サウナの髪への効果は濡れていると違う?毛髪の強度と熱の届き先を読む

サウナ前に髪を濡らすと、毛の強さは守れるのか。編んだ人毛を引っ張る実験、毛を減らすレーザーの熱、培養した皮膚の細胞、顔の皮膚の内部へ置いた焦点を分けて読む。温度の数字を美容の効果や部屋の設定温度へ移さず、自分の体感と混ぜない。立川で通う前に測った対象を確かめる。

シャワーを終え、毛先から水が落ちる。サウナに入る前、髪を濡らしたままにするか、タオルで水分を取るかで手が止まる。「濡れていれば熱から守れる」と聞いても、知りたいのは涼しさより、あとで髪が切れやすくなるかどうかだ。ここで扱う研究だけでは、濡らす方法と乾かす方法のどちらが毛の強度を守るかは決められない。[5][9][10]

検索語は「サウナ 効果 髪の毛」になる。返ってくる熱の話は、しかし毛の切れにくさを測った話ばかりではない。人の毛を編んで引っ張った実験は、皮膚の中の線維がどう並ぶかを示す模型だった。毛と熱を同じページで扱う皮膚科のレビューは、毛を守る手順ではなく、毛を減らすための熱の届け方を論じている。[5][10]

毛の強度を考えるには、引っ張った試料の構造と加熱の条件をそろえて読む必要がある。温度の数字も、何を何秒温めて、何で評価したかとセットでしか動かない。既存の記事「岩盤浴の濡れた髪は頭を冷やす?ロングヘアの水分と逃げる熱を読み分ける」は、頭から熱が逃げる側を扱っている。その論点は譲る。体重計の減少を体脂肪と分ける話は、「サウナと入浴で痩せるのか 体重計の減少と体脂肪を分けて読む温熱研究の科学」に譲る。こちらは、毛を引っ張ったときの曲線と、熱が届く場所を分ける。

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編んだ人毛は、皮膚の曲線を説明するための模型だった

皮膚は体のいちばん外側で、内臓を損傷や感染から守り、熱と水分のやり取りで体温と体内の水分を調えている。伸び、回復し、傷にも耐える必要がある。その内側の層である真皮のコラーゲンが、変形とともにどう並びを変えるかを追った材料の研究がある。人の皮膚に似ているという理由で、材料には幼いブタの真皮が使われた。18〜39歳の女性の毛髪へそのまま当てはめる対象ではなく、線維の配置と伸び方の関係を調べる材料実験である。[10]

真皮のコラーゲンは、立体的に織られた構造をしていた。変形が進むとその織りは変わる。破断のあと、線維は引っ張った方向へまっすぐ伸び、その方向へ揃っていた。引っ張る速さの変化、繰り返しの負荷、力を保ったときの緩み、切る向き。これらの条件の効果は、数値として押さえられている。画像の相関で、皮膚が方向によって伸び方が違うことも定量され、ポアソン比も報告されている。ポアソン比とは、縦に伸ばしたときに横がどれだけ縮むかの比である。[10]

さらに、互いに垂直な3つの面で透過型電子顕微鏡を使い、コラーゲンの向きと曲がりからひずみを数量化した。異なる深さで撮った共焦点の画像も併用している。この研究のもう一つの実験が、編んだ人の毛を引っ張る模型である。その毛は、皮膚と似たJ字型の曲線を示した。J字型とは、引き始めは伸びやすく、先へ進むほど抵抗が増す形である。著者らは、この線維の配置が、ひずみとともに接線係数が単調に増える理由の少なくとも一部だと提案している。接線係数とは、その時点の伸びにくさである。[10]

ロッカーで髪を指に巻いて、今日は弱い、と判断するとき、人は手触りを強度だと思っている。この模型が比べているのは、編んだ線維が皮膚の曲線を再現するかである。サウナの前後で、同じ人の毛を濡らした状態と乾いた状態で引き千切る比較ではない。皮膚が熱と水分をやり取りする、という文も、皮膚の役割の説明であって、濡れた毛の切れにくさの測定結果ではない。[10]

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毛を熱で扱う医学は、残すためではなく減らすためだった

皮膚科のレーザーを批判的に更新したレビューでは、太田母斑などの色素病変、脱毛、血管病変、脚の静脈、刺青、皮膚の表面を削る処置が、光で熱を出す治療として受け入れられている。対象は皮膚科の治療であり、18〜39歳の女性がサウナで受ける熱への適用には、熱源と目的の違いがある。狙った標的を熱し、そのあと選択的に傷が治る、という流れである。[5]

