ダイエットで食事を抜くと普段の動きも減る?軽い活動の時間と消費を読み分ける

ダイエットで朝食を抜いた日に、歩く、立つなどの普段の動きまで減るのか。成人のレビューと女子生徒の比較試験から、活動時間と消費エネルギーの違い、差が出なかった結果、朝食の習慣による反応を読む。食事量だけで判断せず、通勤や家事を含む生活の記録で確かめる視点を示す。

朝食の皿を出さずに仕事を始めた。昼まで食べずに済んだが、夕方は洗濯物を取り込むのがおっくうで、買い物も翌日に回した。そんな日を振り返るとき、食べなかった分だけを数えてよいのだろうか。

朝食を抜くことで、その後の生活の中の身体活動が減る可能性はある。成人の研究を扱うレビューはその可能性を指摘する一方、比較試験には活動時間や消費エネルギーの差が出なかったものもある。答えは、誰の、どの活動を測ったかによって変わる。[16][19]

既存記事「ダイエットで食事を抜くと次の運動は変わる?補給と出せる力を分けて研究で読む」は、運動中に出せる力の問いを扱う。ここで見るのは、レッスンの外側にある歩行、家事、座っている時間である。食事を抜く研究の中でも、とくに朝食を食べる日と抜く日の比較を手がかりにする。[4][14][19]

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食事を抜いた後は、食べた量と動いた量を別々に見る

成人の朝食とエネルギー収支を扱ったレビューでは、介入研究は概して、朝食を抜くとその日の総摂取エネルギーが減ると報告している。一方、朝食欠食によって自由な生活での身体活動が減る可能性も示されている。摂取側と消費側が同時に動くなら、抜いた食事の分だけで体の変化を予測することはできない。成人全般を扱うレビューであり、18〜39歳の女性に絞った活動の反応は、この結論だけでは判断できない。[16]

ここでいう自由な生活とは、実験のために決められた運動だけをする場面ではなく、普段の環境で過ごす場面を指す。レビューが分けているのは、基礎代謝への影響と生活中の身体活動への影響である。朝食は基礎代謝には影響しないようだとする一方で、身体活動への影響には不確かさが残るとしている。[16]

つまり、朝食を抜いた後に動きが減ったとしても、それを直ちに「基礎代謝が落ちた」と呼ぶのは違う。座る時間が長くなることと、体を安静にしたときの代謝が変わることは、研究で確かめる対象が異なる。食事制限を始めた人が生活を振り返るなら、まず見る場所は、以前なら歩いていた道を歩かなくなっていないかという行動である。[14][16]

栄養をとる時刻と代謝を扱う別のレビューも、朝の絶食を延ばす研究で身体活動の減少という行動上の補償が起こりうると述べている。補償とは、食事による変化に対して別の行動が変わり、差を埋める方向に働くことである。このレビューは、隔日の絶食による摂取制限でも活動が減り、減量の試みを弱める可能性を指摘している。これは人の食事時刻と代謝を扱う総説であり、18〜39歳の女性の日常活動に同じ変化が起きるかは、個別の試験で確かめる必要がある。[13]

ただし、これは食事を抜く人の行動がすべて同じという意味ではない。朝の食事だけを変えた試験と、絶食する日を設ける方法は、生活にかかる条件も違う。朝食欠食の話を、そのまま昼食や夕食を抜く場合の予測に広げず、どの食事を、どんな習慣の人が変えたのかを残して読む必要がある。[13][16]

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軽い活動は増えても、消費の差は出ないことがある

日常の動きと消費の違いがよく見えるのが、女子生徒27人を対象にした無作為化クロスオーバー試験である。平均年齢は12.4歳。参加者は毎日朝食を食べる条件と、朝食を食べる日と抜く日が交互に来る条件を、それぞれ7日間経験した。同じ人が両方の条件を経験する設計である。成長期の女子生徒の結果なので、18〜39歳の女性に同じ活動時間の差を当てはめることはできない。[14]

毎日食べる条件では、約1674 kJの標準化した朝食を午前9時より前に食べた。断続的に食べる条件では、その朝食を食べるのは3日で、残り4日は午前10時30分まで水だけだった。活動による消費は、心拍と加速度の測定を組み合わせて推定された。[14]

結果は、毎日食べる条件のほうが軽い身体活動の時間が1日19.8分長かった。差は起床後から午前10時30分までと、午後3時30分から就寝までに積み重なっていた。また、断続的に食べる条件では、午後3時30分から就寝までの座位時間が1日11.5分長かった。[14]

ところが、推定した1日全体の活動による消費エネルギーには、有意な差がなかった。中程度や強い身体活動の時間にも有意差は認められなかった。軽く動く時間の差と、消費エネルギーの差が、同じ結論にならなかった試験である。[14]

