] したがって、平均の効果を見たあとで、自分の開始値に応じて上乗せや差し引きをする読み方は控えたい。自分に似た体験談が見つかることは、その計算が正しい証拠にはならない。

また、含まれた研究では栄養摂取やトレーニング歴の条件が不均一だった。[6] 研究を多くまとめたことと、自分に近い条件の人の結果が明確になったことは別である。性別が同じでも、開始時の状態や生活が異なる比較は残る。論文の人数は、個人向け予測の精密さをそのまま表す数字ではないのだ。

数字で読む開始値と筋トレの成果

30研究:開始時の脂肪などと体組成変化の関係を分析した、小児肥満の運動研究の数である。[1]

5〜17歳:そのメタ分析の対象年齢であり、成人女性の予測へ直接移すことはできない。[1]

63研究・1,489人:筋トレ単独とクレアチンを加えた筋トレを比べたメタ分析の規模である。[6]

−0.14:同分析の体脂肪率の効果量であり、体脂肪率がそのままこのポイント数だけ下がる意味ではない。[6]

−0.10:同分析の脂肪量の効果量で、有意な追加効果は認められなかった。[6]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約