小さい色素の標的、たとえば太田母斑の真皮メラノサイトには、1マイクロ秒未満の短いパルスが向く。毛包のような大きい標的は熱緩和時間が長く、より長いパルスが向く。熱緩和時間とは、熱が周囲へ散って温度が下がるまでの目安である。色素を持つ標的では、理想のパルス幅はその熱緩和時間にほぼ等しい、とレビューは整理する。[5]

ここからが、美容の検索とすれ違う地点である。本当に壊したい細胞が、色素のそばにあるとは限らない。毛を永久に減らすうえで重要だとみられているのは、色素を持たない毛包幹細胞で、毛の外側の外毛根鞘に並び、色素のある毛幹からは離れている。毛幹の熱緩和時間より長いパルスは、熱を伝導させ、この幹細胞をよりよく損傷する。レビューが毛と熱を結び付けるとき、向きは残す側ではなく、壊す位置まで熱を届ける側である。[5]

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表皮を冷やす話は、ミリ秒のパルスと組になっている

同じレビューは、表面の冷やし方をパルスの長さで分けている。約10ミリ秒より長いパルスでは、冷たい媒体を通して冷やすほうが表皮の保護によく働く。例として、皮膚に接触させる冷たいサファイアが挙がる。短いパルスから表皮を守るには、事前に冷媒を噴霧する動的な予冷却がよく、ポートワイン母斑の治療がその例である。[5]

冷やす、という語だけを抜き、シャワーで濡らした髪へ接続したくなる。接続の前に、時間の桁を残す。ここでの冷却は、ミリ秒からその少し上のパルスに対して、皮膚の表面へ冷たい固体や噴霧を当てる操作である。サウナ室に入る前の濡れた毛先を、この配置と同じものとして扱わない。レビューが言っているのは、パルスが長いほど、毛幹から離れた幹細胞へ熱が伝わる一方で、表皮側は接触冷却と相性がよい、という治療上の組である。[5]

タオルで毛を強くこする話は、既存の記事「ホットヨガ後のヘアケアは強く拭く?濡れた髪と摩擦、ヘアオイルの役割を読む」に譲る。こちらで残すのは、冷却が効くとされるパルスの長さと、熱の標的が毛幹か幹細胞か、という区別である。[5]

1分未満の熱では、細胞の種類で生き残りが分かれる

乾癬では、角化細胞の増殖と神経線維の活動が高まり、病変ができる。色素レーザーはこの病変に効くが、仕組みははっきりしていない。一つの仮説は、熱が周囲の構造へ拡散して損傷を起こす、というものである。短時間の加熱への耐性を細胞の種類ごとに比べることが、この実験の目的である。そこで、人の内皮細胞、平滑筋細胞、神経細胞、角化細胞を培養し、2〜20秒、45〜70℃の組み合わせで温めた。対象は培養細胞なので、18〜39歳の女性が入浴中に受ける影響へそのまま当てはめることはできない。[9]

生存の評価は、加熱から24時間後の細胞内ATPである。ATPは、細胞が活動に使うエネルギーを持つ分子で、ここでは生きている度合いの指標として測られた。細胞の種類によって生存は有意に異なり、その差のpは0.0001未満だった。とくに50〜60℃では、神経細胞と角化細胞の生存が、内皮細胞と平滑筋細胞より有意に低かった。神経細胞と角化細胞のあいだでは、致死となる熱エネルギーの量、LT50に有意な差はなかった。一方、CEM43という熱の蓄積の計算では、4種すべてのあいだに有意な差があった。[9]

著者らの含意は、熱損傷への感受性は細胞の種類に依存し、神経細胞と角化細胞はレーザーから拡散する熱に特に弱い、というものである。その損傷が、乾癬の神経と炎症の経路を調整するのに役立つ可能性がある、とも述べる。これは培養皿の細胞の話であり、生えている毛を部屋の空気で温めた話ではない。角化細胞は皮膚の表面側で増える細胞であって、この実験の試料は毛幹そのものではない。[9]

数字で読む毛と熱

1マイクロ秒未満:小さい色素の標的に向くとされるレーザーのパルス幅である。[5]

約10ミリ秒:これより長いパルスで、冷たい媒体による表皮の冷却がよく働く、とレビューは整理する。[5]

45〜70℃:培養した人の内皮細胞、平滑筋細胞、神経細胞、角化細胞に与えた温度の範囲である。[9]

2〜20秒:同じ細胞実験で加熱した時間の範囲である。[9]

24時間後:加熱のあと、細胞内ATPで生存を評価した時点である。[9]

50〜60℃:この帯で、神経細胞と角化細胞の生存が内皮細胞と平滑筋細胞より低かった。[9]

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宮川涼 Founder

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