この結果を生活に重ねるなら、放課後に座って過ごす時間が違っても、その日の消費が明確に違うとまでは判定できなかった、という読み方になる。立川駅からの歩きや家の片づけに置き換えて考えることはできるが、試験の19.8分を成人の家事に割り当てたり、そのまま消費量に換算したりすることはできない。[14]

「活動が増えた」という短い説明では、何が増えたのかが隠れやすい。時間が増えたのか、強い運動が増えたのか、推定消費が増えたのか。この試験では、朝食を毎日食べる条件は軽い活動時間と結びついたが、推定消費が増えるという結果にはならなかった。この区別が、食べた分を歩いて相殺できるという計算を急がせない。[14]

動きが変わらなかった比較試験も読む

普段から朝食を抜く女子生徒を対象とした7日間ずつのクロスオーバー試験では、朝食を食べる条件と抜く条件で、身体活動による消費にも活動時間にも差がなかった。食べる条件は安静時代謝量の25%に相当する朝食を午前9時前にとり、抜く条件では午前10時30分までエネルギーを含むものをとらなかった。対象は思春期の女子であり、18〜39歳の女性でも同様に活動が変わらないかは、この試験だけでは決められない。[4]

この研究では朝食を食べる条件で食物繊維の摂取量が多く、たんぱく質の摂取量も多い傾向だった。一方、活動時間や活動による消費は変わらなかった。食事の内容が変わることと、その分だけ動きが増えることは、自動的につながっていない。[4]

また、平均年齢13.3歳の女子生徒40人が、標準化した朝食を食べる条件と食べない条件を各3日間経験した試験でも、座位時間や身体活動の時間に差は認められなかった。活動は加速度計で測り、食事は日誌と写真記録を組み合わせて調べている。18〜39歳の女性への適用には、成長期の対象と短い比較期間という違いを考慮する必要がある。[12]

この試験では、朝食を抜いた条件は、朝食後に相当する時間帯の摂取エネルギーが1日483 kJ多かった。それでも朝食を含む1日の総摂取エネルギーは、朝食を食べた条件のほうが1479 kJ多かった。後で余計に食べることと、抜いた分を全部食べ戻すことは同じではない。[12]

食べる量には差があるのに活動時間には差がない。そうした結果も、欠食後の生活を考えるうえで欠かせない。「後で食べるから必ず差が消える」「摂取が減れば必ず活動も減る」という、どちらの決めつけにも収まらないためである。ここで確かめられたのは、若い女子生徒の短い比較期間の反応であり、成人の長期の体重変化を示す数字ではない。[12]

活動の測り方にも目を向けたい。心拍と加速度を組み合わせて活動消費を推定した試験と、加速度計で座位や活動の時間を調べた試験では、結果として示している物差しが異なる。活動時間に差がないという文章を、そのまま体全体の消費が完全に同じという文章に書き換えると、測った対象を越えてしまう。[12][14]

また、毎日と断続的な朝食を比べた試験は、食べるか食べないかだけでなく、朝食を食べる頻度が違う比較だった。普段から欠食する女子生徒に朝食を加えた試験とは、参加者の習慣も条件の組み方も違う。「女子生徒の試験」という共通点だけで、結果の違いを矛盾と片づけるのは早い。朝食がある生活をどう作ったかまで見て、初めて比較の輪郭が分かる。[4][14]

食事をそろえる意味もある。試験で用意された標準化した朝食は、参加者がその日ごとに好きな量を選んだ朝食とは条件が異なる。各3日間の比較では、その朝食を加えた条件で炭水化物、食物繊維、たんぱく質の摂取が多かった一方、脂質の摂取には差がなかった。朝食という名前の有無だけでなく、そこで何をとったかが一日の食事の評価に含まれる。[12]

このため、活動時間だけを抜き出して朝食の価値を決めるのも狭い読み方になる。普段から欠食する女子生徒の試験では、活動の指標が変わらなくても食物繊維の摂取には違いがあった。歩く時間が増えるかという問いと、食事の内容をどう整えるかという問いは、それぞれ確かめる意味がある。朝食を「消費を増やす装置」としてだけ評価しない視点である。[4]

数字で読む朝食と日常活動

27人:毎日の朝食と断続的な朝食を比べた女子生徒の人数。成人を対象にした試験ではない。[14]

19.8分:毎日食べる条件で長かった、1日あたりの軽い活動時間。推定した活動消費には有意差がなかった。[14]

11.5分:断続的に食べる条件で長かった、午後3時30分から就寝までの座位時間。[14]

40人:各3日間の朝食条件を比べた女子生徒の人数。この比較では活動時間に差がなかった。[12]

49人:朝食を食べる週と昼まで食べない週を比べた成人の人数。全体の1日消費には差がなかった。[19]

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宮川涼 Founder

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